戦姫絶唱シンフォギアRevice   作:ボルメテウスさん

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血飛沫の小夜曲

『うひょー!

これが学園祭かよ!』

 

その言葉と共にリディアン音楽学校で行われている学園祭、秋桜祭に来ている一輝の耳から幽霊状態であるバイスはそう言いながら、周りの景色を見ていた。

 

バイスの姿を見る者は周りにはいない為、来場者のほとんどは騒ぐ様子はないが、それが見える一輝はそんなバイスを見て、呆れた表情で見つめる。

 

「そんなに騒ぐなよ」

 

『だって、だって!

 

おれっち、こんな祭り、初めてだからよぉ!

 

おいおい、あそこでうどんとかも売っていて、旨そうだぜぇ!!』

 

「はいはい……わかったから」

 

興奮するバイスに一輝は仕方なさそうな顔をしながら答える。

 

(でも、まぁ……)

 

『おっ?』

 

そうしながら、出店を見ながら、楽しそうにしているバイスの様子を見ながら、一輝はここまで濃い半年間を思い出す。

 

フェニックスの会場でリバイスドライバーを手に入れた事をきっかけで契約した悪魔であるバイス。

 

当初は、その凶暴性から見ても、油断できない相手だったが、数々の戦いを乗り越え、バイスとの間に確かな絆が生まれた。

 

相変わらず不真面目な態度が見られる時はあるが、以前ならば人間を守る行為に対して積極的ではなかった彼が、今では当たり前のように戦う時には人々を守っている。

 

(少しぐらい、こいつにも)

 

そう思い、一輝はふとバイスタンプで実体化させようと、手を取ろうとした時

 

『旨そうだなぁ』

 

「っ」

 

バイスの一言、それを聞くと共に見つめたのは出店にあるたこ焼きだった。

 

ただ、出店にある食べ物を見て、食べたくなっているバイスの言葉を聞いて、一輝が思い出したのは、会場で自身の母を食べようとしたバイスの姿だった。

 

確かな絆を築き、信頼しているはずなのに。

 

『どうしたんだ、一輝?』

 

「なんでもない。

 

それよりも、向こうでイベントがあるようだぞ」

 

今まさに出店に釘付けになっていたバイスは、不思議そうな顔を浮かべながら、一輝の顔を見上げていた。

 

だが、今の自分はそんなバイスに対し、何も言う事が出来なかった。

 

それから、数時間後、一輝達の元には数多くの出来事が起きた。

 

リディアン音楽学校に潜入したフィーネのシンフォギア装者である暁切歌と月読調による決闘。

 

そして同時刻において、妹である五十嵐さくらが仮面ライダージャンヌへと変身した事。

 

それらは一輝達にとっては驚きの出来事だった。

 

しかし、その最中

 

「悪いが、君のドライバーは預からせて貰うよ」

 

「えっ?」

 

始まるだろう戦いの前に、狩崎が一輝のドライバーを手に取った。

 

「どういう事なんですが、狩崎さん!」

 

驚きを隠せない一輝はすぐに狩崎に問い詰める。

 

「君はこの半年間で23種類のリミックスを発動した事によって、より強力なバイスタンプの開発が行えるようになった。

 

まぁ、あとは微調整だけだがね」

 

「そんな、けどもう少しで決闘なんですよ。

 

この機会を逃したら、彼女達を」

 

その言葉に不安に覚えた一輝だが

 

「兄ちゃん、そこまで心配しなくても大丈夫」

 

「切歌ちゃんも、調ちゃんも私達でなんとかするから」

 

そう、一輝の心配を振り払うように、大二とさくらの2人が遮る。

 

「とりあえず、ヒロミ君は何が起こるか分からないので、ここで指示を頼む」

 

「はい、一輝。

 

ここは彼らを信用しよう」

 

「・・・はい」

 

それと共に、一輝はそのまま二課本部で待機する事になった。

 

映し出される戦いの場、そこは、かつてリディアンがあった地だった。

 

そこで待ち受けているはずだった二人はいない。

 

代わりに

 

「待っていましたよ」

 

「Dr.ウェル!」

 

それはソロモンの杖を強奪し、フィーネへと入ったDr.ウェルの姿だった。

 

「かつて【ルナ・アタック】から救った英雄達が、因縁ある場所で雌雄を決する。なかなか、趣きがあるじゃないか!」

 

それと共に現場にいる響達を見ながら言う。

 

それと同時にDr.ウェルの周りにノイズが現れ、同時に手に持ったクリプターバイスタンプをノイズに入れる。

 

同時に、そのノイズは歯を見せて笑ったような顔にネメスを被ったような青い頭部と身体を持ち、背中には巨大な翼を生やしたクフ・クリスパーへと変わる。

 

「やはりっ、でも!」

 

「やるしかない!」

 

その言葉と共に現場は戦闘に突入した。

 

それを見ていた、一輝は焦りながら、狩崎の元へと向かう。

 

「狩崎さん、調整はまだできないんですかっ」

 

「まだ無理だ、だがもうすぐ終わる」

 

狩崎はリバイスドライバーの画面を見ながら答える。

 

「じゃあ、早く」

 

「そう言われてもね、この残りが問題だ」

 

そう言いながら画面に映し出されているのは、新たなバイスタンプを示すグラフ。

 

そこには99パーセントという表示で、それ以降、動かなかった。

 

『一輝、おれっちを使ってくれよ!

 

おれっちだったら、無理にでもリバイスドライバーを取れる!

 

そうすれば、すぐにでも響ちゃん達を助けに行ける!』

 

「駄目だっ、それじゃ、狩崎さんを傷つけるだろ!」

 

『狩ちゃんも傷つけない!

 

誰も人を傷つけないよ!おれっちだって、皆を守りたいんだよ!!』

 

そう必死に言うバイスの言葉を聞きながらも、一輝は迷う。

 

『そんなに心配なのかよっ』

 

「心配に決まっているだろ!!」

 

その一輝の怒鳴り声に狩崎はすぐに怪訝な顔をする。

 

『あぁ、もぅ一輝のバカ!ちょっとぐらい、信用しても良いじゃないかよぉ!』

 

そう言い、バイスはしゃがみ込む。

 

「・・・」

 

これまで、幾度も戦ってきた。

 

その様子を、誰よりも間近で見てきた。

 

初めに思い浮かんだのは確かにバイスが母を食べようとした場面。

 

だが、それと共に、数多の戦いで、傷つき、悩みながらも、共に戦ってきたバイスの姿だった。

 

「そうだな。

お前は今日まで俺との契約を守って、ここまで戦ってくれた。

ここで守らなきゃ、バディじゃない」

 

それと共にゆっくりとレックスバイスタンプに手を伸ばす。

 

「一輝君」

 

「狩崎さん、俺、行きます。

例え、強いバイスタンプが無くても、リバイスドライバーがなくても。

今の俺には、信用できるバディがいるから」

 

『一輝っ』

 

それと同時に、レックスバイスタンプから光が溢れ出す。

 

それは、新たなバイスタンプに向けて、エネルギーが注ぎ込まれる。

 

同時にグラフは完全に100パーセントの数値が出る。

 

『えっ、これって、どういう事なの!?』

 

「なるほどねぇ。

まさか最後の鍵がバディとの絆だとはねぇ」

 

それを見た狩崎は笑みを浮かべる。

 

それと同時に狩崎の元にある画面を見てみると、そこでは危機的状況に陥っている響達の姿があった。

 

「っ」

 

「今の君ならば、これを使えるはずだ」

 

それと共に狩崎が渡したのは、先程まで開発していたバイスタンプだった。

 

「行けるかい?」

 

「『勿論』」

 

一輝とバイス、二人は声を合わせると共に飛び出した。

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