久々の執事長回です。
ここから少しヘビー話になるかもしれません…。
第47回 執事長、再会。
ふぅ、いい汗をかきました。
坊ちゃまは、昨日の今日なのにかなり強くなっていますね。
ただ、経験が浅いため判断が少々遅いですが、それは仕方がありませんね。
それでも速い方ですね。
…何度も思いますが、本当にあのクソ雑魚サポーターの血を引いていますね。
癖や足の疾さがよく似ています。
思わず本気で折檻しそうになりました。
いけませんね。
目の前の坊ちゃまは、大の字になって息を整えています。
さて、私は用事を済ませてきましょうか。
「坊ちゃま、大丈夫でしょうか?」
「はぁ、はぁ…あ、うん。セバス、大丈夫だよ。ごめん、待たせて…。」
「申し訳ありませんが、私は所用がありますので自主勉強をしていただけますか?」
「べ、勉強?」
おや、勉強が苦手のようですね。
エイナ嬢のスパルタ教育が身に沁みているからでしょうか。
ですが、それでは困ります。
「はい、こちらに【フレイヤ・ファミリア】の団員データがありますので、目を通しておいて下さい。」
「え?【フレイヤ・ファミリア】の…?それって機密データじゃ?」
「昨晩忍びこんで、ステータスを写してきました。」
「何やっているの!?セバス!?」
当然でございましょう。
「戦争遊戯をやるにあたっての、基本中の基本でございます。」
「そ、そうなの?【アポロン・ファミリア】の時はしてなかったけど…。」
「それは仕方がありません。戦争遊戯前の団員は坊ちゃましかいませんでした。ですが、当時入団してくれたリリ嬢が大体分析して下さいました。」
「…リリには感謝しかないね。」
本当にあの小人族の娘は優秀ですね。
【勇者】以上の頭脳を持ってます。
「セバス…、よく捕まらなかったね。」
「あの程度の警備など、目をつぶってても簡単に忍び込められます。」
(僕がいた時は、鼠一匹も逃げられないような警備だったけど…。)
「それで、坊ちゃま。目を通していただけますかな?」
「うん!わかったよ!えーと、午後からバーチェさんとの模擬戦だから、それまでに目を通して覚えておくね!」
素直ですね…。
これがアルフィアお嬢様でしたら、「必要ない」の一言でしょうね。
「では、私は所用がございますので出かけてきます。」
「うん!行ってらっしゃい!気をつけてね!」
…孫ができるというのは、このような気持ちでしょうか。
さて私がオラリオを歩きますと、見知った神に見られると面倒くさいことになりますから、誰か同行者が必要ですな。
ヘスティア様とリリ嬢と春姫嬢は、エイナ嬢と【ヘルメス・ファミリア】のお二人と話し合いがありますから、駄目ですね。
ヴェルフ殿は…、朝一に【ヘファイストス・ファミリア】へ行きましたから、駄目ですね。
となると、命嬢しかいませんね。命嬢は…キッチンですか。
「命嬢、少しよろしいでしょうか?」
「あ、はい。セバス殿、どうされましたでしょうか?」
「ええ、出かけるところがありますが同行願えませんでしょうか?今、私が見られると面倒くさいことになるからです。」
「承知しました。今、昼の下ごしらえを済ませましたので今からでも可能です。それで、どちらへ行かれるのでしょうか?」
「【ミアハ・ファミリア】です。」
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「おや、命ではないか。どうしたのだ?カサンドラ以外は、所用で少々出払っているのでいないのだが、どうしたのだ?」
「み、命ちゃん…、こんにちは。」
「こんにちは。ミアハ様、カサンドラ殿。こちらの方がミアハ様に用があるとのことです。」
「…フードをかぶっているようだが、どちら様かな?」
…久々ですな。
私は、15年ぶりに会う薬神の前でフードを外した。
「お久しぶりでございます、神ミアハ様。15年ぶりでございますね。」
「!?…セバス…いつ、どうやって……!?そうか…やはりベルは…。」
「はい、ご明察の通りでございます。」
メーテリアお嬢様の時以来でございますね。
「ミ、ミアハ様?こちらの方は…?」
「セバスは…「カサンドラ様、初めまして。【ヘスティア・ファミリア】団長ベル・クラネル専属執事セバスと申します。お見知りおきを。」…だそうだ。」
「あ、はい。初めまして。カサンドラ・イリオンと言います…。ベ、ベルさんの…?」
「はい、そうでございます。さて、神ミアハ様。【ヘスティア・ファミリア】へ協力していただきたいことがございます。こちらのカサンドラ様をお借りできませんでしょうか?」
カサンドラ様の治療だけでなく『予言』も興味ありますが、今は置いておきましょう。
「…いいだろう。もとより【ヘスティア・ファミリア】へ協力するつもりだったんだ。…それだけではないだろう?特に私へはな。」
「はい、神ミアハ様。共に同行をお願いできませんでしょうか?カサンドラ嬢、私が戻るまでお待ちいただけませんでしょうか?ああ、命嬢。同行はここまでで結構でございます。お手数をおかけしました。」
「あ、はい。わかりました『カサンドラ様には現状の説明はまだしなくて結構です。準備で忙しいといえば問題はありません。ただ、カサンドラ様はそのうち【ヘスティア・ファミリア】ホームへ来ていただいて私達から説明します。』…。承知しました。」
今、情報が漏れるのはまだ早いですからね。
「…それで、私をどこへ連れて行くつもりだ?」
「【ミアハ・ファミリア】と双璧を成すところでございます。」
「…あいつと共に私をどうするつもりだ?」
「それは着いてからのお楽しみでございます」
そして、神ミアハを連れて【ディアンケヒト・ファミリア】へ赴きました。
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「フハハハハ!ミアハ!何の用だ!?借金の前払いか?」
相変わらず、五月蝿い神ですね。
当時のアルフィアお嬢様が、しかめ面するのもわかります。
ふむ、そちらは【戦場の聖女】アミッド・テアサナーレですか。
「…こちらが私とお前に用があるそうだ。」
「む!そうか!何者だ!」
「お久しぶりでございますね。神ディアンケヒト様。」
私は、15年ぶりに会う医神の前でフードを外した。
「!?なっ何でっ!?お前がここにっ!?いるのだぁぁぁぁ!?」
「正当な後継者により、解放されたからでございますよ。ああ、初めまして。【戦場の聖女】アミッド・テアサナーレ様。私は【ヘスティア・ファミリア】団長ベル・クラネル専属執事のセバスと申します。坊ちゃまが大変お世話になり、お礼申し上げます。」
「あ、はい。アミッド・テアサナーレです。…え?…彼の専属執事?坊ちゃま?」
「!?アミッド…席を外して「アミッド様も同席させていただきます。」……儂に…いやミアハと儂に何の用だ…?」
「デ、ディアンケヒト様?」
「単刀直入に言いましょう。【戦場の聖女】アミッド・テアサナーレ様を戦争遊戯が始まるまでに、貸していただきたいのです。ああ、ディアンケヒト様のお好きなお金が必要なら、払います。」
この神は神でありながら、金をぼったくりますからね。
当時、元主神ヘラが膨大な治療費を請求されて激怒し、【ディアンケヒト・ファミリア】を半焼させましたからね。
それ以降、半泣きで適正価格になりましたがね。
「……ベル・クラネルは…【白兎の脚】は…あいつの息子なのか…?」
「そうでございます。わかりませんか?お二人とも神でしょう?」
一目瞭然でメーテリアお嬢様に瓜二つだというのにわかりませんか?
神ディアンケヒトは目をわざと合わせず見ないようにしてましたが、神ミアハは…。
「……他人の空似かと思っていた。あまりに瓜二つでありすぎたのでな…。」
「……やはりそうか…。気づかないようにしていたのだがなぁ。」
神ミアハは天然でしたか…。
「……アミッドに何をさせる気だ…?」
「治療以外の目的がございますか?」
「あの…、治療なら伺い「アミッドは黙っておれ。」…ですが…。」
ふむ、余程大切にされているようですな。
「…【ディアンケヒト・ファミリア】は中立を維持する…。だが、戦争遊戯前にアミッドを貸し出すことは了承しよう。儂も今回のことは、腹に据えかえるのでな。」
「…【ミアハ・ファミリア】は【ヘスティア・ファミリア】に味方する。今回のこととは別にいつも世話になっているからな…。」
「それはありがとうございます。坊ちゃまに代わり、お礼申し上げます。では、治療代はいかほどでございましょうか?」
「いらん。あいつの息子…ベル・クラネルのためだろう?尚更、受け取れるかっ!?」
「……こちらもだ…。」
(そういえば、彼の左腕の治療の時でディアンケヒト様は、かなり焦っていましたね。また、いつものように強く金額を要求していませんでした。…まるで彼を避けて……いえ贖罪してるかのように…。)
「それは…深くお礼申し上げます。アミッド様、申し訳ありませんが後で私と同行願えませんでしょうか?坊ちゃまのところへ案内いたしますので。」
「あ、はい。わかりました。準備をしてきますので失礼します。」
…いい子ですな。
あの娘の治療があれば、アルフィアお嬢様もメーテリアお嬢様の病気が軽減されたかもしれませんね。
セバスは、アルフィアとメーテリア関係でミアハとディアンケヒトに会っています。
詳細は次の回で!ただ、視点は別の人?となります。
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