白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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今回からしばらくは、【ロキ・ファミリア】視点で進みます。
時間的には1日目の、【ヘスティア・ファミリア】へ戦争遊戯を仕掛けた後です。

ここまで見ていただいた方々は、今回からのを見て「ニヤリ」となるかもしれません。

まずはフィン回です!


第71話 勇者、危惧。

これでよし。

【ヘスティア・ファミリア】に戦争遊戯を仕掛けたことによって、間接的に【フレイヤ・ファミリア】と戦える。

「やっと、これであの色ボケんとこと決着つけられるなあ、フィン?」

「ああ、そうだね。時間を稼いで準備を進めないとね。」

そうさ、この方法でしか助けるしかなかったんだ。

 

戦争遊戯の方式が何であれ、まず【ヘスティア・ファミリア】を瞬時で下す…フリをして【ロキ・ファミリア】と【ヘスティア・ファミリア】の合同で、【フレイヤ・ファミリア】を討つ、それが最善のパターンのはずだ。

…………なのに、何故親指のうずきが収まらないんだ?

 

一旦、ホームへ戻って考えるか…。

 

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「どうしたんじゃ、フィン。さっきからずっと怖い顔をしおって。」

「いやね、さっきから親指のうずきが収まらないんだ。どうも…嫌な予感がするんだ。」

「お主のそのうずきには何回か助けられたからのう。その勘を信じてもよいのではないか?」

………ガレスの言う通りだ。打っておく手は打っておくか。

「ラウルとアキを呼んでくれ。」

 

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「団長、参りました。」「どうしたんっすか?」

「今すぐ、ダンジョンに潜っているリヴェリアのところへ行って、今回のこと…神フレイヤの魅了、戦争遊戯について全てを伝えに行ってくれ。できるだけ早く、にだ。」

「あ、はい。わかりました。」「了解っす。」

「うむ、リヴェリアと一緒に早く戻ってくるようにな。……どうも、アイズやベートを抑えるのに儂では一苦労じゃ。扱いがうまいリヴェリアが必要じゃ。」

 

ああ…、アイズはアレを本気にして部屋を徹底的に掃除しているな。

ホームへ帰る時、ロキと一緒に見に行ったが床や壁が鏡のようになってたな…。

ロキは呆れていたな…。

 

アイズの要求は、残念ながら叶わないな…。

リヴェリアにフォローをお願いしよう。

 

それに、ベートはベートでかなり苛ついているようだ。

【フレイヤ・ファミリア】に対してではなく、ベル・クラネルに味方できないことに、だ。

半年前のベートでは考えられないな…。

 

「あはは…アイズから相談があったのですが…ちょっと戸惑いました。」

「うん?」「相談?珍しいのう。」

アイズからアキに相談?珍しいな。何だろう?

 

「えーと…「ベッドはダブルにした方がいい?ベルもそんなに大きくないからそのままでいい?」と私に…。」

「「…………。」」「マジっすか!?」

「それで…、「戦争遊戯が終わってからでいいじゃない?あと、リヴェリアにも相談した方がいいよ。」と、とりあえずそう言っときました。」

…そうか。本人は気づいているのだろうか?

とんでもない発言をしていることに。

 

「ありがとう…。すまないが…、それも含めてリヴェリアへ伝えてくれ。さっきの"できるだけ早く"は取り消しだ。至急向かって、迅速に戻ってきてくれ。」

「「了解しました(ッス)!」」

親指でなく、別の意味でも頭が痛くなってきたよ………。

まさか、アイズのこんなことで悩ませるとは思わなかったよ。

 

リヴェリアへの説明はこれでよし。

ラウルならともかく、アキはきちんと説明してくれるだろう。

…今は18階層か下層あたりと思うが、二人なら問題ないだろう。

 

……あの二人、そろそろくっついてもいいと思うのだが。

老夫婦と冷やかされているが、もうその域に達しているんじゃないかな?

いや、まず自分のことだな。いけないな。

正直、羨ましいよ…。

 

「さて…!?ぐぐぅぅぅぅっ!?」

「どうしたんじゃ!フィン!?」

親指が…これまでにないほどうずいている!

初めてだ…こんなことは…。遠征でもクノッソスでもなかったぞ!

彼らに頼んだことが間違っているのか?…いや違う。

【ヘスティア・ファミリア】………か?

 

「団長!どうしましたか!?」

ティオネか…。念には念を押しておくか。

 

「ティオネ…、ナルヴィとシャロンと一緒に【ヘスティア・ファミリア】を見張ってくれないか?何か嫌な予感がするんだ。」

「…?団長がそういうならそうしますが…【フレイヤ・ファミリア】が【ヘスティア・ファミリア】のホームを襲う…そういうことですか?」

「………それはない。だが…、気になるんだ。ティオネ、頼むよ。」

「わかりました!任せて下さい!」

これで、怪しい動きがあればレベル6のティオネなら気がつくだろう。

他の二人もレベル4だ。戦力的には問題ないだろう。

………なのに、何故だ?親指のうずきが止まらない…、むしろ強くなっている…!

 

「フィン…もう休め。汗がすごいぞ。」

「……そうするよ。ガレス、油断しないでくれ。【ヘスティア・ファミリア】に何か起こるような気が…いや、絶対に何かが起こっている。」

「むう…あの若造か…。お主らが羨ましいのう。儂はあの若造と殆ど話もしたこともないんじゃが。」

ああ、そうか。ガレスはベル・クラネルの戦いも見てなかったな。

 

「それは運が悪かったね。……!?がぁぁぁぁぁぁぁっ!」

「フィ、フィン!?」

 

何だ!さっきと同じ…いや、更なるうずきが!?

馬鹿な…この短期間でか!?

…一体、何が起こっているんだ!?

 

「ガレス…すまない。少し休む…、警戒態勢は続けてくれ。」

「う、うむ…、フィン。クノッソスのようなことはもう起こらんじゃろ。」

「いや…その時より最悪かもしれない。僕もわからないけど、最悪だけど最悪じゃない。」

「……意味がわからんぞ…。」

僕もわからないよ。ただ、そんな気がするんだ。

 

…【ロキ・ファミリア】にとって最悪で、オラリオにとって最良…?

今回の戦争遊戯は間違っている、そう言いたいのかい?

 

『そうだ。お前達は負ける。絶対に勝てない。』

 

と親指がそう、うずいているように聞こえた。




はい、勇者サマです。

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