白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

46 / 439
今回は、久々の【猛者】回です。



第45話 猛者、疲弊。

疲れた。

深層にソロで動き回るより疲れた。

 

フレイヤ様があそこまで癇癪を起こすと思わなかった。

しかもワインをラッパ飲み…、今まではグラスに入れて優雅に飲んでいたというのに。

あれでは、神ロキとは変わらんではないか…。

--------------------

その時、どこかの道化は盛大にくしゃみをし、向かいにいたガレスを怒らせていた。

--------------------

 

昨日幹部会議をやった後すぐに、フレイヤ様が起きたが盛大に泣き始めた。

「ベルがいないー!」「ベルさんはどこー!」

フレイヤ様と、シル様…の時の台詞がごちゃまぜになっていた。

 

あの時は本当に困ったから、一旦幹部を招集して戻った。

そしたら、どこからか取り出したワインを再びラッパ飲みしていたフレイヤ様がいた。

我々は、第一級冒険者は、唖然としてしまった…。

 

「フレイヤ様、飲みすぎで…ブワァッ!」

「い、いい加減にして…ゴホォッ!」

俺とアレンは、ワインをぶっかけられ、

 

「し、失礼します。このワインは…ガハァッ!」

ヘディンは、どこに隠し持った魔剣でぶっ飛ばされ、

 

「フレイヤ様、まず…ぶべっ!」

「ワインを置いて…げはっ!」

「いただけると…ぐへっ!」

「嬉しい…あいたっ!」

周辺の家具を、アルフリッグ、ドヴァリン、ベーリング、グレールにぶつけられ、

 

「…あの…その…「うるさーい!」…ううっ、びえええええん!」

ヘグニは、フレイヤ様の怒鳴り声で泣かされて部屋から出ていった…。

 

付き人のヘイズは、まだヘルンの治療をしていた。

怪我は治っているが、意識が不明でいつ死んでもおかしくないそうだ。

なので、付きっ切りにする必要があるとのことだ。

 

他の侍従は止めようにも、ヘイズを除く俺たちと同じように、散々な目に遭っていた。

そうしたことが3時間続いて、ようやく疲れてお眠りになられた。

---------------

 

「おい…、誰だ。フレイヤ様にワインを薦めた馬鹿は…!」

「…す、すみません!フレイヤ様がこれまでにない、すごい剣幕で「ワインを出して!早く!」と言われましたので…。」

「…ワインは全てワインセラーに入れろ。鍵は俺が持つ。」

「は、はい。わかりました。」

そして、侍従はワインを全て回収してワインセラーへ移動した。

 

「オッタル…どうなってやがる!」

「静かにしろ…フレイヤ様が起きてしまう…。」

「さっきよりひどい。」

「癇癪を起こすとは。」

「今までなかったのに。」

「原因は分かっている。」

ああ…、原因は分かっている…。

 

「「「ベル・クラネル!!」」」

 

「…ひっく、ううっ、ひっく…。」

「ヘグニ、いい加減に泣きやめろ。」

ヘディンはヘグニを諌めていた。

 

「今すぐに」

「戦争遊戯をやって」

「ベルを取り戻せば」

「解決できるんじゃないか?」

アルフリッグ、ドヴァリン、ベーリング、グレールはそう言ってたが…。

 

「馬鹿か、貴様らは。神会を通さねば開始できん。それ以前にフレイヤ様が正気に戻っていかないと話にならん。」

「黙れ、羽虫。そのフレイヤ様がこの状況だから困ってんだろうが!」

「アレン、少し声を低くしろ。フレイヤ様が目覚めて、またさっきのと繰り返しになったらどうする。」

「くそっ!」

ヘディンの言う通りだ。フレイヤ様が神会へ行って戦争遊戯の段取りを取らないと進まない。

フレイヤ様の気が済むまで待つしかない…。

 

------------------

 

そう、俺たちはそう思っていた時があった…。

翌日、起きたら目の前には凄惨たる現場になっていた。

フレイヤ様が持っているマスターキーで…

ワインセラーからワインを十数本持ち出し…

昨日の同じことを繰り返していた…。

 

本来なら今日は神会で出かけられる日だ。

だが、このような状況では無理だ。

------------------

なので、ミアに言伝をお願いした。

 

「こンの馬っ鹿たれが!女1人くらい叱れないのかっ!」

案の定、凄く怒られた。

ずっと頭を下げ続けて、ようやく収まった。

 

「はぁ…クロエ。「ニャッ!?」今の聞いたね?神ニョルズのとこへ行ってきて伝えてきな。」

「何で、ミャーが…「ああ?」…行ってきますニャ…。」

すまない…。

 

「これは貸しにしておくよ。次、同じことを頼みに来たら承知しないからね。」

すまない…。

 

------------------

そしてホームに戻って、再度幹部会議を開いたが…。

「おい…いい加減、フレイヤ様を檻へ入れて主神らしく居座らせろ。」

「前にも言ったが…、薄汚い猫め。」

「恥をしれ、発情猫め。」

「万年発情のド淫乱猫が」

「貴様ごときがあの方の自由を汚すな。」

いつもの罵り合いがまた始まった…。

俺も我慢の限界だ…。

 

「あの…すみません。」

俺たちは一触即発の状態から、幹部室のドアを振り向いた。

 

門番が震えた状態で

「か…神デメテルが…お越しになられています…。「フレイヤ様に会わせろ」との一点張りで…、これまでにないほどの、お怒りと共に凄まじいほどの神威を、放っています…!」

「大変です!か、神デメテルの神威の影響で、ホーム全体が冬になっています!室温がすでに3度を切っており寒さで動けない者も出ています!」

神デメテルが怒っている…?

そういえば、フレイヤ様が…、

『デメテルは、本気で怒らせるとかなり怖いわよ?…そう、『世界が荒廃してしまうくらいには恐ろしい』とヘルメスが言うくらいだもの。』

まずい…非常にまずい…。

 

「た、大変です!フレイヤ様がこの寒さで目覚めてしまい、隠していたワインをまた飲まれております!」

!?全部取り上げたはずだぞ!

あの方はどこまでワインを隠しているんだ!?

 

駆けつけると、やはりラッパ飲みしていた。

急いで取り上げたはずみで、ワインをかぶってしまった…。

「俺が…神デメテルの対応をする。お前らはフレイヤ様を見てやってくれ…。」

ますます、冷気が強くなっている…。




オッタルさんは、アスフィさんと並ぶくらいの苦労人と思っています。

感想・評価をいただけますと、嬉しいです!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。