白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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本作品の初登場、アミッドさん回です!

アミッドファンの方、おまたせしました!


第51話 聖女、後悔

「遅くなり…申し訳ありませんでした。準備が整いました。」

「お気になさらず、先程話が終わったばかりですから。アミッド嬢。」

アミッド嬢…。初めて呼ばれました。

照れますね。

 

「アミッド…、【ディアンケヒト・ファミリア】は【ヘスティア・ファミリア】に味方する。戦争遊戯が終わった後でもだ!」

「承知しました。」

さっきと態度が違うようですが…、まあいいでしょう。

治すからには必ず治します。

「アミッドよ、ベルを頼む…。大怪我負っても、何が何でも治してやってくれ。」

「はい!承知しました!」

ミアハ様がお願いしてきています!

頑張ります!

 

「…アミッドよ。前から思ったのだが、何故儂とミアハの反応が違うのだ?」

「気のせいです。」

「いや、でも…」

「気のせいです。」

「わ、わかった…。アミッド、ベル・クラネルを死なせるな!いいな、絶対にだぞ!」

ええ、気のせいです。

…しかし、さっきと態度が随分違いますね。

一気に、過保護なおじさんになったような気がします。

 

「では、アミッド嬢。参りましょうか。」

ベル・クラネル専属執事のセバスさん…。何者なんでしょう…?

しかし、ベル・クラネルが坊ちゃまと呼ばれているとは…ププッ。

違和感がないのが笑えますね。

 

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「どちらへ行かれるのでしょうか?」

フードを被ったセバスさんが先頭になって歩いて、私はついていった。

そしてダイダロス通りの気配のないところへ入っていった。

 

すごい…周りの人が気づいてない程の気配を消している…。

本当に何者でしょうか?

 

「坊ちゃまが訓練される場所です。まあ、クノッソスと言えばおわかりでしょうか?」

「!クノッソス…。」

あのバルカが…死んだ場所。

そしてエニュオ、いえ神ディオニュソスの野望の跡…。

今はただの廃墟となり、ギルドが管理しているようですが…。

入っても大丈夫なのでしょうか?

 

「ところで、アミッド嬢。」

「はい、何でしょうか?」

「先程、私たちの会話を盗み聞きしておりましたね?隣の部屋で聞き耳を立てていたのが丸わかりですよ。」

「!?…何のこと「心拍数が速くなっておりますよ。大丈夫ですかな?」…はい、聞いておりました。申し訳ありません。」

…この人……すごく怖い。

あのディアンケヒト様が動揺し、喚き立てないのは非常に珍しかったからです。

つい、気になり準備をしてくる振りをして、隣の部屋で聞き耳を立てていました…。

…私としたことがいけません。

 

「申し訳ありませんでした。ディアンケヒト様があのような態度になるのは珍しかったものですから…。」

ええ、ベル・クラネルのことになると、耳を塞いだり知らない振りをするなど、挙動不審でした。

 

【アポロン・ファミリア】との戦争遊戯で怪我するのを見るたびに、喚き散らすくらいでした。

…迷惑でした。

そして、へそくりを全て【ヘスティア・ファミリア】に賭けていたのは、知っています。

 

そして、その原因が今日わかりました。

ディアンケヒト様とミアハ様が死なせた大切な人が、メーテリアさん…死の病にかかって逝かれた方。

そして、ベル・クラネルのお母さん、であるというのは驚きました。

……7年前の大抗争の闇派閥の大幹部である【静寂】のアルフィアが…メーテリアさんの双子の姉であり、ベル・クラネルの叔母…。

 

ディアンケヒト様の怒りも分かる。

何故、甥がベル・クラネルがいるのを分かっていながら、あの大抗争で命を散らすこともないでしょう!

 

それに、ベル・クラネルはお祖父さん…神ゼウス様と2人きりで過ごしたようですが、母親が血のつながった肉親がいない、というのはつらいはずです。

残り命が僅かしかなくても会うべきでした!

 

ミアハ様の言う通り、私たちのところへ来てくれれば私の魔法を使えば、死の病の苦痛を少しでも和らげるはずです!

本当に会いにくるべきでした…。

 

私もあの大抗争で、私の魔法でも救えなかった命が多くありました。

ディアンケヒト様、ミアハ様は神であることがつらいと言っていましたが、私もです。

【戦場の聖女】なんて大層なものを頂いてますが、あの時救えなかった命が多くあり、その命の家族から責め立てれたことは多くありました。

その都度、聖女なんていらない!と思うことも多くありました。

 

しかし、当時は【ミアハ・ファミリア】のミアハ様やエリスイスに色々と助けられました。

今は落ちぶれていますが…、【ヘスティア・ファミリア】に関わってから復活の兆しが見えてきました。

昔のように話してくれるといいのですが…。

特にミアハ様には。

 

…いけません。つい、昔を思い出してしまいました。

 

………私でも治せない死の病を、治せる特効薬の最後のピースを持っているのが、抗体を持っているベル・クラネルですか…。

 

あの少年は一体何者でしょうか…?

 

そしてこの方は【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】と関係があるようですが、一体何者でしょう…?

強いというのはわかりますが、【猛者】とは少し違うように感じます。

いけません、意識をこっちに向けないと。

 

「まあ、仕方がありません。おとなしくなったディアンケヒト様はあまり見ませんからね。…アミッド嬢、私が何者かが非常に気になるようですね。そして坊ちゃまのことも。」

「!?……はい。」

「クノッソスに着いたらお教えしましょう。あまり聞かれてはいけない内容ですからね。ああ、言うまでもありませんが、口外無用でお願いします。そうしないと、【ディアンケヒト・ファミリア】が更地になりかねませんからね。」

「絶対に言いません(この人はやる、絶対にやる)!」

……怖すぎる、この人…。

ディアンケヒト様が怯えるのもわかります…。

 

……とんでもない方と関わってしまいました…。

ですが、死の病の最後の希望を持つベル・クラネルがどんな大怪我を負おうが、必ず治します!

 

………思いましたが、死の一歩手前になるまでってどんなことをベル・クラネルに課すのでしょうか…?

今更、安直に承諾してしまったのを後悔してしまいました…。

…………………………大丈夫でしょうか?

 




次回は…皆様お待ちかねの、あの方でございます!

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