白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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久々のアーディさん回です!
セバスさんたちが宿屋のおじさんを脅したことで、ちょっと怒っています。


第410回 象神詩、反省。

私は【アマテラス・ファミリア】の使者の話を聞きながら、あることを思っていた。

古巣…【ガネーシャ・ファミリア】として聞き流せないことがあるんだ。

なので…、勇気を持って元【ヘラ・ファミリア】の【最恐執事】のセバスさんへ聞いたんだ。

「あの…、セバスさん?いいですか?」

「どうしましたかな?アーディ嬢?」

「質問があるんです…。宿のおじさんを脅して嘘情報を流したとのことですけど、何故、一般人に対してそのようなことをしたのでしょうか?」

うん、冒険者相手ならいいんだ。

けど、一般人はダメ。

それをどうしても聞きたかったんだ、どうして脅して言うことを聞かせたのかを。

 

そしたら、セバスさんは笑顔で答えてくれた。

「さすが、元【ガネーシャ・ファミリア】ですな。お答えしましょう。」

「「「ゴクリ…。」」」

な、なんだろう?

 

「宿のご主人は、オラリオへ来て間もなくの坊ちゃまを泊まらせました。」

「「「あっ…まさか。」」」

「ええ皆様のご想像の通り、宿のご主人は相場の数倍以上を坊ちゃまよりぼったくりました。」

「「「やっぱり…。」」」

…………。

納得したよ。一般人の宿のおじさんを脅迫せざるを得なかったことを。

ベルくんが被害にあっているなら…。

 

あーーーもーーーー!

あれほど!言ったのに!

旅人を騙さないで!と。

 

セバスさんは頭を抱えている私を見て、ニッコリと言ってくれた。

「これは【ガネーシャ・ファミリア】の怠慢ではないかと思いますが、いかがでしょうか?【象神の詩】?」

「申し訳ありませんでした!古巣がきちんと働いておらずすみません!お姉ちゃんたちへ強く伝えておきます!」

お姉ちゃんとイルタに言っておかないと…。

もーーーっ!あの宿場町の人たちはごうつくばりなんだから!

ベ、ベルくんに謝らなくっちゃ…。

 

私がそう思っていると、セバスさんは更に言葉を重ねた。

「いえいえ。私とメイがご主人に坊ちゃまがお世話になったというお礼で挨拶しました。今回のことを持ちかけると快く引き受けてくださいました。しかし、それ以前にご主人は大変後悔なさっておられたようです。」

「「「え?」」」

え?や、宿の親父さんが自ら乗った?

ど、どういうことなの!?

 

セバスさんは思いにふけるように話してくれた。

「あの宿のご主人は坊ちゃまの純粋な想いに打たれ、ぼったくった金を返金しようかかなり迷っておられたようです。半年間も罪悪感に悩まされて、その金にどうしても手を付けることができなかったようです。私どもへ返した上、土下座でお詫びをいただきました。その時の顔は呪詛が解かれたかのように、晴れ晴れとしておられましたよ。」

「「「…………。」」」

え?あの…宿場町のごうつくばりが?

嘘…その時のベルくんはまだ恩恵もらっていないはずなのに…。

 

セバスさんはかぶりを振りながら話してくれた。

「今回の件は、むしろあちらから協力させてほしいとのことでした。私共も予想が外れて驚いたぐらいです。坊ちゃまは恩恵なしでも、宿のご主人にも影響を及ぼしていたようですね。」

「すごい…ベルくん。」

「恩恵もないのに改心させるなんて、【アストレア・ファミリア】に欲しかったわね!」

「アリーゼ、それ以前にその時点で【アストレア・ファミリア】はリオンを除いて全滅しましたが?」

「笑えない冗談はやめて下さい…アリーゼ、輝夜。」

うん、本当に笑えない。

7年前に死んだことになっている私が言えることじゃないけどね!

まさか、リオンを除いた【アストレア・ファミリア】が全滅してたなんてその時はわからないよ!

 

更にセバスさんは教えてくれた。

「今回はうまくいったため、謝礼金を出したのですが拒否されました。むしろ坊ちゃまが泊まった宿として有名となったため、儲かっているそうです。今回のようなことがあれば是非協力させてくれ、とのことです。思いもかけず協力者が増えて驚いています。」

…マジ?

ベルくんはもう宿場町の人を味方に回したんだね…。

【ガネーシャ・ファミリア】もかたなしだよ。

 

でもね、それはそれ。これはこれ。

「それはいいことなんだけど…。他に犠牲者がいないとは限らないよね?宿場町にもベルくんのようなことが起こらないよう、お姉ちゃんたちへ伝えておかないと…」

「アーディ…、シャクティがますます胃を痛めると思います…。」

私はもう【ガネーシャ・ファミリア】じゃないもーん。

ごめんね!お姉ちゃんたち!

 

■■■■■■■■■■■■

数日後

「…ぼったくりか。宿場町へは注意喚起しろ。あと旅人の声にも耳を傾けておけ、できる範囲でいい。」

「「「了解しました!」」」

「ふぅ…、【ヘスティア・ファミリア】が最強派閥になってから、いやオラリオ連合が設立してからオラリオの治安が以前と比べて格段によくなったな。我々にも余裕が出来て、多少楽になってきた。」

「そうだな!これもそれも【白兎の脚】のおかげだな!…まだ冒険者になって1年もないのにな!」

「アーディの件も含めても、我々【ガネーシャ・ファミリア】は彼に対して本当に足を向けて寝られないな。…規格外にも限度あるだろう、はぁ…頭と胃が痛い。」

「同意する!…アーディが戻ってきてくれたのは今でも夢ではないかと思っている!ところで姉者、アーディの様子を見に行かないか!」

「…近々にガネーシャと一緒に行くつもりだ。お前も来るか、イルタ?」

「行くとも!」

■■■■■■■■■■■■




宿のおじさんは脅されたではなく、自らすすんでやってくれたようです。

本編でも、ベルくん短編で宿のおじさんと会い気まずそうにしていましたね。
宿のおじさんもかなり罪悪感を持っていたと思います。
ベルくんが活躍すればするほど…。
なので、今回のことはお互いにとって渡りに船だったかもしれません。
…と本小説はそう設定させていただきます。

そして【ガネーシャ・ファミリア】も【アストレア・ファミリア】と同じく、足を向けて寝られなくなりましたね!

感想・評価をいただけますと、嬉しいです!

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本日から、2023年1月3日まで連載していきます(変更もあるかもしれません)。
時間はいつもの通り、18時更新です。
よろしくお願いします!

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