「はぁぁ!!」
周りには、何も映し出さない暗闇の中に3人の人物が映し出されていた。
1人は五十嵐一輝であり、彼はその手には仮面ライダーリバイに変身していた時に愛用していたオーインバスター50を手に持ち、目の前にいる敵に向けて振り上げていた。
半年前までは素人同然であった彼は、既に戦い方を熟知しており、目の前の敵からの攻撃に対しても、オーインバスター50でその攻撃を受け流す。
互いの攻撃がぶつかり合う事で火花を散らしているが、力は一輝の方が不利なのか、徐々に後ろに押し出されていた。
「一輝っ、危ない!!」
そんな一輝の危機を救うように一輝の後ろからオストデルハンマー50を振り下ろしながら、一輝に襲い掛かる敵を吹き飛ばす。
力では一輝よりも勝っている事もあって、その威力に負けた敵はそのまま吹き飛ばされ、後ろに下がる。
しかし、未だに無傷の様子を見せる敵はその手に持つ武器、リバイスラッシャーを構えていた。
「それにしても、一輝。
なんだか、複雑な気分だぜ」
「あぁ、それは俺もだ」
そう言いながらも、互いの武器を構えながら、目の前にいる敵を見つめる。
それは、一輝とバイスにとっては馴染み深い姿、仮面ライダーリバイだった。
変身者である一輝がいるにも関わらず、目の前に仮面ライダーリバイがいる。
それは
『どうかね、訓練の方は』
そう暗闇の中から聞こえた声こそ、一輝達にこの戦いを提案した張本人であるジョージ・狩崎だった。
「激ムズだよ、狩ちゃん!
本当にこれであのバイスタンプを使いこなせるのか!」
聞こえてきたジョージ・狩崎の声に対して、バイスは思わず声を上げながら言う。
『あぁ、ボルケーノバイスタンプを使うには両者が対の方向性で等しくパワーアップしたが故、バランスが一方に偏ると偏った方がダメージを受ける欠点があり、これまで以上に二人のバディとしてのコンビネーションが重要視される。
それには、この仮想空間での特訓がうってつけという事だ』
「だからって、一輝が変身するリバイと戦うというのはなぁ」
「心配するな、バイス。
とにかく、今はあのスタンプを使いこなすのが一番だ」
その言葉と共に一輝はその手に再びオーインバスター50を構える。
「確かにそうだな。
よし、一輝!! 今度こそ決めるぞ!!」
「了解した!!」
そして二人は同時に走り出し、それぞれの武器をぶつけ合う。
しかし、今回は先程と違って互いに力を拮抗させているため、一輝達は押し負ける事は無かった。
それどころか、少しずつだが一輝達が押している様子だった。
その様子を見ていたジョージ・狩崎は別の画面を見ていた。
それは米国の哨戒艦艇で起きている光景だった。
ノイズの襲撃という知らせを聞くと共に、現在戦えるメンバーである翼、クリス、さくら、ヒロミの4名がそのまま急行していた。
最大戦力とも言える一輝とバイスは現在ボルケーノバイスタンプの為に、響も参戦できなかった。
その船の上の光景はまさに混沌とも言うべき状況だった。
「カゲロウ、大二の身体を返せ!」
そう言いながら、カゲロウと交戦するヒロミ。
「悪いが、こいつは既に俺の身体だからなぁ!!」
それと共にカゲロウはその手に持ったエビルブレードを振り上げて、吹き飛ばす。
同時にエビルブレードの刃先から高密度のエネルギーを放出することで斬撃そのものを飛ばし、追撃する。
その攻撃を避けるようにヒロミもまた、手からデモンストリングを近くの壁に伸ばして、勢いよく飛び上がる。
空中に飛び上がった事で回避に成功するものの、カゲロウは再びエビルブレードでヒロミに接近する。
それを待ち構えるようにして、エビルブレードを振るう。
それと同時に再び衝撃波を放つも、今度は防がれてしまう。
そのままヒロミとカゲロウの戦闘が続く中で、響き渡る歌声。
「これは一体」
次々と起こる出来事に困惑している中で、聞こえた歌声に全員が向く。
そこに立っていたのは、行方不明になっていたはずの小日向未来。
しかし、その目には生気を感じられず、同時にその身に纏っているのは紫色のシンフォギアだった。
「シンフォギアだと」
「あの博士、やっちまったなぁ」
それはヒロミ達にとっては衝撃的だったが、カゲロウは何かを知っていたように笑みを浮かべる。
「どういう事だっ」
「あれはリンカーによって強制的にシンフォギアを身に纏える状態になっている。
果たして、どれぐらい保つかなぁ」
「っ」
カゲロウの言葉。
それはまさに悪魔に相応しく、状況の悪化が目に見えて分かる。
「ヒロミのおっさん、カゲロウは頼むぞ」
その言葉と共に未来へと接近するのは、クリスとさくらの2人であった。
クリスはその手に持つボウガンの狙いを真っ直ぐと未来へと向けると共に、引き金を引く。
無数の光の矢が未来に向かって放たれるが、その動きはまるで機械的であり、正確無比に避けていく。
しかし、その行動パターンは読みやすく、同時に誘導しやすかった。
「はぁぁ!!」
クリスが誘導先で待ち構えていたさくらはそのまま未来に向けて、拳を振り上げる。
未来は武器となる扇子で防御する。
しかし、近接戦闘においては五十嵐家で1,2を争う彼女にとっては、その攻撃は読みやすかった。
「ラブちゃん、行くよ!」
【バディアップ!Ah!クジャク!ダダダダーン!】
その音声と共に、さくらと共にいた悪魔であるラブコフは光に包まれ、2つの扇子型の武器へ変形する。
変形した扇子で、未来の持つ武器を吹き飛ばすと同時に
「未来ちゃん、少し痛いかもしれないけど、我慢してね!!」
それと共にさくらはその手を未来の頭に装着されている物に手を伸ばす。
「女の子に乱暴したらいけませんよ。
乱暴に引き剥がしたら、脳を傷つけますよ」
その言葉と共にさくらの手を止める。
同時に狙いを定めたように、未来の手に持つ扇子が大きく開く。
開かれた事で、放たれた光はそのままさくらに向かって降り注ぐ。
「ぐっ」
間一髪で、その攻撃を避けたさくら。
しかし、辮髪のようなパーツが光の中へと消えていった。
「あれは、ビームなのか?」
『いや、それ以上にやばいっ!
あの攻撃に当たって行けない!?』
さくらの疑問に答えるように、状況を見ていたジョージ・狩崎が叫ぶ。
「ギアに使用されている神獣鏡は聖遺物由来の力を無効化する力を持つ。
同時に魔を払う力を持つから」
「悪魔の力を使う、仮面ライダーに対しても天敵に等しい」
シンフォギアと仮面ライダーにとって最強の敵。
それが判明すると共にジョージ・狩崎はパソコンを強く叩きつける。
「今、戦わなければならないんですね」
聞こえた声。
画面に映し出されたのは先程まで特訓していた一輝が仮面ライダーリバイへと変身し、プテラゲノムへと変身しているバイス。
そして、その背中には響が乗っていた。
「状況は分かっているだろ。
君は先程までボルケーノバイスタンプの制御の為に戦っていた。
その状況で戦えば」
「死ぬかもしれない。
けど、ここで戦わないと、絶対に後悔する。
だから、行かせて下さい」
その言葉に迷いはなかった。
「まったく、君達は無茶ばっかりするんだな」
既に止められない事が分かっていたジョージ・狩崎。
その視線は指揮している弦十郎に目を向けていた。
「好きに暴れて来い」
それが合図となり、未来達が待ち受けるだろう場所に向けて飛び始める。