会場で行われている戦い。
そこでシンフォギアを身に纏っているマリア達3人のシンフォギア装者に追い込まれている翼。
「まさかっ、シンフォギア装者が3人だとっ」
その事態に焦りを見せたヒロミはすぐに翼の元へと向かおうとした。
しかし、未だにノイズ達はヒロミの前に立ちはだかり、その行く手を阻む。
だが、そんな絶体絶命の状況の中で、音が鳴り響く。
【バディアップ!上昇気流!一流!翼竜!プテラ!Flying by! Complete!】
「っ!」
聞こえてきた音。
それと共に翼を囲んでいた彼女達に襲い掛かってきたのは弾丸の雨と青い翼を思わせる刃だった。
3人はすぐにその場を離れると共に、翼の前に降り立ったのは仮面ライダーに変身している一輝とバイス。
そしてシンフォギアを身に纏った響とクリスの2人だった。
「ヒロミさん」
「大二かっ」
同時にヒロミから背後から襲い掛かろうとしたノイズを撃ち落としたのは、同じく仮面ライダーに変身している大二だった。
「ヒロミさん、大二、ここは俺達でなんとかします。
だから、会場の外の人々達を頼みます!」
「っあぁ、頼むぞ」
先程までの危機的状況から脱し、再び数的にも有利になった状況の中、ヒロミはすぐにその言葉に従った。
大二とヒロミはそのまま外に溢れ出そうとしているノイズ達の対処に向かった。
それと共に響は
「止めようよ、こんな戦い。
今日、出会ったばかりの私達が戦う理由なんて、ないよ」
そう、響は戦いを止めるように言葉を投げかける。
しかし、それは相手側に何かが触れたのか、そのまま怒りを隠さないように睨み付ける。
「そんなっ、綺麗事を」
「えっ」
その言葉を、響を否定するように睨む。
「綺麗事で戦う奴なんて、信じられる訳ない」
「そんな事はない、話し合えば!」
続くように一輝もまた言葉を紡ぐが
「偽善者。
この世界には貴方達のような偽善者が多すぎる」
しかし、その言葉もまた少女によって、遮られる。
それと同時にはヘッドギアにマウントされたコンテナから大量の丸鋸が一斉に襲い掛かってくる。
それに反応したバイスはすぐに一輝達の前に出ると、そのままエアバイクとなっているファンから突風を飛ばし、その丸鋸を吹き飛ばす。
「何をしている立花、五十嵐!」
「はっ」
翼の言葉を聞くと共に、一輝はすぐにレックスバイスタンプを取り出し、そのままリバイスドライバーに押印する。
【バディアップ!オーイング!ショーニング!ローリング!ゴーイング!仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!】
鳴り響く音と共にレックスゲノムへとゲノムチェンジした一輝に襲い掛かってきたのは、先程一輝と話した鎌を持つ少女だった。
「俺は、ただ、目の前にいる人を」
「それで、誰が救えると言うんだ!」
手に持ったオーインバスターでなんとか、その攻撃を防いでいく。
しかし、先程から一輝の動きは迷いを隠せなかった。
それは響も同じく、徐々に追い詰められていた。
「あの馬鹿達は!」
その状況を見ていたクリスはすぐに応援に向かおうとしていたが、襲い掛かる丸鋸を撃ち落とすの必死だった。
そして、その鎌が一輝に届きそうになった時
【掃除機!イタダキ!メッチャキュー印!オストデルクラッシュ!】
「なっ」
「ぶわははははっ、なんか、その鎌、格好良いから、おれっちにも頂戴!!」
バイスはオストデルハンマーから開いた穴で少女の鎌を吸い取ろうとしていた。
しかし、少女はすぐに鎌の刃部分を分裂させブーメランのように投擲して左右から挟撃する。
「げえぇぇ!!
そんなのありかよ!!」
それを見たバイスはすぐにその場から離れ、一輝の元へと飛び込む。
「もぅ、一輝ったら。
しっかりしてくれよ。
いつもの一輝らしくないんっ?」
そうしていると、バイスは何かに気づいたのように一輝を見つめる。
「んっ、あれ、もしかして一輝、さっきの偽善者という言葉、気にしているの」
「っ」
そのバイスの一言に一輝は思わず反応してしまう。
「ぷわはははっ」
「なんだよ」
バイスはそれが分かると共に、笑い出す。
それに思わず一輝は反応する。
それは、その場にいた彼女達も同じだった。
「一輝はそのままで良いんじゃないの」
それは先程までの一言を肯定する言葉だった。
しかし、それは同時に一輝達を肯定する言葉でもあった。
「偽善者で何が悪い?実際に一輝や響ちゃんのおかげで誰かは助かっている。
だったら、これからも一輝達は一輝達で好きな事をやれば良いだよ」
それと共に、バイスは地面に落ちていたバイスタンプを一輝に渡す。
「バイス」
バイスの言葉を聞きながら、一輝は手にしたバイスタンプを見る。
「そうだな。
俺は日本一のお節介だ。
だったら、偽善でも良いから、誰かの為に動く!」
【カジキ】
それと共に一輝は覚悟を決めるようにカジキバイスタンプを起動させ、そのままリバイスドライバーに押印する。
【バディアップ!鼻先!貫き!水しぶき!カジキ!結末は波が決める!】
その音声と共に一輝の姿はカジキをあしらったピンク色の右半身が特徴的な姿へと変わる。
同時にバイスの姿も大きく変わり、カジキを思わせる一本の剣へと変わっており、そのまま一輝の手の中に収まった。
「えっなにこれ!?
もしかして、おれっち、とうとう武器になっちゃった系なの!!」
「行くぞ、バイス!」
「待って、おれっち、このままじゃ、むっちゃ痛そうなんですけど!!」
バイスの言葉を無視し、一輝はそのまま目の前にいる鎌を持つ少女へと向かって行く。
姿が変わった事に驚きを隠せない少女だったが、すぐにその鎌で斬りかかる。
それに対して、一輝はその手に持ったバイスの刀身で受け止めながら、左手で相手の腕を掴む。
そして、そのまま力任せに振り回し、近くの機材に向かって放り投げる。
だが、相手の少女もすぐに体勢を立て直す。
それを援護するようにもう1人の少女が一輝に対して、無数の丸鋸を投げてくるが、バイスから水飛沫を出し、周囲に水をまき散らす事で防ぐ。
「こいつっ、さっきまでとは全然違うっ」
「迷いを振り切った一輝に敵うと思うなよ!
それはそうと、これ結構痛いんだよ!!」
バイスはそう言いながらも、一輝はその刃を器用に動かし、迫りくる丸鋸を全て弾き飛ばす。
その動きを見た2人は警戒しながら距離を取る。
「ここまでね」
マリアはそう言いながら、状況を把握する。
数は未だに不利であり、精神的にダメージを受けていた一輝は相棒であるバイスによって回復した。
それにより、2人を同時に相手にできている以上、このままでは敗北しかない。
そんなマリアに反応するように、会場の中央には巨大なノイズが現れる。
「あれって、まさか」
「増殖分裂タイプ」「こんなの聞いていないですよ!」
それはマリア達の方でも同じなのか、予定にないノイズに驚きを隠せなかった。
「分かったわ」
同時にマリアは誰かと通話していたのか、頷くと共に取り出したのはアームドギアであるガングニール。
それを手に取ると同時に、増殖分裂タイプのノイズに向けて、ビームを出す。
「おいおい、自分達で出したノイズだろ!」
そうクリスは言うが、その結果はすぐに分かった。
攻撃によって、拡散されたノイズの破片は、そのまま再生されていく。
「まさか、さっき言っていた増殖分裂タイプって」
「この事だったのかっ」
驚く一輝達を無視して、マリア達はその場から撤退していく。
「あぁ、あいつら、逃げていくぞ!」
「けど、こいつを放っておく訳にはいかないっ」
バイスの言葉を聞きながらも一輝は目の前にある厄災とも言えるノイズを目にして、動けなかった。
「どうするどうする!」
そう迷うバイスに対して
「絶唱」
響が呟く言葉。
「今は賭けるしかない」
同時に覚悟を決めるように言う。
「おいおい、まさか、あれをやるのかよ!
ユニゾン・リミックスでもやっとできたぐらいだぞ」
「それでも、やるしかないよ」
それの意味が分かったクリスは思わず反論するが、響は止まるつもりはない。
そして、一輝も。
「バイス、いっちょ決めるぞ」
「あいよ、任せときな」
「どうやら、既にやるしかないようだな」
その雰囲気を見て、翼もクリスも呆れながらも賛同する。
同時に一輝の手に持つバイスを響は反対側で一輝と手を重ねるように持つ。
そして、一輝の片手にはクリスが、響の片手には翼が握る。
それと同時に響、翼、クリスの3人は一斉に絶唱を歌い始める。
「「「Gatrandis babel ziggurat edenal… 」」」
3人の絶唱が重なり合い、そのエネルギーはバイスへと流れ込む。
「来た来た来た来たあぁぁぁぁ!!!」
同時にバイスの刀身は夜空をイメージした青紫へと代わり、エネルギーの刀身を大きく伸ばす。
それは、フィーネとの最終決戦で行ったデュランダルでの一撃を再現するように、絶唱のエネルギーを最大限に生かした現状彼らの最強の必殺技。
「「はああぁっ!!!」」
それと同時にバイスを真っ直ぐとノイズに向けて、振り下ろされる。
絶唱の三重奏によって生み出されたエネルギーはバイスの刃先から放たれ、そのまま一直線に突き進む。
それにより、その会場にいる全てのノイズを瞬く間に炭化させる。
それだけではない。
この技の余波は離れた場所で戦っていた他の装者たちにも及び、彼女達もまた絶唱の威力に驚きを隠せない。
「これが、私達の戦う敵」
そう、マリアは呟きながら言う。