ひねくれ男の幻想郷黙示録   作:ノヴゴロト

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森の妖怪

このわけわからん森に来て1ヶ月くらい過ぎた。なにゃかんやあって丁度いいくらいの洞窟を拠点としながら生活しているが未だにここがどこなのかはわからない。だがいくつかわかったこともある。

 

幸いこの森はバケモノこそそこそこの数がいるが食料は豊富でベリーなどの木の身は探せばそこそこある。それ以外でも川に行けば魚が手に入るしイノシシみたいな動物もいる。

 

この体になってから異様に身体能力が高まったのでそこまで食料に苦労はしない。だが恐ろしいのは大型のバケモノ共、そして俺と同じような人型の妖怪だ

 

前者はそこまで驚異じゃない。何せアイツ等は図体こそ大きいが知能は殆ど無い。攻撃も単調的で避けるのも楽だし罠にもかかりやすいのだ。倒すのには時間がかかるがやられそうになると言ったことはあまりない。

 

だが後者は違う。奴らはやけに好戦的なものが多く、特に鬼は俺を見ると問答無用で勝負を仕掛けてくるので恐ろしい。他にも殴り合ったことのある妖怪は多いが経験談としては人型のやつは強いのが多い。事実何回も相手に殺されかけたことがある

 

というか人型の妖怪相手だと勝てない事の方が多い。転生(?)したからといって最強にはなれないのかチクショウ……

 

だがこんな戯言を言っても勝てない相手に勝てるわけないので今日も今日とて鍛錬をするのが

 

 

 

~数時間後~

 

暫く鍛錬をしていると50M先辺りから妖怪の気配がしてきた。この気配は……また来たか

 

「天邪鬼よーー!ワシと勝負しろー!」

 

こいつは鬼でよく俺のところに来るのだ。俺のちっこい天邪鬼の角じゃなくてゴツい角が生えている。しかし体型は俺より小柄でいかにも鬼をしているというよりかは小柄な女子中学生に角が生えているといった感じだ

 

「今は鍛錬中だ。180度回転して家に帰って酒でも飲んでろこの鬼め」

 

「とは言いつつも実は嬉しいんじゃろー?全く天邪鬼なやつじゃなー」

 

毎度死にかけてるから来ないでほしいのだが。そんな事を言い返そうとしたとき目の前に拳が飛んできた

 

ガンッと俺の頭蓋骨が鳴ると気がつけば木に衝突してた

 

「てめー痛えじゃねえかよ!もう許さん、今度こそはテメーの自慢の腕を切り落としてやる!」

 

「やっとやる気になったかこのツンデレめ!」

 

「デレてねえよ筋肉ヤロー!」

 

そうして十分近く斧で拳とやり合っていた。結論から言うとまたもや死にかけた。こんなに毎日鍛錬しているのに毎日フラフラしてる奴に勝てないと思うと泣けてくる

 

「いやーまたしてもワシの勝ちじゃ!お主ワシ対策に色々仕掛けて来るが相変わらず非力じゃのう。仮にも同じ鬼じゃろう?」

 

「いや、天邪鬼は厳密には鬼じゃないしお前みたいな筋肉ダr「ガフッ」」

 

話してる途中で俺の背中に乗っていた鬼は頭を足でグリグリしてきた。マジで鬼がやると骨が砕けそうになるのでやめてほしい

 

「ん~?お主なんか言ったか?」

 

「いえ、何でもありません……」

 

「しかしお主もだんだんとワシと数分位なら張り合えるようになってきているな……確かに鍛錬の成果はあるようじゃな」

 

なんとなく上から目線だがここは耐えるしかない。

 

「へへ、そいつぁどうも……」

 

そして鬼はとある提案を仕掛けてきた。

 

「ところでお主、人間とはあったことはあるかの?」

 

なんとこんなやつから人間という名前が出てきたのだ

 

「……いや、見たことはないがそれがどうかしたのか?」

 

「そうかそうか、なら早速行くとしようか!」

 

「え!?ちょっとまって今から行くのか!?」

 

もはや抵抗する気力さえない俺はこの鬼のなすがままに引きずり回された……

 

 

 

~人里付近~

 

「見ろ天邪鬼よ、あれが人間のいる場所じゃ」

 

……そこは俺が想像してたよりも百倍技術進歩しているような場所だった。脳内では小さい集落でもあるのかと思っていたがもはや都市とも言えるような町並みがある。鉄の壁のようなので外壁を覆っておりもはや軽く要塞化している

 

「……なあもしかしてあそこに行くのか?」

 

「なわけ無かろう。ほれ、あれを見てみ」

 

30m離れたあたりで男女二人組の人間が歩いていた

 

「ちょっとそこで待ってなさいな」

 

と鬼は言い残して素早い動きで人間達に近づいた

 

「おら人間共、鬼様のお通りだあ!!」

 

「ひ、ひぃ妖怪だ!! 逃げるぞー!!」

 

男は一目散に逃げた。しかし隣りにいた女は腰を抜かしたようで地面にへこたれていた

 

「おやおや、美味しそうな嬢ちゃんだねえ。いただきまーす」

 

「きいゃぁぁぁ!!!!」

 

叫び声というより断末魔に近いような声を出しながら女は倒れた。鬼の姿を見ると何故か普段より力がみなぎっているように見える

 

(なるほど、人間に恐怖を抱かせるとその感情が力になるのか)

 

そう考えているうちに鬼は少女を腹から解体しだして肉を取ろうとしているところで声をかけた

 

「おい待て鬼よ、そいつ本当に食べるのか?」

 

「当然じゃろう?鬼を始めとする妖怪が強くなるには人を食うのが一番手っ取り早いからなぁ」

 

「ならその女の皮、俺に分けてくれないか?」

 

そう言いながらその場でむしゃむしゃと内蔵を食い始めた鬼にいうと不可思議な物を見る目をしてきた

 

「構わないが……お主何に使うのじゃ?」

 

「まあ見てなって」

 

というと俺はきれいに皮だけを削ぎおろした物を着ぐるみのように着替えた

 

「ちょっくらさっきの男の後追うから待ってくれよ」

 

 

 

~数分後~

 

しばらく走った後男が見えてきた。男は俺の姿を見て感動したかのように涙を流した

 

「○○(女の名前)!逃げ切れたのか!?」

 

「え、ええ。あの鬼に怪我を負わされたけど何とかね……」

 

正直男の表情が滑稽すぎて今にでも笑いそうになるがここはぐっとこらえた

 

「本当に……本当に良かった!!」

 

男は俺を抱きしめてきた

 

(今だ!!)

 

「私も貴方が無事で良かった…なーんてな!!」

 

男の腹を軽く蹴ってこうついに正体を表した

 

「あの女がまだ生きてるわけねえだろバーカが!!」

 

女の顔の皮を破ると出てきたのは知らない男の顔。しかも額には小さいが角がはっきり見えた

 

「……え?○○……嘘だろ?」

 

男は天国から地獄に突き落とされたかのように絶望した顔をする。その姿はあの女以上だ

 

「いやー残念だったねーw  でも原因はてめえが見捨ててどっか行っちまったからだろうがよ」

 

そう言いながら近づく度に男は歯がなる音が大きくなり遂にはパンツは濡れていた

 

「精々あの世で女に土下座でもするんだな」

 

そう行ったあと手にしていた斧を振り下ろし男の頭からかち割る。すると薪のようにきれいに真っ二つに割れた

 

「さてと…他の人間にバレないようにさっさとトンズラしますか」

 

事前に鬼がいる位置に移動用として枝を残しておいたので後は能力で戻るだけなので目の前にいる2枚おろしの男を服が汚れないように持ちながらその場から消えた

 

……まあ血痕は残っているのですぐにバレることになるが

 

 

 

戻ってみると鬼は無心で女の肉を食らっていた

 

「おい、戻ったぞ」

 

「!?………何だお主か、びっくりしたわい」

 

そう言いながら鬼はバツが悪そうにこちらを見る

 

「どうかしたか?」

 

「いや、……さすが人を騙す天邪鬼じゃなと思っただけじゃ。長年人を襲ってるワシでも引いたわ」

 

「光栄だね。褒め言葉として受け取っておくよ」

 

こうして俺は暫く鍛錬をしながらたまに人を襲うような事をしていくのであった

 




主人公の詳細なスペック
能力: 物事を反転させる程度の能力(ただし相手との力関係を逆転する事などはできないため基本は位置の逆転程度しかできない)

妖怪としてのスペック: 妖怪全体で言うとそこそこ強いが幻想郷基準としては中あたり。今回出てきた鬼も最強と言うほどではない。身体能力では中の下でほぼ能力に頼らないと格上とは勝負できない。鬼との勝負では道具もないと話にならないくらい弱い。(それでもこの森の中では有数の強い妖怪ではあるが)それでも鍛えているので多少は小手先の技でなんとか対応はできなくもない

今回登場した鬼の名前は無い。理由は大妖精と同じ感じで種族=固有名詞といった感じ。よって主人公がいる一体では鬼は他にいないことになる
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