DRAGON QUEST 竜の騎士と神々の世界   作:梟帥

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レオナ姫回。
占い師メルルと一緒にいますが、プクリポ達の芸人魂に度肝を抜かれます。


プクレットの村

?????? レオナ語り

 ダイ君は異世界(アストルティア)にいる……! 

 それを聞いた瞬間、みんなは驚きと喜びに溢れていたわ

 ポップ君達も、先生達も……。

 私もその「アストルティア」と言う世界に行くと言った時、みんなは反対されたのよ? 

 でもね? 私だってもうお姫様として待つよりも、「アバンの使徒」としてダイ君を探しに行くと決めたんだから。

 そう言ったら、バダックさんとエイミさん……

 そしたらノヴァ君までも行くって言ってきたのよ! 

 そうなってもうどんちゃん騒ぎ! 

 みんなの気持ちはわからないわけじゃないけど……、でもそんなみんなをアバン先生の案で決まったの! 

「それでしたら、私と一緒に行くと言うのは?」

 そう言ったら、みんな大賛成!! 

 アバン先生は「魔界」と言う世界に行くために

 マトリフさんとビーストくん(ブロギーナ)

 そして、ロン・ベルクさんと一緒に行くことになったの! 

 バダックさんもエイミ、そしてノヴァ君もそれに賛成したの。

 こうして、アストルティアに行くことになったのは私たち「アバンの使徒」とメルル・ラーハルト・チウ・ヒム。

 魔界にはアバン先生をリーダーに、マトリフさんとビーストくん(ブロギーナ)とロン・ベルクさんの「魔界探検隊」(アバン先生名称)を結成。

 隊員には、バダックさんとエイミさんとノヴァ君の三人。

 先生曰く「二手に分かれて探せば見つかりやすくなれる」とのこと。

 それでは! いざ、アストルティアへっ!! 

 アストルティアに向かって期待と決意を胸に抱き、アストルティアに着くその時だったの! 

 突然、()()()()()()が襲いかかってきたの! 

 私たちは応戦するものの、物量押しで襲ってくるから勝てるはずもなく、私たちは散り散りになってしまったの。

 幸い、メルルと一緒にいたおかげでここがどこなのかはわかるかなと思っていた……。

 でも、現実は甘くなかった

 私たちが落ちた場所は真紫の霧が立ち込めて魔物(モンスター)がいっぱいいたのよ! 

 確かに私は魔法は使えます、でもね? 

 メルルだって幸い戦える力はある程度備わっているけど……。

 だからってこんな場所に落っこちるなんて思わないわよ!! 

 早くここから逃げようとすると、行商人さんと出会えたの! 運良く出会えたことでここを逃げ出せたの! 

 でも、ここからが本当の冒険の始まりだったなんて、当の私は思いもしなかったわ…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???? ・馬車内

 

「いやぁ、あなたたちも災難でしたねぇ

 まさかあなた方のような旅人さんが「けがれの谷」に迷子になるなんてねぇ……」

「いえ、私たちもこの地に訪れるのは初めてでしたから……」

 

 レオナ達は運良く行商人と出会い、「けがれの谷」から脱出できたのだ。

「棺」と一緒に……。

 

「にしても、あんたは運が悪かったなぁ……」

 

 行商人は棺に目を向ける。

 

「旅人さん、そう気を落とさないで……

 仮に間にあえたとしても、助かる見込みはありませんよ?」

「…………」

「まだ、若いっていうのに。

 かわいそうに…………かわいそうになあ。

 せめて、あたしがあんたのなきがらを

 故郷にまで連れて帰ってあげるからね?」

「あの……?」

「ん? なんだい、旅人さん?」

「ここは、どこなんですか?」

「えっ? どこって、ここは「プクランド大陸」だけど……? 

 旅人さん、ご存知でなくて?」

「え? ええっと……旅に出て初めてですから……!」

 

(レオナさん……(……;))

 

「初めてねぇ……? 

 にしても初めてにしてはなんだって()()()()()()()んですか? 

 幾ら初心者とは言えあそこは危険だって話題な場所ですよ?」

「あ〜、それは……」

 

 雑談混じりの最中、()()()()()()()()()()()()()()

 棺の揺れと同時に、荒れた道に通って馬車が揺れる。

 

「うわっ! 相変わらずひどい道だなあ。

 これじゃあ、馬車が壊れちまうよ」

「ええっと、そういえば……

 これから何処に行かれるのですか?」

「何処って、その棺の中の人の、故郷ですよっ!」

「故郷???」

 

 その時、目の前には大きなアーチ状をした草木の門が見えた。

 飾っている看板には「プクレットの村」と書かれていた。

 

「ほら、見えてきたよ。

 あんたの故郷

プッ、プク…………プクッ……………………! …………プクレットの村だよっ!!!」

 

 揺れが激しくなったその時、棺のふたが取れた。

 

 

その時

 不思議なことが起こった

 

 

 棺の中の遺体が起き上がったのだ! 

 

 その瞬間を三人は見た。

 

 

「あれ? 

 ここどこなの?」

 

 

「ぎゃ──────ーっ!!」

「きゃあああああっ!!?」

 

 

 三人は、盛大に驚いた……。

 その絶叫悲鳴は平原一帯を響き渡ったという…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プクッレットの村

 

 村にたどり着いた一同は、驚きを隠せなかった。

 死んだはずの人間……もといプクリポが蘇るはずがないと。

 レオナとメルルは、手や頭を触っての繰り返した

 蘇ってることは確かなようだ…………。

 だが、二人の脳裏に「?」が詰まっていたのだ。

 

「おっかしいなあー? 

 この人、確かに死んでたんですよ?」

「やだなあ、ティルツキンさん。

「アベリア」はちゃーんと生きてるじゃん」

「でもね、あたし達がアベリアさんを見つけた時は

 心臓は止まってたし、息もしてなかった…………! 

 ありゃあ、()()()()()()()()()()や誰が見たって死んでました。

 この上なくカンペキに死んでたのに、なんで生きてるんですか!?」

「そうよ! 私たちもあの時にいたのよ!!」

「本当よっ! 

 レオナさんのザオラルを使っても蘇生はできない状態だったのよっ! 

 それがなんで!?」

 

 三人が死んだことを訴えても、プクリポ達は笑っていた。

 

「あはは。

 まんまとだまされたね! 

 ティルツキンさんやお姉ちゃん達は知らないだろうけど

 アベリアはこの村いちばんの役者だよ。

 ウケるためだったら、死んだフリくらい

 かんたんにできちゃうのさ!」

「けど、アベリア。

 生き返るタイミングがちょっと早かったんじゃないか? 

 村に着いてからのが、ギャラリーが多いだろ?」

「まあまあ、魔物がうろつく恐ろしい場所で

 誰かが通りかかるまでずっと死んだフリをしてたんだし。

 ティルツキンさんと別嬪シスター達にはウケたんだから

 それでいいじゃない?」

「まあなー。

 村の中ならともかく、魔物が出る場所を選ぶあたりが

 アベリアのすごいところだよな」

「死んだフリねえ…………。

 私には、死体に突然

()()()()宿()()()ようにも思えましたが…………」

 

 死んだはずのプクリポが蘇ったことよりも、

 レオナとメルルは、プクリポ達の陽気なところに驚いていた。

 

「ともかく、プクリポの皆さんの芸にかける根性にはつくづくおそれいります。とほほ…………

 さてと……それじゃ、あたしは商売がありますんで、このへんで失礼しますよ。

 では皆さん、また来ますね!」

 

 そう言って、ティルツキンはプクレットの村を後にした……。

 プクリポ達は手を振って見送った、しかしその中には()()()()()()()()()()()()()()()()()がいたことに、二人は気づいた……。

 

「あー、面白かった! 

 ティルツキンさんのあの顔ってば! 

 おつかれっ アベリア!」

「それじゃあな、アベリア!」

 村の人たちは、解散した

 そんな時、一人のプクリポはアベリア(フッキー)を見てその場を去るように走った。

 

 レオナとメルルは、プクリポ達に囲まれていた……。

 わちゃわちゃとからその姿に愛嬌を感じ、レオナはすぐに馴染んだ。

 

「スッゲーっ!! 

 いろんな魔法が使えるんだ!」

「ねーねーねー! 

 君たちはどこから来たの?」

「ほっほー! 

 これまた綺麗なチャンネーじゃのう! 

 こんなの巡り会えるなんて、

 ラッキークッキー「「八代亜紀」」言うなっ!」

「あっあの……レオナさん! 

 今はこんなことを……してる場合……じゃないのに!」

 

 メルルはプクリポ達に囲まれて身動きが取れない状態だった……。

 対しレオナはプクリポ達に囲まれながらも余裕な姿勢であった。

 

「何言ってるのよ、こんなに可愛い子たちがたくさん囲まれたらどうしようもないじゃない♡」

「レオナさん……! 

 言ってることとしてることとが矛盾してますよ!」

 

 レオナはプクリポを抱き抱えていた、周囲のプクリポは幼稚園の子供達のように群がっていた。

 その時、抱き抱えられていたプクリポはレオナの胸を触った。

 

「あぁん♡

 ちょっと? エッチなことはだめよ♡」

「えぇ〜? 

 こんな大きいのに抱かれたらお触りしたくなっちゃうじゃない?」

「もう……♡

 そんなこと言われたら

 恥ずかしいじゃない♡」

 そんなイチャイチャな空気を出してる時だった……。

「ああっ! ()()()()()()ずるい!!」

「…………えっ?」

「ぬはっ! こりゃ孫よ! 

 お姉ちゃんの前にお祖父ちゃんは禁句じゃろうが!」

「……(……;)

 ところで……ボク?」

「ん? なぁに?」

「いくつなの?」

「ボクね、8こ!」

「+62+5歳だよ?」

 

 ∑(゚Д゚)←byレオナ

 ∑(゚Д゚)←byメルル

 

 二人は気づいたのだ……

 周りにいるプクリポの中には7()0()()()()()()()が紛れていることに……! 

 しかし、気づいた時には既に手遅れだった…………。

 

(嫌ぁぁぁぁぁぁ!!!)

 

 レオナ、人生初のセクハラであった……。

 そしてメルルはプクリポ達のスケベ心を警戒するようになったきっかけでもあった……。

 

 

 

 

 

 一方、アベリア(フッキー)は自分のことを尋ねまわっていた。

 

(僕は確か、病気になって死んだんだよね? 

 ……父さん、母さん……。

 大丈夫かなぁ……)

 

 村の一人は、かつて自身の相方である「ピリッポ」のことを知る。

 そして、アベリア(フッキー)はピリッポの家に赴いた……。

 

「よおっ! アベリア! 

 聞いたぜ聞いたぜ!! 

 とうとう、世界にはばたくんだな!」

「えっ? なんのこと?」

「なんのことってお前

 プクレットの村で、やり残したことをやったら

 都会へ出て、自分のチカラを試すんだって

 言ってたじゃないか!」

「僕が?」

「そうだよ! ティルツキンさんを、ドッキリでおどかす…………ってのが、そのやり残したことなんだろ?」

「いや、それもうしてるから……」

「えっ? ちがうの? 

 じゃあ、他に何がしたかったんだ? 

 もうこんな田舎の村に、未練はないだろ? 

 プクレットの村のアベリアといえば、プクレットの村で行われる「最強面白野郎大会」で、演芸グランプリで3回連続優勝した伝説のプクリポだって、みんな知ってるぜ」

「伝説!? 僕が!?」

「そうだよ、何驚いてんだよ? 

 もと相方のオレが保証する。

 今のお前なら、都会でも通用するさ! 

 面白プクリポとして、世界にはばたく時だ!」

 

(なんか、すごい話になってきてる……!?)

 

「って…………そういえば、ずいぶん荷物が少ないな? 

 まさかお前、()()()()()()()()()()()()()()()()だろうな?」

「…………えっ?」

 

 アベリア(フッキー)とピリッポは、荷物を調べた…………。

 

「おいおい…………!? 

 ルーラストーンどころか、オレにせんべつにあげた「ネタ帖」も、何もかも持ってないじゃないか!」

「ええっ! どうしよう!?」

「…………こりゃあ、まずいぞ。

 ひとまず大急ぎで村長さんに相談したほうがいいぜ! 

 プクレットの村から旅立ちゅ…………

 おっと、かんじまった、

 プクレットの村から旅立つのは

 その後に…………」

 

「ダメだよ!!」

 

「!」「んっ?」

 

 家から入ってきたのは、「プディン」というプクリポの子供だった。

 

「なんだ? このチビすけ…………

 ええと、たしか……プディンだっけ?」

「ダメ! 絶対ダメ! 

 もう村の外へは行っちゃダメだよ!! 

()()()()()()なんて、もういいから! 

 だって……だって……」

 

(約束……?)

 

「おいおい、アベリア? 

 お前、このプディンと()()()()()()のか?」

「えっ?」

「……………………アベリアさん? 

 もしかして、覚えてないの…………? 

 そんな、どうして…………

 うっ……うっ……」

 

うぇえええーん!! 

 

「うわっ! 泣くなよ。も〜」

「あっあっ、待って!? 一体どうしたの!?」

「アベリア、こいつはオレが泣きやませとくから

 お前は、ルーラストーンのことを報告にいけよ? 

 村長さんの家は、赤い屋根の家だからな?」

「うっうん、ありがと……(汗)」

 

 ピリッポの家を出たその時、家の前にレオナとメルルがいた。

 

「あっ!」

「あの、ごめんなさい……

 入りづらいタイミングだったから……」

「それより、あなたはこれからどこへ?」

「えっと、村長さんのお家に……」

「そう、だったら私も行くわ!」

「……えっ!?」

「ええっ!?」

「ちょっと、話し声が聞こえていてね? 

 ルーラストーン? とかどうこう話してたらしいね?」

「うっうん……、それが無くしちゃったから

 そのことを言いに行こうとね?」

「それなら、チカラを貸すわ! 

 無くしたのなら、探せば見つかるよ!」

「あっありがとう……、お姉ちゃん……」

 

 なんだかんだと言って、実を言うと()()()()()()の為のボディーガードという名目で仲間が欲しかったレオナであった……。

 当のメルルは、「気持ちはわかるけど、他にもやり方が」と感じて思っていたとのこと……。

 

 こうして、アベリア(フッキー)はレオナとメルルと一緒に村長の家に来た。

 

「来たな! アベリアよ。

 話は聞いておる! 

 村から旅立つお前に、せんべつとしてわが秘伝の一発芸を…………!」

 

 一発芸を始めようとする村長。

 それをアベリア(フッキー)は待ったをかける

 

「………………む? どうした? 浮かぬ顔じゃな。

 何があったのか、話してみなさい?」

「あの、実は…………」

 

 アベリア(フッキー)は、プックレイ村長に

 ルーラストーンを、なくしてしまったことを報告した。

 

「なっなんじゃと! 

 ルーラストーンをなくしたじゃと!?」

「…………いやいや、だまされんぞ。

 ルーラストーンをなくしたと言えば、わしがおどろくと思ったのじゃろう? 

 かっかっか! その手はくわぬぞっ!」

 

 三人は、ジトーっと村長を睨みつける。

 

「…………なんじゃ? その冷ややかな目は? 

 もしや…………!? 

 本当になくしてしまったのかっ!?」

「はい」「そうなんです」

「本当なんです!」

「………………

 ふむ、困ったことになったのう…………。

 ルーラストーンとは、世界を旅する者にとって

 命づなとなる、大切な物じゃ。

 ルーラストーンなしに旅するのは

 あまりにも危険すぎる。

 なんとかして、探しださねばならんぞ」

「でも、探すったって……」

「そう、探そうにも

 何か、手がかりがないことには…………」

「探すにしても、アテがないと難しいわね?」

「そうですね……仮にも私の占いでしても見つかるとは限りません……例え()()様みたいな方がおられたら……!」

「ふぅむ、賢者か…………むっ!? 

 そうじゃ! それじゃ!!」

「えっ?」

「エイドスじゃ!」

「「「エイドス???」」」

「賢者エイドスに頼んでみれば、

 アベリアがなくしたルーラストーンのありかを、教えてくれるかもしれん!」

「あっあのう……?」

「おっと、エイドスというのは人間の賢者でな…………。

 この世に起きるすべての物事を知っているとウワサされておる人物じゃ。

 エイドスが住んでいる、「賢者の隠れ家」は

 村を出て、街道を西に進み

「ポーポラ地方」の橋を渡っていると、見えてくるはずじゃ。

 道中は、魔物(モンスター)も出る。

 くれぐれも、気をつけて行くんじゃぞ!」

「はーい!」

「…………さて、真面目(シリアス)なところはここまでじゃな? 

 そろそろ次の話をしようかの…………アベリアよ?」

「えっ?」

「質問しても良いかな?」

 

 

 

「そちらの二人組の美人ちゃんは誰じゃ!?」

 

 

 

「ええっ!?」

 レオナとメルルの方に顔を向け、二人のことを紹介するアベリア(フッキー)。

「えっと、この二人は……」

「私はレオナ、旅人なんですけど……(苦笑)」

「同じくメルルと申します、新人占い師です……(苦笑)」

「んなっ!?」

 

 村長の衝撃は、頭上に落雷に当たるかのように走った!! 

 

「なっ……」

「「「なっ?」」」

「なっ!!」

 

 

 

「ナイスバディっではないかっ──────!!!!」

 ずこっ────ー!!! by三人

 

 

 

「なんっと素晴らしい!! 

 これほどの美貌(プロポーション)を持った女性(レディ)は、オーガやウェディにも匹敵する!! 

 巨乳(ボンっ)! 細腰(キュっ)! 美尻(ボンっ)のっ! 

 ツインモッコリちゃんたちじゃあっ!!!!」

 

 

スパンっ!! 

 

 

 飛びがかりをしてきた村長を叩き落とすために用意した巨大なハリセンが、レオナの手に持っていた……。

「っていうか、それどこから出してきたの?」

「あっ!! ごめんなさい!! 

 そんなつもりはなかったの…………!」

「いや誰だって、そんなセクハラされたらツッコミ入るから(汗)

 あとハリセンどこから出してきたのかは放っておこう…………(汗)」

「よっ良いのじゃ…………なかなかのキレのあるツッコミであったぞ?」(ポロリガン見)

「村長さん……?」

「おおっと!? 

 何にもしてないよ!? 

 じゃが見たところ、お主らは……」

「っ!」「っ!?」

「そんな美貌(プロポーション)を持ってるのに、活用しないの勿体無いっちゅーのっ!!」

「余計なお世話です! (赤面)」「もうっ! 何考えてるのよ! (赤面)」

 

 アベリア(フッキー)は思った……。

 

ネタが古すぎるのと流行語についてこれないと……! 

 

 

 

 

 

 

 

 村長にからかわれてから、街道のモンスターと戦いながら移動していた。

 レオナは攻撃魔法と回復魔法が使え、メルルは敵がどう攻めてくるかを的確に二人に指示していた。

 アベリア(フッキー)は、短剣を持って魔法で戦っていた。

 

 

 そんなこんなで、三人は「賢者の隠れ家」にたどり着いた。

 

 

「やっとついたね……?」

「ここが賢者さまの……?」

 

 周囲を見渡し、そこ人影がなかった……。

 ところが、()()()()が貼られていた奥に声が聞こえたのだ……。

 

「何かしら、これ?」

「僕ならギリギリ入れそう見たいだけど……行ってみるねっ!」

「あっ!」

 

 結界の隙間から入り込み、声のする方に向かったアベリア(フッキー)は、驚くものを目の当たりにする! 

 崖下には禍々しく、紫色の煙のようなものが立ち込めていた、

 そしてそこには一人の老人が立っていたのだ! 

 

「やれやれ、この老いぼれの手いつまでもをわずらわせおって…………。

 じゃが、この………………を地上へ出せば、()()()()()()()

 今ひとたび、封印させてもらうぞ!!」

 

 老人の両手はひかり、魔法陣を展開した。

 その魔法陣から放たれた光は、紫色の煙をかき消したのであった。

 

「フゥ………………、骨が折れるわい。

 まったく、いつまでもキリのない…………、

 ………………?」

 

 老人は、一人のプクリポの気配に気づき

 その視線に向けた。

 そこにはアベリア(フッキー)が立っていた。

 

 

「そこで何をしている!! 

 いたずらプクリポめがっ!! 

 この賢者エイドスのほこらに、勝手に入るなと

 何度言えばわかるのじゃ!!」

「あっあの! 

 ごめんなさい!!」

 

 アベリア(フッキー)は、エイドスに連れられて

 その場を離れた…………。

 

 結界前までに戻り、エイドスは結界を掛け直した。

 

「…………まったく! なりが小さいからといって

 スキマとみれば、首をつっこむ! 

 プクリポはネズミと同じじゃ! 

 よいか!? 

 あの結界の向こう側には…………、

 お前たちプクリポのアタマでは考えが及ばぬ、()()()()()()が封印されておるのだ。

 災いは、触れた物すべてを滅ぼす。

 草木は枯れ、岩は崩れさり、水は腐り…………

 生き物も、皆…………、?????」

 

 エイドスは、目の前プクリポの()()()に気づく。

 

「お前は、先ほど洞くつに入り込み

 あの大いなる災いがふきだす

 ただなかを、歩いてきたはずじゃな…………? 

 しかし、お前はこうして生きておる。

 ふうむ…………とすれば、つまり…………

 まさか、()()()なのか?」

「????」

 

 レオナとメルルは、エイドスの話についてこれなかったが

()()()()()()()を話していることはわかっていた。

 

「よかろう! 先ほどの無礼は、忘れよう。

 こんな人里離れた隠れ家まで、はるばるんしを訪ねてきたのだ。

 何か、頼みごとがあるのじゃろう? 

 話してみるといい、この賢者エイドス

 お前のチカラになってやろう。

 それと、そこの二人もな?」

 

 三人は、ここにきた理由を話した

 アベリア(フッキー)は、自身のルーラストーンのことを話し

 レオナとメルルは、自己紹介をして

 自身の旅の目的を話した。

 

「ふむ…………、

 まずは、アベリア

 お前はルーラストーンをなくしてしまったが、

 どこにいったのか、まったくわからない……

 それを、わしに探してほしい…………と?」

「はい、そうなんです」

「次に、レオナとメルル

 お前たちは仲間を探す旅の最中に、仲間たちと離れ離れになってしまった、その仲間の行方をわしに探してほしいとな?」

「はい」

「そうなの、ここがどこなのかはまだ……」

「ふぅむ…………仲間の行方となれば、日数はかかるが

 しかし、アベリアの方ならなんとかなれる。

 確かに、ルーラストーンの行方を探らせるには、わしにかかれば何もかも、お見通しじゃ」

「えっ! 本当なの!」

「まあまて、仮にどこにあるのかをわかったとしても

 それを取り戻すためには、お前は()()を乗り越えねばならぬようじゃな。

 さあ、じっとしていなさい。

 わしが、まじないをかけてやろう……」

 

 エイドスは、アベリア(フッキー)の記憶を媒介し

 まじないをかける。

 

「お前から、ルーラストーンをうばい…………

 すべてをうばった者は

 暗闇にひそみ、めったに姿を現さぬ。

 じゃが、このまじないをかければ…………

()()は、わしの魔法におびきよせられ

 必ず姿を現すはずじゃ。

 その時こそ、やつを倒すのだ。

 さすれば、すべては動きだすじゃろう…………」

 

(アベリア君の記憶を奪ったやつ……?)

(それって、もしかして……?)

 

「うむ、これでよい……

 アベリアよ、お前にはプディンという

 子供の知り合いが、おるであろう?」

「プディン?」

「それって、村にいる?」

「ふむ、村にいる子供なのか? 

 では、今一度プクレットの村に戻り

 プディンという子供に会うがよい。

 その子が、すべての謎を解く

 カギになるであろう」

「うん……」

 

 アベリア(フッキー)は、プクレットの村に戻った。

 しかし、レオナとメルルは表情が少し暗いものになっていた。

 

「むっ? どうしたのじゃ?」

「エイドスさん、実は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 プクレットの村に戻ったアベリア(フッキー)は、ピリッポの家に赴いた。

 

「グスッ……うっうっ」

「あぁ〜もう!!」

「ピリッポ!?」

「んっ? おおっ! アベリア!! 

 まいったよ、あんたが出かけてから

 ずーっと、あの調子なんだ。

 ちょっと、外の空気でも吸ってくる。

 あとはまかせたぜ! アベリア!」

「あっあのう……?」

「…………アベリアさん! 

 よかった、無事だったんだね! 

 ボク、すっごく心配したんだよ!」

 

 アベリア(フッキー)は、プディンに()()()()()()を訪ねた。

 その約束こそが、自身の謎を解くカギになることを教えられたことに……。

 

「…………えっ? 賢者エイドスに会ってきたの? 

 ボクが、()()()()()()になるはずだって言われたの? 

 なんのことだろう………………??? 

 っ! わっわかった! アベリアさんは、やっぱり()()()()()()()ために、そのために記憶をなくしたんだっ! 

 そんな……だって、ボクなんかのために…………! 

 う…………うぅ…………」

 

 

 

うわああああああああんっ! 

 

 プディンの泣き声は、村全体に響き渡った……。

 

 

「…………ボクが、ひとりで泣いてると

 いつも…………。

 アベリアさんが来て、いっぱいいっぱい

 面白いことを見せてくれたよね。

 でも、ボク…………けがれの谷にでる魔物に、()()()()()()()()()()()()()()()()…………悲しくて、笑えなくて。

 ボクが、ごめんなさいってあやまったら

 アベリアさん、ボクの頭をなでて

 こう言ってくれたよね……」

 

だいじょうぶだよ、プディン。

 村のチャンピオンは、村のみんなが

 笑って暮らせるようにするのが役目。

 村の仲間から、笑顔をうばうやつは

 チャンピオンの名にかけて…………

 

「…………それから、アベリアさんは

 ぼくのお父さんとお母さんのカタキを討ちに

 たったひとりで、けがれの谷へ…………。

 ………………

 そうか…………。

 たぶん、そこでアベリアさんは

 ルーラストーンもなくしてしまったんだね」

「そうだったのか……」

「…………ボクなんかのために。

 ねぇ! ルーラストーンが必要なら

 ボクが持ってるのをあげるよ!」

 

 

アベリア(フッキー)は、ルーラストーンを

 むりやり押しつけられた! 

 

「これがあれば、けがれの谷に行かなくても

 大丈夫だよね? カタキなんてもういいから。

 ボクなんかのために、命をかけないで! 

 どうせボクなんかきらわれ者なんだ! 

 村の仲間じゃないんだからっ! 

 ボクのことなんかほっといてよっ!!」

 

「ふやけるなーッ!」

 

 外から突然、ピリッポが現れた! 

 ケーキを持ちながら現れたのだ! 

 

「しびれくらげ先生が、今のお前が見たら

 情けなくて、マヒしちまうぞっ!?」

「し しびれフヤケ先生…………?」

「しびれフヤケティーチャーじゃねえ! 

 しびれくらげ先生だっ!!」

 

 そして、勢いよくケーキを投げた!! 

 

「ごっごめんなさいっ!」

「そりゃ、お前は泣き虫でベソかきで

 ぐずりまくりでメソメソしたガキだっ! 

 ベイビーだよ! キッズだよ! チャイルドだよ! 

 でもなあ!! 

 泣きたい時は、泣いていいんだ! 

 泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて!! 

 泣くのにあきたら! 

 オレや! アベリアや! 村のみんなが! 

 必殺の一発芸で! 

 プディン! お前を笑わしゅてやるっ! 

 みんな、お前のことを心配してるんだぜ! 

 さっきだってな、お前に食べさせてくれって

 あのおんなのこがあ、アクロバットケーキを…………

 ……って、やべぇっ!? 

 せっかくのケーキが!」

 

 投げつけた先には、崩れてしまったケーキがあった。

 

(あ〜あ……(汗))

 

「ごめんなさい、ピリッポさん

 アベリアさん。

 ありがとう…………」

 

 ケーキの方はともかく、アベリア(フッキー)はピリッポに()()()()()ことを伝えた……。

 

「…………そうか、アベリアが

 村を出る前に、やりたいことってのは

 けがれの大ちゃんを倒すことだったのか……

 村のチャンピオンの名にかけて

 プディンに笑顔を取り戻すために

 命を張るとは、お前らしいや。はははっ」

「でも、やっぱりあぶないよ…………!」

「こいつの頑固さは、もと相方のオレが保証するぜ! 

 止めたって無駄さ!」

「アベリアさん、この村から北の荒れ地…………けがれの谷のいちばん奥に、()()()()()()はいるんだ。

 アベリアさんのルーラストーンも、たぶんそこに…………! 

 おねがいだよ、アベリアさん。

 ボク、村で待ってるから! 

 絶対に生きて帰ってきてね、約束だよ!」

「待って!!」

「!?」

「あっ、レオナさん!?」

「あれ、知り合いなの……?」

「うん、そんなところかな?」

 

 アベリア(フッキー)は、ことの巻末をレオナ達に話した。

 

「そうだったのね……」

 

(レオナさん……やっぱり()()()()()()()()()()のね……)

 

「だったらなおさら、私たちも手伝うわ!!」

「えぇっ!?」

「れっレオナさん!?」

「だって、あなた一人よりも私たちも一緒に行けば大丈夫でしょ? 攻撃型と回復型の呪文を使いこなせれるからね?」

「でっでも相手はけがれの大蛇だよ!? 

 いくら三人でも勝てるかどうか……!」

「大丈夫よ! 

 だから私たちも行くのよ! 

 三人やれば何とやらでしょ!」

 

(それを言うなら文殊の知恵……(・_・;) )

 

 アベリア(フッキー)は、レオナ達と一緒にけがれの谷へと向かった。

(一応、村の教会でルーラストーンを登録を済ませた)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

けがれの谷

 

 けがれの谷へと来た三人は、道中のモンスターと戦いながら谷の奥地へと向かっていった。

 

「また、ここに来るなんてね……!」

「ええ、一時はどうなるかとか思っていましたわ……」

 

 実は、二人はこの世界に来て初めてここに落ちたのだ。

 幸い奥地に離れていて、ここを出ようと奮闘していたのだ

 だが、道に迷っている最中にティルツキンと出会ったことで難を逃れたのだ……。

 

 しかし、この出会いには続きがあったのだ…………。

 

「はぁ……はぁ……

 もうすぐ奥地だ、大丈夫?」

「大丈夫よ、私たちも一緒だからね?」

「ええっ、()()()()()()がついてるから大丈夫よ?」

「???????」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 けがれの谷の奥地は、プクレットの人たちから「大蛇の巣」と呼ばれており、そこに踏み入れた者達はけがれの大蛇に食い殺されることで有名だ。

 アベリア(フッキー)達は、ようやく目的地へと辿り着いたのであった。

 

 

ずずずずっ…………

 

 

 突然、周囲が揺れ始めた。

 

「なっなんだ!?」

「きゃあ!?」

「……っ!!!」

 

 三人の目の前にある亀裂が入った穴から()()()()()が現れた!!!!! 

 

「うわあぁぁぁぁ!!」

「きゃああああっ!!?」

 

 大蛇の口から三匹のモンスターが現れた!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やみわらし×3匹が現れた!! 

 

「なっ何あれ!? あれがけがれの大蛇!?」

「レオナさん! 今は目の前のモンスターを!!」

「二人とも! 魔法は使えるよね? 

 僕がひきつけるから魔法で援護して!!」

 

 アベリア(フッキー)は、やみわらしを引きつけるために前に出る。

 それにつれられるように、やみわらし達はアベリア(フッキー)に釘付けになった! 

 

 その隙を乗じて、レオナは魔法を唱えた!! 

 

「ヒャダルコ!!」

 

 やみわらしはレオナのヒャダルコを受けた! 

 ヒャダルコの範囲攻撃によって効果はてきめんだ! 

 しかし、一体のやみわらしがレオナに目をつけた!! 

 

「!!」

 

 一体のやみわらしは、レオナに襲いかかった!! 

 

「危ない!!」

 

 メルルは短杖を振るい、レオナを守った! 

 

「大丈夫!?」

「ええっ、ありがとう!」

 

 3匹のやみわらしは、アベリア(フッキー)達を目をつけて構える。

 3対3の戦いを展開し、三人は武器を構える。

 アベリア(フッキー)は短剣を構え、

 レオナはパプニカのナイフを構え、

 メルルは短杖を構えた。

 

「来るわ!」

 

 やみわらしは一斉に襲い掛かって来た! 

 しかし、三人はその攻撃を難なく避ける! 

 

「こいつらの攻撃、()()()()()()()()()! 

 力を合わせたら勝てる!!」

「そうみたいね! 

 これなら勝てるわ!!」

 

 二人は意気揚々と戦い、善戦していた。

 

(レオナさん……、やっぱり()()()()()()を……)

 

 しかし、メルルは浮かない表情をしていたのだ。

 戦いはこちらが有利、しかしメルルは()()()()()()で心を痛ませていたのだ。

 

「すごいわね、あなた以外と身体能力あるのね?」

「レオナさんだって、武器を使い方がすごくいいよ!」

「ふたりとも、油断はしないで!」

 

 やみわらしは、口から毒液を吐き出した! 

 

「うわあっ!」

 

 アベリア(フッキー)は、毒液攻撃を盾で防ぐ。

 

「危なかった……っ!?」

 

 アベリア(フッキー)の視界が急にぼやけた。

 毒に感染してしまった、体力が徐々に削れていった。

 

「アベリアっ!?」

 

 アベリア(フッキー)の毒やられになってることに気づき、「キアリー」をかける。

 

「ありがとう!」

「どういたしまして、って言う暇はないみたい!」

 

 やみわらしは攻撃を仕掛けた、しかし難なく攻撃を防いだ。

 

「くっ、このままだと倒せっこない……!」

 

 どうしたらいいのか、どうやったら倒せるのか? 

 アベリア(フッキー)は、どうしたら倒せるのかを考えていた……。

 そして…………アベリア(フッキー)は()()()! 

 

(そうだ! 

()()()()なら!)

 

「レオナさん! 

 お願いがあるんだ!」

「何っ!? 

 お願いって?」

「魔法力を()()()()()? 

 溜められたら「ヒャド」の呪文を使って欲しいんだ!」

「ええっ? 

 わっわかったわ!」

 

 レオナはヒャドの呪文を唱えると、その魔法力を溜め始めた。

 

「魔法力を溜めるって……長時間溜め続けたら暴発しちゃうわ!」

「大丈夫っ! 

 そのためにはそれくらいやらないとダメなんだ!」

 メルルは、アベリア(フッキー)の考えについてこれなかったが

 しかし、彼の作戦に信じるしかなかった。

 

 やみわらしとの攻防を一進一退を繰り広げる中、レオナはヒャドの魔法力を溜めていた。

 アベリア(フッキー)の何らかの作戦かと感じ、それに乗じた。

 アベリア(フッキー)はやみわらしをひきつけていた、メルルはレオナとアベリア(フッキー)をサポートに徹していた。

 

(何を考えてるのかしら……? 

 あの子なりに、何か作戦を立ててるのかしら?)

 

 レオナは魔法力を溜めていた、アベリア(フッキー)の指示に従うも半信半疑であった。

 現段階の魔法力はあと少しで最大になるが、暴発手前で魔法を放てばその威力は相当なものになる。

 そんな彼は、その魔法力が必要としてるらしい。

 

「アベリア君! 

 これ以上戦い続けると持たないわ! 

 何とかならないんですか!?」

「待ってて!! 

 僕もメラの魔法を溜めたいけど、あの3匹が()()()()()()ところで撃たないと勝てないんだ!! 

 一気に倒すにはそうするしかないって考えてるんだ!!」

 

 やみわらしの表情に疲れの兆しが現れていた、その瞬間をアベリア(ふっきー)は見逃さなかった。

 

(疲れ始めてきた? 

 ……だったらあと一息!!)

 

「メルルさん!」

「何!?」

「僕これからメラの魔法を溜めるから、メルルさん的にはきついかもしれないけど! 

 引きつけて!!」

「えええっ!?」

 

 アベリア(フッキー)の無茶振りを出されたメルルは驚愕していた。

 確かに身体能力に関しては自信があったが、やみわらしの陽動役に指名されたのだ!! 

 

「そんなっ!? いくらなんでもアレを引きつけるなんて!?」

「僕だってどうにかしたいけど、確実に勝つにはこうするしかないんだ!!」

 

 アベリア(フッキー)からの要望とは言えど、こここう言った役はクロコダイン・マァムと言った前衛的役割(ポジション)がするのが鉄則だ、しかしここにはアベリア(フッキー)・レオナ・メルルの3人しかいない。

 誰かがやらなければならない状況下だった。

 メルルは元いた世界に()()()()()()()()()()()の存在にいち早く気づき、王の短剣で一突きして炙り出した実績がある。

 身体能力を買っているからだろうか、アベリア(フッキー)はメルルに託されたのだ。

 

「……っ!」

 

 アベリア(フッキー)の溜めていたメラは、徐々に火力が上がっていたの感じた。

 

(もっと……あと少し……!!)

 

 火力と共に勢いが増しつつある火の球は、爆発寸前までに近づいていた。

 一方メルルは、長時間やみわらしを相手にして表情(かお)に疲労が出ていた。

 

「はぁ……はぁっ……!!」

(もうこれ以上はっ……!)

 

 疲労困憊、満身創痍に近い戦局

 メルルの体力が限界に近く、一斉攻撃に遭うと恐れ

 一進一退の攻防を繰り広げていた。

 膝がついてもおかしくない中、メルルはゆっくりと後退りをするその時だった。

 

「メルルさん!! 

 こっちに魔物を引きつけてください!! 

 今が大好機(ビッグチャンス)だっ!!」

 

 メルルはその声に反応し、アベリア(フッキー)とレオナの元へと向かう。

 それに連れられ、やみわらしはメルルを追う。

 

「レオナさん! 

 僕とあなたの魔法で、奴らにぶつけるんだ!」

「えっ!? 

 どっ同時に!?」

「そうっ! 

 奴らを倒すには僕のMAXメラとレオナのMAXヒャドをぶつけないと勝てないんだっ! 

 来るよっ!!」

 

 メルルは二人の間を通り抜けた、やみわらしは一斉に突撃してきた。

 

「今だっ!!」

 

 やみわらしの団体の中心に目掛けて、最大魔力(マックスパワー)のメラとヒャドは大爆発したっ!! 

 

 

 

 

やみわらしをやっつけた!! 

 

 

 

 

「やったぁっ!! 上手くいった!!!」

「なっ、なにが……!?」

「おこったの……!?」

 

 二人は突然の爆発に驚いていた

 メラとヒャドの合わせ技は「メドローア」と言う強力な呪文がある。

 しかし、これはメドローアではない

 

「ねぇ? 今のなにが起こったの?」

「ん?」

「あなたのメラと私のヒャド……

 あれがあんな大爆発が起きたのどうして?」

「簡単だよ、()()()()()だよ」

「「水蒸気爆発???」」

「高温高熱の物と火に水を注ぐと水の中の物質が熱反応起こして爆発する現象なんだ」

「えっと……それって?」

「まあ、要は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()をぶつけさせることで起きたんだ」

「っ! それって、一網打尽にさせるために?」

「へへっ、3匹まとめて倒すならあれぐらいの威力じゃないと勝てないと思ってね? 

 だから、レオナさんとメルルさんに無茶を頼んだんだけど…………、ごめんね、無理させて……」

「いいのよ、でも…………」

「??」

「……来るわっ!」

 

 周囲の空気の変化に気づき、アベリア(フッキー)達は身構える。

 亀裂の穴から大蛇が現れた!!!! 

 

「けがれの大蛇!!」

「っ!!」

「っ!?」

 

大蛇は3人を見つめていた

 そして、こう思った。

 ーこいつら、あの3匹を倒したのか? 

 ……んっ? 

()()()()()()は?? 

 それに、()()()()は……

 …………そうだ、()()()の! ー

 

 

 

大蛇の脳裏に、この三人の出会いを思い出した! 

 それは、()()()()()()()がかつて大蛇に挑んだことを……。

 

 

プクレットの村の仲間、プディンから

 親を奪い、笑顔をうばったけがれの大蛇っ!! 

 3年連続 演芸グランプリ チャンピオン! 

 このアベリアが、お前をたお…………

 

あの時、俺は確かに奴を殺した……

 だが、そいつは運が良かったか、虫の息の状態だった。

 とどめ刺して終わりになるところに……

 

待って!! 

 そっちは危険だわ!! 

 

そんな時だった、奥から女の声がしたんだ

 

…………っ!!! 

 

女は俺を睨んだ、目の前のプクリポを殺した大蛇(この俺)にな……! 

 女は呪文を唱えた、ヒャドの呪文を俺にぶつけやがった!! 

 流石の俺さまも冷えたらたまらないから、その場から逃げたんだ。

 最も、穴の奥からこっそりと聞き耳覗き見をしていたんでな? 

 その後のやりとりは嘲笑ったよ。

 

しっかりして!! 

 今助けるから!! 

 

無駄だよ? 

 ベホマだろうとザオリクだろうと

 俺さまの毒牙は一度傷をつけてしまえば

 その傷口から毒が回って心臓と脳は毒で溶けて死んでしまうのさ? 

 どれだけ治癒しても無駄なんだよ? 

 女の表情(かお)が徐々に青く冷めていき、そいつの死を悟った。

 それでも助けようなどと無駄なんだよ? 

 

 

……っ!! 

 早くそれを投げ捨てて!! 

 

毒牙にやられたメモ帳を投げ捨てた! 

 

ああ〜いやだいやだ。

 エイドスさまの命令じゃなきゃあ、こんなこわい所

 絶対に来ませんよ…………? 

 ええと、迷い込んだ旅人はいませんよね? 

 いないことにして…………

 

 

 

すみませんっ!!! 

 

うわぁっ!? 

 なっなんですか!? 

 

 

んっ? 誰だ? あの情けない男は? 

 

 

 

そんな……!? 

 

お気持ちは察しますが、もう手遅れですよ? 

 幾ら回復蘇生をしても、ここの大蛇の毒を受けたらあの世行きで有名なんですよ? 

 まだ若いってのに、かわいそうにな…………

 もうすこし あたしが早く来れば

 エイドスさまの魔よけのおかげで

 助かったかもしれないのに…………。

 運がなかったなぁ……

 

男はそう言い、プクリポの懐を探り出した

ふむふむ……? 

 けっこうな金持ちじゃないか? 

 ……ほほう、ルーラストーンも持ってるのか! 

 

ちょっと!? 

 それはやりすぎじゃないの!? 

 そうよ!! 

 そんなことしたら泥棒行為よ!? 

 

おお落ち着いて下さい!? 

 こいつは()()()()()なんですよ! 

 ルーラストーンの所有者が亡くなったり殺された場合、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()回収することになってるんですよ!? 

 

だろうな……

 ルーラストーン(あんな石ころ)が拾って使おうとするバカがやることは大体予想がつく

 

そうかそうか、きっとコイツは

 オルフェアの町で、名を上げるつもりだったんだね? 

 それが、こんなところで死んじまって…………

 さぞや無念だろう。

 でも、安心しなさい。

 お金とルーラストーンは、宿協会に寄付するからね? 

 だから、化けてでるんじゃないよ

 きっと、プクレットの村の人だろう。

 あたしが、あんたを

 故郷に連れてってあげるよ

 

 

そうだ……

 コイツらはあの時の!! 

 コイツは確かに殺した…………

 ……まさか、()()()は……? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 けがれの大蛇の登場によって、3人は絶体絶命の窮地に立たされていた。

 

 

みんな、ごめん……! 

 ポップ……

 マァム……

 ヒュンケル……

 クロコダイン……

 あなた達だけでも、ダイ君を……!! 

 

 アベリア(フッキー)は、固まっていた。

 眼前の仇敵を前に、恐怖していた

 レオナとメルルは、大蛇を前にしても

 目の輝きを失わなかった……

 

 

しかし、現実は非情であった……

けがれの大蛇は牙を立てて襲いかかってきた!!!!! 

 

 

「うわあぁぁぁぁぁぁっ!!!」

「きゃああああっ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………っ! 

 

 メルルは、感じ取った……。

 

(何か……くる!?)

 

 

 

 

 

 

 

 

その時

 不思議なことが起こったのだ……!! 

 

 




レオナ姫回完了。
ついに、物語が始まります!!
(じゃが、もうちょっと待っててね?
村に出るまでが序章だから)

p.s
この中にあるネタ全て、解りましたか?

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