レアへの糾弾を防いでいるプロメテウス様です。
ゼウスめ…。
あいつの変貌したきっかけがレアというのを知っているな。
覗き魔爺め。
雰囲気が殺伐としたところに、メイドが入ってきた。
!?
あいつは…。
「ご歓談の最中、失礼します。お茶をご用意しました。」
「お前は…【最強侍従】。」
「おや、お初にお目にかかりますが?」
「ふん、【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】の戦争遊戯で全て出ていただろうが。」
「ほう、それはそれは光栄ですな。」
「!!【最恐執事】…。なるほど、そういうことか。」
こいつらが【白兎の脚】についていたなら、納得できるな。
いや…【白兎の脚]がとんでもない奴でなければならなかったな。
私がそう考えている間に【最強侍従】が言い出した。
「皆様方、先程の話を聞いて坊ちゃまの派遣先が決まりました。」
派遣先?何のことだ?
「お主!」
「はい、坊ちゃまはオリンピアへ向かわせます。」
「ならぬ!ベルが壊れるぞ!」
珍しいな、女以外興味ないこの好々爺が【白兎の脚】にそこまでこだわるとは…。
【最強侍従】は呆れたかのように好々爺へ言った。
「それがどうしました?貴方らしくないですね、ゼウス。」
「………。」
「孫馬鹿なのはヘラ様だけでなく、クソエロ神もでしたか。」
孫馬鹿…。ヘラもか?
何なんだ…あの少年は。
いや、それ以前に派遣先というのはどういう意味なのだ?
ヘスティアが【最強侍従】と【最恐執事】へ話しかけた。
「…どういうことが説明してくれるかい?」
「坊ちゃまはもうオラリオ最強と言ってもおかしくありません。レベル6に既にステータスが激高となっています。」
は?レ、レベル6?
ランクアップしたばかりと聞いているが…。
しかもステータスが激高?何故わかるのだ?
ああ…私を神と見破った子の魔法によるものか。
いやいやいや、それ以前にあの戦争遊戯から一ヶ月もないんだぞ!
…そういえばヘスティアが言ってたな、チャージの最大は6分だと。
「「「え?もう?」」」
「はい、もう私達の連携が効かなくなっています。どうやら、メーテリアさんが復活したことで坊ちゃまは一層やる気を出しており、一気に才能が開花し始めました。」
メーテリア?誰のことだ?
いやいや、それ以前に才能が開花?今になってか!?
化け物か…あの容姿で。
ヘルメスが呆れたかのように言った。
「嘘だろ…。あれで、まだ開花してなかったのかい…。」
「ええ、オラリオ中の冒険者が全員かかってももはや坊ちゃまが負けることはないでしょう。ですが、坊ちゃまはまだ14歳です。精神面はまだまだ子供です。」
「そうね…。」
…まだ14歳だったのか。
……その点は奴の方がはるかに上だな。
私がそう考えているところに、【最恐執事】は言った。
「世の中には理不尽なことがあります。坊ちゃまはそれへ立ち向かってもらいます。」
「それがエピメテウスか…。」
「はい、貴女は天の炎を坊ちゃまの手によって浄化させたい。大英雄エピメテウスは坊ちゃまの邪魔をすると思いますか?」
「する。あいつは、私が与えた『炎鷲の剣』で神…特に『悠久の聖火』を司るヘスティアを突き刺し、穢れた天の炎を操るつもりだ。」
「「「なっ!」」」
そうだ、奴の目的はそれだろう。
奴は…オリンピアにヘスティアを招き、殺し、穢れた天の炎を確実にものにする気なのだ。
黒竜を…いや下界を滅ぼすためにな。
アフロ…ディーテが私を糾弾してきた。
「あ、あんた!何てものを与えているのよ!」
「…それでもあやつは、ベヒーモスやアンタレスを倒せなかったがのう。」
「漆黒のモンスターは私達、天の力は効かないからね。『炎鷲の剣』でも。」
「しょうがないだろ?あれはダンジョンから俺たちへの刺客…後出しなんだから。」
そうだな。
エピメテウスは間違いなく奮闘したが、漆黒のモンスターには何も敵わなかった。
それが…奴の凋落の原因なのだ。
天の炎に頼りすぎなのだ。
神の力にな。
アルテミスが【最強侍従】と対峙して言った。
「…何故、ベルを派遣するのだ?」
「神アルテミス、坊ちゃまは向き合わなければなりません。英雄という重みに。」
「その重みに耐えきれないようなら、ダンジョン制覇や黒竜討伐など夢のまた夢です。」
…こいつらは【白兎の脚】を徹底的に追い込んで更に強くさせる気か。
【白兎の脚】はまだ14歳なのだぞ?
そこまでするのか…。
「…厳しいな。お前たちは。」
「当然です、神プロメテウス。その相手が三千年も苦悩し続け、堕ちた大英雄なら不足ありません。」
「かの大英雄なら、坊ちゃまへ英雄の陰を教えてくれるでしょう。」
「それ以前にあの子の精神は保つの?憧れの大英雄閣下が堕ちたとなると衝撃は半端ないわよ?」
そうだな、奴は三千年も生きて、闘い、苦しんできた。
14歳のガキが到底敵うようなものではない。
しかもそれが自分の憧れの英雄だとしたら…。
ヘスティアがしっかりとした目でアフロディーテに言った。
「アフロディーテ、ベルくんの心はボクが守る。ボクとベルくんがオリンピアへ向かう。それでいいかい?メイくん、セバスくん。」
「そうですな、ヘスティア様がおられば大丈夫でしょう。多分。」
「坊ちゃまとヘスティア様次第ですね。」
「不安になるようなことを言わないでくれるかい?」
「「失礼しました。」」
……慈愛では天界でも上位に入るほどのヘスティアなら大丈夫だろう。
いずれにしろあの少年次第だ。
やはり、ベルはオリンピア派遣に入りましたね。
メイさんとセバスさんは、ベルに更なる試練を与える気満々ですね。
それが、尊敬している大英雄であればなおさらです。
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