白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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今回はリヴェリア回です。

確認しますと、リヴェリア視点が多いですね…。
話の流れでリヴェリア視点が多いだけです。

前回の感想で、今までの伏線やヒントがあったので当ててる方が多かったでした。
では、どうぞ!




第89話 妖精王女、感涙。

私たちが一触即発で、喧嘩…いや殺し合いをしようとしたところにアイズが入ってきた。

驚くべき格好で…。

 

「ア、アイズたん…。その格好は何や…?」

「…?パジャマ…だけど?」

「いや、わかっているよ。パジャマでうろつくな、ということじゃないんだ。そのパジャマの柄と左手に持っているものは何だい?」

「…?ウサ耳ベルと、ウサ耳ベルのぬいぐるみだけど?」

「どこからどう突っ込めばいいのか、わからんわい…。」

アイズが…あの少年のウサ耳?をつけた顔の柄のパジャマ…年頃の女の子が着るようなものを、そして左手にあの少年のウサ耳のぬいぐるみを抱きしめている…。

 

これは夢か…?

あのアイズが…年頃の娘のような姿を…。

 

「フィン…ガレス…目の前は夢ではないだろうな?」

「残念ながら、事実だよ…。」

「何があったんじゃ…?」

さっきまでの殺気めいた雰囲気は既に吹き飛んでいた。

だが、次のロキの言葉で更に険悪になった。

 

「あかん!あかん!アイズたん!その柄のパジャマとぬいぐるみは即捨てーや!」

 

その時、一陣の風が吹いた、黒き風が。

「!?」

「ロキ、やめろ!」

「ぬぅん!」

 

「【起動】ー【復讐姫】」

 

「今、何て言ったの?ロキ?ねえ?」

「ひっ…!」

「アイズ、落ち着くんだ…。」

「ロキ、儂の背後から動くな。いいな?」

「アイズ、ロキの言ってることは言い間違いだ。そうだな、ロキ?」

そう言わないと、アイズは間違いなくロキを殺す!

 

「お、おう。うん、ウチの言い間違いやった。に、似合っとるで、アイズたん!」

「そう…それならいい。次はないからね。」

「本気で言っていると思うよ、ロキ。次は僕らが守れると思わないでくれ。」

「嘘は言っとらん…、言っとらんで…。本気や…。」

「アイズ、分かったな。なら、その風を収めてくれ…。私らが安心できない。」

「…わかった。」

【白き風】

「……これでいい?」

この白い風は…そうか…あの少年との絆でできた風か…。

なるほど、アイズが安心するわけだ。

 

「この風は、ベル・クラネルの絆でできた風か…?」

「うん、リヴェリア。あの子の風であの怪人を倒せた。さっきの風では倒せなかったんだ。」

そうか…確かに安心する風だ。

 

「アイズ…聞いていいかい?その…パジャマとぬいぐるみはどこで買ったんだい?」

「?店だけど?」

「儂、オラリオにいて長いんじゃが、そのような店があることも聞いたこともないぞ…。」

「最近…できたみたいだよ?」

「ウチもその店聞いたことないなー…。あっ!アイズたん、昨日その店へ行ったん!?」

「うん。」

「そうか…だからアイズ、昨日と今日は上機嫌だったんだね?」

「うん、ベルに囲まれているから?」

!?

今…何て言った?囲まれていると言ったな?

お前…まさか!?

 

「待て。アイズ、囲まれていると言ったな?まさかと思うが、ベル・クラネルを攫って自分の部屋に閉じ込めているんじゃないだろうな?」

「ひどいよ、リヴェリア。いくら私でも、そんなことは……………しないよ?」

この子…顔を背けたな?

 

『今、ものすごく間があったね。しかも顔を背けたね。』

『機会があれば、攫おうとしてたかもしれんのう。』

『嘘は言っとらんで。安心せーや、ママ。…全然安心できへんけどな。』

 

「……そうか、それは私が悪かった。だが、囲まれているというのはどういう意味だ?」

「うーん、どう説明すればいいんだろう…?」

「部屋で、ベル・クラネルに囲まれていると言ったね?見に行ってもいいかい?」

「うん、いいよ。」

「待て、年頃の娘の部屋だ。まず私とロキが行く。いいな、ロキ?」

「おー、ウチも興味あるわー。」

 

『ロキ、発言には気をつけてくれよ。特にベル・クラネルに関しては。』

『さっきのアイズは本気じゃった。儂でも防げるかは…。』

『わかっとるわ…。まだ送還されとうないわ…。怖かったわー。』

 

「じゃあ、アイズ行こうか。」

「うん。」

すごく嫌な予感がするが…見なければならないだろうな…。

 

--------------------

 

そして私たちはアイズの部屋に来た。

前のアイズの部屋は、殺風景だったはずだ。

ベッドと机と椅子、クローゼットと鏡だけだった。

 

それが……。

「………………。」

「何や…これは…。」

「どう?ベルがいっぱい。」

そこには…確かにベル・クラネルがいた。

ただし、本人ではなく物だが。

 

絵…、ぬいぐるみ…、服…、抱き枕までも…だと!?

 

「アイズ…、これは…何だろうか?」

「ベルのグッズ。」

「そ、そうか…。確かにいっぱいだな…。」

「ちょ!?リヴェリア、他に突っ込むところあるやろ!?」

「す、すまん。アイズ、それはどこで買ったんだ?」

「ベルのグッズ専門店。」

「「は?」」

「えーと…、【ヘルメス・ファミリア】が作った店が…ベルのグッズ専門店。そこで買ったんだ。ほら、ファン会員のゴールドカード。ゴールドだよ。」

「そ、そうか…すごいな。」

「あの優男…何やっとんねん…。」

アイズが年頃の娘らしくなったと思ったが…、これは少々あの少年に偏りすぎではないだろうか?

逆に心配になってきた…、あの少年が。

 

「リヴェリア、ほらベルにそっくり。これを抱いて寝るとよく寝られるんだ。」

「そうか…。それはよかったな…。」

アイズのこの表情は…私たちでは引き出せなかったな…。

だが…、これはやりすぎではないだろうか…?

む…これは?

 

「『ベル・クラネル伝記~1巻~』?」

「あ、これ。ベルの今までのことが書いてあるんだ。」

ほう。興味深い。

 

「すまんが、アイズそれを貸して「ダメ」くれないだろう…か?」

「アイズたん、あそこにこれと同じ本があるんやが…?」

「あれは観賞用。これは読書用。そしてそれは予備用。」

「何で三冊もあるんねん…。一冊でええやろ!」

「ロキはわかってない。本は…ボロボロになるんだよ?」

確かにこの本は、何回も読んで擦り切れているな。

待てよ…。

 

「アイズ、お前がこれを読んでいるのか?前は本を読むのも嫌だとか、言ってなかったか?」

「………昔の話だよ。「半年前ぐらいだが?」…ベルの本は別。」

「そうか…私にとって、お前が本を読むようになったのは嬉しい。」

「リヴェリアぁぁぁ!?突っ込むとこはそこやないやろ!?」

「ロキ、いいではないか。アイズがどのような形にしろ、本を読んだり可愛い服やぬいぐるみを持つようになったのは、いいことではないか。」

「それはそうやけど…。そうや!アイズたん、ウチのグッズは「いらない捨てる見たくない。」…そうなん…。」

……まあ、当然だな。

しかし、ベル・クラネル伝記か…。

非常に興味があるな。

 

「アイズ、明日でもいいからその…ベル・クラネルぐっず専門店?へ連れてってくれないだろうか?この本を買いたいんだが。」

「いいよ。明日行こう。」

「ああ、行こうか(アイズとこういう会話するのは初めてだな…)。」

「うちのアイズたんがぁぁぁぁぁぁ…。」

「あ、リヴェリア。フィンから聞いているかもしれないけど…。」

「フィンから?何をだ?」

「あ!!」

「戦争遊戯に私たちが勝ったら、ベルと私を同じ部屋にしてほしい。」

………………。

この子は、今何と言った…?

 

「アイズ…その……同じ部屋にしたいのは何でだろうか…?」

「ベルを愛で…守りたいから。」

「ガハァッ!?」

む、ロキが血吐いて倒れたか…。

送還はされてないから、放置しておこう。

 

「そ、そうか…。だが、アイズ。この部屋にベル・クラネルを入れるのか?」

「えっ……ダメなの……?」

「よし、アイズ。逆に考えよう。もし、ベル・クラネルの部屋がお前の…ぐっずだらけだとしたらどう思う?」

「…………嬉しい?」

「(逆効果だったか)そうか。まあ、過ちとかないならいいが…。」

「ちょ!?リヴェリアぁぁぁぁぁ!?」

「過ちって?」

「ああ、いや。そうだな、戦争遊戯に勝った後、お前とベル・クラネルとじっくり話す必要があるが、いいな?」

「?うん、いいよ。」

 

『ママ!ママ!ええんか!それは!あかんやろ!』

『黙れ、ロキ。あの少年にそういう邪な心はないと信じたい。なら、アイズの気持ちを尊重してもいいではないか。』

『それはそうやが!ウチのアイズたんがぁぁぁ!』

 

アイズが年頃の娘らしくなったのは、嬉しい。

あの少年には本当に感謝しなければならない。

このような形でなければ…な。




はい。アイズさん、ベルの完全なファンとなりました。
(ベルに戦い方を教えた師匠の1人ですが)

この話は自分でも作成したのですが、結構お気に入りです。

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