白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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久々の輝夜さん回です!
今回で、「【アマテラス・ファミリア】前兆」編は完了です。




第411回 毒舌女、苦悩。

馬鹿狐は精神が壊れ、本当にまともになりましたね。

同情はいたしません、自業自得なのですから。

そして、私達は彼らの荷物を探りました。

「ヘスティア様に献上した箱には、確かに十億ヴァリスが入っていましたね。リリルカ・アーデが確認しましたので間違いないようです。」

「恐らく、奴らはネコババしようとしたのでございますねえ。相も変らず浅ましいですこと。」

「あんたが出たくなる気持ちが少しわかったわ…。」

それだけでならまだマシだったのですがねえ。

奴らは更にもっと浅ましいことをしていますから。

 

私たちは奴らの荷物を漁った。

…色々と入っていますね。

特に地図が多い。

しかも軍に関する資料もある。

軍機密のはずでございますがねえ。

 

ただの使者なのに、何故このような機密書類があるのだ?

腑に落ちん…。

 

…箱?随分と粗末な箱だな。

奴らにしては珍しい。

派手で高級な箱ばかりだというのに。

 

何が入っているのだ?

「む?……これは、まさか!?」

「どうしたの?輝夜?」

「馬鹿な…持ち出し禁止の『朝廷』本殿の間取図がここにあるとは!?」

「うっかり入れてしまったのではないですか?」

「そんなはずがない!これは【アマテラス・ファミリア】の上層部の神、ジョウノ家当主でも多くの手続きを踏まないと手に入らないものなのだ!奴ら如きが手に入るようなものではない!」

あり得ないのだ!

しかもこんな粗末な箱ではない!

もっと重厚で金箔が張り詰めたもので、呪詛がかけられている箱に入れていると聞く。

 

私がそう思い出したところ、アリーゼが言った。

「でも…ここにあるよね?」

「…そこまで情報がただ漏れになるほど腐っているのか?」

もし、そうなら【アマテラス・ファミリア】は末期状態にあるということだ。

最悪の場合、闇派閥になっていることもありうる。

 

私が考え込んでいる間に、命が何かを発見したようだ。

慌てて私のところへ持ってきた。

あり得ないものを。

「あの…輝夜殿。これは…ヤマタノオロチについての資料ですか?」

「な、なんだと!?見せてみろ!……確かに、私が昔盗み見したヤマタノオロチの古文書だ。これも同じく、持ち出し禁止のものなのだぞ!」

間違いない!

…何故このような物が末端にすぎない奴らが持っているのだ!?

あり得ない!

 

多くの地図といい…。

『朝廷』本殿の間取図といい…。

ヤマタノオロチの古文書といい…。

 

まるで、どうぞ【アマテラス・ファミリア】へ攻め込んで下さいという意思を感じるのだが…。

気のせいだろうか?

いや、気のせいに違いない。

奴らの中でそのようなことを思うような者はいないはずだ。

 

私がそう思っている時に、リオンが言った。

「…こう立て続けに、持ち出し禁止の資料が入っているとは何者かの意を感じますね。」

「確かにね!」

やはり貴女達もそう思いますか。

あり得ないはずだが…、こうも機密書類が多くあるとあり得てしまう。

特に外国へ持ち出す物は厳重に確認するはずだ。

 

いや、これは罠なのか?

攻め込むなら攻め込んでこいというメッセージなのか?

いや、あり得ない。

弱きをくじき強きに媚びる、というのを形にした奴らだ。

こんな手の込んだようなことをするはずがない。

 

……もし、攻めてくれというメッセージなら。

奴らのような無礼な使者を差し向けたのもうなずける。

 

奴らがヘスティア様を怒らせるようにするならば?

宿の親父が嘘情報を流したのはかえって確信をもたせたのであれば?

そして若様の性格上、春姫に対して侮辱したことを怒らせるようにするならば?

 

馬鹿な!?

そんなことをして何になる?

【アマテラス・ファミリア】が壊滅してもいいという輩がいるとのいうのか!?

 

まさか…主神アマテラス自らがこれを?

いや、あり得ない。

主神アマテラスは邪神共の手によって、政治に口出しさせず何もできないようにされているはずだ。

特に、使者の指名や荷物などは一切何もできないはずだ。

 

では、誰だ?

誰がやったというのだ!?

 

私がそう苦悩している時に、アルフィアが言った。

「構わないだろう?罠なら罠で食い破ればいい。」

「!確かにそうですね…、すみません。気弱になっていたようです。」

「ふん、たるんでいる証拠だ。無心で稽古に励め。」

「…リオン、手合わせをお願いする。」

「はい!輝夜!」

いかんな、私としたことが。

そうだ、アルフィアの言う通り私達が乗り込んで、そのような企みを砕けばいいだけだ。

 

いけませんねえ…、古巣のこととなると弱気になってしまいます。

特に…妹のことを考えると。

 

いけません。

こういう時はリオンを見習わなければいけません。

「……何か侮辱されたような気がします。」

「気のせいです。潔癖ポンコツエルフ様?」

「私はポンコツではない!」

クスクス。

…リオンがいてくれて、助かった。

いや、皆がいてくれてだな。

 

まさか、アルフィアに助けられるとはな。

これらも…若様による幸運でしょうか?

 

アルフィアはそんな私の考えていることをよそにして言った。

「これについては私が直接奴へ聞いてみよう。……メーテリアと一緒にな。」

「だ、大丈夫なの?」

「……仕方がないだろう、メーテリアが調整したんだからメーテリアしかできないんだ…。」

「「「………。」」」

…そうですね。

アルフィアより恐ろしい義母上がおられましたね。

あの時…、義母上がアルフィアとザルドを叱った時は忘れられません。

怖かったですねぇ。

 

アリーゼがアルフィアに聞こえないよう私達へ言った。

『大抗争の相手がメーテリアさんでなくてよかったわ!』

『それ以前にベルを溺愛しているので、まずオラリオへ来ないと思いますが。』

『そうだな。もし邪神エレボスが若様を攫って、義母上に言うことを聞かせていたら…。』

『やめてよ!そんな恐ろしいことを言わないでよ!鳥肌たったじゃない!』

『ベルを助け出すまで殺戮しまくっていたでしょうね…。』

『そしてオラリオには義母上と若様以外、立っている者はいなくなった…と。』

『ひぃっ!』

『輝夜……脅かさないで下さい。いや、本当に想像してしまったではないですか…。』

ええ、恐ろしいです。

若様がもし邪神エレボスによって人質にされていたら…。

義母上は、きっと目につく者を全員破裂させていたでしょう。

邪神エレボスの思惑と関係なく…。

 

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「…では、この間取図と資料には心当たりないのね?」

「ハイ、ゴザイマセン。ソノヨウナキチョウナモノヲ、イレタオボエハアリマセン。」

「となると、第三者が入れたということになるか。」

「うーん、私のカンだと悪い人ではないような気がするよね。」

「……一応気をつけておくか。」

「むー!どういう意味よー!」

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使者の荷物の中にとんでもないモノが入ってましたね。
誰かが入れたのでしょうか?
罠でしょうか?
または手助けでしょうか?

大抗争で参加していたのが、本小説のメーテリアさんだったら…。
闇派閥であろうが、最強派閥であろうが、神であろうが、
ベルを手元に置くまで…無表情で無口で惨殺していたのは間違いありませんね。
エレボスさんが「返します!絶対に無傷で息子さんを返しますから、これ以上はやめて下さい!あっ、ヴィトー行くんじゃねえ!アーーーッ!」と…。

感想・評価をいただけますと、嬉しいです!

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2022年は411回まで続くことができました。
ここまで読んでいただきありがとうございます!

皆様、良いお年を!
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