白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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久々のアイズさん回です。


第77話 剣姫、満足。

モヤモヤする。

何かわからないけど、モヤモヤするしイライラする。

ダンジョンに…潜る気がない。

モンスターを…斬る気がない。

 

ベルに…会いたい。

あの白い笑顔を見たい。

あの白い髪をモフモフしたい。

 

【ヘスティア・ファミリア】ホームをそっと見張ったけど、ベルはいなかった。

朝早くからどこかへ出掛けて鍛えてるみたい。

後をつけたらフィンたちに怒られるよね…?

 

【フレイヤ・ファミリア】へ単身殴り込みに行こうと思ったけど、何か取込中で忙しいみたい。

 

「女神祭の続きを、じゃが丸くん巡りをしようかな?…ううん、ダメ。そんな気になれない。」

 

フィンが【ヘスティア・ファミリア】へ戦争遊戯を仕掛けた日から、おかしい。

あれが間違っている?

フィンの判断で間違ったことは…少ないはず…。

 

部屋をこれでもかとピカピカに掃除して、ロキやフィンには呆れられたけど汚いよりはマシなはず。

アキにベッドを変えたほうがいいかと聞いたら、困った顔をしてリヴェリアが来てからにした方がいいと。

リヴェリアなら答えてくれるはず。

けど、何故だろう?

リヴェリアも困った顔しそうな気がする。

 

あの日から、気分がスッキリせずホームにずっといた。

ティオナとベートさんは模擬戦をずっとしていた。

私もしようと思ったけど、そんな気になれなかった。

 

そんな私を見かねたロキが『気晴らしに外でも出たらどーや?じゃが丸くんでも食ってきーや。』と言ってるけど…。

やはり、そんな気になれない…。

はぁ…。

 

………?

何だろう、行列が…すごい?

女の人ばっかり…女神様も?

何のお店…?

【ヘルメス・ファミリア】主管…

「『ベル・クラネル』グッズ専門店…!?」

 

こ れ だ!

 

私は行列に並んで、数十分後にようやく店へ入れた。

そこには、私の求めるものがあった。

そこには、天国があった。

 

「ベルの絵…ベルのウサ耳ペン…ベルのウサ耳柄パジャマ…ウサ耳ベルのぬいぐるみもある。…さいこー。」

 

全部買おうと思ったが、各商品一人一点までとのことだった。残念。

買い占め、転売禁止だった。

 

転売って何?

「ここで買ったものを他で高く売ることですよー。そんなのしたら出入禁止ですからねー。」

そんなの絶対にしない。

 

とりあえず全種類購入した。30万ヴァリスもしたけど…。

またダンジョンへ潜って、魔石稼ぎすればいいし。

 

店員さんから、何か金色のカードをもらった。

なになに…

"『ベル・クラネル』ファンクラブ ランク:ゴールド"

とあった。

 

ゴールドって何?

「お客さんはほとんどの種類を買ったんですよね?貴女はベル様の熱烈なファンとして認められたという証がこのゴールドカードなのです!」

はぁ。

 

ファンって?

「ベル様を応援する人のことです!」

ほうほう。

 

そのゴールドカードを持つ意味は?

「次回購入するときに10%引きになりますよー。更に限定グッズを買う時に優先してくれますよー。」

!?

 

「また、限定商品や新商品を入荷しますよー。楽しみにしてくださーい。」

絶対に買う!

 

「ありがとうございましたー。次回もおいで下さいなー。」

まんぞく。

 

とりあえず、この全商品を部屋に置いて愛でよう。

絶対に愛でる。

 

さっさと帰ろう。

そしてこれらを眺めて寝る。

そうしよう、ふんふん。

 

その日、ホームへ帰ったアイズが妙に上機嫌なことをロキとフィンが不審に思ったが、今は気にしないことにした。

しかし、後日彼らはそれを後悔することとなった。

 

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~『ベル・クラネル』グッズ専門店の店員控え室~

「【ロキ・ファミリア】の【剣姫】…全種類の商品購入しました。」

「会長に報告を。…ゴールド会員1名追加っと。」

「それにしても…戦争遊戯の敵対派閥が購入って…。」

「それも狙いの1つらしいよ。すごいわ…会長。」

「違うわよ。会長の背後に絶対の力を持つ御方がいて、その御方の案らしいわよ。」

「どこまで考えているの…その御方は。」

「そんなのどうでもいいわ。私達はベル様を応援する会…ファンクラブの幹部よ!」

「「「そうね!」」」

「でもこの店だけで回すのは、さすがに限界だわ…。」

「大丈夫よ。会長はそれを見込んで、他の支店も作ることを検討しているらしいわ。」

「「「さすが、会長!」」」

 

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~【ヘスティア・ファミリア】ホーム~

「我が神、報告いたします。【ロキ・ファミリア】の【剣姫】、予想通りゴールドになりました。」

「そうですか、予想より早かったですね。ローリエさんありがとうございます。」

「これしきのこと…。これは本日売上でそちらの取り分の30万ヴァリスでございます。」

「それはそれは…。ではこちらを差し上げましょう。本日の使用分です。」

「おお…これはあの御方の…感謝いたします。他支店を作るのに忙しいため、これで失礼します。」

 

「「「…………。」」」

 

「エイナさん、お聞きの通りです。この30万ヴァリスを、ファミリアの資金に加えて運用をお願いしますね。」

「あ、はい。税金の申請はしているのかしら?あ、納税証明書がある。大丈夫みたいね。」

「エイナ様エイナ様、そっちではありません!ファンクラブとやらに突っ込んで下さい!」

「さ…30万ヴァリス…たった1日で…。さすがベル様…。」

「リリさん…私はもう達観することにしました。ベルくんのためになるなら、もう何でもいいよ。」

「まだ入団して数日なのに、リリより馴染んでいません!?」

「エイナ様…すごいです……。」

「リリさん、春姫さん、ファンクラブから見たら私達は垂涎の的よ。ここは甘んじて受け入れましょう。」

「「それはそうですが…。」」

「ベルくんのスキルからして、ファンクラブは非常に大きい。なら問題ないわ。ええ、問題ありませんとも!……私も行きたい!」

「「めっちゃ気にしてるじゃないですか!」」

「まあまあ、貴女方が気になさるのは当然のことです。…ところで、ここにグッズの全種類のサンプルがありますが、いりますか?」

「「「いります!」」」

そして、三人はゴールドカードより上の、プラチナの更に上のホワイトカードを手にし、ホクホクだったそうだ。

 

ヘスティアは、バイト先で日中と働いていたためファンクラブについては全く聞いてなかった。

「ぬあー!今日はいつもよりめっちゃ多いな!何でだろう?「ヘスティアちゃーん、早く揚げなよー!」はーい!」

ヘスティアのバイトしているじゃが丸くんの店で並んでいる客の大多数が、ファンクラブの会員であることを知らずに、働いているのであった。

 

会則の1つに、"【ヘスティア・ファミリア】主神ヘスティアに貢献すべし。"と書いてあるためであった…。




ベルくんブームが、広がりました!

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