戦姫絶唱シンフォギアRevice   作:ボルメテウスさん

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Vシネマ風外伝 仮面ライダーライブ

もうすぐ夏が訪れそうな街の中、その悲鳴は周りで大きく響き渡っている。

 

人を灰に変える特異災害ノイズの出現と共に、警報が鳴り響き、人々は逃げていた。

 

黒煙の中で、叫びまとう人々の中を掻き分け、その青年は走る。

 

その腰には銃と一体になっているベルトがあり、青年はそのまま引き抜く。

 

「変身!」

【Precious!Trust us!Justis!バット!】

 

銃から鳴り響く音と共に、青年の姿は変わる。

 

仮面はまるで蝙蝠の羽を広げたようなオレンジ色の輝きを放ち、身体は白いローブを思わせる装甲を身に纏っている。

 

青年の名前は五十嵐大二、そして青年の変わった姿の名前は仮面ライダーライブ。

 

今、人々の平和を守る事ができるただ1人の仮面ライダーである。

 

ライブへと変身した大二はそのまま迫り来るノイズに向けて、狙いを定めるように、変身アイテムであるのと同時に武器でもあるライブガンを構え、地上で歩くノイズへと放っていく。

 

放たれた光の弾丸は次々とノイズ達を貫き、消滅させながら、大二はすぐにノイズ達の群れの中央へと入り込む。

 

同時に周りにいるノイズも人々から大二へと攻撃の狙いを変え、襲い掛かる。

 

変幻自在に形を変えながら、襲い掛かるノイズの軍勢に対して、大二は冷静にその動きを見分けながら、手に持ったライブガンで次々と撃ち抜いていく。

 

一発、また一発と放たれていく光弾。それは正確にノイズを捉えて、爆発していく。

 

しかし、それでもノイズの数は減るどころか増え続ける。

 

だが、自身に集まるノイズの姿を見ると同時に、そのまま目の前にいる一体のノイズを踏む。

 

【必殺承認!】

 

同時にライブガンをそのまま腰にあるベルトに装填すると同時に大きく跳び上がる。

 

【バット!ジャスティスフィニッシュ】

 

その音と共に、大二の足には光が纏い、それを見た周りのノイズ達は一斉に襲い掛かろうとする。

 

そんなノイズ達が動くよりも先に、大二は空中で右足を前に出す。

 

瞬間、空高くまで跳躍し、そのまま一直線に地上にいるノイズに向かって蹴りを放つ。

 

その蹴りの威力により、群がるノイズ達は瞬く間に消滅し、やがて蹴られた勢いのまま、大二は再び上空へ飛び上がり、他のノイズ達に目掛けて再び落下しながらキックを放つ。

それにより、その場にいる全てのノイズが消滅した。

 

全てのノイズが倒されるのを確認すると共に、大二はそのままベルトに装填されていた。

 

「・・・・」

 

ノイズが倒されるのを確認されると共に、大二の元に一斉に白い制服を身に纏った隊員達が現れる。

 

それは大二が所属しているフェニックスの小隊であった。

 

「大二、よくやった。

今日はもう「いえ、まだノイズが現れる可能性がある為、すぐに本部に戻ります」おい」

 

小隊の指揮を取っていた門田ヒロミはすぐに大二にねぎらいの言葉をかけるが、大二はすぐにその場から去った。

 

「やはり、まだ、あの一件を引きずっているのか。

しかし、分からなくもない」

 

それと共にヒロミは大二の様子を見ながら、2週間程前の出来事を思い出す。

 

フィーネと呼ばれる存在によって、引き起こされたルナアタック。

 

そのルナアタックでは立花響を初めとしたシンフォギア装者、そして大二の兄である五十嵐一輝はフィーネの野望を打ち砕く為に戦った。

 

しかし、大二は当時フィーネが持ち出した変身アイテム、ツーサイドライバーによって、彼の体内にある悪魔カゲロウによって、身体を支配されていた。

 

ツーサイドライバーは搭載した「ツーサイドエンジン」という内蔵プログラムにより「悪魔の悪意を極端に増幅させる変身」と、その反作用を利用して「宿主の良心を倍増する特殊な変身」の二通りの変身を可能としている。

 

その為、当時は仮面ライダーエビルとなり、一輝達と敵対していたが、兄弟の絆により、カゲロウは倒される。

 

そして、同時に彼自身の正義の象徴である姿、仮面ライダーライブへと変身する事ができた。

 

ルナアタックの最終決戦において、ようやく自分を取り戻した大二だったが、その先には悲劇が待ち受けていた。

 

フィーネは最後のあがきとして、迫り来る月の欠片を街に向けて、落とした。

 

既に月の欠片を止める事は敵わず、諦めかけたその時

 

「大二。

父さん、母さん、さくらを、皆を頼む」

 

兄と、立花響達シンフォギア装者達は、その命を賭けて迫り来る月の欠片を破壊した。

 

以降、大二はその罪悪感からか、自分の身を顧みない戦い方をするようになった。

 

そんな大二に、フェニックスの小隊を指揮する隊長であるヒロミは何度も注意したが、一向に変わる様子はない。

 

それどころか、先程の戦闘でも無理な突撃をしようとした所も珍しくない。

 

「俺も、戦う事ができればっ」

 

現在、ヒロミが変身する為に必要なデモンズドライバーは過度な使用による負荷から修復中であり、修理が終わるまでは使えない状態だ。

 

故に、大二が代わりに戦っている。

 

その事が、ヒロミは悔しかった。

 

勤務を終えた大二が向かった先、それは兄である五十嵐一輝の墓となっている場所。

 

そこには、墓標には名前も刻まれて折らず、ただ2人の人物の写真があるだけだった。

 

「大二さん」

 

「小日向さん」

 

後ろから声をかけられ、振り向く。

 

そこには写真に映っている立花響。

 

その親友である小日向未来だった。

 

「君にも、つらい思いをさせた。

俺が、もっと強ければっ」

 

「大二さんのせいじゃないです。

その時、大二さんは悪魔に乗っ取られたから」

 

懺悔するように呟く大二の言葉に未来は否定するように言う。

 

しかし

 

「だが、その悪魔はっ、カゲロウは俺自身の嫉妬が生み出した!」

 

「それは違います! 大二さんは悪くありません! それに、大二さんがいなければ、一輝さんはきっと・・・」

 

カゲロウは大二の心に巣食っていた。

 

大二はそれを認めたくないが為に否定するが、未来の言葉を聞くも

 

「しかし、俺はっ」な

 

おも自分を責めようとする大二に、未来はゆっくりと近づこうとする。

その時だった。

 

鳴り響く警報。

 

それと共に大二はすぐにツーサイドライバーを取り出す。

 

「小日向さんはすぐに避難して!!」

 

「大二さん!」

 

大二はすぐに警報が鳴った場所にいると思われるノイズの元へと向かう。

 

そこにいたノイズが一体いたが、その姿に、大二は驚きを隠せない。

 

「なっ」

 

ノイズの特徴とも言える、半透明な身体を持つが、その姿は明らかに異様な姿だった。

 

ティラノサウルスを思わせる頭部に、尻尾はまるで蛇のようにうねり、先端には鋭い棘が付いている。

 

「まさか、レックスバイスタンプを取り込んでっ」

 

ノイズは、大二達が変身に使用するバイスタンプを取り込む事で、そのバイスタンプに刻まれている生物の力を模した姿へと変わる事ができる。

 

現在、そこにいるノイズは、レックスバイスタンプを取り込んだ事によって、ティラノサウルスの能力を備えたノイズ、レックス・ノイズへと変わっていた。

 

大二にとっては見逃せない姿だったが、それ以上に

 

「それはっ、兄さんのバイスタンプだ!返せ!!」

 

それは、一輝が変身に愛用しているバイスタンプだった。

 

それと共に、これまでは氷のような冷静さで動いていた大二は怒りを露わにすると共に仮面ライダーライブへと変身し、そのままレックス・ノイズへと突っ込む。その速度は、常人では目視できない程。

 

一瞬にして距離を詰めると、ライブは拳を振るう。

 

しかし、レックス・ノイズはその尻尾をそのまま振るうと共に大二はたちまちに吹き飛ばされる。

 

「ぐぅ!」

 

壁に突き刺さりながらも、まるで痛みを感じないようにライブはそのまま壁から飛び出ると共にライブガンでレックス・ノイズへと牽制する。ライブガンの弾丸を受け、僅かに怯むもすぐにライブへと向き直ろうとする。

 

その瞬間、ライブはライブガンの銃口を向けると、引き金を引く。

 

しかし、その銃弾はレックス・ノイズの鱗によって弾かれてしまう。

 

それでも、ライブは攻撃を止めず、今度は蹴りを放つ。

 

その蹴りを受けたレックス・ノイズの口から血が流れる。

 

どうやら、多少なりともダメージを与えたようだ。

 

だが、レックス・ノイズは反撃しようと、尾を振り回す。それを間一髪避けると、大二はすぐさまに距離を取る。

 

「返せっ、それは兄さんのバイスタンプだ!」

 

再度、ライブはレックス・ノイズに向けて走り出す。

 

しかし、それは隙だらけであり、レックス・ノイズはその牙を剥き出しにすると、噛み付く。

 

「がああぁぁ!!!」

 

激痛により悲鳴を上げる大二だが、そんな彼に構わずレックス・ノイズは更に牙を突き立てようと動く。

 

このままでは、大二の命はないと思われた時だった。

 

朦朧する意識の中で

 

「大二さん!」

 

聞こえてきた声、それは大二を心配し、追ってきた小日向だった。

 

「駄目だ、逃げるんだっ」

 

大二は、彼女を逃げるように微かな声で促す。

 

しかし、小日向は逃げなかった。

 

いや、逃げたくなかったのだ。

 

「もぅ、誰も失いたくないのっ。

響もっ一輝さんがいなくなった。

だからこそっ、大二さんっ、生きるのを諦めないで!!」

 

小日向の声を聞きながら、大二は思う。

 

(あぁ、そうか)

 

一輝が死んでから、大二はずっと死ぬ事ばかり考えていた。

 

それは、自身の罪悪感から来る感情である。

 

しかし、そんな自分を許さないように、一輝からの言葉がまるで枷のように縛り付けてくれた。

 

だからこそ、自分ではどうしようもない死、ノイズとの戦いで、死のうと、大二は無意識に考えていた。それが、今は違う。

 

誰かの為に生きたいと、大二は感じていた。

 

「諦めたくない」

 

ふと、大二は呟く。

 

そして、気がつく。

 

「俺はまだ、死にたくないっ」

 

まだ生きていたいと、彼は願った。

 

「俺は、兄さんの思いを受け継いで、生きて見せるっ!!」

 

それと共に大二はすぐに噛み付いてくるレックス・ノイズに耳を澄ませる。

 

それは、レックス・ノイズのエネルギーの中央と思われる場所であり、レックスバイスタンプの居場所だった。それを聞いた大二はすぐにドライバーに手をかけようとするが、レックス・ノイズはそれに気づく。

 

「ぐぅ!」

 

レックス・ノイズは、その牙でライブを貫こうとするが、その寸前、ライブはライブガンを取り出し、レックス・ノイズの頭部に放つ。それにより、レックス・ノイズは怯み、その隙にライブはレックスバイスタンプを回収する。

 

「よしっ」

 

無事にレックスバイスタンプを取り戻した事に安堵するも、ライブは即座にその場から離れようとした。

 

その時だった。

 

「大二くんっ」

 

「ありがとう、小日向さん」

 

倒れ伏した大二の元へと駆け寄る未来に対してお礼を言うと共に、大二は立ち上がる。

 

「もう大丈夫だ。このバイスタンプは取り戻せた。後は、俺がやるよ」

 

「でも、その身体じゃ・・・」

 

「大丈夫だよ。

何よりも、兄さんとの約束があるからね」

 

【レックス】

 

そのまま起動したレックスバイスタンプを手に、大二はゆっくりとツーサイドライバーに装填する。

 

「家族は、俺が守る!」

 

【バーサスアップ!

Over drive! Power dive!仮面ライダーライブ!レックス!】

 

鳴り響く音と共にライブの姿は変わる。

 

先程までの蝙蝠を思わせる姿から、ティラノサウルスの尻尾を思わせるマフラーが首元に生えており、胸元はまるで恐竜の心臓を思わせる形へと変化している。

 

その姿を見たライブは、ライブガンを構えると共にレックス・ノイズに向かって走り出す。

その速度は、これまでのライブとは比べ物にならない速度で、瞬く間に距離を詰めるとレックス・ノイズは尾を振るう。

 

しかし、その攻撃がライブに当たる事はなく、ライブは振り下ろされた尾を掴むとそのまま持ち上げた。

 

その光景に驚くレックス・ノイズだったが、すぐにライブの腕を噛む。

 

だが、その前にライブは腕を振り上げるとレックス・ノイズは吹き飛ばされる。

 

吹き飛ばされながらも、レックス・ノイズはライブへと襲いかかるが、ライブはレックス・ノイズへと接近すると、ライブガンを向けると同時に引き金を引く。

 

放たれたのは弾丸ではなく、炎。

 

レックス・ノイズはその火炎に焼かれるも、すぐさまにライブの足元に噛み付こうとする。

 

「大事に決めようか!」

 

【必殺承認!レックス!ジャスティス・フィニッシュ!】

 

その音声と共にライブガンは巨大なティラノサウルス型の狙撃銃へと変形し、構えられる。

そして、レックス・ノイズが牙を突き立てるより早く、ライブはトリガーを引いた。

 

ライブガンから放たれるレーザーはそのままレックス・ノイズを貫く。

 

それにより、断末魔を上げる間もなくレックス・ノイズは爆散する。

 

「兄ちゃん」

 

そのままツーサイドライバーから取り出したレックス・バイスタンプを見つめる。

 

それは一輝の使っていたレックスバイスタンプとは違い、少し黒かった。

 

それでも、大二は笑みを浮かべる。

 

「これからも、俺、戦い続けるよ。

兄ちゃんの意志を継いで、仮面ライダーとして」

 

そう言って、大二は変身を解くと小日向の元へと向かう。

 

すると、そこには小日向だけでなく、大二を心配して駆けつけたのであろう門田ヒロミの姿もあった。

 

大二はすぐに、彼らの元へと駆け寄っていく。

 

だが、そんな大二の様子を見ていた人影が一つ。

 

「やはり、バイスタンプの効力では、この程度でしたか」

 

そう言いながら、先程までの戦闘を見ていたのか、鼻で笑うように呟く。

 

「やはり、人類を導くのに必要なのは英雄の英知。

だからこそ、これが必要になる」

 

それと共に取り出したのは、4色のバイスタンプによく似た何かだった。

 

似ている部分はあるが、明らかにバイスタンプとは違い、人間の顔が刻まれていた。

 

それが、どのような波乱を生み出すのか、その人影しか、知らない。

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