白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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今回もカサンドラさん回です。



第62話 悲観者、恐怖。

「ええ。これほどの回復魔法でしたら明日からお願いすることになります。困難な状況を治すことによって、カサンドラ嬢の経験値および偉業が結構溜まりますので、悪い話ではないと思いますよ。」

あ、はい。

…え?あ、明日から…えええええっ!

 

「私としては即やめてほしいのですが…「それはできませんな」…ですよね。」

「まあ、明日からの模擬戦は私とメイ、そしてバーチェ嬢です。毒魔法が使えるのは僥倖ですね。バーチェ嬢はシメとしてやっていただきますので、カサンドラ嬢の魔法が活躍されるいい機会でございます。」

「「シメ?」」

「坊ちゃま、バーチェ嬢、動けますかな?」

「あ…う…く…な、何とか…。」「…大丈夫だ…団長の方が深手と思いますが…。」

治療したばかりなのに、二人とも動ける…すごい。

バーチェさんはレベル6だからわかるけど…、ベルさんはレベル5になりたてだからまだ動きが鈍い…。

 

「では、バーチェ嬢。先程の付与魔法を出してくれますかな?」

「?…わかった……」

 

【食い殺せ】

【ヴェルグス】

 

「…これでいいか?」

「はい。坊ちゃま、すみません。」

ガシッ カパッ

 

「え?な、何を!?う、動けない!ちょ、セバス!口をあががが…。」

「ちょっと、何をなさってるのですか!」

「えええええっ!」

セバスさんがベルさんを羽交い締めにし、口を開けさせています。

な、何するんですか…?

 

「バーチェ嬢、坊ちゃまの口へめがけてヴェルグスを注いで下さい。」

「「「は?」」」「あひゃ?」

「毒を飲ませて、発展アビリティの『耐異常』を上げるためです。」

「そんなの!許可できません!」

「ひぃぃぃぃっ!」

「私が許可するのです。さあ、バーチェ嬢。」

「…団長、すまない。」

「あー!ガボガボガボガボガボガボ……うぐぅぅぅぅっ!」

「なっ!カ、カサンドラさん!魔法を!」

「は、はいいいっ「待ちなさい。まだです。」…。」

「こ、殺す気ですかっ!」

「坊ちゃま!毒を乗り越える気で耐えるのです!それは坊ちゃまの母方のファミリアも越えた道です。」

「!!!ううううううっ!」

「な、な、な、何をなさっているのですかぁぁぁぁっ!あなたはぁぁぁっ!」

「………【カーリー・ファミリア】でもやらないぞ…それは……。」

「あ、あわわわわわ…。」

こ、怖すぎる…。この人…。

 

数分後経っても、ベルさんはもがき苦しんでいました…。

「うがあああああああっ!あああああっ!」

ダメ…見ていられないくらい…ダメ…!

アミッドさんは回復魔法を唱えようとしてましたが、セバスさんによって口を塞がれていました。

振りほどこうとしてもビクともしません…。

私も隙あらば唱えようとしたら、セバスさんに睨まれました…。

怖い…。

 

「坊ちゃま、この程度を越えられないようでは…【猛者】を倒すことも、『異端児』を救うことも、黒竜も倒すことも…そして坊ちゃまの目指す『英雄』になれることもできませんぞ。」

「!!!!う、う、う、うあああああっ!」

えええっ!こ、克服しようとしてるぅぅぅっ!

 

「無駄だ……私のヴェルグスはその程度では耐えられないはずだ……このままでは死ぬぞ…。」

「むー!むむむー!(放して!放してください!)」

 

「……【剣姫】さえ振り向かせることもできませんよ…。」

今の何て言ったの…?

聞かなければいけないような…。

 

「!!!!!!!…あああああああっ!…………。」

あ、あ、あ、ああああ…。

し、死んじゃった…?

 

「ふむ…気絶しただけですな。どうやら乗り越えたようです。出だしは上々ですな。」

え?こ、克服できたの?

「…あ、ありえない……。私のヴェルグスを…克服した…?…そこまでしなければならないのか…。」

「ぷはっ…。ぜー、ぜー、ぜー。セ、セバスさんっ!あ、あ、貴方は何を考えているのですかぁぁっ!」

ひいいいっ!

怖い!アミッドさん、怖い!

 

「何を?坊ちゃまを強くするためですが、何か?」

「何かではありませんっ!こんなの特訓じゃないっ!拷問じゃないですかっ!」

「ああ、カサンドラ嬢。「は、はひっ!」念の為、坊ちゃまに魔法をかけてくれませんか?「わ、わかりましたっ!」」

【……………………(詠唱中)……………】

【キュア・エフィアルティス】

 

「……ふむ、大丈夫のようですな。」

「セバスさんっ!私の話をっ!聞いているんですかっ!」

「聞いておりますよ。強くするために決まっているんじゃないですか。」

「こんなのっ!【ロキ・ファミリア】でもやりませんよっ!」

「だから、彼らはダメなのです。」

「「「!?」」」

え…?【ロキ・ファミリア】がダメ…?

 

「限界を乗り越えようとせず、地道に進む方法は確かに安全です。ですが、その程度です。だから、あの『三首領』はレベル6止まりなのです。ところでバーチェ嬢、貴方の闘国は殺し合いをしてきたとのことですね?常に同格の相手ではなかったですか?」

「………その通りだ。よく知っているな…。」

「ええ、研究しましたので。ダンジョンもなしでそこまでに至るのは、なかなかできることではありません。」

「それとっ!これとっ!何の関係がっ!あるのですかっ!」

ひぃぃぃぃっ!怖いっ!

アミッドさんって怒るとそうなるんですね!

団長から聞いたのと、全然違いますっ!

 

「強くなるため、その一心です。バーチェ嬢、そうですな?」

「………そうだ。」

「死んだら、元も子もないじゃないですかっ!」

「そうです。だから、貴方を連れてきたじゃないですか。」

「………私の魔法は生かすためです。苦しませるためじゃありませんっ!」

「承知しております。」

「…何故…何故…そこまでするのですか……。貴方たちが出れば戦争遊戯は簡単に済ませるのでしょうっ!」

「……そうだな。私もそう思う…。」

えええっ!【フレイヤ・ファミリア】と【ロキ・ファミリア】の戦争遊戯に簡単に勝てるぅぅっ?

 

 

 




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