DRAGON QUEST 竜の騎士と神々の世界   作:梟帥

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クロコダイン編完結。


黒のキーエンブレム

グレン城・城下町

 

 

 

 雲上湖から戻って来たクロコダインたち、しかし城下町は慌ただしい気配が立ち込めていた……。

 

 

 

「バグド王の容態が!?」

 

「声が大きい……!」

 

「ああっ、すまねぇ……

 

 でっ、どうなったんだ?」

 

「幸い頭痛で済んでいるが、高熱が長引いていてな……?」

 

「そうか……」

 

 

 

 一方、クロコダイン達は宿屋前にいた。

 

 

 

「さて、私はここでお暇するか……」

 

「エイドスどの?」

 

「会わなくていいのか?」

 

「なに、私はこれでも忙しくてな……。

 

 竜の騎士については追々報告しよう……」

 

「わかった……」

 

「エイドスさん、気をつけてね?」

 

「フフ……何、わしは大丈夫じゃ。

 

 早くバグド王の元へ行くのじゃ、それが今成すことじゃ」

 

「だな……」

 

「よしっ! 行くか!」

 

 

 

 賢者エイドスはグレン城を後にした……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グレン城・謁見の間

 

 

 

 城に入ったクロコダイン達、城内もまた慌ただしく雰囲気であった…………。

 

 

 

「なんだ……?」

 

「何か気まずそうな雰囲気だな……?」

 

「クロコダインさん!」

 

「ジダン!」

 

「エイドスさまから報せを受けております! 

 

「グロリスのしずく」は!?」

 

「ここにある!」

 

 

 

 クロコダインはジダン兵士長にグロリスのしずくが入ったレムルの聖杯を渡した! 

 

 

 

「これが、「グロリスのしずく」……! 

 

 これでバグド王を元に戻せる……」

 

 

 

 ジダン兵士長は配下の兵士たちにアイコンタクトを行った!! 

 

 

 

「みなさん、ありがとうございました! 

 

 王にこれを飲ませるのは、私たちの役目です。

 

 どうか、そこで見ていてください」

 

「わかった……!」

 

 

 

 ジダン兵士長はバグド王にグロリスのしずくを飲ませるために、足音を立てずに慎重に近づいた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふあ…………

 

 

 

 

 

「はくしょんっ!!!」

 

 

 

「……っ!!!!!」

 

「…………っ!!!!!!」

 

 

 

「…………あっ!!!」

 

 

 

「バカっ! なんて最悪のタイミングで!!」

 

「チウさん!?」

 

「ごっごめん!!!」

 

 

 

 その場にいた人たちは冷や汗をかいた……!! 

 

 

 

「ぐっ…………

 

 うう…………!!」

 

「しまった!!」

 

「やばっ!?」

 

 

 

 バグド王はチウのくしゃみに気づいたか、目が覚めてしまった!!! 

 

 

 

「貴様ら…………

 

 いったい、なんのマネだ…………!?」

 

「バグド王……!!」

 

「その汚らわしい水を、これ以上われに近づけたら…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

命はないぞ!! 

 

 

 

 」

 

 

 

「お許しください!! バグド王!!」

 

 

 

 聖杯を配下の者に手渡した……。

 

 実力行使にでたジダン兵士長は配下と共にバグド王を取り押さえにかかった!! 

 

 しかし、バグド王は兵士長達を一蹴した!! 

 

 負けじと兵士長は挑むも、返り討ちされてしまう。

 

 その隙を、一人の兵士がバグド王の足にしがみついた!! 

 

 しがみついて身動きを抑えられてしまい、その好機を突いた!! 

 

 捨て身のタックルでバグド王を抑え、あとを続くように配下の兵士も抑えつける!! 

 

 

 

「ぐおお! 貴様らぁ! 許さんぞっ!!!」

 

「ザンボア! 

 

 早く「グロリスのしずく」を王にっ!!!」

 

「はいっ!!」

 

「やめろ!! やめるんだぁ──ー!!! 

 

 ぐおおおおお!!!」

 

 

 

 グロリスのしずくはバグド王の口に注がれた!! 

 

 

 

「グァァァァァァァァァァァァァァァ!!! 

 

 ア…………アァァァァ…………」

 

 

 

 バグド王の身体から瘴気が消え去った!! 

 

 

 

「ハァハァ…………ハァ…………

 

 ゲホッ……ゲホッ……」

 

「バグド王!!!」

 

「………………? 

 

 チグリ大臣か…………

 

 われは、いったい……??」

 

「おお…………王よ…………。

 

 元に戻られたのですね!」

 

「おおっ!」

 

「やったぁ!!」

 

「ふぃ〜、一時はどうなるかと思ったぜ……」

 

「ホントだよ、あの場面でチウのくしゃみは驚いたよ……」

 

「ほんっとごめん、みんな……」

 

 

 

 クロコダイン達は和気藹々の中、バグド王は状況把握をしていた…………。

 

 

 

「信じられん…………

 

 あのひどい頭痛が消えておる……! 

 

 永遠に続くかと思われたあの頭痛が……!! 

 

 こんなすがすがしい気分になれる日が、また来ようとは…………。

 

 …………っ!!」

 

 

 

 その時、バグド王は首元を見た。

 

 

 

「ない! ネックレスが…………。

 

 誰か、われのネックレスを知らぬか?」

 

()()()()()???」

 

「何の話だ?」

 

「おそれながら、ご報告させていただきます。

 

 王はあの()()()()()()()()

 

 死のふちをさまよわれてたのです!」

 

「!?」

 

「なにっ!? 

 

 バカな! あのネックレスは()()()()()()()()()()()()()()のして贈られた品に入っていたのだぞ? 

 

 友好の証と見せかせて、呪いの品を送るなど

 

 そのような姑息なまねを、ガートラントがするはずがない!」

 

「ええ。私もそう思います。

 

 おそらくは、ガートラント以外の何者かが

 

 王のお命を狙ったのでしょう。

 

 …………あの忌まわしいネックレスは

 

 王の首から決して離れず、あやしい光をたたえ続けていました。

 

 神父や僧侶にもなすすべなく、ただ弱っていく王を見守ることしかできなかったある日…………()()()が来てくれたのです」

 

「あの方?」

 

「何……?」

 

「それは突然のことでした、とてつもなく大きな人間の女が現れました。

 

 それがその方は、あの賢者マリーンだったのです」

 

「なんと! 賢者マリーンだと!?」

 

「はい、賢者マリーンさまは仰いました。

 

「ウワサは聞いた。

 

 王を助けたいなら、黙って見ていろ」と、

 

 彼女が呪文を唱えると、私たちが何をしてもはずせなかったネックレスが、あっさりとはずれたのです」

 

「そうだったのか……。

 

 それで、マリーンさまはなんと?」

 

「はい、「これは魔瘴石のネックレスだ。

 

 あんたは危うく死ぬところだった」と

 

 マリーンさまは言いました

 

 そして、王にいやしの術をかけ

 

 王の容態が安定したのを確認すると…………。

 

 マリーンさまはこのネックレスは危険だと言って、この国から魔瘴石のネックレスを持ち去ってくれたのです」

 

「なんと、そのようなことが……。

 

 あの名高い賢者マリーンが、われを…………」

 

「マリーンどのだけではありません。

 

 王を頭痛から解き放つため、グロリスのしずくを手に入れてくれたのがこちらの冒険者の方々。

 

 そして彼らに王を治すための知恵を授けたのはあのエイドスさまなのです」

 

「なんと! 

 

 エイドスさまが、いらしていたのか? 

 

 むう…………、まったく記憶にないぞ。

 

 いくらひどい頭痛の中にあったとはいえ…………。

 

 ともかく、われは正気を失っている間に

 

 多くの人々に迷惑をかけたようだ。

 

 お前たちは、名は何という?」

 

「ミナコよ、戦士の見習いって感じかな?」

 

「クロコダインだ、昔のもの達からは俺のことを「獣王」と呼ばれている」

 

「俺はチウ! 獣王遊撃隊隊長を務めている!!」

 

「隊員番号12番のヒムだ、よろしくな?」

 

「同じく13番のホイミンです!」

 

「ほお……! それがお前達の……! 

 

 ワニの大男におおねずみとホイミスライム……

 

 それに金属の身体の者か……。

 

 …………話したいことは山々だが、礼をせねばな……。

 

 …………ほうびと言えば、キーエンブレムだが。

 

 しかし、キーエンブレムとは英雄の証。

 

 頭痛を治した程度で、与えてよいものか? 

 

 …………やはり、この国を救うような

 

 大きなことをやりとげた者ではなくては…………」

 

「恐れながら、もし頭痛が治らなかったら()()()()()()()()()になっていました」

 

「なに?」

 

「はい、実は……」

 

 

 

 チグリ大臣はガートラントに宣戦布告をしていたことを話した! 

 

 

 

「なに!? 

 

 われがガートラント城に宣戦布告したと!? 

 

 それが本当なら、この者たちのはたらきがなければ我が国は…………!」

 

「はい、彼らの活躍がなければこの国は戦火に……!」

 

「…………そうだったのか! 

 

 そういうことならあいわかった! 

 

 クロコダイン! そしてミナコとその配下の者達よ!」

 

「配下?」

 

「それって、俺たちと隊長さんのことじゃないか?」

 

「そなた達の活躍はグレン城のキーエンブレムを

 

 与えるに値するはたらきであった! 

 

 バグド王の名の下、黒のキーエンブレムを授けよう!」

 

 

 

クロコダイン達は「黒のキーエンブレム」を手に入れた! 

 

 

 

「おおっ!!」

 

「これが、キーエンブレム!」

 

「その黒のキーエンブレムは

 

 グレンの英雄であることを示すもの。

 

 他国でも、そなた達のチカラの証となるだろう!」

 

「スッゲェ……!」

 

「チグリ大臣よ。

 

 すぐにおふれを出せ! 

 

 ガートラントとの戦争はやらん! 

 

 皆、日々の暮らしに戻れ! …………とな」

 

「かしこまりました!!」

 

 

 

 チグリ大臣は颯爽とおふれを出しに行った! 

 

 

 

「いくさが起きていれば、多くの血が

 

 多くの血が、このオーグリード大陸に

 

 流れるところであった…………。

 

 …………本当に、よかった。

 

 このグレンの民に、つらい思いをさせずにすんで…………」

 

「バグド王……」

 

「そして何より…………

 

 オーガ同士に取り返しのつかない

 

 憎しみ合いをさせずにすんで…………」

 

 

 

その後

 

 クロコダイン達はグレンの民たちから称賛の声が上がった。

 

 戦争をくい止めた功績

 

 バグド王を救った功績

 

 それらはオーグリード大陸から

 

 各国の名を知れ渡るようになった……。

 

 レムルの聖杯はオーレンのいる塚に供えた

 

 クロコダインは

 

「返す約束をしていた」

 

 と語り、返しに行ったとのこと……。

 

 

 

「いやあ、まさか彼らが戦争を止めたんですよ! 

 

 初めはワニの大男や金属の人間を見た時は驚きましたよ!」

 

「クロコダインさんのあの斧、結構格好いいよな! 

 

 あのモデルの武器は映えることまちがいなしだよ!」

 

 

 

 クロコダイン達の話題は世界中に知れ渡った……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グレン城

 

 

 

 一方、クロコダイン達はバグド王に色々なことを話しました

 

「竜の騎士」と自身のことを……。

 

 

 

「竜の騎士だって!? 

 

 伝説に伝わる最強の騎士として名高いあの!?」

 

「そうだ、我々はその竜の騎士を探しているのだ」

 

「なんと……!! 

 

 お前たちが元いた世界には竜の騎士がいて

 

 その竜の騎士が使っていた剣は主人の元へ行き……」

 

「そう、このアストルティアにいるということがわかったのだ」

 

「竜の騎士は伝説の存在、御伽話で聞いたことがあるが……。

 

 まさか、実在していたとは……!! 

 

 となると、やはりあの光が……!」

 

 

 

 レンダーシアの暗雲から貫いた光の柱とその中に現れた竜……。

 

 その存在は、竜の騎士の実在を証明している証拠であった……。

 

 

 

「つまりお前たちは、その竜の騎士を探すために旅に出たというわけか」

 

「そうだ」

 

「まさか……悪鬼ゾンガロンが蘇ったと聞いた時は驚いたが……。

 

 運が良かったな、勇者覚醒の光と竜の騎士の産声のおかげで……」

 

「正直どうなるかと思ったぜ……? 

 

 あれは奇跡としか言いようがないぜ?」

 

「バグド王よ、ひとつ聞きたいことがある」

 

「なんだ?」

 

「悪鬼ゾンガロンというのは、何者なんだ?」

 

「悪鬼ゾンガロンか……、わかりやすく言えば

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だ」

 

「魔獣!?」

 

「そうだ……」

 

 

 

 

 

その昔

 

 オーグリード大陸は戦乱の最中

 

 どこからともなく

 

「悪鬼ゾンガロン」が現れた、

 

 ゾンガロンは悪鬼羅刹の如く

 

 傍若無人の限りを尽くした。

 

 大国の一つ「オルセコ」の大王は

 

 ゾンガロンと戦いに挑んだ

 

 しかし、その戦いは長引き

 

 大王はチカラを尽きようとしていた……

 

 チカラが尽きればオーグリード大陸は滅びる

 

 ゾンガロンによって命運尽きたかと思われたその時だった。

 

 白銀に輝く白い狼と竜の騎士がどこからともなく現れた!! 

 

 竜の騎士は神の剣をふるい

 

 白銀の狼はその牙をゾンガロンの牙を噛み砕いた! 

 

 大王と共に、ゾンガロンを封じ

 

 オーグリード大陸に光を取り戻した

 

 しかし、その戦いの代償として

 

 大王は命を落としました

 

 その死を、狼は天高く遠吠えをしました

 

 ロンダ岬に吹くその風は

 

「大神の遠吠え」と伝えられるようになり

 

 白銀の狼は姿形を消してもなお

 

 悪鬼ゾンガロンの封印を見守り続ける番犬の如く

 

 その魂は風と共に守り通していると伝えられるようになった。

 

 

 

「そんな話が……」

 

「そうだ、ゾンガロンは封印される時

 

 竜の騎士憎しと叫んだのだろ?」

 

「確かに、あの時そう叫んだ……」

 

「エイドスさまは竜の騎士を探しに行かれているそうだな?」

 

「ああ、しかしその竜の騎士は行方不明……。

 

 エイドスどのは探しに行かれ……」

 

「ふむ、エイドスどのなら

 

 いつの日か竜の騎士を見つけられるであろう」

 

「ああ、そうだな」

 

「クロコダイン、そしてミナコと遊撃隊の戦士たちよ

 

 そなたらの旅の武運を祈るぞ」

 

「ああっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 クロコダイン達は、グレン城を後にした……。

 

 彼の雄叫びは渓谷と山間地に響き渡った……

 

 こうして、アストルティアに「獣王」名が知れ渡ったのは

 

 それから近い未来のことであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DRAGON QUEST

 

 クロコダインの章

 

「赤き渓谷の獣王」

 

 THE END

 

 

 

 




クロコダインの冒険は続く・・・。
次回、「マァム編」始まる!
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