白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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※日を間違えました。時間が10分遅れてすみません。

本日2回目です。

今回は、リヴェリア様です。
深層への遠征からの帰りです。

リヴェリア様回が4回連続あります。
ここからは、マジモードです。


第78話 妖精王女、後悔。

私は今、18階層にいる。深層からの帰りだ。

今回の目的はレフィーヤがレベル4になったから、ランクアップのズレとスキルの確認のためだ。

本来なら、下層までの予定だったがレフィーヤのスキルがあまりに強力すぎるため、深層まで潜っていった。

その甲斐もあり、ズレも直りスキルの確認が十分にできた。

更に魔石やドロップアイテムも豊富に獲得できた。

次の遠征の軍資金の足しにはなるだろう。

ロキの酒代にならないよう、しっかりと管理しないとな。

 

「ふぅ…やっと18階層か。思ったより深く潜ったな。」

「あ、はい。リヴェリア様、ありがとうございます!」

「気にするな、お前が強くなると私も嬉しい。戦力の幅も広がるしな。」

「えへへ…。」

「これで、ようやく本腰入れて座学に力を入れることができるな。」

「えっ…、あの…今までのは一体…?」

「何を言っている?基本だぞ。これからが本番だぞ。」

「…そ、そうですか…(あれが基本?嘘でしょ…。アイズさん、助けてぇぇ!)」

レフィーヤは引きつっていたな…。

はぁ…あの程度の座学で根を上げるとは情けない。

 

レフィーヤはとぼとぼとして、テントへ戻っていった。

そんなに座学が嫌なのか…?

困った奴だな。

「リヴェリア様…。」

「ん?アリシアか。どうした?」

「その…レフィーヤですが、何か大きく変わったような…。やはり、あのフィルヴィス・シャリアの件でしょうか?」

「しっ!声がでかい…。(気づいてないな)…そうだ。彼女の影響がレフィーヤを強くさせたようだ。」

「…そうですか。何か一皮向けて一層頼りになりましたね。」

「ああ…そうだな。喜ぶべきなのだが、素直に喜べないな…。」

「え…?どういうことでしょうか?」

「いや、すまない。世迷い言を言ってしまったようだ。お前も早く寝ろ。明日は早いぞ。」

「あ、はい。すみません。これでお邪魔させていただきます。お休みなさいませ。」

「ああ、お休み。」

いかんな…つい本音をこぼしてしまった。

確かにレフィーヤは、あの戦いをきっかけに強くなった。

しかし、大きな犠牲を払ってしまった。

 

同胞のフィルヴィス・シャリア…、邪神ディオニュソスの眷属であり、怪人。

第一次クノッソス侵攻で、神ディオニュソス、いや神ペニアを送還させたことで恩恵を失ったフリをして自分をわざと殺させた…ことによってレフィーヤを戦線離脱させた。

 

彼女はレフィーヤを戦線離脱させて、第二次クノッソス侵攻戦に参加させないようにした。

しかし、それが精神崩壊寸前のレフィーヤを覚醒させるきっかけになってしまった。

 

前々から怪しいと思ってたが、それに対して追求しなかった我々にも責任がある。

決定打となった、クノッソスに初めて潜った時に気づけば、あのような悲劇が起こらなかったかもしれない…。

 

いや、違う。もっと前だ。

レフィーヤやベートから聞いた話では『27階層の悪夢』がきっかけだった。

数年前の『27階層の悪夢』の時に、我々【ロキ・ファミリア】が助けに行くべきだったのだ。

そうすれば、『27階層の悪夢』は起こらなかったはずだ。

【ディオニュソス・ファミリア】のパーティも全滅することもなかったし、フィルヴィス・シャリアも怪人になることもなかったのだ。

そう、神ディオニュソスの野望を早めてしまったのは我々だ。

 

しかし、そうしなければ闇派閥に属する神々を捕らえることはできなかった。

捕らえたことによって、【ロキ・ファミリア】【フレイヤ・ファミリア】【ガネーシャ・ファミリア】の名声も大きく上がり、フィンの野望に大きく近づけることができた。

 

だが、代償は大きかった。

数年後の今…怪人となったフィルヴィス、闇派閥がもたらした悲劇を産んだのは…我々だ。

クノッソスでの悲劇…リーネたちを死なせたのは…我々だ。

第一次クノッソスでの大敗北を招いたのは…我々だ。

 

今回の…責任の大部分は私たち【ロキ・ファミリア】にある。

レフィーヤは私たちを大いに責めるべきなのだ。

だが、あの娘は絶対に我々を責めないだろう。

それはフィンもわかっててやっている。

 

それだけではない。

5年前の…【アストレア・ファミリア】壊滅も我々が関わっている。

あの時…【アストレア・ファミリア】が下層の調査へ行くと挨拶に来た時、フィンは「罠に間違いないけど、彼女たちなら切り抜けるだろう。」と楽観視していた。

そして…彼女たちは闇派閥の最後の砦である派閥…【ルドラ・ファミリア】の罠にかかり、同胞である【疾風】を除き、全滅した。

フィンもその知らせを聞いた時に落胆したが、あれは彼女たちの死に対して落胆したのではない。

彼女たちに期待しすぎた自分に落胆したのだ。

 

私は…激怒した。

7年前の大抗争での最終決戦…ここ18階層であの【ヘラ・ファミリア】の【静寂】と邪神エレボスの戦いがあった。

邪神エレボスがもたらしたモンスターによってアイズが暴走し、私とガレスはそれを止めるしかできなかった。

 

当時レベル3であった、彼女たちが…当時病で弱っていたといえ、レベル7の【静寂】のアルフィアを倒してくれなければ、オラリオはエレボスが産んだモンスターによって確実に滅ぼされていただろう。

あの戦いに私とガレスは最後まで、関わることができなかった。

 

だが、あのアルフィアを追い詰めて倒したのだ。

アルフィアの恐ろしさ、理不尽さは私がよく知っている。

そして最後は…自分で炎の海に身を投げて死んだと…。

彼女らしい…。

 

それを…っ!

あの【静寂】を追い詰めた彼女たちが、壊滅したのを落胆程度でっ…!

ガレスもわかっていたが、私ほど強く責めなかった。

その後、ロキもさすがにフィンを叱責して終わったが…。

私は納得していない…悔しかった…。

 

間もなく神アストレアがオラリオを出ていった。

そして…、共に出ていったと思っていた同胞の【疾風】の暴走が始まった。

彼女は普段の彼女ではなかった。

 

アイズと同じく、家族を失い敵を滅ぼすだけとなってしまったのだ。

アイズと同じく、黒い感情に全てを支配されてしまったのだ。

アイズと同じく、復讐に全てを捧げた【疾風】だった。

私は彼女を止めることが…いや権利がないのだ。

アイズを育てている内に…、彼女の気持ちも理解できるからだ。

 

私は彼女に加勢しようとした。

だが、フィンとガレスが必死に止められた。

フィンが理をもって諭そうとした。

ガレスは筋をもって諭そうとした。

確かに【疾風】の暴走はやりすぎだ。

 

だが!私は…その時色々と積み重なり、もう我慢ができなかった。

久々にあの二人と大喧嘩をして、ホームを中破させるぐらいの魔法を連発した。

ロキを送還してもいいというくらいに。

アイズが間に入ってくれなければ、私は【ロキ・ファミリア】を壊滅していただろう。

 

【ヘルメス・ファミリア】の【万能者】が情報を提供し、【ガネーシャ・ファミリア】が物資などを提供していた。

私も陰ながら同胞たちを通し、【疾風】を手助けした。

フィンは渋っていたが、黙認していた。

当然だ。

あの時、彼女たちについていけばこのような事は起こらなかったのだ。

 

黒い【疾風】は、オラリオ中を荒れ狂った。

疑わしきものを全て罰し…。

闇派閥を全て滅ぼし…。

邪神を追い詰めた…。

そして…【ルドラ・ファミリア】を壊滅させて『暗黒期』を終わらせた。

 

ほんの僅かの期間で、我々ができなかったことを成し遂げたのだ。

さすがに堂々と誇ることができないが、私は同胞として誇らしかった。

同胞として恥ずべきだとけなす同胞もいたが、私は強く叱責した。

彼女の気持ちを理解しろ!同じことができるか!と。

 

ギルドのあのエルフの恥知らずである、ロイマンは【疾風】を捕らえようとしたらしい。

ロイマンは【疾風】を捕らえて、闇派閥壊滅を自分の手柄にしようとしていたのだ。

 

聞けば、復讐を成し遂げた【疾風】は『豊穣の女主人』で店員として働いているという。

さすがのフィンもロイマンの行動を許容できなかったようだ。

【フレイヤ・ファミリア】【ロキ・ファミリア】【ガネーシャ・ファミリア】などの多くの派閥が【疾風】をかばった。

そして創設神ウラノスの命令で、【アストレア・ファミリア】の働きもあり【疾風】の暴走を不問にした。

あのエルフの恥知らずは終始不満を言っていたが、飲まなければ王族として貴様をエルフから永遠に追放する、と断言したら折れた。

いつか…絶対に追放してやるからな!

 

【ロキ・ファミリア】は『豊穣の女主人』での常連となっているが、表向きだ。

本当の目的は【疾風】を監視することだ。

それを知った私は再び激怒した。

今までは酒場なんぞには、行きたくはなかった。

『豊穣の女主人』だけだが、そこへ行くのは彼女を守るためでもあったのだ。

ロキはそれを知らずに喜んでいたがな…。

 

フィンとガレスは納得してなかったが、【アストレア・ファミリア】を滅ぼしたのは我々だ!大抗争の功績は彼女たちがいてこそだ!と強く責めた。

さすがの彼らもロキも何も言えなかったようだ。

それぐらいの負い目はあるようで、少しは安心した。

 

だが、『豊穣の女主人』には【フレイヤ・ファミリア】元団長の、ミア・グランドがいる限り彼女は大丈夫だろう。

彼女はああ見てても面倒見がよい。

ドワーフだが、うまくやってくれるだろう。

 

そして現在に至るが、それでも彼女は昔の彼女には戻らなかった。

いや…半年前から彼女は少しずつ変わった。

 

あの…【未完の英雄】いや【白兎の脚】のベル・クラネルによって。




はい、リヴェリア様回です。

『27階層の悪夢』の時に【ロキ・ファミリア】たちが向かえば間に合ってたら、クノッソスの戦いは起こらなかったかもしれません。
時間的に間に合わず邪神捕獲を優先せざるを得なかったかもしれませんが、"もしも"です。

【アストレア・ファミリア】が下層へ行く前に他派閥へ挨拶に行って、フィンが警告または【ロキ・ファミリア】がついていったら壊滅しなかったかもしれません。
…とリヴェリア様が思ったという設定です。

少々フィンが悪者になっているよう見えるかもしれませんが、小より大を取るという主義なのでこの設定となっています。

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