戦姫絶唱シンフォギアRevice   作:ボルメテウスさん

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遙か彼方

オブリビリアンが全てのクリスパーバイスタンプを取り込んだ。

 

それにより、その大きさはこれまで人型を保っていた形から異質な物へと変わっていた。

 

その姿はまさに異形と呼んでも可笑しくなく、大きさは既に人間を遙かに超えた巨人であり、全身には様々な模様が入り交じるように覆われていた。

 

だが、それだけではない。

 

顔に当たる部分にあるのは巨大な一つ目だ。それはただの目玉ではなく、まるで生き物のようにギョロギョロと動き回り、周囲の様子を伺っているようだった。

 

「おいおい、マジで戦えるのかよ、あんな怪物に」

 

「やるしかないだろ」

 

それと共に追いついたバイスに対して、一輝は言うと共に、オブリビリアンに向かって走り出す。

 

4つのクリスパーバイスタンプを取り込んだ事で、これまで戦ってきたクリスパーの能力を使用する事ができるのか、腕を一輝達に向けると共に、雷が放たれる。

 

フロンティアの岩石と言える大地を簡単に砕ける威力が見えながらも、バイスはその手に持ったバリッドシールドで、攻撃を防ぐ。

 

「うわっうわあぁ!!

 

なんだぁ、この威力はぁ!!」

 

「バイス!!」

 

攻撃を防ぐ事に成功するも、その高すぎる威力はバイスを簡単に吹き飛ばしてしまう。

 

慌てる一輝を余所にオブリビリアンが巨大化したその腕を一輝に向けて、振り下ろす。

 

「っ!!」

 

すぐに一輝は両手で構え、巨大な氷の盾を作り出す。

 

強度のある氷の盾はオブリビリアンの一撃を防ぐ事はできた。

 

しかし、オブリビリアンはさらにもう一撃、もう一撃。

 

何度も、拳を氷の盾に叩きつける。

 

既に残像が見える程の速さで叩きつけられながらも、一輝はなんとか氷の盾を生成続ける。

 

「このままじゃっ」

 

連戦に次ぐ連戦の影響か、一輝の身体には疲労が大きく溜まっていた。

 

それでも、一輝は氷の盾を作り続ける。

 

やがて、何十回と続く攻撃により、ついに氷の盾が粉々になる。

 

そして、オブリビリアンはそのまま腕を振り下ろし、氷の盾を作っていた一輝を押し潰す――――――と思われた時だった。

 

「兄ちゃんに」「手を出すな!!」

 

聞こえた声と共にオブリビリアンが吹き飛ばされる。

 

何が起きたのか分からず、困惑する一輝が見たのは

 

「大二!それにさくらも!!」

 

「お待たせ、兄ちゃん」

 

「遅くなってごめん!」

 

そう言いながら、大二が元に戻っている事に一輝は心の底から安心していた。

 

「貴様達に、何ができるんだぁ!!」

 

「決まっている、家族を守る為に戦う」

 

「どんなピンチでも冷静で、熱く戦う」

 

「無敵を証明する」

 

その言葉と共に一輝、大二、さくらの3人が並び立つ。

 

「いやぁ、なんだか3人とも良い雰囲気だな。

 

そうだろ」

 

「ラブラブ、最高、コブ」

 

そんな3人の後ろで、バイスとラブコフは賛同するように言う。

 

「ならば、見せてみろぉ!!!

 

それと共にオブリビリアンが手をかざすと巨大な腕が出現し、一輝達を掴もうとしていた。

 

「それじゃ、五十嵐家全員の力を合わせて行くぜ!」

 

一輝の言葉と同時にその場から跳ぶ。

 

【フォックス】

 

それに合わせるように、大二はフォックスバイスタンプを起動させると共にツーサイドライバーに装填する。

 

同時に一輝もまたジャッカルバイスタンプを起動させる。

 

【バーサスアップ! Overdrive! Power dive!仮面ライダーライブ!フォックス!】

 

【リボーン!ジャッカル!バリバリスタンプフィーバー!】

 

鳴り響く音声と共にライブの姿は紫色の狐を思わせる装甲を身に纏う。

 

それに合わせるように一輝の足下にはバリッドレックスの力によって実体化したスケートボードが現れる。

 

「「超兄弟プレイでクリアしてやるぜ!!」」

 

一輝と大二はそのままハイタッチをすると共に、オブリビリアンに向かって走り出す。

 

それに対し、オブリビリアンは両手を広げる。

 

すると、オブリビリアンの前に無数のエネルギー弾が出現した。

 

それはまるでエネルギーの塊のように、その全てが高速回転をしながら、一輝達に向かっていた。

 

それに対して、一輝は召喚したスケボーに乗り、滑り出す。

 

合わせて、大二もまた走り出す。

 

迫り来る攻撃に対して、一輝はスケボーで滑りながら、大二はパルクールを思わせる華麗な動きでかわしていく。

 

そのまま一輝は空中へと飛ぶ。

 

同時に、一輝が乗っていたスケボーを踏み台にオブリビリアンに向かって、大二が跳躍する。

 

「はあぁぁぁ!!」

 

大二はそのままオブリビリアンの顔面に拳を叩き込む。

 

「ぐっ」

 

【リボーン!プテラ!バリバリスタンプフィーバー!】

 

【リバディアップ!Ah!ゴート!ダダダダーン!】

 

その音声と共に一輝がスケボーの代わりに召喚したのは、エアバイクだった。

 

そのエアバイクに乗り込み、そのまま走り出す。

 

そして、一輝の横にはゴートバイスタンプによって実体化した自転車に乗ったさくらだった。「兄さん!」

 

「ああ、任せろ」

 

一輝はハンドルを握りながら、アクセルを回す。

 

それによってスピードが上がり、その勢いのままに、オブリビリアンの身体に光の翼を生やし、突撃した。

 

攻撃に対し、オブリビリアンは両腕を構える。

 

その瞬間、さくらもまた、自転車でオブリビリアンの身体を蹴り上げる。

 

羊の力が宿っている自転車は、さくらの蹴りを受けて、オブリビリアンの身体を吹き飛ばす。

 

それと同時に、オブリビリアンの身体にいくつもの傷跡が浮かび上がる。

 

しかし、未だに暴走を続けるように、オブリビリアンの身体は再生を繰り返していた。

 

だが、それでもダメージはあるようで、徐々にではあるが、オブリビリアンの動きは鈍っていた。

 

しかし、その身体あは巨大に、まるで風船を思わせるように膨れていた。

 

そして、オブリビリアンを吸い込むように、赤い触手が飛び出す。

 

「なんだっこれは」

 

「とにかく、この場を離れよう」

 

【リバディアップ!Ah!ツバメ!ダダダダーン!】

 

地面が崩れると共に、一輝とバイスはそのまま実体化したエアバイクに、大二はバットゲノムになり空を飛ぶ。

 

そしてさくらは、ツバメバイスタンプで、ボウガンのように変形したラブコフを掴み、そのボウガンの両側から出てくる炎で空を飛ぶ。

 

「これは一体」

 

「一輝さん!!」

 

「その声は響ちゃん!

 

それに、その格好は」

 

そこには失ったはずのガングニールを身に纏っていた響がいた。

 

しかも、そこにいたのは響達だけではなく、翼にクリス。

 

そして敵対していたはずのマリア、切歌、調の3人も並んでいた。

 

さらに、その姿はかつてフィーネとの最終決戦で見せたXDモードである事は間違いなかった。

 

「これは一体」

 

「ネフィリムがフロンティアを取り込みやがった。

 

それにさっきのは、もしかして」

 

「元若林司令官だった奴だ」

 

「ラスボス同士の合体した姿という事かよ」

 

それはまさしく怪物と言える存在だった。

 

ネフィリムとオブリビリアンの二体が互いと取り込むように融合している。

 

それだけでも脅威を感じる光景だというのに、それが巨大な姿で現れれば、もはや絶望しかない。

 

だが

 

「おれっちは、全然不安はないもんねぇ」

 

バイスは余裕の態度は崩さなかった。

 

「確かに、絶望的なのは変わりない。

 

だが」

 

「今、この場には皆がいる!」

 

かつて敵対していた者同士が手を取った。

 

「湧いてきたぜ!!」

 

同時に一輝の身体に、吸い込まれるのは、70億のフォニックゲイン。

 

それによって、バリッドレックスバイスタンプは輝きながら、音声を放つ。

 

【リボーン!エビバディ!マックス!バリバリスタンプフィーバー!】

 

鳴り響く音声、それと共に、一輝達の後ろに現れたのは一輝とバイスがこれまでリミックスしてきた全てのリミックス変身形態だった。

 

「おぉ、これはとんでもないデス!!」

 

「それじゃ、一気に行くぜぇ!!」

 

その言葉と共に、一輝達は真っ直ぐとネフィリム・オブリビリアンに向かって行く。

 

その後ろには、クリスが展開したソロモンの杖によって展開された空間だった。

 

「五十嵐一輝にバイス。

 

これを少し借りるわよ!!」

 

その言葉と共に先行したマリアは実体化したリバイスブラキオ。

 

近づいたマリアへリバイスブラキオはエネルギーを送り込み、マリアが右脚で勢いよく踏み込む。

 

そのままリバイスブラキオが首をしならせて相手をソロモンのゲートの先に跳ね飛ばし、マリアがアームドギアの短剣を上空へ投げると、12本に増えた短剣が時計の文字盤の様に時計回りで下から相手に突き刺さる。

 

「まさか、あいつ!!」

 

それが何をするのか理解したが、それよりも先にリバイスブラキオとマリアが飛び上がり、トドメにリバイスブラキオが首で、左腕のガントレットをブラキオサウルスの首を模した形に変形させてエネルギーを纏わせたマリアが同時にネフィリム・オブリビリアンをゲートの先に送り込む。

 

「自分を犠牲に」

 

「駄目!!」

 

それと共に調が両腕にリバイメガロドンゲノムのディヴァインフィンを模したチェーンソーを装備。

 

切歌もまた、足にリバイディアーを模した装甲を身に纏い、マリアに続く。

 

そして、それは一輝達も同じく、マリア達と共にゲートの先に吸い込まれる。

 

吸い込まれた先に待ち受けていたのは、ネフィリム・オブリビリアンと、何千というノイズだった。

 

「こんな数を相手にしたら」

 

「あぁ、けど、相手をしなくても良い。

 

俺達の目的はあくまでも」

 

「ここからの脱出だな」

 

その言葉と共に、一輝はハンドルを握る手に力を込める。

 

バイクのアクセルを回す事でスピードを上げ、そのままノイズ達を突き破って進む。

 

周りにはノイズが集まるが、空に路線を生成しながら走るリバイスマンモスに搭乗した翼の刀がマンモスの牙型に変形。

 

そのままリバイスマンモスの突進と同時にすれ違い様に切り裂いていく。

 

響もまた、リバイスコングの手に乗った響の腕が巨大なゴリラの腕を模したガントレットに変形する。

 

リバイスコングが力強く投げ飛ばして、そのままにガントレットのブースターで加速し、巨大なノイズ達を貫いていく。

 

まるで、これまでのユニゾン・リミックスを再現するように次々と戦う中で、一輝は目の前に迫るネフィリム・オブリビリアンに向けて殴る。

 

「人類はいずれ知るだろう!

 

この世界の残酷さに!その時になって、私が正しかったと!!」

 

暴走し、言葉が乱れている。

 

その言葉からは、既に若林司令官だとは思えなかった。

 

「だとしても!!」

 

そんな一輝の横に並び立つように、リバイスレックスが頭部と足を模したレックス型のガントレットとレッグアーマーにアームドギア化し装備し、同時に殴る。

 

「俺達は!」「私達は!」

 

一輝と響の声が重なり、二人はネフィリムに向かって拳を放つ。

 

「諦めない!!何度だって立ち上がってやる!!」

 

「たとえ絶望しか見えなくとも!!」

 

二人の拳がネフィリムに直撃すると、それは徐々にだが、確実に亀裂を走らせていき、遂に砕け散った。

 

それと共に真っ直ぐと彼らは出口へと向かって行く。

 

長き決戦。

 

それが終わりを迎えた瞬間であった。




崩れ墜ちるフロンティア。

その遺跡の一部が、とある大陸に流れ着く。

そこには骨を思わせる白い棺だった。

棺は、地上に墜ちても、その形を保っていた。

だが、空から注ぎ込まれるフォニックゲインを浴びて、徐々に、その形を形成しいてく。

骨を思わせる白い身体を持ち、頭部から胴体にかけて赤い装飾を張り付けたような禍々しい姿をしており、同色の双角を持つ。

人々が連想する悪魔もしくは魔王を思わせる容姿であった。

「くくっ、どうやら、無事に復活できたようだな」

そう存在は、自身の手を見て、笑みを浮かべる。

その存在の名はディアボロ。

50年後、絶望の未来を作り出す悪魔である。
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