白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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新年三回目は…プロメテウス様です!
見破られた方が初登場です。



第414回 先見神、想定外。

はぁ…本当に想定外だ。

あの戦争遊戯の後に、好々爺と最悪女があの少年のところへ行くとは思わないだろうに。

いや…想定はできたがこんなに早くとは。

 

ヘラのあの少年への思いを甘く見たな。

…想定するというのが無理というものだ。

 

ちっ…戦争遊戯前にオラリオへ駆けつけるべきだったな。

今となっては詮無きことだがな。

 

本当に想定外だ…。

よりにもよってこの好々爺がいて、見抜けられるとはな。

 

ゼウスとヘラはともかく、フレイヤとアストレアとアルテミスが完全なヒューマンとなっているのはどういうことなのだ?

 

こんなの読めてたまるか!

 

しかも、ヘスティアの眷属で神である私の正体を見抜くことができる魔法を持っているだと?

ふざけるな!そんな規格外の魔法を持つ子がいるなんて聞いてないぞ!

 

!?そうか!

だからか、あの時の戦争遊戯でタイミングが際どかったのはその子の魔法か!

……奴が言ってたな。

「まるで机上でチェスしているようだな。」と。

 

…レアが動揺しているな。

やむを得ん。

数百年も奴を、レアを、皆を、プロメテウス教団を、オリンピアを騙してきたのだから。

 

レアが泣きそうな顔で話しかけてきた。

「イ、イリア…。貴女が…いえ、貴女様がプロメテウス様だったのですか…。」

「…そうだ。長年騙すようなことをしてすまなかったな、レア。」

レアは巫女長をお願いしていた。

奴の目から逃れるためにな。

 

そして悲痛な表情をして私へ怒鳴った。

気持ちはわかる。

 

恨んでいるのだろう、私を。

憎いのだろう、私を。

お前たちの娘たちを…見殺しにした私を。

「だったら何故!あの時、シオンたちを助けなかったのですか!」

「…あの時点では手遅れだったのだ。あの暴発は下界を滅ぼしてもおかしくはなかった。あの程度ですんだのは不幸中の幸いなのだ。それはレア、お前もわかっているはずだ。」

レアには悪いが、天の炎の暴走があの程度で済んだのだ。

だが…天の炎があのようなことを行うのは本当に想定外だった。

 

レアは怒りを収めたような顔をして、呟いた。

「……っ!それはわかっています…。そしてあの人が…。」

「そこまでだ。それも私の罪だ、レア。」

「プロメテウス様…。」

そうだ。奴がああなったのは私が奴を任命したのがきっかけなのだ。

お前は何も罪もないのだ。

お前は奴にああ言わなくても、奴はいずれああなっていた。

それは間違いない。

 

ヘラはその私を察して、話に入ろうとした。

全く見事な変装だった、入った時から見抜くべきだったな。

いや…ヘラが来ているとわかっていたら、絶対にオラリオへ来なかっただろう。

「さて、本題に入ろうか?」

「うまい変装だったな、ヘラ。一目では見抜けなかったぞ?」

「この人が変装の名神なら、妻である私も変装の名神でなければならないだろう?」

「それはいらんのじゃがなぁ…。」

「何か言いましたか?」

「いや、何も。」

「相変わらずだな…お前たちは。」

この2柱は天界でもここでも本当に変わらんな…。

レアに見せるだけでも、同郷の私でも恥ずかしいぞ。

少しは慎め!

 

そんなやりとりを後に、ヘラは再度私へ話しかけた。

「天の炎はどうなっている?」

「私がここに来た時点でもうわかっているだろう?…限界寸前だ。」

「それでヘスティアをオリンピアへ連れて行って、ヘスティアを犠牲にして浄化するつもりか?」

「そうだ、アルテミス。…だが、解決できる方法がもう1つ最近できた。」

戦争遊戯までは、ヘスティアを生贄に出しヘスティアの神殿を降臨させるしかないと思っていた。

しかしあの戦争遊戯を、あの少年の勇姿を見て、新たな解決方法が見つかったのだ。

 

ヘファイストスは片目をひそめて私を睨んだ。

「何ですって?貴女、自分を犠牲にして天の炎を消滅させるつもり?そうなったら下界は…」

「早とちりするな、ヘファイストス。オリンピアだけですむなら、とっくにやっている。最近と言っただろう?」

「…どういう意味なの?」

だから、新たな解決方法が見つかったと言っているだろう。

いや、それだけ言ってもわからんな。

私の悪い癖だ。

 

「…戦争遊戯。」

「!…まさか、ベルの…あの炎なの?」

「そうだ、アストレア。【ヘスティア・ファミリア】団長、【白兎の脚】ベル・クラネルが【フレイヤ・ファミリア】団長、【猛者】オッタルの必殺技を打ち破ったあの炎だ。」

「あの炎が…天の炎を浄化いえ消滅させられるの?」

「そうだ、デメテル。ヘスティア、聞くがあの少年がチャージできるのは最大1分か?」

「…いいや、違うよ。今は6分が最大かな?」

「ギリギリだな。いずれにしろ、あの炎は天の炎を消せる…そう私は確信した。」

6分か、微妙だな。

…だが、ヘスティアを生贄に出すよりまだ確率は高い。

奴が邪魔しければ、な。

 

狒々爺は考え込みながら言った。

「…ふむぅ。あの炎なら可能じゃろう。」

「お前もそう見るか。」

「賭けじゃな。」

「ああ、賭けだ。少なくともヘスティアを生贄にだすよりはまだマシだろう。」

「そういうことか…。プロメテウス、キミがここへ来たのは…」

「ああ、ベル・クラネルをオリンピアへ派遣してもらいたい。」

そうだ、そのために私はここへ来たのだ。

まさか、ゼウスやヘラそしてヒューマンとなったフレイヤ、アストレア、アルテミスがいるとは思わなかった。

いや、ヘスティアの眷属で私の正体を見抜くことができる子がいた時点でやられたな。




レアさんが取り乱していますね。仕方がありません。
新入りの従者がプロメテウスであることを誰も予想できないでしょうね。

ベルの「聖火英断」はダンメモでも天の炎を女神たちの力を借りて消し去ったのですから。
なのでできると思ったのでしょうね。

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