さぁ!メイとセバスのお仕置きの時間です。
(ウラノス様は何もやってないですが)
「……………(愚者がいないのがこんなに寂しいとはな。)」
「神ウラノス、こちらのハーブティーはいかがでしょう?」
「こちらは焼き菓子です。」
「………15年前に言ったが、唐突に現れるのはやめてほしい…。久々だな、メイ、セバス。」
本当に変わらぬな…、こやつらは。
さて、発言に気をつけなければならんな。
「ええ、久々ですね。この役立たずの神が。」
「15年間お疲れ様です。座っているだけのクソ神が。」
「本当に変わらぬな…お主たちは。お主達が復活したのは愚者から聞いておる。」
かなり怒っているな…。
これは、ますます言葉を選ばないと送還されるな。
「そうですか、それで何か言うことは?」
「ベル・クラネルに全てを託す。それだけだ。」
「上々です。残念です、せっかくの道具を持ってきたのですが。」
(道具…何の道具かは聞かないでおこう。)
「さて、神ウラノス。15年間の怠慢について説明をお願いいたします。」
「何故、神フレイヤと神ロキを制御できなかったのです?」
「…………あやつらは男神や女神ほどの力も器量もないからだ。フレイヤはともかく、ロキは特に信用ならん。あやつは天界でも邪神として暴れまわっていたからな。」
「それでも何らかの叱咤激励はできたでしょうに。」
「創設神の名が泣きますよ?」
「何とでもいえ、逆にお前達に問う。フレイヤとロキの眷属で、お前たちの元ファミリアの眷属と同様のことができたのが、何人いると思っている?」
「ふむ……、数人も満たないですね。」
「全く、マキシムやザル坊が自らの命を差し出し、彼らの経験値にしたというのに無駄になりましたね。」
「…それに、ベル・クラネル程の逸材があやつらの眷属にはいたか?」
「皆無ですな。」
「坊ちゃまをそやつらと同レベルにされては、困ります。」
よほど、ベル・クラネルに執着しておるな…。
まあ、仕方があるまい。両ファミリアの系譜を持つ唯一無二の子だからな。
「お前達の目から見て、ベル・クラネルはそれほどか?」
「おや、まだ会っておりませんか?いけませんな。」
「会って話をしてみることを、おすすめしますよ。」
「そうしたいが…ここまで連れてくるのは厳しいだろう。ロイマンがいる限りな。」
「それについてはご心配なく。」
「我々が誠心誠意を込めてお話をした上で、非常に協力的になっておりますよ。」
「………何だと?」
こいつら…ロイマンに何かしたな?
いや…聞かないでおこう。
聞くのが恐ろしいからな。
「…殺してなければそれでいい。あれでも有能だからな。」
「ええ、有能ですね。薄汚い欲望がなければ。」
「確かに有能です。反吐が出るほどの醜さでなければ。」
「ああ、明日にギルド長とお会いできると思いますので、してみてはいかが?」
本当に何をしたのだ…。
ロイマンに会うのが怖くなってきたな…。
「神ウラノス、愚者を介して言いましたが、我々は救界には興味ない。坊ちゃまを真の主として見定めています。坊ちゃまがやりたいこと、成したいこと、叶えたいことを我々は全力をもって支えます。」
「相手が貴方であろうが、元主神たちであろうが、立ちふさがるなら全力で叩き潰します。」
「………元主神でも…だと?あやつらが何をしたのだ?」
「お答えしましょう。」
そして、儂は男神がベル・クラネルを14年間も育て、女神復活とともに育児放棄したことに呆れた。
「そうか……。天界へ送還されても文句はいえぬな。」
「何を言っているのです?そんなもったいないことはしません。」
「坊ちゃまの心の痛みの、一億倍くらいは味わってもらわないといけません。」
「…………………そうか。」
自業自得だな、男神は。
「神ウラノス、オラリオは坊ちゃまを中心として一丸となってもらいます。何かご意見は?」
「ない。先程も言ったが、ベル・クラネルに全てを託す。それだけだ。」
「そうですか。ならそのまま祈祷を続けて下さい。ダンジョン制覇も黒竜討伐も坊ちゃまたちが成し遂げます。」
「なら、いい。」
「ああ、ギルド運営はロイマンにおまかせした方がいいですね。」
「今のロイマンなら、誠心誠意込めて動いてくれますのでご心配はいりません。」
「…………………そうか。」
「戦争遊戯が終わってしばらくしたら、坊ちゃまを会わせます。その時に判断して下さい。」
「先程貴方が言った、全てを託すのにふさわしいかどうかを。」
不要と思うが、会ってベル・クラネルの真意を聞くにはちょうどいいか。
「では、我々はこれでお暇させていただきます。」
「戦争遊戯は神の鏡で見て、坊ちゃまが救界の要となるかどうかを見定めてくださいね。」
…………………行ったか。
ふう……、何とか送還されずに済んだな。
ロイマンに一体何したのだ?あの二人は?
まあ、いい。明日ロイマンに会えばすむことだ。
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そして翌日ロイマンに会った儂は、腰が抜けるほど驚き呆れた。
改めて、とんでもない奴らを解放したベル・クラネルを、恨めしく思ってしまった。
だが、かえってそれでよかったかもしれない、と悟るウラノスであった。
次回(本日18:00更新)はロキ・ファミリア視点に戻ります!
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