50話まで来ました!
読んでいただきありがとうございます!
今回は医療系としてトップの地位に君臨する大手派閥【ディアンケヒト・ファミリア】の主神ディアンケヒト様です。
「セバス…。思ったのだが、ベルがオラリオへ来た時は1人だったとヘスティアから聞いている。ゼウスはどうしたのだ?オラリオ外にいるのか?」
「は?1人?ベル・クラネルはたった1人でオラリオへ来たのか?一体、ゼウスは何をしているのだ!?」
メーテリアが亡くなった時…ゼウスは赤ん坊だったベル・クラネルを抱いてたはずだぞ!
もしかして、ミアハが言う通りオラリオへ入れないから、外で待っているのか…?
なら、フレイヤとロキへ取りなしてやらんとな!
謝礼金はたっぷり取るがな!フハハハ!
「単刀直入にいいますと、半年前に坊ちゃまの育児放棄をしました。」
「は?」「な、何だと!?」
い、い、い、育児放棄だと…。
あの娘が苦しんで産んだ子を…ベル・クラネルを!?
ふざけるなぁぁぁぁぁ!?
「どういうことだぁぁぁっ!?説明しろ!セバスっ!」
「あのクソエロ爺は、ここ14年間ほど坊ちゃまに碌なものを食べさせず、碌なことしか教えない上で、育児放棄しました。そのきっかけは、おそらく半年前に元主神ヘラが正気に戻ったからでしょうね。」
「「……………。」」
……怒りで言葉が出ないとはこういうことなのだな…。
おのれ、メーテリアの苦しみを何だと思っている!
あの下半身しか能のない爺め!
それでも大神かぁぁぁっ!?
「……ディアンケヒトよ…。」
「お、おう。どうした、ミアハよ。」
「私は猛烈に怒っている。」
「う、うむ。儂もだ。」
ミアハがこんなに怒るのは初めて見るな…。
天界でもなかったな…。
だが、やはり許せん!ゼウス!
「…ゼウスがうちに運び込まれても、ギリギリまで治療してやらん!」
(それでも治療はするのですな。)
「…薬と毒は紙一重ということをゼウスに教えてやろう…。とっておきの毒をゼウスに飲ませてやろう…。」
(なるほど、神ミアハが怒るとこうなるのですか。勉強になりましたな。)
「…アミッドに強く言っておこう。ベル・クラネルがどんな状態になっても必ず治せ!と。」
あの娘の忘れ形見だ!絶対に死なせてやらん!
死の病の最後の希望だ!絶対に死なせるものか!
「うちの者、皆に伝えておこう。ベルをより構ってやるようにと。」
(一気に過保護になりましたな。まあ、悪い方向になるよりはマシですが。)
思ったのだが、何故アミッドが必要なのだ?
治療と言っていたが…非常に嫌な予感がするのだが…。
「そういえば、何故アミッドが必要なのだ?」
「うむ、気になるな。」
ミアハも、ベル・クラネルと前々から親しかったが、更に拍車がかかったようだな。
そういえば、ベル・クラネルとの初対面はミアハの借金回収がきっかけだったな。
【ヘスティア・ファミリア】という貧乏派閥に入るのはどこの物好きだと思い、見たらメーテリアに瓜二つのヒューマンの男の子だった。
初めて見た時は焦ってしまった。目を合わさずヘスティアを見ることで誤魔化したが…。
やはりそっくりだった、瓜二つだった。
ただ、メーテリアの子であるということを聞けなかった。
聞くのが怖かったのだ。
そのため罪悪感もあり、姿も見ず目も合わせたくなかった。
ただ、ランクアップするごとに大怪我をするのはやめてほしいのだが…。
メーテリアが聞いたら、その都度卒倒するぞ…。
ミノタウロス強化種と戦い、大怪我した時でギルドへ運ばれたのを聞いた時、アミッドを派遣しようかと思ったわ。その後、レベル2になったのを聞いた時腰が抜けたわ。
そして、【アポロン・ファミリア】の戦争遊戯で、ヒュアキントスとの戦闘で大怪我した時はヒヤっとしたが、勝てたからよかったようなものだが…。
まあ、そのおかげで大儲けさせてもらったがな!フハハハハ!
…儂の隠しへそくりを全て【ヘスティア・ファミリア】に賭けたことは、アミッドには黙っておこう…。
その後、揉め事に巻き込まれ大怪我をこしらえたようだが、その度【ミアハ・ファミリア】によって治療されたのを聞いた時は、心底安心した。
ただ、数ヶ月前の深層からの帰還で左腕がめちゃくちゃになっているのを見た時は、思わず怒鳴ってしまうところだった。
あの不思議な布のおかげで左腕の『組成』が残っててよかったわ!
でなければ、ミアハのとこの【医神の忠犬】と同じ銀の義手を取り付けるとこだったわ!
まあ、その分借金を押し付ける気だがな!フハハハハ!
……いや、やめとこう。
メーテリアが化けて出てきそうな気がする。
おっといかんいかん。
何故、アミッドが必要なのかを聞くところだったな。
「【フレイヤ・ファミリア】で坊ちゃまは死の3歩手前まで痛められたとのことです。」
「死、死、死の3歩手前だとぉ!?」
「ええ、【フレイヤ・ファミリア】のヘイズ・ベルベット様が坊ちゃまを癒やしたそうです。」
あの『満たす煤者達』の顔役の『黄金の魔女』か!?
死んだような目をした女か!?
「…それでそなたはベルに何をする気なのだ?」
「神ミアハ。坊ちゃまはそのためレベル5へランクアップしました。」
「「!?」」
早くないか!?
もう第一級冒険者だぞ!
メーテリア、見てるか!
お前の一人息子が既にあのバカサポーターを超えたぞ!
……待てよ。
【フレイヤ・ファミリア】のヘイズは死の3歩手前までに治したらしいが、
そうなるまでに痛められた、ということだよな?
アミッドは…死の一歩手前なら治せるのだが…。
ということは……まさか…聞いてみよう。
「セバスよ…。まさかなのだが、ベル・クラネルを死の一歩手前まで追い詰めて、アミッドに治させようという目的ではないだろうな?」
ない、と言ってくれ!
だが、こやつは【ヘラ・ファミリア】専属執事の…【最恐執事】なのだからな!
「ご明察でございます。さすが、神ディアンケヒトですね。」
やっぱりかぁぁぁぁぁ!?
「…セバス。何故そこまでするのだ?確かにベルは成長速度が早い。だが、レベル5からの成長速度はレベル4と比べて遅い。そこまでしてもすぐに成長できるとは思えないのだが…。」
「【フレイヤ・ファミリア】と【ロキ・ファミリア】と戦うにはまだ足りなさすぎます。時間ギリギリまで強くしなければならない状況です。どうか、ご理解いただきますようお願いします。」
…………仕方がない。
この【最恐執事】セバスが言うほどだ。
そしてセバスが判断し、儂らのところへ来てアミッドの派遣をお願いしてきているのだ。
メーテリアの子、ベル・クラネルを守るためにも…。
そして、アルフィアやメーテリアを死に追いやった死の病を撲滅するためにも…。
「……わかった…。」
「ディアンケヒト!?」
「ミアハ、ベル・クラネルは…こいつにとって第一だ。こいつが死の一歩手前まで追い込むほど、強くさせなければならないというのなら、仕方があるまい。アミッドを派遣しよう。」
「…そうだな。死なせるわけがないものだな。私も賛同しよう。」
「お二方、ありがとうございます。」
アミッド!頼むぞ!
絶対に死なせるなよ!
ディアンケヒトはベルが誰の子であるかはすぐにわかったけど、見て見ぬふりをしたのではないか、と思っています。
それが分かった今、もう見て見ぬふりはやめて全面的に支援するという設定にしました。
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