白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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久々の主人公回です!

ベルくん以外他のキャラ視点では、キーがノるのは何故だろう…。
彼があまりに純粋無垢のためだからだろうか…。


第64話 白兎、混乱。

「う…ん…。」

僕は一体……。

バーチェさんと模擬戦をしてたっけ…。

うん、そしてそのあと…えーと…。

だ…めだ。思い‥出せない……。

 

何だろう、この頭の後ろの感触は…。

気持ちいい…。

それに…いい匂い…。

「あの…ベルさん…大丈夫でしょうか?」

え!?カサンドラさん!?

え?膝枕?

わわわ、起きなきゃ!

 

ボヨン!

「むぐっ!」「あっ…!ん…。」

え?え?え?

何で僕はカサンドラさんに膝枕されているの!?

起きようとしたら柔らかいものが…。

!?!?!?

「あ、あの…ベルさん、お、落ち着いて下さいっ。」

ぼくは、こんらんしてしまった!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ようやく落ち着いた僕はカサンドラさんに、すぐさま土下座した。

「すみません!カサンドラさん!本当にすみません!」

うう…恥ずかしい。

第一級冒険者になったばかりなのに…。

 

「わ、私は気にしてませんっ!むしろ、嬉しいというか"兎を愛でる"という予言の通りというか、とにかく立って下さい…。私が困ります…。」

「本当にすみませんでした!…っとと…。」

立ち上がろうとしたら…、ふらついてしまった。

 

「べ、ベルさん!大丈夫ですか?」

カサンドラさんが支えてくれて、立つことができた。

「だ、大丈夫ですよ…あれ、おかしいなぁ…。まともに立てないし歩けない…。」

バーチェさんの組手、そんなにきつかったのかなあ…。

そりゃ、あの毒はきつかったけど…。

 

「本来なら入院しなければならないんです!ですが、今のベルさんなら大丈夫、とセバスさんが言うものなので…。アミッドさんがすごく怒ってて、とても怖かったです…。」

え…。アミッドさんが怒った…?

怖い!ベッドに縛られて怒られる!

その怒ったアミッドさんにセバスが…?

 

「そ、そうなんですか。その…セバスはアミッドさんに何かしましたでしょうか?」

何かしたら、謝らないと!

土下座しないと!

 

「い、いえ、淡々と答えていました。あの冷静なアミッドさんが怒鳴り散らしても、セバスさんは涼し気な表情で淡々と…。どちらも怖かったです…。」

セバス…すごい…。

あのアミッドさんに…。

 

「とりあえず、ベルさんは私と一緒に帰るようセバスさんに言われていますので…。か、帰りましょう。」

「あ、はい…。すみません。歩けるようになるまでお願いします…。」

カサンドラさんに支えながら…!?み、密着してる!?

当たってる!ナニカと言わなくても、当たっている!

そ、そこまでしなくても…、言わなくっちゃ!

 

「あの…カ、カサンドラさん!あの…当たっています!」

「だ、大丈夫です。そ、そうしないと歩けませんので…それに…そういうことをするのはベルさんだけです…。」

「~~~~!?あああ、歩けるようになるまではお願いします!」

平常心だ、平常心。

あ、神様がこちらを睨んでいる光景が見える…。

 

---------------------

 

「あの…カサンドラさん。」

「~♪あ、はい。何でしょうか?」

「何も…この…目立つ大通りで歩かなくても…。」

今、僕たちはメインストリートの真ん中を歩いている。

めっちゃ目立っている!多くの人に見られている!

 

「セ、セバスさんの言いつけですので…。あ、そこ危ないですよ。」

ふにょん

「!?!?あ…はい…すみません。」

平常心、平常心、平常心……。

うわぁ…みんなにすごく見られている…。

 

「「チッ、イチャイチャしやがって」」

「心配して損したぜ。」「やはりくたばれよ、兎。」

しくしくしくしく……。

 

「あの…ベルさん?大丈夫ですか?」

「あ、はい。大丈夫です。…ちょっと心にクルものがあって…。」

「だ、大丈夫ですか!?えっと胸のところにですか?」

ムニュムニュ

「!?!?!?!?」

平常心だ!平常心だ!平常心だ!

わざとやってないよね!?

 

「?」

あ、これ…素だ……。

 

あ、【ガネーシャ・ファミリア】の団長のシャクティさんだ。

こちらを見て呆れている…。

「何をやっているんだ…【白兎の脚】は…。あんなにボロボロになって、相手はリオンか?いや、【ミアハ・ファミリア】の【悲観者】か…?」

うう…、恥ずかしい…。

 

あ、師匠の超スパルタ教育で助けた冒険者のお姉さんだ。

「く~っ!私が代わりたい!」

「どっちを?」

「もちろん【悲観者】に決まってるじゃない!」

「私なら!介抱するフリをして…ぐふふふふ…。」

「あんた…それ、犯罪よ…。」

怖い!怖いよ!

「それより召集に行かないと!」

「そうね!私たちの思いが叶うんですもの!」

 

---------------------

 

や、やっと着いた…。

こんなにホームは遠かったっけ…?

ん…、少しは…マシになったかな?

 

「カサンドラさん、ありがとうございます。ここで…」

「いえ、セバスさんから泊まるように、と。」

ええっ!?セバス、何を言っているの!?

と、とにかくセバスに聞かないと!

 

ホームの扉を開けたら

「おかえりなさいませ…ご、ご主人様。」

メイド服を着た、バーチェさんがいた。

幻でも見ているのかな…?

 

再びホームの扉を閉じて、もう一度開いた。

やっぱりメイド服のバーチェさんがいた!

ぼくはふたたび、こんらんしてしまった!

 

---------------------

 

ホームの中に入って、リビングのソファに座ってしばらくして…

ぼくはしょうきにかえった!

「あの…バーチェさん…、どうしてメイド服を着ているのでしょうか?」

「はい…ご、ご主人様。メイド長の言いつけです…。」

メイーーーー!

 

「はい、坊ちゃま。何でしょうか?」

声に出してないのに、何でわかるの!?

そして、どこから現れたの!?

「メイドの嗜みです、坊ちゃま。バーチェさん、そのくらいわかるようにして下さい。」

「…はい、わかりました(メイドって、すごいな…。)」

メイドって、しゅごい…。

って、違う違う!

 

「ねえ、メイ。どうして、バーチェさんがメイド服を着ているの?」

「本人が望んだことでございます「え?」。」ギロリ!

「あ、はい。そ、その通りです(貴女が「やれ」と言ったんじゃないか!とは言えない…)。」

そうか、そうなんだ。それなら仕方がないね。

 

「ところで、坊ちゃま。もう一人新入団員がいますので紹介しますね。」

バーチェさんでなく、他にもいるの!?

うう…僕は団長失格だな…。

しっかりしなくっちゃ!

「入りなさい。」

「はい。」

え?ええええええええっ!

エイナさん!?どうして!?

ぼくはまた、ふたたびこんらんしてしまった!

 

---------------------

 

ようやく、ぼくはしょうきにかえった!

「ベル君、ううん。団長、と言ったほうがいいかな?」

団長…エイナさんから団長って変な気分…。

僕としては今まで通りがいいかな…。

 

「え、いや、あの、な、慣れないので…当分は今までの通りでお願いします…。」

「うん、わかったよ。ベル君(メイさんの言う通りだったな。)」

うん……まだエイナさんからこういう呼び方が好きだな。

何でうちに入ろうとしたんだろう?

あ…、この前の負い目からかな?

 

「あの…、どうしてうちに入ったんですか?ギルドの方が収入も待遇もいいと思うのですが?」

「ギルドをクビになったから。」

「ゑ?ええええええっ!」

 

ぼくは、さらにまた、こんらんした!




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