白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

97 / 439
三連続もアミッド回ですみません。




第96話 聖女、逃避。

「あんたが怒る理由が分かったよ…。あれはダメでしょ。」

「わかりますか。セバスさん…いえ彼らに反抗できますか?」

「無理。強すぎ。怖い。」

「なので、私は現実逃避することに決めました。ああ…、いい湯ですね。」

事後報酬でもあるベル・クラネルの血で特効薬作製できますし、経験値も積めますからも問題ないですね。

ええ!問題ありませんとも!

そう思わなきゃ、やってられません!

 

「思ったんだけど…、どうしてカサンドラとベルはわざわざ大通りを歩いているの?私達のようにこっそりと戻ったらいいじゃない。」

「さあ…それは「僭越ながら私がお答えしましょう。」「うわっ!」きゃっ!」

「…びっくりしたよ。」

セバスさんと同じく、いきなり現れないでくれます?

心臓に悪いです。

 

「失礼しました。ナァーザさんの質問ですが、簡単なことです。あの状況を多くの人に見てもらうためです。」

「何故?」

そうですね。わざわざ【ヘスティア・ファミリア】団長のボロボロな姿を見せてどうするのです?

わざと見せつけて、何をしようとしているのです?

 

「それはファミリア内の秘密と言っておきましょう。…そろそろ坊ちゃまたちが戻られる頃ですね。賢者、さっきから黙っていますが生きてますか?」

「失礼だな!お前は。湯を堪能してただけだ。」

「…まさか、神ウラノスの元懐刀までも【ヘスティア・ファミリア】にいるなんて…。」

ああ、そうでしたね。

エリスイスは愚者さんとは初対面でしたね。

「スパルトイ!?」と驚いていましたね。

またその後の姿にも唖然してました。

まあ、気持ちはわかります。

ここにいたら、気にしてはダメだと。

 

「他にも何かありそうですが、もう私は気にしないことにします。」

「…現実逃避しすぎでしょ、あんた。」

仕方がありません。

ああ、いい湯ですね。

 

『ねえ…もうこの戦争遊戯、【ヘスティア・ファミリア】の勝利確定じゃない?』

『やはり貴女もそう思いますか。私もそう思います。』

『【フレイヤ・ファミリア】は自業自得としても、【ロキ・ファミリア】が気の毒に思ってきたよ。』

『エリスイス、私はもう昨日で達観しました。気にしたら負けだと。』

『…そうだね。まあ、ベルが死なないだけでもいいか。今のうちに【ヘスティア・ファミリア】に全財産賭けておこう。』

「……その腕の借金返済まで、もうすぐですね。」

「『銀の腕』かね。なかなかいいものだね。」

「【アポロン・ファミリア】の戦争遊戯ではたっぷりと儲けさせてもらったからね。やっと返せる。」

よかったです。

エリスイスのあのような姿はもう二度とはごめんです。

 

「エリスイス…、まだトラウマはあります?」

「うん、まだみたいだ。1~4階層は何とかだけど、前のようにはできないな。」

「モンスターに対してかね…。」

「うん、襲われるのが怖いんだ。襲われなかったらいいけどね。」

「難しいですね…。」

「ナァーザ・エリスイス…、襲わないモンスターならいいのかね?」

「…そりゃいいけど…。そんなモンスターはいないでしょ。」

「…いると言ったらどうするかね?」

「……何を馬鹿なことを…。そうだね…いたらさ…トラウマ克服するまで慣れたいな。」

「………心当たりがある。トラウマを克服する気があるなら、紹介するが?」

「……え?」

そして愚者さんは『異端児』について説明してくれました。

 

「なるほど…。」

「どうかね?君にとって悪い話ではないはずだ。」

「…ちょっと考えさせてくれる?まだ恐怖感がぬぐいきれないんだ。」

「ついでに言うと、ベル・クラネルは彼らを家族同然と思っているよ。」

なるほど…あの騒動は『異端児』が関わっていたのですか。

 

「……はぁ、ベルの保証付きじゃ断れないじゃないか。お願いしていいかな?」

「了解したよ。まず、この戦争遊戯が終わった後に【ヘスティア・ファミリア】と共に彼らの元へ訪れ紹介しよう。」

「ありがとう、愚者さん。…って、愚者さんもこの戦争遊戯は【ヘスティア・ファミリア】の勝利と思っているんだ…。」

「彼らが手を組んだ時点で、勝ちさ。あの【最強侍従】と【最恐執事】がいる限り、勝ちは揺るがないよ。というか、彼らに勝てるのがオラリオにいる、とは思えないね。例えレベル8でもね。」

「そうですね…。【猛者】は彼らの前では赤子同然かもしれませんね。…話は代わりますが、先程の『異端児』の件で行かれるなら、私も同行してもいいでしょうか?」

「…何故かね?」

「まずは興味。そして彼らと取引をし、素材などを交換できないかなと。例えば『ユニコーンの角』や『マーメイドの血』などとか。…駄目でしょうか?」

「……駄目とは言えないが、彼らを搾取しないと約束するなら構わない。「そんなことはしません。約束します。」…なら【医神の忠犬】と共に紹介しよう。私としては、彼らと手を携える人が増えるのは望むところだから。」

「ありがとうございます。」

ちょっと怖いですが、モンスターの消費するものは、私達治療士にとって貴重品です。

その代わり、こちらからも何かを提供しなければいけませんね。

治療、またはポーションなどでしょうか?

いえ、まず会ってからですね。

 

風呂から上がった後、彼らが帰ってきていました。

しかし、何故か意識朦朧としていたベル・クラネルを【ヘスティア・ファミリア】の複数の団員たちに抱えられ浴場へ入っていきました。

エリスイスと私はそれを見て唖然としましたが、つい興味があり彼らと共に入りました。

私は、彼の左腕の経緯を確認するためです。

ええ、左腕の経緯を、です。

 

---------------------------

 

…一言いうと、凄かったです。

まだ未精通と聞きましたが、アレで?

可愛い顔をして、凶悪なものをお持ちなのですね。

私は診察などで見慣れていますが、エリスイスは終始赤面してずっと見ていましたね。

 

その後は、意識朦朧の彼を中心に女子トーク?というものをしました。

少々湯あたりしましたが、楽しかったです。

 

…それ以前に、意識朦朧の彼は一時幼児退行していましたが、大丈夫でしょうか…?

………やはり、気にしてはダメですね。

ええ、そう思わなきゃやってられません!




感想・評価をいただけますと、嬉しいです!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。