白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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2週間ぶりの投稿です。
引き続き、勇者サマです!


第433話 勇者、報告

もし彼らを復活させるとしたら、ベルが絶対に必要だ。

なのに、なぜ彼はここにいないんだ?

「ベルはどこにいる?」

「所用で外しています。終わるころですので、今から迎えにいきます。ああ、アミッド嬢少し来ていただけませんでしょうか?」

「私に?わかりました。失礼します。」

「それまでご歓談をお楽しみ下さいませ。」

歓談…?

今までいがみ会っていた彼らと?

歓談の回数より小競り合いした回数が多いぐらいなのに?

 

何故わざわざ彼がいない時に?

【最強侍従】と【最恐執事】は一体何を考えているんだ…?

いや、やめとこう。

彼らの思考を読むのは無駄だとわかりきっているだろうに。

何故ならその裏をかかれ、すごく痛い目にあったのだからね。

 

いいだろう、ならこの流れは僕らがいただこう。

少しでも【ロキ・ファミリア】の優位はもらっておかないとね。

待ちに待った情報が手に入ったからそれを使わせてもらうよ。

「ああ、そうだ。あの時の門番たち、見つかったよ。…というより分かったというのが正しいね。」

「やっとか。誰だ?」

「どこのどいつやねん!連れてくるんや!」

残念だけど、ロキ。

それはできない相談なんだ。

 

連れてこられないんだよ、本当に。

「無理だよ。ロキ、リヴェリア。彼らは…第一次クノッソス侵攻戦で死んだよ、闇派閥側としてね。」

「「「は?」」」

うん、そう反応するよね。

僕もそうだったよ、本当にあの時はミスった。

彼らの本質を見抜けなかったことに。

 

リヴェリアもガレスも同じ気持ちだろうね。

「そこまでの外道だったか…。不合格にした時点で【ガネーシャ・ファミリア】へ連れて行くべきだったな。」

「自業自得と言ったらいいのか、哀れと言ったらいいのかわからんのう…。」

そうだね。

でも一番大きいのは、ベルを【ロキ・ファミリア】へ取り込むことができなかったことだ。

「彼らのせいでベルを取り逃がしてしまったね…。本当に惜しいことをしたよ。」

非常に惜しいことをしてしまった…。

英雄を…いや無限の可能性を秘めている英雄の卵を。

 

「くそーっ!ウチらの大損やんか!あの時の門番シバいたかったで!」

ロキが地団太踏んでいるね。まあ、同意するよ。

彼がいれば…防げたこともあったに違いないから。

「その門番さんに感謝したいですね。ロキ様のところではベルさんの教育に悪いです。」

「は?何言うとんねん、お前んとこもやないか!」

「ふふふ、ロキ様よりはマシです。」

「ああん?」「ふふふ。」

……いつものことが始まったか。

ただ違うのはベルのことに関して、だな。

特に神フレイヤにとっては最優先事項だからね。

 

まあ、ロキの近くは教育に悪いのは確かだ。

そのあたりは、アイズやレフィーヤを中心にフォローしてくれるから問題ない…はずだ。

多分。

 

旧最強と旧最恐はベルに対して何もしなかった…いやできなかった。

それは7年前の大抗争が証明している。

だからこそだ。

悪いけど、今は引っ込んでもらおうか。

 

しかし、それはかつてのオラリオ最恐の女神によって阻まれた。

「何を言っている?貴様らは。もしベルが貴様らのところへ入団していたら、私自ら乗り込んでベルを取り返し、貴様らを送還した上で眷属共は皆殺しにし、本拠を焼き滅ぼしていたぞ?【ヘスティア・ファミリア】に入ったことを…いやベルがヘスティアに拾われたことを、泣いて喜んで土下座して感謝しろ。」

「ひっ。」「…。」

それ以前に、貴女は半年前まで正気に返れなかったのではないかな?

それを言うと、矛先がこっちへ向けられるから絶対に言わないけどね。

 

そう思っていたら、かつての最強の主神が鋼鉄の棺桶に入ったままで話しかけてきた。

「本当にやるぞ?ヘラは。ヘスティアに感謝するんじゃな、ロキ、フレイヤ。」

「…貴方がそれを言いますか?その原因を作ったのは貴方でしょう?ベルを育児放棄した貴方が。はぁ…まだ懲りてないようですね?」

「ぬおっ!?そ、それはもう終わったことじゃぞ。過去より未来じゃ、そう…未来じゃ!」

「何をほざいているんや…この助平爺は。一番の戦犯やろ、この助平爺が。」

「本当ですね。」

そうだね。

でも、かの大神が半年前にベルの前からいなくなっていなかったら、ベルがオラリオへ来ることはなかった。

もしかしたら、今のオラリオはなかったかもしれない。

それを見通していた…わけがないか。

そもそもそれができていたら、黒竜討伐での全滅を回避できたはずだからね。

 

しかし彼を育児放棄したことは、彼女たちの怒りをまた買うということを理解しているのかな?

「私はまだ許してないぞ、この狒々爺を。特にベルに悪影響を与えたことは絶対に許さん。」

「はぁ…懲りてないわね、お爺ちゃんは。母さん、手を抜いているんじゃない?」

「…そうだな、私が甘かったようだ。強度を上げよう。」

「もうやめとくれ!これ以上やられたら、マジで送還されるんじゃ!」

…一体、何をされているんだ。

いや、やめよう。

【ヘラ・ファミリア】…特に神ヘラに対してはアンタッチャブルと決まっているからね。

下手に首を突っ込むと、こちらにも火が飛んできかねない。

 

「爺、諦めろ。もう詰んでいるんだ(別の意味でベルもな…)。」

「ザルド!お前もか!お主は儂の眷属じゃろ!?助けようと思わんのか!」

「思わん。」

「即答!?何たる親不孝者じゃ!儂はそんなふうに育てた覚えはないゾ!」

「ああ?てめえは俺等を放置していただろうが!それにてめえがそんなんだから、俺がこうなったんだろうが!この糞爺!」

このやりとり…懐かしいな。

【ゼウス・ファミリア】と同席するといつもこうだ。

神ゼウスと団長の【傑物】…マキシムまたはザルドが怒鳴り合っていて、話が一向に進まなかったのがよくあった。

そしてそのまま酒盛りに直行して、僕ら全員撃沈させられたんだ。

 

その中で、あのガレスがザルドに飲み比べで負けたのが印象に残っている。

ロキの額に肉と書かれていたを見て、思わず吹いてしまったぐらいだ。

「相変わらずやなぁ…、あそこんとこは。」

「全くだね。」

「懐かしいのう…。」

「再び見れるとは思わなかったな。」

そうだね。

本来なら絶対に見ることができないはずなんだが、彼の想いが引き寄せた光景なんだ。

 

……神は不変というけど、少しは変わっていいんじゃないかな?

特に神ゼウスは。

「ベルさんと14年間過ごしたというのに、変わりませんね。ゼウス様は。」

「…そうですね。」

同感だよ。




まだまだ歓談は続きます!
次は…初登場のあの方です。

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