「ノイズの体内からこのバイスタンプが出たのは本当かい?」
ジョージ・狩崎はそう言いながら、一輝に尋ねる。
その手元には先日の戦いで手に入れたメガロドンバイスタンプがあり、疑問に思いながら聞いてくる。
「はい、なんだか鮫みたいなノイズが現れまして、そいつの身体からバイスが見つけたらしいです」
「ふむ」
一輝の言葉にジョージは考える。
その言葉と共に当時の戦闘映像を確認する。
「ふむ、まさかノイズの中にバイスタンプが埋め込まれているとはね。
そのおかげでノイズはバイスタンプの能力を手に入れる事ができた訳か」
「バイスタンプの能力を?
そんな事できるんですか!」
「普通ならありえない事だけど、事実として目の前にある以上信じるしかないだろう。
それにしても」
ジョージはバイスタンプを見つめながら言う。
「これは紛失していたバイスタンプだ。
何者かに盗まれていたが、まさかノイズを利用して使用していたとはね」
「それって、つまりっ」
「バイスタンプを利用したノイズがおそらく今後現れるだろうね」
そう言いながらジョージは一輝の肩を叩く。
まるで励ますように。
「どうやら、さっそく現れたようだ。
しかも、マンモスかっ!」
ジョージの言葉と同時に警報が鳴り響く。
同時にモニターにはジョージ・狩崎の言う通り、マンモスバイスタンプを取り込んだと思われる大型のノイズの姿があった。
「それじゃ、頼んだよ一輝君!」
「はいっ!」
ジョージの声を聞きながら、一輝は急いで部屋を出て行った。
マンモスノイズがいると思われる地下鉄に入った一輝は既に仮面ライダーリバイへと変身していた。
「それにしても本当にいるのか?」
「おれっち、暗い所が怖いのにぃ」
「悪魔のお前が言うか?」
バイスが言う言葉に呆れていると、遠くから地響きのような音が聞こえる。
どうやら目的地に着いたようであり、一輝は音を頼りに奥へ進んでいく。
すると、そこには確かに巨大な影がおり、それは確かにマンモスノイズだった。
マンモスノイズは一輝達に気づくと共に雄たけびを上げる。
ビリビリと空気を震わせるような鳴き声に一輝達は思わず耳を抑える。
それと同時に牙を剥きだしにして、そのまま一輝達に向かって突進してきた。
一輝は咄嵯に横に避けると、そのまま壁に激突。
壁は崩れ去り、煙が上がる。
「なんてパワーだよ」
一輝は驚くが、すぐに攻撃に転じる。
「行くぞっ!」
「あいよぉ!」
一輝はその手にオーインバスターを手に持ち、そのままマンモスノイズを切り裂く。
しかし、その刃は硬い毛皮によって阻まれ、ダメージを与える事ができなかった。
それでも一輝の攻撃は続き、何度も何度も斬りかかる。
だが、それでもダメージを与えられず、一輝はすぐに距離を取った。
「うわぁ、鼻息が凄い!!
むっちゃ、来る!!」
そんな一輝とは別で、バイスは後ろから迫ってくるマンモスノイズの鼻息に怯えていた。
そして、再び接近した一輝とバイスは再び攻撃を仕掛けるが、やはり傷一つつけることができなかった。
このままではまずいと、一旦離れようとする一輝だったが、その時バイスが叫ぶ。
「こうなったら、一輝!
ここはガブッとマンモスを喰おうぜぇ!!」
「なるほど、そういう事か」
バイスの一言に納得すると共に一輝はすぐにリバイスドライバーに手を伸ばす。
【リミックス!バディアップ!
必殺!繰り出す!マックス!レックス!】
その音声と共に、リバイが前傾になってバイスが状態を起こす。
リバイの展開した背中アーマーが上顎、両腕が下顎となって構成され、バイスのマフラーは巨大な尻尾へと変わり、その姿はまさにティラノサウルス・リバイスレックスに変わる。
リバイスレックスはそのまま雄叫びと共にマンモスノイズに向かって素早く噛み付く。
すると、先程まで全く歯が立たなかった牙が簡単に食い込み、血しぶきが飛ぶ。
痛みを感じたマンモスノイズは慌てて口を放すが、すでに遅かった。
マンモスノイズを噛み付いたまま、リバイスレックスは思いっきり口を閉じる。
リバイスレックスの口の中にはノイズ特有の灰が溢れ、吐き出す。
「一気に行くぜ!!」
同時にリバイスレックスは地面を蹴り上げ、空中に舞い上がると、口から勢いよく飛び出る。
そして、その勢いのままマンモスノイズの頭部にぶつかると、その巨体を地面に叩きつけた。
その一撃により、マンモスノイズの身体は真っ二つに割れ、爆散する。
同時にリバイスレックスの合体は解除され、一輝とバイスへと戻る。
「そして、見事に発見!
マンモスバイスタンプだぜぇ!」
そう言いながら、いつの間にか回収していたマンモスバイスタンプを自慢げに見せに来るバイス。
「はいはい、分かったから」
そう一輝は呆れた様子で言っていると、背後から寒気を感じる。
同時に振り返ると共に見えたのは暗闇の中から現れた謎の存在だった。
黒い頭部外装に無造作にぶち撒けられたインク飛沫の様な形状の複眼と、左胸にステンシルのように刻まれた蝙蝠の紋章。
手には緑色の鋭い刀身を持つナイフに、そこに装填されているバットバイスタンプ。
「まさかっ、お前があのノイズ達を生み出した奴なのか?」
突然現れた人物に対して、質問するが、それよりも早くそれはナイフで斬りかかる。
咄嵯に反応して避けようとしたが、間に合わず、ナイフが左肩を掠める。
「ぐあっ!」
「一輝!?」
バイスは心配して声をかけるが、一輝はそれどころではなかった。
無言のままナイフでの攻撃は続く。
その度に肩や腕を切りつけられ、一輝は次第に追い詰められていく。
「この野郎! 何しやがんだ!!」
怒りに任せて拳を振るうバイスだが、相手はそれを容易く回避すると、バイスの首元を狙ってナイフを突き刺そうとする。
「バイス!」
それよりも早く、一輝は先程拾ったマンモスバイスタンプを起動させる。
【マンモス】
「一輝、ナイス!!」
起動した事によって、バイスはそのまま一輝の身体に吸い込まれる。
同時に装填されたマンモスバイスタンプを横に倒す。
【バディアップ!
巨大なキバ持つ!陸のボス!マ~ンモス!はなっからクライマックスだぜ!】
それと共に一輝の姿は変わり、アーマーは赤く、頭部の赤い複眼と触角にマンモスを思わせ、さらには両手には二刀流のブーメランを持っている。
「俺!バイスです」
対してバイスはがマンモスの耳になったようなパーツが複眼の上にあり、また肩部と手の甲、背面部には赤い盾があり、それを構えていた。
「…………」
その光景を見た謎の人物は一瞬怯むも、すぐに構え直す。
「どうやら、逃さないつもりらしいなぁ。なら、こっちから行かせてもらうぜぇ!!」
バイスは先手必勝と言わんばかりに殴りかかる。しかし、それを謎の人物は軽々と避けると、一輝は謎の人物に向かってブーメランを投げつける。
投げ返されたブーメランは相手の顔に向かって飛んでいくが、それも簡単に避けられてしまうが、さらに追い打ちをかけるように一輝は駆け出す。
「さっきのお返しだ!」
そのまま一輝はジャンプしながら相手に蹴りを放つも、それを謎の人物は受け止める。
「お前の目的はなんだ!」
「・・・・・」
「答えろ!!」
一輝が問い詰めるも、相手は何も話そうとしない。
その態度に苛立ちを覚えたのか、一輝は力を込めて相手を放り投げる。
その衝撃で、謎の人物はそのまま天井に蝙蝠を思わせるように張り付く。
「・・・エビル。それが俺の名だ」
それだけ言うと、エビルはどこかへ去って行った。
「待て!!・・・クソッ、逃がしたか」
そう呟きながら、変身を解除した一輝は悔しそうにしている。
「結局、一体何者なんだ、エビルは?」
『なんだか、ただ事じゃないみたいだなぁ』