白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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ヴェルフ、2回目です。


第44回 不冷、同情。

「ヴェルフさん、この大剣と鎧は貴方へお渡しします。坊ちゃまのための大剣と鎧として、打ち直しをお願いします。」

「それはいいけど…、これは【猛者】の大剣と鎧じゃないのか?」

「いいえ…、元【ゼウス・ファミリア】の【暴食】ザル坊…いえザルドの愛用の大剣と鎧です。」

「!?……そうか。それが元ファミリアのあんたの元に戻ったわけだ。」

「ええ。この大剣と鎧を見る限り、ザル坊は心置きなく天へ昇ったようですね……。」

悪いことを言っちまったな…。

しかし、この大剣と鎧は…かなりの業物だな。明日、ヘファイストス様と椿へ見せて打ち直しできるか話し合ってみるか。

 

「分かった。明日、この大剣と鎧を持って【ヘファイストス・ファミリア】へ行ってくる。」

「ええ、よろしくお願いします。」

「ああ、ヴェルフ殿。少々お待ちを。」

「セバス…さんか?何だい?」

「この大剣のままでは、あの小僧…【猛者】の愛用の大剣に勝てません。」

このままでも結構の業物だけどな…。

【猛者】の大剣ってあったっけか…?

 

「忍び込むついでに【猛者】の大剣を見ました。…かなりの大業物でした。【暴食】の大剣では勝てないでしょう。ただ、【猛者】の大剣には【ゴブニュ・ファミリア】のサインがありました。そうですな…所用のついでに私が【ゴブニュ・ファミリア】へ行って詳しく聞いてきましょう。」

「セバス、そのついでに鍛冶屋の拡張依頼をお願いします。」

「え?」

何言ってんだ…?

 

「…ふむ。なるほど、そういうことですか。わかりました。」

「ええ、そういうことです。ああ、できれば防音でお願いします。」

「そうですな。二人分が住めるよう拡張をお願いしましょう。」

「おい、待て!何を勝手に進めてやがる!」

そうだ。鍛冶屋の持ち主は俺だ。

俺に断りなしで進めるんじゃねえ!

そしたら、メイとセバスが温かい目で俺を見つめやがった。

 

「よろしいのですか?このままでは、確実に肩身が狭くなりますよ。」

「残念ですが、ヴェルフさんの予想通りほとんどの部屋がその通りとなります。」

ほとん…どだと!?ふざけろ、ベル!

……明日に引っ越す予定だったが、その通りにしたほうがよさそうだな。

 

「ところで、何故二人分なんだ?」

「おや、そこまで説明が必要でしょうか?」

「ある鍛冶派閥の女神様を…「わかった、わかった!これ以上言うな。」…なら問題ありませんね。」

ちくしょう!こいつらには永遠に勝てねえ!

…ただ、味方でよかったと非常に、強く、思う。

 

「わかったよ。何故かは…ベルのためなんだな?」

「はい、坊ちゃまのためです。…よければ坊ちゃまの新スキルを見ますか?」

「ベルは、スキルが発現しなかったと言ってたぞ…。まさか、また『憧憬一途』のようなスキルか?」

「ほう、ご存知でしたか。ヴェルフ殿ならいいでしょう。言うまでもありませんが、口外無用ですぞ。」

そして、ベルのステータスの写しを見た。

…………羨ましいと言ったほうがいいのか、大変だなと言ったほうがいいのか悩むな…。

…頑張れよ、ベル…。

 

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…この大剣はすごいな。

年季が長いのは見てわかる。そしてそれに比例する耐久…。

レベル7が持つ武器って、このくらいでなければならないのか?

負けてられないな。

 

しかし、それでもベルのあのスキルには耐えれるのか?

…一回は耐えれるかもしれない。だが、その後は?

今回の戦争遊戯では使わないで、メイやセバスの言ってたダンジョン制覇…いや黒竜討伐に使ったほうがいいかもな。

あいつの父方のファミリア…【ゼウス・ファミリア】の仇を討つにはうってつけかもな。

よし!戦争遊戯は使わないで、これを芯にして強化したほうがよさそうだな。

 

鎧の方は…サイズが問題だな。

一部を切り取ってベルの軽装に使うか?

これも、ヘファイストス様と椿に相談だな。

 

そのあたりは椿とヘファイストス様と話し合ってみるか。

いや…、戦争遊戯勝利後に【ゴブニュ・ファミリア】と合同で打つのもありだな。

へへっ、面白くなってきたぜ。

 

それにベルのスキル…あれは反則だろ!

羨ましいと思ったが、よくよく考えれば扱いに困るんじゃないのか?

今のベルにとって扱えるのか?

無自覚だろ、あいつ。

………あ、だからメイとセバスがいるか。

 

マジでベルの部屋以外が女性になるのか…。

………本当に頑張れよ、ベル。

黒竜討伐した後が、あいつの本当の闘いになるかもな。

 

鍛冶屋を拡張するのは正直嬉しい。

打つスペースも、素材置場も広くなるのはいい。

これからもどんどん入ってくるだろう。

それに…、何より移動するのが面倒くさいからな。

 

防音設定するのはいいな。

リリスケが「うるさい!」とクレームがよく来るし、どうにかならないかと思ったところだから、ちょうどメイの助言はありがたかった。

……ん?二人分?

…ハハハ、まさかヘファイストス様が来るわけないだろ。

……一応、良からぬものを先輩からもらったものがあるが、処分しておこう。

 

……何をやっているんだ、俺は。

その前に、今回の戦争遊戯だろうが。

…ダメだな、メイとセバスに任せすぎだ。

 

あいつらが言ってただろう、今回はダンジョン制覇と黒竜討伐のための布石だと。

なら、俺でやっておくことは何だ?

武器や防具…そして魔剣を打つことだ。

それに専念しないとダメだ!

 

ベルのスキルは武器破壊と思って、多くの頑丈な大剣あたりを作っておくか。

不壊属性はいいが、威力に欠けるから通常の大剣にしておいたほうがいいと明日、椿に言ってみるか。

オッタル…【猛者】の大剣が気になるな。この【暴食】の大剣より上とは…、どんな大剣なんだ?

まあ、セバスに任せたら何かわかるだろう。

 

今頃、この【暴食】の大剣と鎧を盗まれた、【猛者】は怒っているだろうな…。




はい、ヴェルフ回は一旦完了です。
次回は…、久々のあの方です!

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