ガラガラガラ!
「そうそう、賢者。貴女臭いますよ。お風呂へ入ってはいかがでしょうか?いや、入れ。」
「…嫌味か?骨と皮しかない私に入れと?」
いい感じで終わりそうだったのに…、こいつは!
「そうですが?凝り固まった骨と皮が柔らかくなるには、ちょうどいいでしょう。」
「…はぁ。どうせ、有無を言わさず入らされるだろう?いいさ!入ってやるさ。」
いつか入りたいと思ってたが、ちょうどよかったな。
こいつ、そこまでお見通しじゃないよな?
…ないよな?
「わかっているなら、いいです。では、こちらです。ああ、一緒に入る方もおりますので。」
「…え?おい!わかってるのか?今の私を見たら…。」
「問答無用です。」
ひょい トコトコ
「おい!こら!下ーろーせ!」
何て奴だ!ひどいメイドだ!
訴えてやる!
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「ふぅ…いい湯ですね。」
「ええ…(今日で二度目の入浴ですが、まあいいでしょう。)」
「【ディアンケヒト・ファミリア】にはないのでございますか?」
「患者用はあるんですが、団員用はありませんね。」
「【ヘスティア・ファミリア】は贅沢ですね。改宗してよかったです!」
「命さんが言い出したことではありませんか…。」
「……さあ!湯を堪能しようじゃありませんか!」
「「「話を逸しましたね…。」」」
「下ーろーせ!あ、こら!脱がすな!」
ちくしょう!セクハラだ!
「…?なんの騒ぎでしょうか?」
「皆様方、失礼します。」
ガラガラガラ
「あの…そちらの骸骨は何でしょうか?」
「え?愚者様?」
「愚者様って女性だったんですか!?」
「「ええっ!?」」
皆…私を女性と見てなかったのか…。
まあ、黒ずくめでわからないから仕方がな…
ドッボーン!
いぃぃぃぃっ!
「ぷはっ!メイ!何をするんだ!」
「入らないと言い張るからです。」
「入らないと言ってない!ほら、私は骸骨だろうが!」
スパルトイに近い私を…。
「今更ですか?皆様、どう思います?」
「リリはもう慣れました…。」
「春姫もです。なので、愚者様気になさらないで下さい。」
「そうです!」
「私は入団して間もないけど…、もういいかなと(ベルくんと比べたらどうってこともないし)。」
「エイナさん…馴染みすぎです…。」
「なるほど、貴女が愚者ですか。アミッド・テアナサーレと言います。よろしくお願いします。」
「ああ…これは失礼。愚者と呼ばれているがね…。ってそうじゃない!君たち動じないな!」
(((そこのメイドと比べたら…ね。)))
手慣れているな…。まあ、いいか。
久々の湯を堪能しよう!
「ふぅ…数百年ぶりの湯だよ…。」
「数百年ぶりですか…。あら…?」
「……命様、リリの目がおかしくなったのでしょうか?」
「あ、リリ殿もですか?じゃあ、幻覚ではないですね。」
「?どうかしたのかね?」
ん?皆、私をじーっと見つめているな。
何だろう?
「これはこれは、思わぬ副次効果がありましたね。…ああ、なるほど。そちらの方ですか。」
「おい、メイ。何があったんだ?皆、私を見ているようだが?」
「では、この鏡を見て下さい。愚者…いえ、この場では賢者と呼んだほうがいいですね。」
「何を言って…い‥…るん…だぁぁぁぁ!?ええっ!も、元に戻りかけている!?」
あの呪いの魔道具を作る前の肉体が…戻りかけている!
何でだ?どんなことをやってもできなかったのに!?
「うわぁ…愚者様って元々美人だったんですね!」
「これは美人というより美少女じゃない?」
ちょ…ちょっと…恥ずかしくなってきたじゃないか!
あまりジロジロと見ないでくれないか!
「ど、どうしてでございますでしょうか?」
「恐らく、アミッドさんですね。」
「「「え?」」」
「アミッドさんの出汁が愚者の不死の呪いを解いたかもしれませんね。」
「だ…出汁……。」
なるほど…【戦場の聖女】は伊達じゃないということか。
こういう効果もあったとは…。
「ふむ…アミッドさん、カサンドラさん、そこの骸骨に魔法をかけてくれませんか?」
「「え?」」
「アミッドさんの出汁が聖なる水で愚者を徐々に解呪できたかもしれません。なので、解呪がより強い魔法なら解呪できるかもしれません。」
「「わ、わかりました。」」
ちょ、ちょっとそれやられたら消えてしまうんじゃ…。
【癒しの滴、光の涙、永久の聖域。薬奏をここに。三百と六十と五の調べ。癒しの暦は万物を救う。そして至れ、破邪となれ。傷の埋葬、病の操斂。呪いは彼方に、光の枢機へ。聖想の名をもって——私が癒す】
【ディア・フラーテル】
【…………詠唱中…………】
【キュア・エフィアルティス】
アーーーーーーーッ!
…?何ともないな…。あっ!
「うああああっ!数百年ぶりの肌と肉だぁぁぁぁっ!」
「うわぁ…すごい美少女…。」
「何てもったいないことを…。」
「賢者の石を作った頃って、こんなに若かったんですね!」
「すごいですね…。」
我ながら見ると、恥ずかしいな…。
まさか800年経った後でもこの感情を再び持つとは…。
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「はぁぁぁ~。いい湯だ…。アミッド・テアナサーレ、カサンドラ・イリオン、感謝するよ。」
「い、いえ…。私もここまでとは思いませんでいた(しかし…出汁ですか…)。」
「…この湯、商売でき「リリさんやめて下さいお願いしますほんとうに」ませんね…。」
「ふぅ…ん?酒とつまみ?これは…。」
「貴女の故郷、『アルテナ』の酒とつまみです。」
おお!気がきくな!
もう二度と食えない、飲めないと思っていたものが…。
「ありがたい!いや…行儀が悪いが許してくれたまえ。」
「「「いえ、どうぞ(数百年ぶりですから、仕方がありませんね)。」」」
「…モグモグ…ゴクゴクゴク…ぷはぁ~久々だ…。」
(もしかしたら一時的なものかもしれませんが、様子見ましょうか)
っと、いけないな。【戦場の聖女】と【悲観者】にお礼言わないとな。
「アミッド・テアナサーレ、カサンドラ・イリオン、治療魔道具で何かあったら言ってくれ。及ばずながら力になりたい。」
「「あ、はい(すごく嬉しそう…)。」」
「愚者、今のうちに改宗はできませんでしょうか?」
「ん?ああ…無理だな。あの主神が開錠および改宗可能にしてくれなかったからできないが…。」
「なら、ここに『開錠薬』と『更新薬』があります。ヘスティア様が戻ったらやってみませんか?」
「…準備がいいな。そうだな、ぜひお願いしたいな。」
800年も経っているんだから、ステータスも大幅に上がっているだろうな。
…上がっているといいな。
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「えーと…帰ってみたら、そこの美少女が愚者くん?いや愚者ちゃん?とは驚いたよ…。」
「ちゃんづけはやめてくれないか、神ヘスティア。愚者くんで結構だよ。」
「(すごく上機嫌だな)ああ、わかったよ。愚者くん。えーと、改宗できるかって?」
「はい、『開錠薬』と『更新薬』があります。できたらいいのですが…。」
「これらの薬はあまり好きじゃないけどね…。けど愚者くんは800年も生きてきたんだしやってみるか!」
神ヘスティア…ありがたい!
「開錠はできた、更新もできた。ステータスの各項目ほぼMAXになっているけど…、改宗するには『アルテナ』の主神が必要みたいだね。……ごめんよ、愚者くん。」
「いや…更新ができただけでもありがたい。ふむ…魔導と神秘がSになったか。これでいい魔道具が作れるな!」
よっしゃあああ!質のいい魔道具が作れるぞぉぉぉぉ!
「…ああ、やっぱりここまでですか。」
「え?あ!」「む?どうした?あ…。」
ああ…私の肌と肉が…。
骨と皮だけになってしまった……。
「元に戻りましたね。やはり一時的なものでしたか。」
「……メイ。」
「何でしょう?」
「【戦場の聖女】と【悲観者】が風呂へ入る時には、私も呼んでくれないか?」
「ふっ…いいでしょう。」
メイの嘲笑がムカつくが、やはりあの風呂の気持ちよさは抗えん。
一時的でも元に戻るきっかけが見つかったのは、非常に大きいな!
…癪だが、メイとセバスには感謝せねばならんな。
ダンメモの[オラリオに温泉を求めるのは間違っているのだろうか?] に出てきた件で、アミッドさんの○○湯はフェルズさんを浄化することはできないかと考えました。
元に戻ったイメージとしては…Fateのイリアですかね…?
ダンメモの「ナイトメア・スクールライフ」で強力な結界内に無理矢理入った影響で、何故か幼女の姿になったとのことからそうイメージしました。
本作品では、そういう設定にさせていただきます。
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