戦姫絶唱シンフォギアRevice   作:ボルメテウスさん

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トラブルにどうする?

「はぁ」

 

その日、一輝は自宅であるしあわせ湯の銭湯に浸かりながら、1週間前の出来事を思い返していた。

 

仮面ライダーとして戦う決心をつけたまでは良かったが、その後の風鳴翼との戦いによって、一輝は悩み始めた。

 

翼は一緒に戦うはずだった響は戦う意味を見出せず、また元々の性格のせいもあり、気弱な姿勢で戦いに挑んでいた。

 

それが彼女の逆鱗に触れ、そのまま仲違いをさせてしまった。

あの時、年長者として、自分がどうすれば良かったのか、一輝は未だに悩んでいた。

 

「どうすれば良いんだろうなぁ」

 

そう思いながら天井を眺めていると、入り口の方から声が聞こえてくる。

 

「んっ、一輝も入っているのか?」

 

「父さん」

 

現れたのは一輝の父親である五十嵐元太だった。

 

「いやぁ、実は今度はどんな動画を作ろうか悩んでいてな、少し気分転換に風呂に入ってきたんだ」

 

「まったく、また動画投稿かよ」

 

元太の言葉を聞き、一輝は少し呆れた様子で呟く。

 

「あぁ、そうだ。

それよりお前、何か悩み事があるんじゃないのか?」

 

「えっ?」

 

「ははは、親を舐めちゃいけないぞ。

息子のことぐらい分かるさ」

 

「そういうもんなのか?」

 

一輝の疑問に元太は自信満々に答える。

 

その様子に一輝は苦笑いをするしかなかった。

 

いつもは頼りない父親である元太からは考えられない言葉に思わず苦笑いするが、そのまま一輝は湯船に浸かっていく。

 

「まぁね。

少し悩んでいるんだ。

どっちの味方になったら良いのかって」

 

「味方に?

それはまたなんで?」

 

元太の質問に、一輝はぼかしながら言っていく。

 

「ある事に一生懸命な子がいるんだけど、その後輩というべき子はそれを助けたいと思っているんだ。

だけど、その子にとっては後輩の子はしっかりと意志を見せる事ができなくて、それが気に食わないみたいんだ」

 

「なるほど、それでその先輩の子と意見の食い違いが起きたわけだ」

 

「うん、そうなんだよ」

 

「ふむ、でもそれは簡単なことだろ?」

 

「え?」

 

「だって、一輝はどっちの味方にもなりたいんだったら、どっちも味方になれば良いじゃないか」

 

「はぁ、いや、それじゃ何にも解決できないだろ?」

 

「そうかな?」

 

「そうだよ」

 

「あぁ、けど、それは一輝が決めなきゃいけない事なのか?」

 

元太の言葉に、一輝は首を傾げる。

 

そんな彼に元太は答えていく。

 

「一輝が二人の代わりの答えを出すのは簡単かもしれない。

けど、それはその子達が本当の意味でわかり合える機会を奪う事になるんじゃないか?」

 

「それは」

 

「別にどちらが正しいとか間違っているなんてことはない。

けれど、ぶつかり合って、初めて分かる事もあるんじゃないか?

一輝が本当にその子達を仲良くさせたいんだったら、自分の気持ちに素直になってもらうように助ける事じゃないか?」

 

「本当の気持ちに」

 

「あぁ、もちろん、これはあくまで父さんの考えだから、他の人の意見を聞くのも良いと思う。

ただ、その前にちゃんと自分自身の気持ちに向き合うことが大切なんだ」

 

そう言うと元太は立ち上がると、風呂から上がっていく。

 

「父さん」

 

「んっ?」

 

「ありがとう」

 

一輝のお礼に、元太は何も言わずに微笑み返すとそのまま風呂場から出ていった。

 

その背中を見ていると、脱衣室から電話が鳴り響く音が聞こえる。

 

「これって」

 

俺はすぐに電話に出てみると

 

「兄ちゃん!急いできてくれ、ノイズが現れたんだ!!」

 

「っ」

 

切羽詰まった声が俺に助けを求めてきた。

 

その言葉を聞いた瞬間、俺は考えるよりも先に体が動き始めていた。

 

既に街中でノイズが暴れているのか、多くの灰が舞い上がっており、響は必死にその対処を行っていた。

 

そこにはノイズが多く見られ、特に目立つのは、まるで鮫を思わせるノイズが宙を舞っている光景だった。

 

『おいおい、なんだかご機嫌な奴がいるじゃないかよぉ』

 

そのノイズを見て、バイスは笑みを溢す。

 

「とにかく、行くぞ、バイス!」

 

『おぅよ!!』

 

一輝はその言葉と共にレックスバイスタンプを取り出し、起動させる。

 

【レックス】

 

そのままレックスバイスタンプをリバイスドライバーに装填し、すぐに構える。

 

「変身!」

 

【バディアップ!

オーイング!ショーニング!ローリング!ゴーイング!

仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!】

 

一輝は仮面ライダーリバイスへと変身すると、すぐに上空にいるノイズに向かって走り出していく。

 

「はぁ!!」

 

その手に持ったオーインバスターをすぐに振り下ろし、空中にいたノイズを切り裂いていく。

 

だが、鮫ノイズはその一撃を受けてもなお、そのノイズには傷一つついてはいなかった。

 

(硬い?)

 

予想以上の硬さに驚きながらも、今度は横薙ぎでノイズを切り払う。

 

しかし、それでもノイズは無傷のまま、その頭から鋸を展開させ、振り上げる。

 

「くっ!?」

 

その攻撃を咄嵯に避け、距離を取る。

 

そして、目の前のノイズを睨みつける。

 

「うぉ、とんでもない奴だぜ、ここはおれっちが、ってアレ?」

 

すると、そのノイズは急に笑い出したかと思えば、再びその頭部の口を大きく開き、そこから大量の水を吐き出した。

 

「なにっ!?」

 

突然の攻撃に反応できず、そのまま全身水浸しになってしまう。

 

『どうだい、俺っちの水は?』

 

「うるさい、黙れ!」

 

そう言いながら、バイスを叱りつけ、すぐさまその場から離れていく。

 

「なんだ、あのノイズはっ」

 

その異様な攻撃に戸惑ってしまうが、今はそんな事を考えている場合ではない。

 

一刻も早くこの事態を収めなければならないのだ。

 

一輝はすぐに駆け出し、その拳を振り上げて、鮫型ノイズに向かっていく。

 

「はぁあああっ」

 

だが、その拳が届く前に、鮫型は大口を開き、そのまま一輝を飲み込もうとする。

 

「なっ」

 

そのあまりの速さに、避けることも出来ずにそのまま飲み込まれてしまう。

 

「ぐへぇっ、ごほっ、ぺっぺっ、なんだよコイツ」

 

その中で、バイスが咳き込みながら呟いた。

 

「このままっじゃっ」

 

一輝はどうにかして抜け出そうとするが、その体はどんどん沈んでいき、ついには水中の中に引きずり込まれた。

 

「一輝さんっ!」

 

その様子を見ていた響は水の中へと飛び込んもうとする。

 

「駄目だ、響ちゃん!」

 

「大二さんっ、離してください。

このままじゃ、一輝さんが!」

 

「君が飛び込んで、どうにかなる相手じゃない」

 

「でも!!」

 

「それに、今僕達がここで出て行っても足手まといになるだけだ」

 

「それはっ」

 

その言葉に、響も何も言えなくなってしまう。

 

そんな彼女が目にしたのは大二の手にしているバイスタンプだった。

 

「大二さんっ、それは」

 

「これは、新しいバイスタンプだけど」

 

「貸してください!」

 

「っ」

 

その言葉と共に、彼女は大二の手からバイスタンプを奪い取ると、それを握り締めながら、水の中へと飛び込む。

 

目指すは一輝達の元だった。

 

「ぐっ」

 

そこには鮫ノイズによって、動く事ができない一輝とバイスの姿が見えた。

 

彼はなんとかその拘束から抜け出そうと藻掻いているが、全く効果が見えない。

 

一方のバイスの方は余裕そうな表情を浮かべていた。

 

だが、その顔は徐々に青ざめていき、焦った様子を見せる。

 

「一輝さんっ!!」

 

水中で声が出ないはずだが、それでも必死に声を上げ、彼の元へ泳いでいく。

 

その手にはしっかりとバイスタンプを握っており、起動させる。

 

【ディアー】

 

「っ」(響ちゃんっ)

 

その音声が聞こえると共にバイスは再び霊体化する。

 

同時に響は未だに息が続かない中でも、必死にリバイスドライバーにバイスタンプを差し込み、そのまま横に倒す。

 

【バディアップ!飛び越えろ逆境!切り裂け大地!ディアー!TURNUP!】

 

その音声が鳴り響くと同時に一輝が変身するリバイの姿は変わる。

 

全身を銀色の鎧へと変わり、手には鹿の角を思わせる巨大な一つの剣を手にしていた。

 

「オンドゥニヤッタンダナァ!!」

 

そして、それはバイスも同じく、鹿を思わせる要素を纏いながら、その姿を変化させていく。

 

特にその変化が強かったのは足であり、まるで獣のような姿へと変わっていった。

 

その両手にはそれぞれ鋭い刃が取り付けられており、頭にも角のようなものが生えてくる。

 

それと同時に一輝はリバイスドライバーを動かす。

 

【リミックス!バディアップ!

必殺!痺れる?飛び越える!ディアー!】

 

その音声が鳴り響くと同時にバイスは一輝の腰に手を回し、一輝は手に持った剣を分離させ、角のように構える。

 

同時に誕生したのは銀色の鎧を身に纏った鹿、リバイスディアーだった。

 

リバイスディアーは、自身の角から電気を放ちながら、先程まで噛んでいた鮫ノイズに向けて突進していく。

 

その速度は一瞬にして音速を超え、一気に間合いを詰めるとそのまま鮫ノイズに向かって突き刺した。

 

その一撃はノイズの体を貫通するが、未だに完全に倒しきる事はできなかった。

 

だが、リバイスディアーはそれよりも早く、背中に響を乗せ、そのまま水の外へと飛び出る。

 

「ぷはぁ!!」

 

水上に出た事で響は思いっきり酸素を吸い込んだ。

 

同時にリバイスディアーの合体は解除され、そのまま一輝は響に寄り添う。

 

「響ちゃん、無茶をするな!!」

 

「ごめんなさい」

 

これまでにない焦った声で、響に一輝は詰め寄る。

 

「だけど、私、放っておけなかった。

あのまま一輝さんが苦しむ姿を見逃すなんてっ」

 

その言葉を聞くと共に

 

(この子は弱くなんてない。

きっと、俺がいなくても覚悟を決めて、翼さんと向き合う事ができる)

 

そう思った一輝は彼女を優しく抱き寄せた。

 

「一輝さん?」

 

「ありがとう、でも俺は大丈夫だから。

さっきだって、君が来てくれたおかげで助かったんだ」

 

「……はい」

 

それを聞き、響は恥ずかしげに顔を赤らめた。

 

(だから、この子が覚悟を決めるまで、俺が守る。

それが、俺が仮面ライダーになった理由だから)

 

「一輝、一輝」

 

「なんだ、バイス?」

 

「盛り上がっている所悪いけど、あいつ、まだピンピンしているぞ」

 

そうバイスが指をさした方向には鮫ノイズが暴れていた。

 

「あいつは、まだ」

 

「だったら、これを使うのはどうだ?」

 

そう言って、バイスが取り出したのは

 

「これって、バイスタンプ!?」

 

「どこで、これを」

 

「さっきの鮫ちゃんから貰っちゃった」

 

そう言って、バイスが指を指したのは、鮫ノイズだった。

 

「えっ、ノイズから?

まぁ、良いか、使ってみるか!」

 

【メガロドン】

 

それと共に一輝はメガロドンバイスタンプを起動させる。

 

【バディアップ!

潜るドンドン!ヨーイドン!ドボン!メガ・ロ・ド・ン!

通りすがりのハハハハンター!】

 

同時に一輝の姿はバーコード状のマスクや交差する白黒のラインのピンク色の鎧を身に纏い、メガロドンの牙を模した剣を両手に備わった姿へと変わる。

 

「目がサメるとはこの事!」

 

それと共にバイスはマゼンタや白のカラーがポイントがある鮫の被り物を頭に装着していた。

 

「一気に決めるぜ!」

 

【メガロドン!スタンピングフィニッシュ!】

 

同時にバイスタンプを2回倒して発動。

 

それと共に真っ直ぐと向かってくる鮫ノイズに向かって、一輝達はピンク色の残像と共に切り裂く。

 

「まだまだぁ!!!」

 

さらに追い打ちを掛けるかのように、一輝は鮫ノイズに向かって何度も切り裂いた。

 

その度に鮫ノイズの体は真っ二つになり、やがて鮫ノイズは完全に倒された。

 

「よしっ」

 

それと共に一輝とバイスはそのままハイタッチをした。

 

「よっしゃー!! 俺っち達の勝利ぃ!!」

 

「ふぅ、なんとか勝てたか」

 

そう呟きながら、一輝は変身を解除した。

 

「一輝さん、あの、大丈夫ですか?」

 

「ああ、大丈夫だよ。

響ちゃんのおかげで助かった。

本当にありがとう」

 

「いえ、私はただ必死になって、戦っただけです」

 

「それでも、俺にとっては嬉しかったよ」

 

「一輝さん……」

 

一輝の言葉を聞き、響も少し頬を赤くする。

 

それを見ていた大二はどこか暗い表情をした。

 

「大二もありがとうな!

お前が持って来たバイスタンプのおかげで逆転できたよ」

 

「っ、お礼なんて、言われたくない」

 

その一言と共に大二はそのまま二人の元から離れていった。

 

=路地裏=

 

一輝達から離れた大二はそのまま迷うように街の中へと歩いていた。

 

それは

 

「……俺は一体、何をしたいんだ」

 

そう小さく呟いていた。

 

「俺は兄ちゃんを」

 

「お兄さんをどうしたいのかしら?」

 

「っ」

 

悩む大二の後ろから聞こえた声。

 

振り向くと、そこには黒いコートを身に纏った女性がいた。

 

怪しい風貌に警戒する大二に対して女性は笑みを浮かべる。

 

「警戒しなくても良いわ。

私はフィーネ、あなたの味方よ」

 

「味方だって」

 

突然現れた謎の女に怪しさを感じる大二だが、彼女は構わず話を続ける。

 

「あなたの気持ち、痛い程よく分かるわ。

自分の本来の居場所である仮面ライダーを、お兄さんに奪われて辛かったでしょう」

 

「そんな事はっ」

 

「いいえ、あなたは気付いている筈よ。

あなたが手にするはずだった力を奪った兄を憎んでいる事を」

 

それと共に女性が取り出したのは一つのベルトとバイスタンプだった。

 

「それはっ」

 

「これをあなたにあげるわ。

あなたの居場所を奪ったお兄さんを倒す力をね」

 

【バット】

 

女性は怪しげな笑みを浮かびながら、大二に手渡した。




ディアーゲノム
元ネタは仮面ライダー剣。
リバイはその手に巨大な剣を手に持っており、強固な鎧で身を守りながら、戦う。
まさに騎士を思わせる戦いを得意にしている。
リバイスディアー
リミックスした姿では、巨大な剣が二つに分離し、まるで角を思わせるように装着する。
さらには電撃を放つ事ができる。

仮面ライダー剣が持つラウズカードの中でも代表的なサンダー。
そこに封印されているディアーアンデッドを元ネタにしています。
また剣には他に候補として孔雀もありましたが、既に原点にバイスタンプがあった為、鹿にさせて貰いました。
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