原作では、体に爆弾(全身の骨のひび)を抱えてる状態のところに「天使の施し」によって身体の痛みを和らげて最低限戦える状態になっています。
ダイが生きている……
その発言は、ポップやアバン先生たちを驚かせた……。
だが、台座から「ダイの剣」がなくなったことや
先の光の柱が、剣が
ダイの生存と行方が知れると言う確信……。
藁にもすがる思い、蜘蛛の糸を掴むような話だが……
だが天使の話曰く、ダイがいる世界には「大いなる闇の根源」と言う邪悪なる存在があると言う話だ……。
かつて、創世の女神はその大いなる闇の根源と戦い
そして相打ちになったと言う話だ……。
みんなはその
天使は炎に包まれた剣を差し出したその時、俺は驚いた……!
炎の中から、かつて俺が使っていた「鎧の魔剣」が出たのだ!!
死んだ剣が何故!? 俺も、ロン・ベルクもそれに驚いていた……!
天使曰く、武具の神がロン・ベルクの武具を大層気にいってたらしく、それを形に作ってみたものらしい。
ロン・ベルクは
受けた呪文を跳ね返し、
その上幻惑と麻痺等の状態異常を防ぐと来た、ここまで来たらサービス精神が盛りすぎとか言うが……、天使曰く「アストルティアの
俺たちが行こうとするアストルティアはそれくらいの強さを誇る敵がたくさんいるらしく、こうしないと勝てないと言う話だ……。
俺がその疑問を訴えかけるその瞬間、ラーハルトの「鎧の魔槍」を目を付け、天使が強化(魔改造)した……。
見た目はそのままだが、会心率と身かわし率を二倍
そして武器ガード性能を五倍にしたそうだ……。
俺もラーハルトとロン・ベルクは困惑したよ、だがその神「ヘパイトス」はロン・ベルクのことを一目置かれてるらしく、天使の間では語り草になってるそうだ……。
長くなったが、アストルティアに行くために用意した球体状の光に入り、アストルティアへと向かった……。
そのとき、無数の黒い手が襲ってきたのだ!!
ポップもマァムも、レオナ姫とクロコダイン達も奮闘するも
大多数に襲ってくる黒い手に勝てず、俺たちはバラバラに散ってしまった…………!
幸い、アストルティアに着いたが……
俺とラーハルトの二人だけになってしまった……。
ここはどこだ……?
見渡す限り荒廃とした大地、木々雑草が育つのがやっとの環境下だった。
運良く道を見つけ、その道なりに進んで歩き始めた……。
ところが、町に着くどころか鉱山に入ってしまった……!
そこに、坑夫らしき人影を見たそのときだった……!!
ここは、ドワーフ達鉱夫が住まう町。
この鉱山で採れる鉱石は、ここ「ドワチャッカ大陸」の半分が賄ってる話だ。
剣や槍と言った武器に、盾と鎧と言った防具
そして宝飾品投資全て、この山の鉱石からできてるって話だ。
そんな彼らの日常は突如崩れたのだ……!
突如、地響きが鳴り
落盤が発生したのだ……!!!
「むっ!
今のはまさか、アクロニア鉱山か!?」
事変が起きたと察し、外に出ようとしたその時
警備兵が入ってきた!
「チャルコか!
何があった!?」
「ほっホッツィ親方! 大変です!!
アクロニア鉱山で崩落が起きました!!
その崩落で、バギが…………!
バギが、巻き込まれました!!」
「なっなんだってーっ!?」
「バギだけではありません!!
他の鉱夫達もその崩落にっ!!」
ホッツィ親方は現場に急行し、アクロニア鉱山前につくも……
出入り口は落盤被害によって塞がれていた……!!!
「なっなんてこった!!
これでは……!!
救助はできるか!?」
「はっ! 迂回路は被害が少なく、通れると確認がありました!!
しかし、被害者が多くて救助には間に合うかどうか……!」
町の人たちは不安と悲しみと嘆きに溢れていた……。
中には父を心配する家族と、「孫は無事なのか!?」と叫ぶ老人。
そして見習いのバギも……。
「くっ! 増援は!?」
「今しがた向かったそうですが、到着までには時間がかかると!」
「そうか……!!」
誰もが救助は絶望的だと感じた、その時だった……!!!
出入り口の小石と落盤の岩が微かに揺れていた……。
「…………むっ? なんだ?」
親方が近づこうとした瞬間!!
「うおおおおおおっ!?」
ホッツィ親方をはじめ、ドワーフ達は衝撃波に巻き込まれる!!
その衝撃波は、落盤した土砂を吹き飛ばした。
そしてその衝撃波は
「こっこれは!?」
突然の衝撃波に驚くドワーフ達、そしてさらに……!
「…………外だ、外に出れたぞ!!!」
「やったぁ!!」「じいちゃーん!!」
「っ!! あなた!!」「おおっ!! 孫よ!!」
そこから、鉱夫たちが現れたのだ!!!
親方とドワーフ達はただ呆然たしていた……!
「…………どうやら、これでみんな出れたようだな?」
砂埃が舞う中、軽装装備していた青肌の青年が立っていた。
「なっなんだおまえは!?」
ホッツィ親方が一番に口を開けた……!
「ん? …………どうやら俺たちはアストルティアに着いたようだな……」
「そのようだな、まさかここに来て落盤被害に巻き込まれるとはな……」
ドワーフ達はもう一人の声に気づく。
一歩一歩歩くその足音は芯が強く、そして軽すぎず重すぎないものだった。
砂埃が晴れ、その姿にドワーフ達は驚く
一人は軽装装備の鎧を着ている青肌の青年
そしてもう一人は重装備をして、重量感と裏腹に
その声は若く、そして爽やかな感じを彩っていた……!!
「ラーハルト、これで全員だな?」
「そのようだな……だが……」
二人の視線には、亡骸となったバギがあった……。
「なっなにがあったんだ、お前たち!?」
「親方っ!!」
鉱夫たちはこれまでの出来事を話した……。
ドワーフ達は、ある日いつものように仕事をしていたら
旅人の二人と出会ったのだ。
その二人の旅人の名前は
「ヒュンケル」と「ラーハルト」。
二人は、仲間を探す旅をしていたが
道に迷ってしまったと言い、町への道なりを教えたその時だった。
突然、落盤が発生したのだ。
鉱夫たちも旅人二人も突然の落盤に驚いた……。
ところがその二人の旅人は素早い身のこなしで鉱夫たちを助け出したのだ。
運良く助かったものの、奥にも被害があったらしく
その中にバギが巻き込まれていた……。
二人は彼を助け出すも、幸い身体の損傷は少なったが…………。
落盤した際、土砂土石に埋もれて死んでいたのだ……。
「……ひょっとして、
「ああ、出入り口が落盤で埋もれていたからな…………
緊急事態だったからな……すまなかった……」
「いや、良いんだ
お前たちのおかげで仲間たちみんなが助かったんだ、このくらいどうってことないさ!」
ホッツィ親方は二人に礼を言い、テッツイの元へといった……。
多くのドワーフ達は、バギの亡骸を見て悲しんでいた……。
「すまない……もっと早く奥に行けば……」
「良いんだ、鉱夫たちの命を救えたんだ
だか、なんだってこんな……!」
「親方、オラ見たんだ…………。
そしたら、でっかい岩がはがれるように落ちてきたんだ……」
「俺たちは、ヒュンケルさん達に助けられて無事だったんだけども……」
「奥にいたバギは、俺たちよりもっと酷い被害にあって……!!」
「そうか…………」
「今、上の街へ シスターを呼びに
行かせていますが…………」
鉱夫たちは、悲しみに落ちていた…………
テッツイは鉱夫たちの中でも若いドワーフだった……。
「はあっはあっ…………
どこです、バギさんは!?」
「わざわざ来てもらって すまんな、マレレ……」
「いいんです。
でも困ったわ…………。
こんなとき、ホルタ神父が生きていたら…………」
「マレレ、お前しかいねえんだ。
頼むっ!!」
「…………はい
天にましますわれらが神よ、
われらを見守る山神イプチャルよ。
どうか、バギのみたまを呼び戻したまえ…………!」
しかし、時が無情にも過ぎるだけで
バギの
「…………ぐっ!」
「ヒュンケル!?」
突如、ヒュンケルは胸を抱えて体を崩す。
「すまない、少し疲れが出ただけだ……」
「ヒュンケル……お前にはやはり……!」
「だが、座して待つよりも成さねばならないことがあるからな…………!
せっかく
「ヒュンケル……!」
その爆弾を抱えた状態では戦えば命を落とすため、天使達にその爆弾を和らげるために術をかけた。
幸い、剣を振るうくらいの力を持てるようになるが
ブラッディスクライドやアバンストラッシュといった大技を使えば、その反動で自身にも
グランドクルスを放った故、そのダメージが来たのだ。
(天使達に俺の身体を治してくれたが、流石に完治とはいかないか……)
ヒュンケルの心中はそう思うものの、座して待つよりも
行動あるのみと名乗りを挙げたヒュンケル。
しかしアバンやブロギーナからは危険だと訴えられるもの
天使の癒しを受けて爆弾を和らげてもらった……。
しかしそれでも爆弾は抱えており、爆発をすれば死ぬことは間違いなかった。
「チカラがおよばす……すみません……」
「いや、マレレが謝ることはない。
ホルタ神父でも、今のバギを助けることはできなかっただろう…………。
本当に残念だが、バギはもう…………」
「ウソだろ?
アクロニア鉱山で死者が出るなんて…………!」
「山神イプチャルは何してやがんだ!?」
「ムチェ ブチャ……
山神さまを悪く言うもんじゃねぇ。
神さまにだって…………きっと都合があるんだ」
「チッ!
何が都合だ!
そんなことで片付けられちゃ
死んだバギも浮かばれねえぜ!!」
「それに、ここ最近ろくな鉱石も取れねえし。
神さまの都合で、ビンボー暮らしをさせられちゃあ
たまったもんじゃねえよ!!
オレとブチャは、出ていかせてもらうぜ?
あばよッ!!」
二人はそう言い、その場から離れていったのだ……。
「待つんだ!
ムチェ! ブチャ!」
「ほっとけ!
行きたいヤツは、行かせりゃいい!
それよりも、今はバギのために
祈ってやろうじゃねえか。
安らかな眠りにつけるようによ…………」
ドワーフの惨劇を目の当たりにしたヒュンケルとラーハルトは、
己が不甲斐なさと無力感に心を痛めていた…………。
「ラーハルト…………俺は……」
「気にしたところで何も始まらない…………
俺たちがこの世界に来た目的を忘れるな、ヒュンケル……」
「そうだな…………」
二人はその場から立ち去ろうとした……。
不思議なことが起こった
バギの亡骸に、一つの魂が入り込んだ……!!!
ここはどこじゃ?
わしは確か、半グレどもとやりあって……
「…………んっ?」
「んん!?」
「…………!?
ぬおおおおっ!? バギ?」
「……なっ!?」
「……何っ!?」
ドワーフ達とヒュンケル達は、バギの復活に驚いたのであった!!
「ああ、よかった!!
バギが息を吹き返したよ!
マレレとあたしたちの祈りが、届いたんだね!」
「そんな……!?
そんなばかなっ!?」
「ありえない……!!
ザオラルやザオリクを使っても蘇られない状態で蘇るなんて!?」
「バギ…………お前、本当に大丈夫か?
なんつうか…………お前の身体に
別の魂が宿ったようにも見えたが…………。
…………いや、その様子なら大丈夫そうだな?
まったく、ヒヤヒヤさせやがって…………。
助かったぜ、マレレ。
何か礼をしねえとな!」
「いえ、お礼なんていいんです
ただ………… そのぅ…………」
「礼ならお二人さんに言うべきだよ」
「むっ?」
「そうだよ! ヒュンケルさんとラーハルトさんが来なかったら、バギも仲間たちもみんな死なずに済んだのはこのお二人さんのおかげだよ!」
「いや、礼なんていいんだ……
俺たちは俺たちのしたことをしたまでだ」
「我々も本来道に迷ったところを鉱山にたまたまついただけだったんだ、その時落盤被害に巻き込まれてしまっただけだ」
「かぁ〜っ! 謙虚な事を言うねぇ!」
「あんたたちは俺たちの大恩人だよ!」
ドワーフ達は二人を褒め称える中、マレレとホッツィは話をしていた。
「あのう……親方さん?」
「んっ? なんだ?」
「親方さん、私と一緒に教会へ来てはいただけないでしょうか?
ルナナさんが、話がしたいって……」
「ルナナが!?
チッ…………。
あの人間の小娘め、テメエのくだらん話には乗らんと
何度も言っておるのに、しつこいヤツだ!
世話になったホルタ神父の娘だと思って
甘い顔をしていれば、つけ上がりやがって…………!
「あの…………? 親方さん………………?」
「あ ああ…………、
…………そうか、ルナナの所へな。うん。
マレレにはバギを助けてもらったし、行かないわけにはいかねえな?
…………ああっ!」
………………?????
「だっダメだ。
なんだか、腹が痛いし……頭も痛いし……
めまいがする…………ゲホッゲホッ!」
(仮病か……(汗))byヒュンケル
(詐病……(汗))byラーハルト
ホッツィの詐病ぶりを見て呆れる二人であった……。
「残念だが、ルナナの所へは
行けそうにないなあ…………。
誰か、オレの代わりに行ってくれねえかな?」
詐病をしてでの事か?
二人はそう思ったとき…………
「なんならワシが行こうか?」
「おおっ! そうかバギ!
お前が行ってくれるか!」
(なっなぜ……?)
(なんて律儀な……(汗))
「そうだよな? お前は命を助けてもらった礼を言いに、教会まで行かないとな?
ついでに、ルナナの所へ寄るといい。
バギ! ルナナのヤツに、ビシッと言ってこい!!
親方は、絶対にイヤだと言っている。
もう二度と親方を呼んだりするなと!」
(…………(汗))
(なんて人任せな……(汗))
「では 頼んだぞ、バギ!
ゲホゲホ ゴーホゴホッ…………!」
「大丈夫かしら…………? 親方さん」
(詐病だがな……(汗))
(面倒ごとを押し付けて逃げるとは……(汗))
「では、私は教会に戻りますけど…………
また何かあったら、呼んでください。
…………あっ、そうだ!」
マレレは何か閃いたかのように二人の元へと駆け寄った。
「ヒュンケルさん、ラーハルトさん
皆様をお助けいただきありがとうございました!
お礼と言ってはなんですが、上の町に宿屋がありますので。
旅のお疲れを取ってください」
「何? この上にか?」
「上にって……どうやって?」
「それなら、俺から話すぜ?
お二人さん、ちょいとこちらにきてくだせぇ!」
二人は一人のドワーフに連れられて
「こちらにありますは、神カラクリの一つ「エレベーター」でございやす! これはドワチャッカ大陸でしかない昇降機なのさ!」
「エレベーター……?」
「これは……、ダイとレオナ姫達が以前「デパート」という所にいった時にあった機械の一つだ」
「おおっ!? ヒュンケルの旦那よくご存知で!!」
「あっいや……」
「これに乗れば、上の町まで一瞬に行ける優れものなんでさぁ!
こいつに乗れる人数は良くて150人で、最低でも80〜90人乗れる大型の神カラクリ!
重い荷物や運搬でお忙しい方には、こいつに乗ってお仕事が楽になれるってもんときた!
こいつを動かすには扉の横にレバースイッチがありやす!
外と中のレバースイッチを使えば、カラクリが動きやす!
ささっ! これを利用すれば、如何にドワチャッカが優れた文明と歴史を味わえますよ!」
「わかった、わかったから!」
「とにかく、宿屋があるのが幸いだ
この所疲れててな……使わせてもらうよ」
「おーい! お二人さん!!」
「むっ?」
「ん?」
「あんたら、上に行くのかい?」
「お前は……」
「君は確か、バギ……?」
「そうさ、ワシも上の町に行くことになっての?
お前さん方も上に行くんじゃろ?」
「ああ、そうだ……」
「ここ出会うたものの何かの縁じゃ?
よろしくな……えっと……」
「ヒュンケルだ……」
「俺はラーハルトだ……」
「おおっ! そうか!
よろしくな! ヒュンケルの兄貴にラーハルトの兄貴!」
「あっ、兄貴……(……;)」
三人は神カラクリ(エレベーター)に乗り、上の町へといった。
「かぁー! これまたええ所じゃのう!」
「ここが……」
「アグラニの町か……」
二人が町並みを見て感嘆を感じ得なかった。
レンガ積み岩積みの建物に、あちこちにわずかな鉱石があった。
そして町の人たちのほとんどはドワーフ達であった。
バギ(ゲンゴロウ)は教会へと向かい、ヒュンケル達は宿屋に足を運んだのであった…………。
「はあっ……はあっ……」
ヒュンケルは横になって、身体を伸ばしていた。
身体中から汗がたくさん流れていた……。
「大丈夫か? ヒュンケル?」
「俺は大丈夫だ、天使の施しのおかげで剣を持てるくらいはな……」
「だからといって、グランドクルスを放つなんて…………緊急事態だから仕方なかったが、
「わかっている…………だが座して待つより行動を移さなければな……、ダイを探しにはるばる
「ヒュンケル……」
ヒュンケルは、グランドクルスの反動によって一時仮眠をとった。
ラーハルトは部屋を後にして教会に足を運んだ…………。
一方、バギ(ゲンゴロウ)は教会に来た
理由は、親方の代理である。
(しっかし、親方があんな
それほどのおてんばな娘さんなのか?)
教会に来たバギ(ゲンゴロウ)は、シスターからルナナがいる部屋に案内してもらった。
「相変わらず ノックもなしに
入っていらっしゃるのね、ホッツィさん。
でも…………、怒ったりなんてしなくてよ?
こんな早く来てくださったんだもの。
今日こそ、いい返事をお聞かせ願えるのよね?
このルナナにまかせてくだされば
決して悪いようにはいたしませんわ。
ねっ? ホッツィさん♡
…………って、誰よあんた!?」
「ああっ、わしはその親方の代理で来たバギってもんじゃ
(なんじゃ? この娘っ子は?)」
「…………はぁッ!?
親方の代理で、返事をしにきたですって!?
……いい度胸ね、あのクソ親父!
このあたしの厚意を無視するなんてありえないわッ!」
「あっあのさあ? ルナナ?」
「な…………何よ?
あんた、まだいたの?
……あー、親方の返事ならいらないわよ。
あたしと話したくないんだもの。
断ってこいって、言われたんでしょ?」
「まあ、そんなところじゃの?」
「…………………………………………」
(なっなんじゃ? わしの顔をジロジロ見て……?)
「あなたらよく見ると下の町のヤツらとは
どことなーく、ちがってるのね。
みょうに人間ぽいっていうか?
…………そういえば、あんた名前は?」
「……へっ!?
さっき名前いいやしたんだけど、バギってもんじゃ?」
「…………へえ、バギっていうの?
じゃあ、命令するわ バギ」
「えっ?」
「あなた、あたしの下僕になりなさいッ!」
「…………はぁッ!?
何でわしがあんたの下僕にならんといかんのんじゃ!?」
「何言ってんのよ!?
いい? バギ? あなたはあたしの下僕になるのよ!!
そうなればあんたは歴史に名を残す大偉人になれるのよ!!」
「いやだからそんなんじゃなくて……!!」
「入るぞ?」
「…………んっ?」「あっ! ラーハルトの兄貴!!」
「…………ん?」
ルナナとバギの口論の最中に現れたラーハルト。
彼の登場で事態が一変する。
「…………あんた」
「んっ?」
「……超いい男じゃない!!
決めた! いやもう決まったわ!!
あなたはあたしの下僕決定よ!!」
「……はあっ!?」「えっ!?」
「光栄ね、あなた!
あたしの名はルナナ
このアグラニの救世主となる者よ!!」
「はあ?」
「アグラニの救世主となり、ひいてはアストルティアの大英雄となって、父以上の英雄になる、そうなればあなたはあたしの下僕として歴史に名を残せるわよ!
……それと、あなた名前は確か……」
「ラーハルトだ、どうした……」
「ラーハルト!! それがあなたの名前ね!」
「っ!? なんなんだ君は!?」
「ラーハルトの兄貴、すいやせん!
その娘はルナナって言ってこの町の親方達の手を煩わせてるおてんば娘で……」
「あんたは黙りなさい!!」
「んなっ!?」
「さてと、ラーハルト。
あなたは見たところ、この町に来たばかりなのね?」
「あっああ……少し道にはぐれてここに来たばかりで……」
「そう、それなら何も知らないあなたに
「えっ、いや……来たばかりだからこの町のことを知らなくて……」
「わかったわ、なら教えてあげる」
(なんちゅーじゃじゃ馬娘だ……!)
「実はね、ここ数年 アクロニア鉱山から宝石はおろか、まともな鉱石すら出てないのよ?」
「はぁ……?」
(その話、町の人たちから聞いとるのか?)
「でも、あたしは知ってるの
アクロニア鉱山の「どこ」を掘れば
宝石がザクザク出るのかを…………!」
「???」「はあ?」
「アグラニの町の書物という書物を調べて、
探り当てた情報だから、間違いないわ!」
(あっこれ嫌な予感が……!)
「でもね、あの親方ったら
その場所だけは掘らないって言うのよ!
まったく、理解不能だわッ!
下の町のヤツらは、どいつもこいつも親方の言いなりみたいだけど…………、親方よりもエラい賢者サマが「そこを掘ってもいい」って言ったら、みんな聞くと思わない?」
(無茶苦茶なことを言うなぁ、この娘っ子は……)
「そういうワケで、ラーハルト?
あたしの下僕として、さっそくはたらいてもらいたいの。
アクロニア鉱山に住む「賢者ブロッゲン」
あいつを説得してその場所を掘ってもいいっておスミつきをもらってくるのよッ!
ちょっぴり難しい仕事だけど、もし成功したらあたしのルーラストーンコレクションの一つをあげてもいいわッ!」
「ルーラストーン???」
「……えっ? もしかしてあなた、ルーラストーンを知らない?」
「というか、
…………。
ルナナの驚きの声はアグラニの町に響いた……。
「嘘でしょ!?
あんた、もしかしてルーラストーンなしで旅してきてたの!?」
「なっなんなんだ!?
それに、ルーラストーンなんて初めて聞いたぞ!?」
「ちょっ!? あっあんたマジで言ってるの!?
……だからこの町に来るまでに迷子になってたの……!?
ルーラストーンなしで旅する冒険者なんて初めて聞いたわ……!!!」
ルナナは冷静さを取り戻し、話を続けた。
「…………いい?
ルーラストーンは、
冒険者だろうと一般人でも誰もが欲しがる貴重なものなんだから!
それをなしで旅してる冒険者なんて少ないわ!」
「はっはあ……」
「さてと、ラーハルト
あなたはアクロニア鉱山へ行って、必ずブロッゲンを説得してきてちょうだいね!」
「なっなんで俺が……?」
「いいから行きなさい!
あとそこのカビだんご!
あんたも行きなさい!!!!」
「なっなんでわしまで!?」
二人はさらに叩かれるかのように部屋を出た。
「しっかしまあ、なんちゅう娘さんじゃ……。
いきなり賢者さまを説得しろとか、わしらを下僕扱いするとか何様のつもりなんじゃ?」
「仕方があるまい、いくら断ってもしがみつくような少女だ。
例え俺や君でも口を揃えて言っても下僕になれと言うのは強制的にやらされるのがオチだ」
「はぁ……、なんか気がひけるなぁ……。
と言うか、あの娘さんは
「仮に知ったとしても、「そんなものは根性と知恵でなんとかしなさいっ!!」と言うだろう……」
「はぁ……やっぱり何言っても行くしかないのか……」
バギ(ゲンゴロウ)とラーハルトは親方の気持ちを悟った。
そんなこんだで賢者ブロッゲンの元へ向かう途中のことだった、その時だった。
「お──ーいっ!!!
そこの旅の方っ!!!!!」
「んっ?」「なんだ?」
「あっあんた、ラーハルトって人かい!?」
「えっ? 兄貴のことですかい?」
「どうしたんだ? そんなに慌てて?」
「大変なんだよ!!!!
宿屋で泊まってるあんたの仲間さんが、
「なんだって!?」
「ヒュンケル「の兄貴」が!?」
「今医者が診てるところなんだ!!
俺は今教会のマレレさんを呼びに行くところだったんだ!!!」
「その話本当か!?」
「本当さ!!
さっき宿屋の女将さんが部屋に入ったら、発作の手前のところだったんだ!!!
それよりあんたたちはこれからどうすんだい!?」
「っ! 兄貴!!」
「なんだ!?」
「兄貴は先にヒュンケルの兄貴のところに行っててくれ!!
俺は賢者ブロッゲンさんのところに行ってくる!!
賢者さまなら何か手立てを立てれるはずだっ!!!」
「っ! そうか!
今賢者ブロッゲン様が来てるから、きっと助けられるかもしれねぇ!!」
「……っ!
わかった!! 賢者様のことを頼む!
俺はヒュンケルの元に行く!!」
バギは賢者の元へ掛け、ラーハルトはヒュンケルの危篤を聞き宿屋へ掛ける。
宿屋の中は慌てていた、ヒュンケルの発作が起きて医師は懸命に手当てをしていた。
女将の話によると、ヒュンケルが寝ていた部屋に入って様子を見に行ったところに発作が起きたのだ。
「ぐっ…………!!
がはっ、はあ……はあ……」
「……っ!
心肺が安定したようですな……。
発見が遅れていたらどうなっていたか……!」
幸い、医師が泊まっていたがために一命を取り留めたのだ。
「ヒュンケルっ!!」
「おおっ!! お客さんっ!!」
「ヒュンケルはっ!?
ヒュンケルは無事なのか!?」
「落ち着いてください!
今医師が手当てしていて……!」
鬼気迫る勢いで戻ってきたラーハルトの表情は、焦りと恐れが出ていた。
「おおっ! あんたあの人の仲間かい!?」
「っ!! そうだ!
ヒュンケルはっ!?」
「大丈夫じゃ!!
容態が良くなったから無事じゃあ!!」
「っ!! 本当かっ!?」
宿屋の中は歓喜の声が上がった!!
命の恩人を助けたことで話題になっていたが、
その本人が発作を起こしたため、急遽町中に話題になっていた。
そして、一命を取り留めたことも……。
「ヒュンケルっ!!」
「……ラーハルト!」
扉を開けた先には、ヒュンケル起きていた。
まだベッドの上にいるが、顔色は好調の様子だった。
「すまない、迷惑をかけてしまったようだ……」
「いいんだ、お前が無事なら……!」
一方、バギ(ゲンゴロウ)は賢者ブロッゲン様の元へ掛かって行った。
ヒュンケルの一大事の事で、ルナナの件を忘れかけるほどに……。
「おーいっ!!」
バギ(ゲンゴロウ)は駆け足で賢者ブロッゲンの元へと行った。
「なんだっ!?」
「誰だっ!?」
守人の部屋に二人の衛兵がいた。
「……ってバギじゃないか!?」
「バギ!? お前無事だったのかっ!?」
「えっ!? まっ、まあな!!
ってそれよりもブロッゲン様はっ!?」
「……? どうしたんだ?
ブロッゲンさまに何か用事でもあるのか?」
「ああ、それならそろそろお戻りになるはず……?
……っと、噂をすれば!」
「偉大なる大賢者ブロッゲンさまのお帰りでアールっ!!」
「おおっ! おかえりなさいませ、ブロッゲンさま。
そして、ブロッゲンさまの杖さま」
「なっ!? 杖が喋ってる!?」
バギ(ゲンゴロウ)の目の前に立っている老人「賢者ブロッゲン」。
眠りながらもその立ち姿は賢者としての風格を備わっていた、そしてその手に握る奇妙な杖もあった。
「ぐう……ぐう……」
(……?)
「ブロッゲンさまは
留守中に何か変わったことはなかったかと
おたずねでアールっ!!」
(なっ!?)
「じつは、このアクロニア鉱山の中で
崩落事故が起こりまして、その時…………」
突然、ブロッゲンの目が開いた!
(っ!?)
衛兵もバギ(ゲンゴロウ)は言われた通りに伏せた。
その時、一部の亀裂から
ブロッゲンは魔法陣を描いて、亀裂箇所に陣を敷いた。
「ふうう…………」
「なっなんだ今のはっ!?」
「あれは、まさか……!?」
「もしやあれが、崩落があったときに
現れたという、怪しい霧では!?」
「ぐう ぐう…………」
「ブロッゲンさま?」
(あっ、また寝た……)
「あれは…………
触れれば命を落とすと言われる
こんな所にまで現れるとは、本格的に手を打たねば…………とのことでアール!!」
「魔瘴…………」
「ところで、ねえ?
そこにいるこいつ誰?」
(……っ!? わしの事か!?)
「えっ? ええっと、鉱山で見習いをしているバギです。
なんでも、ブロッゲンさまに話があるとかで
ここまで来たようですが…………」
「ふ〜〜〜ん」
ブロッゲンの杖はバギ(ゲンゴロウ)を注目している……。
(なっなんじゃこの杖??)
「どうしました、ブロッゲンの杖さま?
バギに何かおかしなところでも?」
「むふふ〜! ヒミツぅ〜〜♪」
「…………はっはあ……?」
「ところでさ、バギ
話って、なんなの?」
「ああっ、そうじゃ!
実はな…………」
バギ(ゲンゴロウ)は事情を話した
ルナナの事とヒュンケルの事と……。
「…………ルナナおじょうさんね。
知ってる知ってる!
あのホルタ神父の娘だね!
…………なるほどなるほど。
確かに、ブロッゲンさまの言うことを聞かないヤツはアグラニにはいないからね〜。
それに、君たちを助けてくれたそのヒュンケルって旅人のことは知らないなあ?」
「ぐう……ぐう…………」
「ふむふむ…………。
ブロッゲンさまは、こうおっしゃっておらレール!
ルナナの言う
アクロニア鉱山で、はたらく者たちが
(うげっ!? 事故物件以上にタチの悪い現場じゃねえかっ!?)
「そして、その場にいたドワーフたちは死後
欲と未練にまみれた怨霊となり、鉱山にはいるものを退けるようになってしまったのさ、そこでアグラニの人たちは
山神イプチャルに、その事件を戒めにすると誓い
怨霊を鎮めてほしいと祈りつづけたんだ。
その祈りが届き、怨霊はついに鎮められた。
アグラニの代々の親方たちは、その話を受け継いでいるから知っているんだ。
戒めの地だけは掘らないこと胸に誓いを立てて……」
「そうじゃったのか…………尚更そんな危険な現場を行かせるわけにはいかんの……!!」
「ぐう……ぐう…………」
「…………えっ!?
バギ…………」
「なんじゃ?」
「ブロッゲンさまは、自分が行って
ルナナに戒めの地の説明をしてやろうと
おっしゃっておらレール…………」
「なっ! 賢者様自らが!?」
「そう、そしてバギはしっかりと見届けよ…………
とのことでアール。
…………あとそれと、ヒュンケルの事はルナナの用事を済ませてから行くと、心配入らないとおっしゃっておらレール!
ブロッゲンさま、くれっぐれも
お手柔らかにお願いしますよ〜!
ボクはただの通訳なんですからね?
へし折られたりとかイヤですよっ!」
そう言って、賢者ブロッゲンはルナナの元へと行った。
「大丈夫かな……?」
「……大丈夫とは思いたいですね……」
「ああ、わしも教会と宿屋のことで心配じゃけえ
ここらで失礼しますんで!」
バギ(ゲンゴロウ)はそう言って、アクロニア鉱山を出る。
「おお、バギよ!
気をつけて帰れよ? この辺りはたまに
「おお! そうか!
ありがとさん!!!」
「……なんかバギのやつ
「さあ……、でも俺的にはよ
「はあっ?」
「いやさ?
「いやあ、でも流石に
二人の衛兵たちの言葉は現実となった。
アクロニア鉱山の崩落事故が起こった場所に、
バギ(ゲンゴロウ)は、教会による途中
宿屋に足を運んでいた。
「よかった……大丈夫そうじゃのう……!」
「まあな、だがまだ身体が痛むな……」
「そりゃあそうじゃろ?
ラーハルトの兄貴が言うには、わしらを助ける為に体を張ったんじゃろ?」
リハビリ感覚で体操していたヒュンケル、容態はあらかた大丈夫と判断した医者だが、ヒュンケルにこう告げられたのだ。
自分の身体が大事だと思うなら冒険者をやめるべきだ。
そう告げられたのだ。
しかし、ヒュンケルはそうはいかないと言い
医師に「無茶はしてはならない」と言われたのだ……。
「さて、わしはこれから教会に行かんといけん」
「その賢者さまとルナナのことか?」
「そうだ、ヒュンケルはまだ話してなかったな?」
ラーハルトはこれまでの事をヒュンケルに話した。
「そうだったのか……それは災難だったな?」
「そうじゃ、こっからはわし一人で行くからな?
ラーハルトの兄貴はヒュンケルの兄貴と一緒にいた方が安全じゃ」
「待ってくれ……」
「「??」」
「俺も行く……」
「なっ!?」
「何を言ってるんだ、ヒュンケル!!
そんな身体じゃあ……!!」
「いつまでも寝ているわけにはいかないからな?
今の身体で、手足を動かせるまでは
「??? (目的?)」
「しかし!!」
「安心しろ、無茶は最低限はしない
剣を持って戦える身体なら、役には立てるはずだ……!」
「ヒュンケル……!」
「……そんじゃあ行きますか!!」
「「……えっ?」」
結果、三人で教会に行くことになったのだ。
教会につき、中に入った三人。
ヒュンケルは近くの席を座り、その側にラーハルトが座る。←(じつはバギ(ゲンゴロウ)に言われた)
バギ(ゲンゴロウ)はルナナのいる部屋に扉を手にかけた瞬間。
「痛ぇっ!!?」
突然、扉にぶちあたったバギ(ゲンゴロウ)は倒れた……!
お説教なんてもうウンザリ!!」
「おいコラァ!!
てめぇ、痛かったじゃねえか!!」
「っ!! このっカビだんごっ!! ブロッゲンを説得できなかったんだからルーラストーンはあげないわよ! 下僕もクビよクビっ!!」
そう言い、ズカズカと教会から出たルナナであった……。
「あわわわ…………こわ〜い。
でも、いくら怒ったところで
あんなおじょうさんひとりじゃ、なんにもできないよね!」
「この人が……?」
「バギ、この方が賢者さまなのか?」
「んっ? まあそうじゃの……」
「んっ? ああ!!
君たちがヒュンケルとラーハルトだね!?」
「っ!? 杖が喋った!?」
「その杖、喋れるのか!?」
「あははっ、まあ驚くのも無理もないか?
それに、ブロッゲンさまもボクも驚いたよ!
「っ!?」
「ぐう……ぐう…………」
「えっ…………?」
「ぐう……ぐう……!」
「………………はあ、わかりましたよぅ。
ブロッゲンさまは、君たち三人に
手伝いをしてほしいと望んでおらレール!
本当のことを言うと、ヒュンケル達のことで話をしたいけど……。
それはそれとして、君たちが我々と一緒に戒めの地の見回りに行ってくれるなら…………、
ルナナに、もらいそびれたルーラストーンを君たちにやろうと!
…………くううっ、なんと慈悲深いお言葉。
まあ、それはさておき……
君たち三人は、ブロッゲンさまの手伝いをしてくれるよね!?」
「ああっ、ちょっと待ってくれよ!!」
「んっ? 何か問題でも!?」
「ああっ!! すぐに済みますんで!!」
バギは二人にこれまでの事を話した……。
ヒュンケルとラーハルトに「魔瘴」と「ルーラストーン」
そして、「戒めの地」のことを全て話した……。
「……わかった、それならば」
「なるほど、その手伝いをすれば「ルーラストーン」と言う物をやると?」
「話は終わった?」
「はいっ! 終わりました!!」
「うむ! ブロッゲンさまは、先にルーラストーンをくださるそうでアール!」
ブロッゲンの懐から三つの石を出した。
「ぐう……ぐう……」
「これが……!」
「なるほど、この石があれば……!」
「いいか、君たち!
報酬だけもらって逃げちゃダメだよ!
準備が整えたら、まっすぐホッツィ親方の家まで来てよねっ!」
そう言って、賢者ブロッゲンはホッツィ親方の家に向かった……。
ヒュンケルとラーハルトは自身の武器の手入れを済まし、バギ(ゲンゴロウ)は武器(ハンマー)と盾を買った。
道具をある程度買って、神カラクリを乗ってホッツィ親方の家に向かった。
ホッツィ親方の家
「しかし、ルナナのヤツめ。
偉大なる賢者ブロッゲンさまにまでそんな態度を取るとは、ふてえヤツだ!
いっそ、怒りにまかせて
この町から出ていってくれれば
せいせいするんだがな…………」
「まったくだよ!
お父さんのホルタ神父とは大ちがいだね!」
「おーい? 今いいかい?」
「おっ! バギか?
それに二人も!」
「遅かったじゃないか!」
ブロッゲンは突如立ち上がった!
「ブロッゲンさま。
もう出発なさるんですか?」
「ぐう……ぐう…………」
「ブロッゲンさまは、おっしゃっておらレール!
崩落の前から、アクロニア鉱山の様子は
すこしおかしかった。
山神イプチャルのおわす山に、魔瘴が発生するなどよほどの事態。
早急に調査せねば…………とのことでアール」
「…………ううむ」
「……ところで、その
「そうだ、話によると
「ああ、そうだ……」
「おっと、君たちはこれから戒めの地に行くのを初めてだよね?
守人の部屋の扉の先にあるんだ、そこを案内するから君たちもすぐに来てよね!」
そう言って、家から出ようとしたそのとき……。
「大変だよ!!」
「うわあっ!?」
「なっ!?」
「ああっ……賢者さま! 親方さま!!
大変だよ!!!」
「どっどうしたの!? そんなに慌てて!?」
「ルナナが……ルナナがムチェとブチャを引き連れて
「なっなんだって!?」
「えっ──ー!?
あそこに行っちゃったの!?」
それを聞いた三人は、賢者と親方と一緒に守人のの部屋に向かった!!
そこには、殴り倒された二人の衛兵がいた……。
二人の衛兵の話によると、ルナナ達は戒めの地へと行ったのだ
実力行使をして、衛兵を殴り倒して守人の部屋を入ってその奥に行ったとのことだった……!!!
バギ達は、先に奥に向かったのだ。
「これはいかんっ!!
急ぐぞっ!!」
「ああっ!!」
「って、ヒュンケルの兄貴!?
あんたは走れるんですかい!?」
「ああ、なんとかな!!」
戒めの地にたどり着いた三人は周囲を見回した!
「ここが、戒めの地……!」
「広い……!」
「話は聞いていたが……、この間には
ガンガン掘ってちょうだいッ!!」
奥からルナナの声がした、どうやら掘り始めていたらしい!!
「ここに貴重な宝石が眠っているのは確かなんだから!」
「ガッテンだぁー!」
「くくく…………
もうすぐあたしの時代がくるわ!
バカ親方たちは、くだらない迷信を信じてるみたいだけど……、出るものさえ出ればみんなあたしについてくるはず!」
「やめるんじゃあ!! ルナナ!!!」
「そこまでだ!!」
「やめろ! ルナナ!」
「誰ッ!?
って、クビにした下僕達じゃない?
何しにきたの!?」
「なにしにって、決まっとるじゃろがい!!」
「ルナナ!! この地は呪われていることや、ここで起きた惨劇を知らないはずがない!! 今すぐここから立ち去るんだ!!!!」
「そうだっ! 悪い事は言わない!!
いますぐに掘るのをやめてここから出るんだ!!」
「うるっさい!!
何? あんた達は本当はここの宝石欲しさで脅してるつもり?
だったら尚更そうはいかないわよ!!」
「その三人の言う通りでアール!!」
「っ!!」
バギ(ゲンゴロウ)達の後から来た賢者ブロッゲンと親方ホッツィ。
血相を変えたその表情は、事の重大さを物語っていた。
「ルナナ! ドワーフの掟を土足で踏みにじってはダメでアール!
お前の父親は、そんな人じゃなかったでアール!」
「うるっさい!! 棒ッ!!」
(なんて気だ……! この部屋にいるだけでも冷や汗が……!)
「あんな…………、人にこびるような父のやり方は生ぬるいわっ!
あたしは、迷信を真に受けてこの地を封じたアンタたちが間違っていたことを証明し!
アグラニの住民を服従させてみせる!
そして、このアグラニを拠点とし!
ひいては
「ルナナ…………。
お前ってヤツは…………!」
「おんどれぇ……!
そんためやったんなら掟の一つや二つを破ってまで手にしたいんか!?」
一方、ムチェとブチャは勢いよく掘り行っていた!
「すげえええ!
こりゃあ絶対、とんでもないもんが出るぞ!!」
「ああ! この掘り応え!
この匂い! こいつは相当な大物が出てくるぞ!!!」
「やめるんだ!! ムチェ! ブチャ!
それ以上掘れば、タダではすまんぞっ!!」
「そうだ! 今すぐに止めるんだ!!」
「うるせえっ!
よくも…………!!
よくもこんないい場所があることをずっと隠してやがったな!
てめぇらのような老いぼれどもにひとりじめにはさせねえぜ!!
ここはオレたちのもんだっ!!!」
「何ふざけたことを言っとるんじゃあおどれら!!
それが原因でここが封鎖されたんじゃろうが!!
ここで起きた殺し合いで、ここは「戒めの地」と呼ばれてる所以じゃろがい!!」
「そうだ! バギの言うとおり、そんな考え方をしてはいかん!!
ここはかつて、何人ものドワーフ達が欲に取り憑かれしまい、それをきっかけに殺し合いが始まったんだ!
そのためにここは山神さまが欲にとりつかれた魂を鎮めてくださっている!!
その行きすぎた欲望によって
そうして我々は山神さまに誓ったんだ!!」
「んなこと知ったことかよ!!
山神なんざいるもんか!
ここはオレのもんだぁ!!」
「いや! オレのもんだああ!!」
「ちょ…………ちょっと!」
ムチェとブチャは奥深く掘り続けたその時だった!!
突如、魔瘴が漏れ出たのだ!
「な なんなの?
今の声は…………!?」
魔瘴の中から泥状の球体の魔物が現れたのだ!!!
「どわああっ!?
なんじゃあありゃあ!?」
「キャー!
あっあれが怨霊ってヤツ!?」
「なんだって!?」
怨霊はルナナ達を襲いかかった!
その瞬間、ラーハルトはルナナ達を救い出した!!
「大丈夫か!!」
「えっええ……!!」
ルナナは目の前の怨霊の登場によって声を失いかけていた。
大怨霊マアモンである……!
欲深き者どもめ…………!
この地に眠る宝石は、誰にも渡さぬ…………!
「これは……!
何という邪悪な気だ……!!」
「おいおいおいおいおいおい!!!
いくら危険な場所だからって、怨霊込みとか危なすぎるじゃろ!?」
魂ごと喰らってくれるわァァァ!
ギシャァァアアアアアアアアアア!!!
マアモンは吸い込みを始めた!
ホッツィ親方と賢者ブロッゲンは身体の力が徐々に無くなっていく!
「かっ身体に…………チカラが、入らねえ………………。
あいつに…………吸い取られる…………」
「ブロッゲン…………さまの…………
チカラが…………きっ消えちゃう………………!」
「うっ…………くぅ…………!!!」
突然のことだった、マアモンがダメージが入った。
バギ(ゲンゴロウ)とホッツィ達、そしてルナナは驚いていた。
ラーハルトは気づいた、今の奥義を使った者を……!
「…………今の、まさか!?」
「手応えあり……!」
そう、空烈斬を放ったのはヒュンケルだった!!
「今の一撃を受けたのならば、勝機はある!!」
「ヒュンケルの兄貴!?
今の技はっ!?」
「話は後だ!! 奴を倒さなければ、アグラニの住民達にも被害が及ぶ!!!!」
「おっおう!! じゃが
無謀にも程が!!」
「待てっ! ヒュンケル!!
今のお前が
「しかし奴を倒さないといけないのは、お前だってわかっているはずだ!!
幸い戦える面子が
「っ!?」
「ヒュンケルの兄貴……!?
それって!?」
「そうだ……!
ヒュンケルはそう言い、背中に背負ってた武器を持ち上げる!
そしてラーハルトは自身の武器を掲げる。
そして、二人は声をあげた!!!
ヒュンケルの「鎧の魔剣」の鞘が輝き始めた!!
鞘は見開き、一部の金属が光となった!
そうして、足から身体の全体に鎧を形成し始めた
そして兜を形成して姿を表す。
大鎧を纏ったその姿は、まさに重装戦士の如く。
ラーハルトの「鎧の魔槍」の鞘部分も見開き、一部の金属が光を纏った。
光となった金属は足から身体全体を包み、鎧を形成する。
そうして、ラーハルトもまたその姿を表す。
軽装備の鎧のその姿は、「陸戦騎」の如く。
「あっ、あああ……!?」
「なっなんだあれは!?」
「その武器、まさか……!?」
ホッツィ達は、ヒュンケル達の姿を見て驚いた。
大きな武器を背負った男と重苦しい槍を持った男が、突然の変身に驚いた……!
「スッゲェ……!!
これなら!!」
「浮かれるな! 来るぞ!!」
マアモンは即座にヒュンケルたちを襲いかかってきた!
「ヒュンケルの兄貴!
こいつはヤベェですよ!?
恨みつらみと欲を込めた攻撃はやばいぞ!?」
「わかっている……!
ならば、その攻撃が放つ前に避ければ済む話だ!!」
「ヒュンケル!」
「大丈夫だ……!
速攻でカタをつけるぞ!!」
バギ(ゲンゴロウ)はハンマー攻撃をした
投擲と打撃を繰り返しつつ距離を測って戦っている。
ヒュンケルは兜の一部となった剣を使い、見た目とは正反対の剣捌きをしていた。
ラーハルトは槍を振るい、ヒット&ウェイを繰り返していた。
マアモンは攻撃を仕掛けた!
床下から怨霊の魂がヒュンケル達に襲いかかってきた!
「うげっ!? きやがった!!」
「くっ!? 数が多い!」
怨霊の魂の正体は、かつてこの地で殺し合いをしていたドワーフ達であった。
怨霊の号令に応じ、束になって襲ってきたのだ!
しかし、ヒュンケルは動じなかった。
「束になったところで……!
その手の攻撃が通じると思ったか!!」
ヒュンケルは二発目の空烈斬を放った!!
空烈斬によって束になった怨霊たちは消滅して、その勢いはマアモンに当たった!!
「効いてる!?」
「当たり前だ……ヤツは
「なるほど、そうすればヤツを倒せれるっちゅうわけか!!」
「そうだ……ぐっ!!」
突如、腕に激痛が走る。
「ヒュンケルっ!?」
「兄貴っ!?」
「俺に構うな……っ!
ヤツを倒すことだけ専念するんだ!」
ヒュンケルは長くは戦えない……!
バギ(ゲンゴロウ)とラーハルトは早急にマアモンを倒さないといけない!
(ヒュンケルの
この場は俺とバギだけでも勝機を手に入れるんだ!!!)
「兄貴っ! 下がっててください!!
ヤツはわしが引きつける!!」
そう言ったバギ(ゲンゴロウ)はマアモンに攻撃を仕掛けた!
微量なれど効果はあるようだ。
マアモンの体当たりや噛みつき攻撃を耐え忍んでは受け流しての繰り返しの最中、ラーハルトは攻撃を仕掛けた!
「バギ! 俺も加勢するぞ!」
ラーハルトは素早い攻撃を放った!!
その攻撃にマアモンは怯んだ。
三者の戦いぶりに、ルナナ達は絶句していた。
大鎧を着ているヒュンケル
神業に近い槍捌きを振るうラーハルト
そしてその二人の戦いに足並みを揃えるバギ(ゲンゴロウ)
「すっすごい……!」
「なんて奴らだ……!!」
「すっげぇ……!!」
そして、賢者と親方も同じ反応だった。
「なんなんだ!? あいつらは!?
それにバギ……!?
「……違う!」
「えっ?」
「あれは、違う!」
「ブロッゲンさまっ!?」
(間違いない……!
バギよ、やはりお主は……!
それに、あの二人の
バギ(ゲンゴロウ)はハンマーをぶん投げてマアモンに直撃した!
「よっしゃあ!!」
投げたハンマーは反動によって跳ね返り、バギ(ゲンゴロウ)はそれをキャッチした!
「このまま行けば勝てるぞ!!!」
バギ(ゲンゴロウ)の鼓舞によって二人の戦意は上がる!
だがマアモンは勢いに負けず、そのまま猛攻を仕掛ける!
「うおっ!?」
「バギ、下がれ!」
ラーハルトは槍を構えて必殺技を放った!
槍から放たれた衝撃波は、マアモンを貫いた!
しかし、マアモンは体を再生した!
「嘘じゃろ!?
あんだけのデカい技を喰らってもまだやられんのんか!?」
「なんて奴だ……!
ここまでの禍々しい魂が集まって、こうも手強いとは……!」
バギ(ゲンゴロウ)とラーハルトは息を上げていた、二人で猛攻をするもマアモンは勢いを衰えずにいた……。
バギ(ゲンゴロウ)のハンマー攻撃をしても怯まない
ラーハルトの奥義を持ってしても再生する。
そんな戦いの中、ヒュンケルは
「これでもくらえっ!
ストーンザッパー!」
バギ(ゲンゴロウ)は魔法を唱えた!
三つの石がマアモンに降り注ぐ!
「からのっ!!
スティングレイ!!」
当たった石の破片が集まり、大きく尖った石槍がマアモンを突き刺す!!
「どうじゃっ!?」
「バギ!?
お前魔法がっ!?」
「わからん!
ダメ元でやってみたらなんかできた!」
自身とラーハルトは魔法に驚くも、マアモンはすぐさまに再生をした!
「ああっ!! くっそぉ!!
何度も何度も再生しやがって!!」
バギ(ゲンゴロウ)は苛立ちはもっともだ、度重なる攻撃や必殺技をしても何度も再生してしまうのだ。
どれだけやっても魂が何度もマアモンに集ってくる。
戒めの地に彷徨う魂がある限り、マアモンは何度でも再生してしまう。
「何とか何ねぇのか!?
これ以上は持ち堪えられんぞっ!!」
「とは言え、こいつを倒さなければ危険だ!
どうにかしてでも倒すんだっ!」
二人は長期戦になれば不利と確信した二人は、速攻を仕掛けようとしたその時だった!!
突然、マアモンの体が止まった!
「っ!?」
「なっなんじゃあ!?」
マアモンは何が起こったのかはわからない状態だった。
まるで
「これは……まさかっ!?」
「なっ、これって……!?」
二人はヒュンケルの方に向いた!
そこには、
左手が輝き、指先から
ヒュンケルの奥義の一つ、それは
その奥義を受けた者は、身動きが取れなくなるということで名高い暗黒奥義の一つ。
かつてヒュンケルが魔軍にいた頃に使っていた奥義の一つである。
この奥義はかつて「ミストバーン」が使っていた技で、その技は
「ヒュンケル!?」
「おまっ!? そんな技使えんのか!?」
「ああ、だがかつての様にはいかないと思っていたが……。
闇の闘気でなくともその原理を応用してみただけの技だ!」
ヒュンケルは剣を構える!
その剣に闘気を溜めて纏わせる!
「っ! よせっヒュンケル!!
今のお前にその技はっ!!」
「まっ待てやヒュンケルの兄貴!
今のお前の身体で大技は!?」
「大丈夫だ!
すぐにケリを付ける!」
ヒュンケルの剣は闘気の輝きが増した!
動きを止めた状態で、奥義を放つ
かつてヒュンケルは魔軍にいた頃、その残虐にも呼べた行為は敵味方を震撼させた。
怨霊の急所を突くにはこれが最適だ……!」
闘魔傀儡掌で動きを封じ込め、必殺奥義を確実に仕留めるという……。
ヒュンケルの必殺奥義、その名は……。
ヒュンケルの奥義はマアモンに目掛けて貫いた!!!
ヒュンケルの奥義が炸裂し、マアモンの急所を貫いたことで身体中の魔瘴が一気に漏れだした!!!
「やったぁっ!!!」
「スッゲェ……!!!
怨霊をぶち抜きやがった!!」
ムチェとブチャは、三人の勝利に驚いていた。
ルナナは、ただ呆然としていた……
目の前の凶悪な怨霊を倒した三人の姿を……。
賢者と親方は、三人の勝利を見て歓喜した。
「やっやりやがった!!
あいつらマアモンをっ!!」
「…………!!」
「勝った……のか?
っ!! ヒュンケルっ!!!!!」
「ヒュンケルの兄貴!!」
二人はヒュンケルの元へと駆けつけた。
「ヒュンケルっ!!
大丈夫かっ!?」
「ヒュンケルの兄貴っ!!」
「ああっ……俺は大丈夫…………ぐっ!!!」
奥義の反動によって右腕から全身にかけて激痛が走っていた……。
その痛みによって、姿勢が崩れる。
倒れかかろうとしたその時、ラーハルトとバギ(ゲンゴロウ)に抱きかかえられる。
「ヒュンケルっ!!
まさか、今の奥義で!?」
「なんてこった……!!
これは相当キテるぞっ!?」
「仕方がなかったんだ……奴を倒すにはこの手段を使わなければ倒すことがままならなかったはずだ……!」
「だからと言って、そんな無茶を……!」
「そうじゃ兄貴!
気持ちはわかるが、無理をしたらいかんっ!」
「……っ、すまない……」
痛みがわずかに引いたが、ヒュンケルの顔色は優れなかった。
マアモンは体を再生した!!
「っ!? 嘘じゃろ!?」
「そんな……バカな!?」
「……っ!?」
許さぬぅぅ!!
集えっ! この地に眠る強欲なる魂たちよ!
そして、我にチカラを!!
戒めの地全体に数々の禍々しい魂がマアモンの元に集う。
「こっこれは!?」
「これはまさか、この地に彷徨う魂がマアモンに!?」
「それだけじゃない……!」
「??」「何?」
「この地は、戒めの地はおそらく
つまり、奴がどれだけ強い一撃を与えても
「っ! それって……!?」
「そうだ、この戒めの地に彷徨う魂が存在する以上……
ヒュンケルの言葉通りに、マアモンから無数の魂が取り込んでいる。
そして、マアモンはそれによって巨大化したのだ!!
「くそっ 巨大化した…………!?」
「おいおいおいおいおいおいおいおいマジかよっ!!!!?」
「なっ!?」
「っ!!」
「ホッツィ! バギ!
ここはわしにまかせろ!
お前たちは、みんなを連れて
ここから逃げるのだ!!」
「なっ!? 賢者さまはどうすんだ!?
いくらなんでも一人で挑むのは危険じゃあ!!」
「じゃが、今のお前たちでは奴と戦うチカラはないはずだ!
それに、そこにいるお前たち……特に
「っ! ブロッゲンさま……!?」
「まさか、俺の身体のことを気づいていたのか……!?」
「うむ、じゃが今はここを逃げることを優先するのじゃ!」
ブロッゲンの言葉に従い、ラーハルトはヒュンケルを抱えた。
「あ…………ああ…………!」
「何をしておるっ! 早く行けっ!!」
「ムチェ! ブチャ!
ルナナを担いで逃げろ!!」
バギ(ゲンゴロウ)の声を聞いた二人は、ささっと立ち上がってルナナを担いだ。
「なっ何!? 何すんの!?」
「何って、逃げるんですよ!」
「そうだぜっ! 命あっての物種ってやつですよ!」
二人はそのままルナナを担いで戒めの地に出ようとした瞬間。
マアモンは悪意をこもった禍々しい球をブロッゲンに向けて放った!
それによって、ブロッゲンは球に当たって倒れてしまう…………!
それに伴い、ブロッゲンの杖は吹き飛ばされてしまった!
「ああっ!
ブロッゲンさまの杖さまがっ…………!!」
「キャー! ブロッゲンさまー!」
「うぬぅっ…………!!
万事……休す…………か…………!」
絶対絶命の中、誰もが死を確信したその時だった……。
「何をやっとんじゃ!?」
「……っ!!」
ブロッゲンの元に近づいてきた人物、それはヒュンケルだった。
満身創痍の身でありながら、剣一本を片手に持っていたのだ。
「ええっ!?
なんできたの!?」
「決まっているだろう……」
ダイを探しにきて
ヒュンケルは剣を逆手に持ち、己が全闘気を溜めて纏わせる!
アバン先生……
俺に、チカラを貸してくれ!!
ヒュンケルがかつて、戒めに決めたことがあった。
それは
それはかつて、当時「不死騎団」を率いていた頃
ダイたちと敵対していた頃のことだった。
その経緯で、かつて三大剣術奥義を極めたが
ヒュンケルはその技を使わないと誓ったのだ。
しかし、今は違う。
もし、この戦況でダイとアバンはこう言うに違いないと……!
そして、ヒュンケルはその奥義を放った!!
俺の最後のチカラを!!
ダイ! アバン先生!
これが、俺の……!!!!
アバンストラッシュだぁっ!!!!
強大な闘気を纏った剣は、斬撃を形作り
マアモンを切り裂いた!!!!
マアモンは姿形を残さずに、ヒュンケルの「アバンストラッシュ」の前に散った…………!!!
はずだった!!!!
「…………っ!!!」
「そんな……バカな…………!!!」
「嘘じゃろ……あの奥義は確か……!!」
ヒュンケルも、ラーハルトも、バギ(ゲンゴロウ)も……
そしてブロッゲン達は絶望に落ちた……。
ヒュンケルの最大奥義を持ってしても、マアモンは再生したのだ……!!
ヒュンケルは、力の全てを使い切ってしまった……
それを体現するかのように、手を握った剣はスルリと落ちた。
そして、身体は倒れ込んでしまった。
「ヒュンケルっ!!!!!!!!」
「兄貴ぃっ!!!!!!!!!!」
二人はなりふり構わずに、倒れたヒュンケルの元に駆けった!!
ポップ……
マァム……
レオナ姫……
クロコダイン……
アバン先生……
許してくれ、俺はここまでのようだ……!
せめて、お前達だけでも……
ダイを……!
身体中の痛みを感じない……
身体の力が入らない……
俺は……ここで死ぬのか……
ヒュンケルはそう思ったその時だった。
(っ!?)
生きろ、ヒュンケル!
お前はここで死ぬ男ではない!
不死身の男と呼ばれたお前の底力は、そんなものではないはずだ!!
(誰だっ!?)
ヒュンケルの脳裏から声がしたその時だった……。
「こ…………この気配は…………!
まっまさか…………!?」
不思議なことが起こった…………。
ヒュンケル回完了
ここだけの話、「アバンストラッシュ・ヒュンケルver」はこの回だけです。
次回、賢者姫ことレオナ姫
占い師メルルと一緒にプクリポ達と出会います!