戦姫絶唱シンフォギアRevice   作:ボルメテウスさん

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兄と弟・シンフォギア

フィーネの襲撃によって、崩壊した基地。

 

その基地の中で、緒川とヒロミは二人で気絶している風鳴弦十郎を抱えながら、未来と共に基地の中を探索する。

 

「すまない、俺が、変身をできれば」

 

そう言いながら、先程からまるで動かないデモンズドライバーを見ながら、緒川と未来に謝る。

 

「ヒロミさんのせいじゃないですよ。

今はそれよりも、司令を休める場所まで行かなければ」

 

そうして、元々二課でのメインルームへと辿り着く。

 

「司令、その怪我は!」

 

「すぐに応急手当を」

 

そう言って、二人は弦十郎の傷の手当てを行う。

 

それと共にヒロミはすぐに通信を行っているパソコンに近づく。

 

「どうするんですか?」

 

「フェニックスと連絡して、外の状況を確認する。

緊急事態用に俺の通信機でなんとか繋がるようにしてみる」

 

それと共にヒロミは懐から取り出したガンデフォンをそのまま繋げる。

 

すると、画面に映し出されたのは

 

「どうやら、繋がったみたいだね、ヒロミ」

 

「狩崎さん!」

 

それと共に映し出された相手は、ジョージ・狩崎だった。

 

「外の状況は」

 

「最悪に近いねぇ。

ほら」

 

それと共に画面に映っていたのは、仮面ライダーへと変身していた一輝とバイスの二人が、仮面ライダーエビルに変身しているカゲロウと戦っている場面だった。

 

「これはっ」

 

「既に戦闘が始まっている。

それは彼らだけではなく、他の所でもね」

 

それと共に別の場所では、フィーネと戦う、響、翼、クリスの三人の姿だった。

 

「くそっ」

 

その光景を見て、ヒロミは歯噛みしながら呟く。

 

すると、画面が、次第に消えそうになる。

 

「ここの設備も、限界に近いです」

 

「ふむ、ならばこちらでもなんとかしよう。

ヒロミ、通信が可能な場所までナビゲートをするから、ガンデフォンをしっかりと持っていてね」

 

「っはい」

 

ヒロミは狩崎の指示に従いながら、移動を開始する。

 

そして、場面は切り替わり、一輝達との戦い。

 

【バディアップ!目指すべき視認!伸びるは誠心!キリン!俺の最後の逆鱗!】

 

その音声と共に一輝の姿は長いキリンを思わせる色のロングコートなど、全体的にキリンの要素の強いキリンゲノムへと姿に変わる。

 

「ふぅ、伸びたぜぇ!」

 

それはバイスも同じく、キリンを思わせるマスクを被り、頭には角のような飾りが生えた状態へと変化していた。

 

「ふぅ、はぁ!!」

 

それと共にエビルは手に持ったエビルブレードで襲い掛かるが、一輝はそのままステップを踏みながら、素早くその攻撃を避ける。

 

同時に回し蹴りを繰り出すと、エビルの胴体へ命中し、そのまま吹き飛ばす。

 

更に一輝はそのまま跳躍すると、空中で体を捻って回転させながら右足を突き出し、落下の勢いを加えたキックを放つ。

 

その一撃を受けて、エビルは大きく後退するが、それでも余裕そうな表情を浮かべている。

だが

 

「バイスタックル!」

 

同時にバイスが両腕を伸ばしながら突進していくと、エビルはその攻撃を咄嵯にガードしようとする。

 

しかし、それを予想していたかのように、バイスは両腕を伸ばすと、エビルの胸部目掛けて腕を叩きつける。

 

それと同時にバイスの拳が胸部に命中した瞬間、衝撃波が発生し、それが一気に広がっていく。

 

「ぐああああっ!?」

 

それにより、エビルは全身を大きく仰け反らせながらも、地面を転げ回る。

 

「まだまだ、行くぞ!」

 

【バディアップ!ぎりぎりのインコース!希望のインストール!ホース!ひとっ走りで叩き起こすぜ】

 

それと共に一輝の姿は、馬と車が合わさったと思われる姿へと変わり、バイスはまるで小型のゴーカートのように変形し、そこには僅かだが馬を思わせる要素があった。

 

【リミックス!揃う!立通す!ホース!】

 

それと共に一輝はバイスに乗り込むと共にエンジンを始動させる。

 

それと共にバイスの前輪が回転を始め、後輪が回転する。

 

それと共に、ハンドルを操作しながら一輝は高速移動する。

 

すると、エビルの背後に回り込んだところで、一輝はアクセルを強く踏み込み、加速すると同時に前輪を上げて、車体ごとジャンプする。その衝撃により、エビルの体は宙に浮かび上がり、それを追うように一輝も上空へと舞い上がる。

 

そこで一輝は更にエンジンをかけると、空高く飛び上がっていき、そこから急降下して強烈な体当たりを仕掛ける。

 

それにより、エビルは地面に激しく叩きつけられ、大きくクレーターを作り上げる。

その光景を見ながら、一輝はバイスから降りる。

 

「容赦ないなぁ、お兄様。

やはり、弱い弟はいらないかぁ」

 

そう言いながら、エビルは見下すように一輝を見つめる。

 

「カゲロウ、何か勘違いしていないか?

大二は、俺よりも遙かに強いという事をな」

 

「何をっぐっ!」

 

一輝の言葉に疑問に思っていると共に、エビルは頭を押さえ込む。

 

それは取り込んだいたはずの大二が精神の内側からカゲロウを殴っていた。

 

「馬鹿なっ、お前は、俺に完全に屈したはずっ」

 

そうしながら、カゲロウは動揺しながら、頭を押さえ込む。

 

しかし、大二はその手を緩める事なく、カゲロウを殴り続ける。

 

そして、そのまま大二の一撃が、カゲロウの支配する呪縛の壁を破壊した。

 

「があぁぁぁぁ!!」

 

カゲロウは雄叫びをあげながら、手にしていたバイスタンプの一つを地面に転がる。

 

「ナイス大二!一世一代の大チャンスだぜぇ!」

 

「あぁ!」

 

同時に一輝はそのまま地面に落ちたバイスタンプを拾い、そのままリバイスドライバーに押印する。

 

【バディアップ!最大!最長!最古で最強!ブラキオー!祝え!長き王の誕生を!】

 

その音声と共に一輝達はブラキオゲノムへと変身すると同時に一気に走り出す。

 

「一気に決めるぜ!」

 

【ブラキオ!スタンピングフィニッシュ!】

 

その音声と共に巨大なバイスタンプ型のエネルギーを生成し、飛び蹴りを二人揃って、エビルに向けて放つ。

 

エビルは身動きを取る事ができず、その一撃を受けると爆発し、変身が解除される。

 

「大二!」

 

すぐに一輝は大二に駆け寄る。

 

そこには気絶はしているが、確かに息があるのが分かった。

 

「良かった」

 

一輝は安心すると、ゆっくりと立ち上がる。

 

「カゲロウはやられたか。

まぁ良い」

 

「一輝さん!」

 

同時に聞こえた声と共に振り返れば、そこには鞭を伸ばしたフィーネが攻撃を仕掛けていた。

 

鞭によって、身体を拘束された一輝達はそのまま吹き飛ばされてしまう。

 

「変身ができないまま、そのままガ・ディンギルの中で朽ち果てるが良い」

 

その光景を見ていた、ヒロミを初めとしたメンバーは既に絶望しかなかった。

 

力を使い果たし、心まで折り砕かれ、ついに戦闘不能となった響もまた、目の前に起きた出来事に未だに信じられずにいた。

 

「皆っ」

 

ガ・ディンギルを止める為に命を賭けたクリス。ガ・ディンギルを破壊する為にその身を犠牲にした翼。

 

そして、弟を救う為に戦った一輝とバイスは、その弟と共にガ・ディンギルへと投げ捨てられた。

 

響の心は既に壊れそうになっていた。

 

「……もう嫌だよぉ」

 

思わず泣き出してしまいそうな程、響の気持ちは限界に達していた。

 

そんな時だった。

 

「まだ、終わっていないだろ、響ちゃん」

 

聞こえてきた声。

 

それは確かに一輝の声だった。

 

ここにはいないはずの声に一瞬だけ、響の目に光を取り戻した。

 

しかし、その場にはフィーネしか、その姿はなかった。

 

だが、耳に聞こえてくるのは、リディアン音楽学校の校歌だった。

 

「なんだ、この聞こえてくる不愉快な歌。

歌だと」

 

フィーネはその歌に驚きを隠せずに目を見開く。

 

それは、先程まで絶望で、立ち上がる事もできなかったはずの響が、ゆっくりと立ち上がっている姿だった。

 

「なっ!? 立ち上がっただと!?」

 

「皆が歌ってるんだ……なら、私はまだ歌える。立ち上がれる! 戦えるっ!」

 

狼狽するフィーネに返答するように響がフィーネを睨み返した直後、3つの光の柱が天へと昇った。

 

それと共に光の柱から現れたのは、これまで以上の力を発揮したシンフォギアを身に纏った響達だった。

 

「限定解除っ、この状況で」

 

「まさに、アメージングだろ、フィーネ」

 

そんなフィーネに向けて、話しかける声が一つ。

 

それは学園の中にある一つのスピーカーから聞こえてくる声であり、すぐにフィーネはそれに睨み付ける。

 

「ジョージ・狩崎っ」

 

「君の事は以前から気に食わなかったけど、このような名シーンを作り出した事には感謝しているよ」

 

「名シーンだと?

貴様の作り出した仮面

ライダーは既にいないのにか?」

 

そう言いながら、フィーネは笑うが

 

「時代が望む限り、仮面ライダーは何度でも蘇る。

それは、彼女達が証明してくれた。

ならば、今度は彼らが、それを証明する番だ」

 

「何を言ってっ」

 

同時に聞こえてくる足音。

 

それは響達にも聞こえ、その先を見る。

 

そこにはボロボロの格好になりながら歩く一輝、バイス、そして大二の二人の姿だった。

 

「一輝さん!」「遅かったじゃないかよ」

 

「ごめん、少し遅れた」

 

一輝との再会に響とクリスは笑みを浮かべ

 

「バイス、お前、実体化しているのか?」

 

「翼ちゃん、なんだか、おれっちの扱い雑じゃない!」

 

バイスが実体化した事に驚く翼にバイスは叫ぶ。

 

「お前達は、なぜ」

 

「そんな難しい事じゃない。

ただ、家族の絆を合わせただけだ。

行くぞ、バイス、大二」

 

「あぁ!」

 

「そいつもって、まさか」

 

それと共に一輝はすぐに懐からバイスタンプを取り出した。

 

それはバッタバイスタンプだったが、ヒロミが所持していた物とは色違いの物だった。

 

【ネオバッタ!】

 

「この反応はまさか、デュランダルのエネルギーが感知されている!」

 

ネオバッタを起動させると共に観測されたジョージ・狩崎は驚きを隠せずに目を見開く。

 

「まさか、あの時の」

 

それを聞いたヒロミが思い出したのは、フィーネの戦いの時に無くしてしまったバッタバイスタンプ。

 

「まさか、あの時のバイスタンプが一輝君達の元に届いて、彼らを助けたのか」

 

「くくっ、まさに、奇跡的じゃないか!!」

 

その展開は、まさしくジョージ・狩崎は笑みを隠せなかった。

 

同時に一輝に合わせるように、大二もまたバットバイスタンプを起動させ、そのままツーサイドライバーに装填する。

 

それと共に大二の後ろには巨大な影の蝙蝠が現れ、大二の後ろに立つ。

 

しかし、ツーサイドライバーにある武器の位置を切り替える事で、影の蝙蝠は光輝く姿へと変わる。

 

「「変身!!」」

 

【バーサスアップ!

Precious!Trust us!Justis!バット!仮面ライダー! ラ・イ・ブ!】

 

その音声と共に、大二は新たな姿へと変わる。

 

それは、これまでカゲロウが変身していた仮面ライダーエビルとは反対の白を中心にした姿となっており、頭部のバイザーも、これまでの黒いバイザーではなく、オレンジ色のクリアのバイザーへと変わっていた。

 

【バディアップ!

飛躍を誓った!希望となった!ネオバッタ!リバイスじゃ~ないと!】

 

それに合わせるように一輝とバイスもまた新たな姿へと変わる。

 

その姿は二人共、仮面ライダーゼロワンを思わせるような姿となり、頭部はバッタの意匠が強く出ていた。

 

「いやぁ、これは凄まじい!

まさに、仮面ライダーライブの爆誕!そして、無限の可能性を持ったネオバッタゲノムの誕生!

これこそ、最終決戦に相応しいじゃないか!!」

 

「狩ちゃん、なんかテンション高くない」

 

「それはあまり言うな、俺も思ったけど」

 

テンションが振り切れているジョージ・狩崎に対して、バイスが思わず呟いた一言に一輝がツッコミを入れる。

 

「良いだろう。

思い上がっている貴様らを、ここで倒す!」

 

それと共に、フィーネとの最終決戦の火蓋が切って落とされる。

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