ここは『戦いの野』…。
ミアがこの場に立つのは、数年いや十数年ぶりだろうか?
「どういうことですか!何故我々が、酒場の女将ごときの言うことを聞かなければならないのですか!」
「納得できません!そんな女でなくても我々だけでもできます!」
「フレイヤ様は我々がお諌めする!酒場の女将は引っ込んでな!」
……やはりこうなったか。
「やれやれ。これだから、あのバカ女神の眷属はいやなんだよ。」
「何だと!フレイヤ様を、『ゴンッ!』ガハァッ!」
「さて、アタシのウォーミングアップに付き合ってもらおうかね。そこの治療士ども邪魔すんじゃないよ!邪魔したら、アンタらの先輩と同じように埋めるからね!」
「「「「埋める!?」」」」
「何だ、知らなかったのかい?オッタル、アンタ説明してなかったのかい?」
「‥…説明の必要がないからだ。」
「チッ、使えないやつだね。まあ、いい。文句あるやつはかかってきな。」
「「「上等だっ!」」」
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そして…、目の前には死屍累々が広がっていた。
久々だな、ミアの稽古は。
しかし…、こんなに弱かったのか?現団員達は?
「「「あが……。」」」
「「「うあ…。」」」
「「「げほっ……。」」」
「肩慣らしにもなりゃしないよ…。何だい?コイツらはたるんでるよ!おい、オッタル、アンタ甘やかしたな?」
「…甘やかしていない。」
十数年だというのに…、全然腕が落ちていないな…。
放置していた俺も悪いな…。
反省せねばならんな。
「まあ、いい。次はお前らだ。かかってきな。」
「気に食わないと思っていた。」
「あの御方を何度も愚弄しやがって。」
「ドワーフのババアめ。」
「ぶっ殺し‥『ゴンッ!』ガッ!」
「「「え?」」」
「しゃべっている暇があるなら、かかってきな。隙だらけだよ。」
俺もずっとそう思っていた…。
しゃべる余裕あるなら攻撃するべきだ…。
「「「ちょ、ちょっと待っ…」」」
「ここは『戦いの野』だよ!敵は待ってくれないんだよ!覚えときな!」
ゴン!ゴン!ゴン!
当然だな…。
【炎金の四戦士】がかなう相手ではない。
「私はごめん被る。」「…お、俺もです。」
「チッ、これだからエルフは嫌なんだ。さてオッタル、待たせたね。かかってきな。」
「…ああ、行かせてもらう!」
久々だ…胸を借りさせてもらう!
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「ふぅ…こんなもんか。強くなったね、オッタル。」
「はぁ…はぁ…。」
十数年のブランクもあるのに…、本当にレベル6か…?
ここ数日不調とはいえ…、ここまでやるとは…。
俺もまだまだだな…。
「正直すぎるよ、アンタは。アンタも知っているように、このアタシはあの時代であの化け物共と、長年やりあってきたんだ。いい加減に搦め手というのを覚えな!もっと考えな!甘えんじゃないよ!」
「!……そうだな。」
「おい!そこの治療士ども、コイツらが死んでなかったら、さっさと癒やしな!アタシは厨房へ行く。コイツらも食堂へ連れてきな!」
「「「は、はい!」」」
む、ミアが作るのか…。
十数年ぶりだな…。
「あの…団長。あの方は、もしかして昔うちの厨房を切り盛りしていた、伝説のドワーフですか…?」
「…伝説かどうかは知らんが、元団長で厨房を支配していた奴だ。」
「や、やはり!すごく助かりますー。みなさーん、救世主が現れましたー。早く治療して、食堂へ連れて行ってくださーい!」
「「はい!」」
伝説になっているのか…ミアは。
初めて聞いたぞ…。
いや、きっとフレイヤ様が悪ノリしてヘイズへ言ったのだろうな。
ミアの手料理を食べたことがない現団員達は、非常に運がいいな。
さて…、久々のミアの料理だ。
この時だけは団長というのを忘れて、たっぷり食わせてもらうとしよう。
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ガツガツガツガツ!
「「「お代わりお願いします!」」」
「さっさと食え!腹いっぱいになったら、さっさと風呂に入って寝な!このバカタレども!いいね!」
「「「イエス!マム!」」」
………すっかり手懐けられているな。
現団員達は、昔より従順になってないか?
俺の気のせいだろうか?
ミアがたるんでるという気持ちも、わからんでもないな…。
む…、昔よりかなり美味くなっているな。
俺もお代わりするか…。
ドンッドンッドンッ!
「アンタはそれだけじゃ、足りないんだろ?10倍は用意したから、さっさと食いな!」
「有り難く頂戴する…。」
感謝する…。
ヘディンの案に乗ってよかったかもしれん。
ここ数日、まともに食ってなかったから非常にありがたい。
「おい、オッタル。これが終わったら、アタシはあのバカ女神と話をする。邪魔したら承知しないよ。」
「分かった。フレイヤ様を頼む。」
ふぅ…、やはり俺は団長に不向きだ。
ミアに…再び戻って欲しいのだが、完全脱退は痛いな…。
絶対に何かが起こるだろうが、俺はもう知らん…。
ミアに全部任そう。
やっと安心できる…。
さて、さっさと食って寝るとしよう。
うむ、やはりミアの料理は美味いな。
たまには『豊穣の女主人』へ行ったほうがいいだろうか…?
オッタル、ミアに全部投げてしまいました。
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