戦姫絶唱シンフォギアRevice   作:ボルメテウスさん

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無敵のさくら

「ハッ!ハァ!」

 

その日、さくらは通っている空手道場で練習を行っていた。

 

周りには誰もおらず、ただ1人、黙々と行っていた。

 

それは彼女自身が選んだ事であり、その頭の中には先日の出来事が未だに残り続けていた。

 

マリア・カデンツァヴナ・イヴが行ったライブの騒動時、さくらは自身が出会った少女二人の事を思い出す。

 

切歌と調という名前の子供であり、彼女達はさくらの友人であるクリスと同じシンフォギアを身に纏っていた。

 

しかし、そんな彼女達を目の前にしながら、自分達の圧倒的な力の差を見せつけられた。

 

(何もできなかった!私はっ何もっ!)

 

兄である一輝と大二の二人のような仮面ライダーに変身する力も、響やクリスのようなシンフォギアを纏う力がないさくらにとって、この空手しか力を得る手段はなかった。

 

その鬱憤を晴らすように続けていた。

 

静寂で、自身しかいないはずの空間の中。

 

「なかなかに良い鍛錬じゃないか」

 

「っ」

 

聞こえた声、振り返るとそこには、不参臭いを表現したような男性が立っていた。

 

「誰ですか、あなたは」

 

警戒しながらも、さくらは言いながら、睨み付ける。

 

「私かい?

私はジョージ・狩崎。

まぁ簡単に言えば、フェニックスの天才科学者で、君にも分かりやすく言えば、仮面ライダーを作った男だ」

 

「えっ!」

 

その言葉を聞くと、さくらは驚きを隠せずに振り返る。

 

「なんで、そんな人が」

 

驚きを隠せないさくらはゆっくりと尋ねる。

 

「なに、これを君に試して貰いたくてね」

 

その言葉と共に渡されたベルトを見る。

 

「これは、一輝兄が使っている奴?

それにしては、なんというか簡素な」

 

「リベラドライバー。

 

君の兄である五十嵐一輝が使うリバイスドライバーをより使いやすく代物だ。

 

まぁ、使えるかどうかは、君次第だけどね」

 

その言葉と共に、リベラドライバーと共に、バイスタンプを一つ渡す。

 

受け取ったさくらの表情は笑みを浮かんでおり

 

「さっそく試してみるかい?」

 

「はいっ」

 

その言葉と共に、リベラドライバーを腰に巻いたさくらはそのまま手に持ったバイスタンプを起動させる。

 

【コブラ】

 

鳴り響く音と共にリベラドライバーに押印したさくらは

 

「変身」

 

その言葉と共に押印したバイスタンプをそのまま横に倒す。

 

しかし

 

「えっ」

 

「ふむ」

 

リベラドライバーは何も反応はしなかった。

 

「なんで、変身っ、変身!!」

 

そう言い、さくらは何度もバイスタンプを横に倒す。

 

しかし、リベラドライバーはうんともすんとも言わない。

 

「なんで」

 

そう言いながら、さくらは沈みながら、声を出す。

 

その様子を見ていた狩崎は顎に手を当てて考え込む。

 

「君の2人の兄が変身できたから、君も変身できると思ったが、どうやら無理だったようだね」

 

狩崎の言葉を聞き、さくらの顔は真っ赤になり そのまま俯きながら、拳を握る。

 

「まぁ、しばらくはそれは君が持っていてくれ。

もしかしたら、何かに役に立つかもしれないから」

 

狩崎はそう言うと共に、そのまま去って行った。

 

しばらくして、さくらは思い悩むように、そのまま道場から出て行く。

 

未だに変身できない事への鬱憤と共に思い出すのは、つい先日の兄である一輝との会話だった。

 

それはライブでの出来事を一輝に話し、鬱憤を晴らすように話していた。

 

そうした話している間に一輝が出した言葉は

 

『ならば、もしも戦う時が来た時。

 

その時は本当に強いさくらを見せてくれ。

 

中途半端な状態なんて、いらない』

 

その言葉を、なぜかさくらは頭から離れなかった。

 

ライブの出来事もあり、自分が弱い事。

 

空手で鍛え上げた自己満足な強さ。

 

それらが重なり

 

「なんだ、私、全然駄目じゃん。

 

無敵じゃないよぉ」

 

そう涙を溜めながら、大声を出しそうになる。

 

しかし

 

『らぶぅ』

 

聞こえてくる声、さくらは振り返ると共に、黒い影がゆっくりとさくらの目元にある涙を拭う。

 

それはこれまで知らなかった何かが優しく語りかける。

 

同時に聞こえた大きな物音。

 

それが自然と、さくらを走らせた。

 

見えたのは多くのコンテナがある場所であった。

 

そして、そのコンテナで、遠く僅かに見えた隙間にはノイズから逃げている誰かがおり、そしてその近くには練習帰りだと思われる少年達がいた。

 

「っ」

 

見えた光景、そしてこれから起こるだろう惨劇を予測したさくらは自然と、リベラドライバーを腰に回し、コブラバイスタンプを起動させる。

 

「私、全然弱かった。

 

でもねっ!」

 

その言葉と共にコブラバイスタンプが鳴り響くと同時にリベラドライバーにあるケージのようなパーツが巨大化し、少年達に襲い掛かろうとしていたノイズの前に立ち塞がった。

 

「なっ」

 

それを見て、ノイズを操っていたDr.ウェルは驚きを隠せなかった。

 

「自分の弱さを受け入れた私は、無敵よ」

 

【What's Coming-up!? What's Coming-up!?What's Coming-up!? What's Coming-up!?】

 

「なんだぁっ」

 

突然の出来事に驚いている中で、さくらはそのままリベラドライバーにあるコブラバイスタンプを横に倒す。

 

【リベラルアップ!Ah Going my way!仮面ライダー!蛇・蛇・蛇・ジャンヌ~!】

 

同時にゲージはそのまま展開され、Dr.ウェルの周りにいたノイズを吹き飛ばし、そのまま変身したさくらはそのまま少年達の前に立つ。

 

その身体は青と黄色の二色の鎧で構成されており、ボディカラーは黒、顔全体がコブラを模した物になっていた。

 

「なっなっ」

 

「もしかして」

 

「仮面ライダー!!」

 

驚きを隠せないDr.ウェルと、テレビの中でしか見たことのない仮面ライダーの登場に興奮する子供達。

 

「君達、早くここから逃げて。

案内は、その子がしてくれるから」

 

「えっ?」

 

同時に少年達が振り返ると、そこには

 

「ラブゥ」

 

そこに立っていたのは、一言で言えば、コブラのゆるキャラ。

 

ジャバ・ザ・ハットの様な太めのヘビ人間体型で、大きさは12歳の子供くらいの大きさだった。

 

「悪魔なのか?

それに情報にない仮面ライダーだとしても!!」

 

その言葉と共にDr.ウェルはそのままノイズを召喚する。

 

同時にノイズに向けて、Dr.ウェルは持っていたソロモンの杖からノイズを呼び出し、そのままクリスパースタンプを押す。

 

それと共に現れたのは、緑色の数珠などの装飾をあしらった赤紫色の装束を身に纏っている存在、ヒミコ・クリスパーへと変わる。

 

「行け!」

 

Dr.ウェルの言葉と共にヒミコ・グリスパーは自身の周りから炎の玉を作り出し、そのままさくらに向けて、放つ。

 

その攻撃に対して、その炎の玉に対して、さくらは手を軽く触れる。

 

それによって、炎の玉の軌道は変わり、さくらと子供達には当たらなかった。

 

「はっ!?」

 

その事にDr.ウェルは驚きを隠せなかったが、襲い掛かる炎の玉に対して、さくらは次々と手を当てる。

 

すると、その軌道はどんどん変わっていき、最終的には全て、ヒミコ・クリスパーに返って行った。

 

「どうなっている?どうなっている!?どうなっているんだっ!!」

 

あまりの出来事に驚きを隠せずにいたDr.ウェルだったが、さくらはそれ以上に驚いていた。

 

(見える。

目の前にある攻撃が、全て見える)

 

それはこれまで鍛錬を続けた事で研ぎ澄まされた感覚と共にコブラバイスタンプによって再現されたピット器官。

 

それらが合わさった事によって、さくらの目に見える範囲の攻撃が分かるようになっていた。

 

その結果として、さくらは迫りくる攻撃を難なくかわし、逆にヒミコ・クリスパーを攻撃していく。

 

その動きはまるで、空手の演舞の様にも見え、また流れるような動作で放たれている拳や蹴り、それらには一切の無駄がなく、美しささえ感じられた。

 

だが、そんなさくらの動きに、さくら自身が一番驚いており、同時に感動すら覚えていた。

 

これまでの自分がどれだけ井の中の蛙だったのか、それを痛感した瞬間でもあった。

 

「あり得ないっ!あり得ないっ!」

 

「サクッと、倒すよ!」

 

その言葉と共にコブラバイスタンプの位置を元に戻す。

 

同時に青く輝き始めたさくらはそのまま真っ直ぐとヒミコ・グリスパーに向かって走る。

 

迫り来る攻撃に対して、目にも止まらない連撃で打ち消し、接近したヒミコ・グリスパーを上空に吹き飛ばし自身も跳び上がる。

 

【コブラスタンピングスマッシュ】

 

ラブコフがコブラ状のエネルギーとなり右足に纏わせて、そのままヒミコ・グリスパーに向けて、回し蹴りを放つ。

 

その一撃を受けたヒミコ・クリスパーは爆発と共に砕け散り、消滅した。

 

その光景を見たDr.ウェルは驚愕を隠せずにいた。

 

「ぐっ」

 

「さぁ、次はあんたの番よ」

 

「らぶぅ、屑」

 

そして、Dr.ウェルに向けてラブコフは道を防ぎながら、さくらもすぐに向かおうとしたが

 

「そこまでよ」

 

「っ」

 

その言葉と共に見えたのは、先程の少年達を人質にしていたマリアの姿だった。

 

「なっ」

 

「ほぅ、助かりましたよ、フィーネ」

 

人質を取られた事で動けなくなったさくら、そして形勢逆転した事で笑みを浮かべるDr.ウェル。

 

「この子達を無事に返して欲しければ、ここから撤退しなさい仮面ライダー」

 

「っ」

 

「何を甘い事を。

このまま彼女のベルトを「さっき失敗したあなたが言う言葉かしら」それはっ」

 

マリアの言葉を否定しようとしたDr.ウェルだったが、すぐにその言葉は遮られた。

 

「っ、手を出したら、絶対に許さないから」

 

「えぇ、手を出さないわ。

約束するわ」

 

その言葉と共にさくらは構えたまま、動かなかった。

 

同時にコンテナにあるヘリはそのままマリア達の近くに向かう。

 

Dr.ウェルはそのまま不服そうな表情のままにヘリに、マリアも人質である少年達を解放し、さくらを通りすがりに耳元で

 

「感謝するわ」

 

「えっ?」

 

それは、小さく、聞き逃す程の声だった。

 

しかし、その答えを聞く前にマリアはその姿を消していた。

 

「な、なんなの、あの人」

 

子供達から話しかけられながらも、さくらは考えていた。

 

そして

 

「やはり、変身はできたようだね」

 

ドローンから見える映像を見て、満足げに頷く狩崎。

 

「これで五十嵐三兄妹が全員が仮面ライダーに変身する事が分かった。

あとは」

 

そう言いながら、狩崎は研究所の中央にある物を見つめる。

 

「これの開発を進めるだけだね」




戦記絶唱しないシンフォギア
「まさか、新しい仮面ライダーっ」
その言葉と共に画面に出てきた仮面ライダージャンヌの姿に驚きを隠せなかった。
「これまでにない新たなライダーですね。
まさか、ここで現れるとは、偶然でしょうか」
そう言いながら、ナスターシャ教授も頷く。
「リバイとバイスにライブ。
さらにこちらとの戦力が大きく開きますね」
「えぇ」
そう言いながら、マリアは緊張しながらも、その画面に映ったジャンヌの悪魔ラブコフを見る。
「らぶぅ」
その声を聞きながら、マリアはラブコフを見ると
「可愛い」
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