はい、メイドさん回です!
【カーリー・ファミリア】副団長のレベル6、バーチェ・カリフですか。
坊ちゃまの記憶にない方ですね。
クノッソスでの戦いで大鐘楼の音を聞いて興味をもったとのことですが、彼女自身でも自分の気持ちに気づいてないようですね。
…これは思わぬ戦力が手に入りそうです。
「んー、そうなら明日に来てくれるかい?ベル君に会わせるからさ。」
「いえ、ヘスティア様。うちに改宗させましょう。」
「え?」「何?」「ええっ!」
「どのような形にしろ、うちに忍びこみ捕らえたからには、こちらが扱おうとも問題ないはずです。」
【ゼウス・ファミリア】はともかく、もし【ヘラ・ファミリア】だったら、即・拷・殺ですからね。
「そりゃ、そうだけど…、そもそも彼女自身の気持ちの問題じゃない?」
「では、バーチェ・カリフ。貴方に問いましょう。貴方は今のファミリアに不満を持っているのではないでしょうか?顔を隠すといい、その目といい、迷いがあるようですが?」
「……そのとおりだ。私は双子の姉のアルガナがいる。私はアルガナが怖かった。アルガナに殺されるのが嫌だった。だから強くなるしかなかった。」
「……な、何でそんなことを…。」
「闘国はそういうところだ。殺し合わないと生きていけない。」
元バカ主神が言ってましたね。女性限定の修羅の国でと。
ダンジョンもなしに、昇華できるのは殺し合いですか…。
神ヘラが好みそうな国ですね。
「…パールヴァティーに聞いたことがあるよ。カーリーは闘争でしか、闘争を通して愛することができない、可哀想な女神だと。」
「(可哀想とかはともかく)…そうだ。カーリーは闘争の中で、強き戦士を生み出すことしか考えていない神だ。私は殺されるのが嫌だった。だから相手を殺すしかなかった。殺したくなくても、だ。」
「なるほど、だから表情を隠すために顔を隠して、その環境に慣れてしまったのですね。では、何故迷いが?」
「…今の【カーリー・ファミリア】は…恋に溺れている…。」
「は?」「え?」「ほう。」
「【ロキ・ファミリア】と【カーリー・ファミリア】に揉め事があって、それで…。」
「「ああ…。」」
「あんなに怖かったアルガナも、【勇者】フィン・ディムナによって負かされて恋に堕ちてしまった…。今は別の意味で怖い…。」
(フィン様は女運がなさそうですね。【怒蛇】のティオネ様もいますし…。よかったです!あの時のフィン様からの求婚を断って、リリは大・正・解です!ベル様に一生ついていきます!)
その時、【勇者】は盛大なくしゃみをし、寒気がした。
親指をさすり、何か非常に惜しいことをしてしまったような気にかられてしまったとのこと。
「なるほど。闘争だけ突き詰めてきた貴方にとって、恐怖の元凶および目標がなくなったということですね。そして、これから何を目標にして強くなったらいいのか、わからなくなったということですか。」
「…恥ずかしいが、その通りだ…。」
「失礼ですが、貴方は【ロキ・ファミリア】のどなたと戦われたのですか?」
「?ティオナ…ティオナ・ヒリュテだ。」
「【大切断】ですか(女性に負けても惹かれることはないですね)。」
「メイ君…。この子を、うちに改宗させるとしてもこの子の悩みが解消されるとは限らないんじゃない?」
確かに、そうですね。ですが、坊ちゃまに会わせて戦い合わせれば見えるかもしれません。
「ええ。ですから、バーチェさんは坊ちゃまに興味があります。そうですね?」
「…ああ、ティオナがアルゴノゥトと言っている彼に会って聞いてみたい。何のために戦うのかと。」
「なら、戦ってみませんか?」
「「「は?」」」
坊ちゃまは惹きつける力があります。特に女性に対して。
闘いしかない彼女が坊ちゃまと戦うことによって、見出すものがあるかも‥いえ、あるでしょう。
「ちょ、ちょっと待ってください!ベル様はまだレベル5になったばかりです!こちらのバーチェ様はレベル6です!かなうわけじゃないですか!」
「リリさん。戦争遊戯の相手は【フレイヤ・ファミリア】のレベル7【猛者】です。レベル6程度倒さなくてどうするのです?」
「無茶苦茶だろ…。」
「それに、私が相手にしてもいいのですが、多くの人との戦いの経験を積む必要があります。リリさん、坊ちゃまが冒険者になって半年でここまで来たのです。圧倒的な経験不足です。」
「それはそうですが…。」
「…!!冒険者になって半年で…レベル5…だと!?」
「おや、知らなかったのですか。では坊ちゃまの戦歴を説明いたしましょう。」
坊ちゃまのことを深く調べようとはせず、忍び込んで直接確認するという行動は褒められたものではありませんが、それはそれで好感が持てます。
…使えそうですね。
さて、説明しますか。
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「…そういうことだったのか…。知らなかった…。」
「ええ、そうです。」
「…なるほど…。ますます興味を持った。そこのメイド…いや貴女の言う通り戦ってみたい。」
「わかりました。では、今から神カーリーのところへ参りましょうか。」
「「「え?」」」
彼女を坊ちゃまと戦わせる前に、神カーリーと交渉をしなければいけませんからね。
「ちょ、ちょっと待ってくれよ!何故カーリーと話をするんだい?明日戦えばいいんじゃないか?」
「ヘスティア様。彼女は神カーリーの眷属。筋は通さなければいけません。それに、今回の忍び込んだ件の落とし前をつける必要がありますからね。」
「…うっ!?」「…そうだね。」
(やはりメイ様は敵に回してはいけません!)
(怖い…。やっぱり引っ越そう。明日から鍛冶場でこもって戦争遊戯のための魔剣を打とう。)
(…春姫殿を連れて【タケミカヅチ・ファミリア】ホームに戻りましょうか…?でも春姫殿はベル殿から離れたくはないでしょうね。困りました…。)
「しかし…、カーリーがすんなりと要求または私の改宗を受け入れるわけがないと思うが…?」
「問題ございません。私に考えがあります。」
(((……すごく嫌な予感がする…。)))
(…この女には逆らってはいけない…そんな気がする。)
17巻の最後で、「派閥大戦」があったので、【カーリー・ファミリア】も加わるんじゃないかなと思いました。
クノッソスの戦いでも加勢していましたし。
即・拷・殺は、「るろうに剣心」の斎藤一の「悪・即・斬」からもじったものです。
即⇒すぐに
拷⇒拷問して苦しめろ
殺⇒後悔させて殺せ
と…最恐らしくフレーズ作ってみました。
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