白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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ようやく、主人公回です。
おまたせしてすみません!


第6話 白兎、起床。

「う、う~ん。」

あれ?ここは…【フレイヤ・ファミリア】じゃなく…【ヘスティア・ファミリア】の僕の部屋だ…。

よかった、夢じゃない。

 

「べ、ベル様がお目覚めになられました!み、命ちゃん、ヘスティア様を呼んで!」

「承知しました!」

ああ…、やっぱホームはいいなぁ…。

 

「べ、ベル様、お加減はいかがでございましょうか?」

「春姫さん、大丈夫です。僕が倒れてからどのくらい経っていますでしょうか?」

「3時間ぐらいでございます。」

その時、僕のお腹からけたましいほどの空腹音が鳴っていた。

ううっ…恥ずかしい…。

 

「くすっ…、今から何か食べる物を持ってきますね」

「あ、僕もそっちへ行きます。今までのことを説明したいので…。」

「はい、一緒に参りましょう。」

 

そうしてホームのリビングへ向かったのだが…、春姫さんは僕の3歩後ろをついてきた。

「あの…本当に気にしていませんので、もっと近くに来ませんか?」

「ベル様…ベル様は優しすぎます。あんな、あんなひどいことを貴方にしてしまった私は自分を許せません…。」

春姫さん、すごく罪悪感を感じているなあ…。どうしたらいいんだろう…。

 

「じゃあ、僕が許しますので隣に来ませんか?そうしないと許しませんよ。」

「!で、では参ります…。」

ようやく隣にきた春姫さんは尻尾を左右に振りながら嬉しそうだった。

けど、まだ遠慮さを感じるなあ…。

 

リビングに到着したら、神様たちとリリ、ヴェルフが顔をつき合わせて悩んでいた。

「あ!ベル殿、今から行こうとしてたとこですがご覧の有様で…。」

「う~ん…、あ!ベルくん、もう大丈夫なのかい?」

「はい、神様。もう大丈夫です。」

 

「すまぬな、ベル。我らが不甲斐ないばかりで。」

「できるだけの手助けはするわ。」

「この程度は当たり前だろう?」

ミアハ様、ヘファイストス様、タケミカヅチ様…。

「いえ、ありがとうございます。手助けしていただいただけでありがたいです。」

「ベル様、お詫びはあとで、な、何でもします。ですが、今は戦争遊戯について…。」

リリも深い悔恨が顔に出てるなあ…、後で大丈夫だよと言わないと…。

 

コンコン

「ん?誰だい。こんな時間に」

「私が参りましょう。」

「状況を説明します。今回はかなり、いえ絶望的に厳しいです。ほぼ敗北は確実です。【ロキ・ファミリア】が協力してくれない限り…ですが、ヘスティア様が…」

「ロキにお願いしたくないっ!頭を下げたくないっ!けど、下げないと駄目だろうね…。ああっ!でも下げたくないっ!」

神様、よほどロキ様が嫌いなんだな…。そうなるとアイズさんも…?

「さっきからこの通りなんですよ…ベル様、説得をお願いします。」

「う、うん。神様…。あれ、春姫さん、どなたが来ました?」

春姫さんがおずおずと戻ってきた。あれ…誰かと一緒に…。

 

 

「あ、あの皆様。あうっ。」「よ~ドチビ。えらいことになっとんなぁ。ヒヒヒ。」

「ゲッ、ロキ。何しに来たんだよ。」

ロ、ロキ様とフィンさんも?

 

「やぁ、ベル・クラネル。今回は大変だったね。」

「い、いえ。」

「……フィン様、何しに来られたのでしょうか?ご覧の通りリリ達は忙しいのですが。」

リリ、かなり警戒しているなぁ。

 

「いや、大変な時にすまない。…ロキ。」

「お~せやったな。さ~て、ドチビ。うちらは【ヘスティア・ファミリア】へ戦争遊戯を申し込むでぇっ!」

「「「な、何ィィィィ!?」」」

【ロキ・ファミリア】がうちに戦争遊戯を!?

 

「もちろん、拒否権はなしやぁ!要求は【ヘスティア・ファミリア】をうちのパシリにすることや!」

「「「なっ!」」」

そ、そんな!アイズさんと敵対することに!?

え、でも、パシリ…悪くないかも…。

痛っ!リリ、何するの!

 

「お、お待ち下さい。こちらは【フレイヤ・ファミリア】からの戦争遊戯が先で…。」

「だからこそだ。うちらは【フレイヤ・ファミリア】とは色々あって戦争遊戯申し込めないが、【ヘスティア・ファミリア】との戦争遊戯に横入りできる。それはルール上認められているはずだ。」

【フレイヤ・ファミリア】だけでなく【ロキ・ファミリア】までも!?

そんなのますます勝ち目がない!

 

「………ギルドから通達があったのですか?」

「さすがに察しがいいね。そのとおりだよ。そして、それしか君たちを助ける方法がない、と言っておこうかな。」

「……なるほど、そういうことですか。ヘステイア様、受理すべきです!」

リリ!?

 

「上等だぁ!ロキィ、戦争遊戯だ!」

「ドチビぃ!これで年貢の納め時やぁ!」

ヘスティア様ぁぁぁ!?わかっているんですかぁぁぁ!?

 

「じゃあ、ウチらは帰るで~。せいぜい悪あがきしときやぁ~。」

「…できるだけ時間は延ばそう。じゃあ、これで。」

ロキ様とフィンさんはそう言って帰って行った。

 

「ど、どうするんですか!【フレイヤ・ファミリア】だけでなく【ロキ・ファミリア】までも…。」

「ギルドは日頃【フレイヤ・ファミリア】と【ロキ・ファミリア】との抗争を避けています。今回は【フレイヤ・ファミリア】へ肩入れしたようですね。はっきり言うとギルドは期待できません。」

「ウラノスめえぇぇぇ…。」

エイナさん…、大丈夫かな…。

 

「最悪の場合、【ロキ・ファミリア】の傘下に入ってもまだ安全は保証できます。【ロキ・ファミリア】の主神ロキとヘスティア様の仲は悪いですが、団員は【フレイヤ・ファミリア】よりはまだ親交がある方なのでまだマシです。」

うん…まあ…どちらかというと【ロキ・ファミリア】かな。

けど【フレイヤ・ファミリア】はいい人ばかりだったし…。

 

「そして、【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】とはベル様を巡って戦う理由ができます。それが今回の狙いです。非常にっ、本当にっ、不本意ですがっ、勝ちの目が少しは出てきました。」

でも、圧倒的な不利は変わらない……。

特訓しようにもアイズさんの協力は得られないし…。

 

「メンバーですが、現時点で【フレイヤ・ファミリア】へ挑めるのはベル様だけです…。私達は春姫様のレベル・ブーストがあってもレベル3までしかできませんので却下です。他派閥の協力がどうしても不可欠です。特にレベル4,5,6の。」

【フレイヤ・ファミリア】と【ロキ・ファミリア】以外のレベル5,6というと、椿さんしか思い浮かばない…。

 

「やらなければならないことは、多くありますがレベル4,5,6の募集・装備強化・戦略の3つですね。最後の戦略は戦争遊戯の舞台が決まってからになりますが。」

「手っ取り早いのは、装備強化だな。魔剣は俺が何とかするが、武器や防具は時間がなさすぎる。遠征で使用した武器・防具がまだ修復していないんだ。」

「ヴェルフ、それは私達が用意するわ。まずバベルへ向かいましょう。ヘスティア、ヴェルフとベル・クラネルで十分でしょ。」

防具はヴェルフが作ってくれたものがいいんだけどなぁ…。時間がなぁ…。




【フレイヤ・ファミリア】の戦争遊戯で【ロキ・ファミリア】との協力が不可欠の仮説が多いので、逆をとってみました。
【フレイヤ・ファミリア】【ロキ・ファミリア】【ヘスティア・ファミリア】の三対立も面白そうでしたし。
また、都市最強が手っ取り早く決まるからです。(クノッソスの戦いでベル君の知名度が大幅に上がりましたし)

1日目はまだまだ終わりません…。


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