町長の家に訪れたユイとマァムは、急ぎ足で家に入った。
「ヒューザ!!」
「っ! 君たちか!」
「ヒューザ、早まったことはしないで!!」
「……ったく、何そんなに慌ててんだよ?」
「慌てるって! その子を始末するなんて!!」
「ああ、そうだ……!
だから、考えを改めてくれないか?」
「あのガキに返せとでも言うのか?」
「いや、そうではない……。
確かに、ソーミャは家族がおらず
あの子の気持ちは、わからないでもないが…………」
「じゃあ、どうするんだ?」
「どうするって…………。
最近ネコの魔物たちが辺りをうろついていたのは、この子ネコのせいかもしれんのだ。
だからと言って、町に置いておくわけにはいかない……。
しかし、この子ネコを始末した、海に捨てたなんてことを奴らに知られでもしたらどうなる!?
奴らはどんな報復を受けるのか、わからんのだ!!」
「ふぅん…………。
じゃあ、何もしないでこのままにするわけにはいかないんだろ?」
「む…………!」
ヒューザの主張と町長の意見は正しい。
生かしておいたとしても、
今始末して海に捨てたら、
でも、このままにするわけにはいかない……!
「ヒューザ、少しゆっくり考えようよ?」
「ユミか、じゃああんたならどう答えるんだ?」
「……むっ?
君たちは、知り合いなのか?」
「知り合いも何も、オレと
「おお、そうだったのか!
ならば、改めて挨拶をしておこう。
聞いての通り、私はジュレットの町の町長にして
キールの父親のボーレンだ」
「そんなの知ってるって、キールから聞いたからな?」
「ああ……そうか。
……ということは、あなたが
「そうよ、キールから
「ああ、聞けばキールを攫おうとした魔物を彼らと共に戦った仲間の一人なんだね?」
「はい、よくご存知で…………?」
「あの後、祝いの手紙が来て
君たちのことを話していたんだ、初めてあったのに関わらず気がつかないですまなかった……」
「ああ……なんか仕事詰めで忙しかったからかな?」
「…………ところでよ?
立ち話もなんだけどよ、二人とも?
ちょいとオレに付き合わねえか?」
「えっ?」「どうしたの?」
「さっきこの間、
あれオレがやったんだ」
「ええっ!?」
「なんだって!?
聞けばネコの魔物は
まさか、君が
「ああっ? それがどうした?」
ユミとマァムは驚いていた、ヒューザの実力が上がっていたことに……。
「それでよ、コイツの
返してやろうと思ってな?」
「何ですって!?」
「その子の親がわかったの!?」
「そうだ、ところが厄介なことに
オレひとりで行くのもめんどくさいところなんだよ?
だから、お前たちも手伝ってくれねぇか?」
「まっ待ってくれ!?
話が見えてこないんだが、どういうことなんだ!?
始末するのではなく?」
「あのさぁ?
そんなことをしたらこの町がヤバくなるんだろ?
そっちの面倒まで見るのはゴメンだぜ?」
「そうだな…………、確かに君の言う通りだ。
……しかし、君は
「どこも何も、さっき襲ってきたネコ達は
「猫島のネコだって!?」
「「猫島??」」
「何でも、この
そいつらの口から「キャット・マンマー」って名前が出てきたんでな?」
「キャット・マンマーだって!?」
「キャット・マンマー???」
「あの、それって一体……?」
「おっと、失礼。
キャット・マンマーは「猫島」を総べる女王ネコ様なのだ。
猫島はミューズ海岸の南の港から行けれる島なんだ」
「猫島の女王さま……!」
「それで、さっきの奴らは
恐らく、この子ネコは
そこへ行けば誰の子かわかるって話だ」
「そっか、この間の襲撃は
「多分、そうね?
ソーミャから見たら
「そうだったのか……これは
なら、正式な依頼としていいかも知れないな?」
「えっ?」「なんだ?」
「ユミ、マァム。
確か君たちは、「キーエンブレム」を手に入れるためにこの町に来たのだろう?」
「うん、そうだけど……?」
「それならば、この子ネコを無事に猫島に送ってくれはしないか?
そうすれば、お互いの誤解を解かれて
町もネコたちも救うことができる。
そうすれば、君たちにキーエンブレムを与えようではないか!」
「なるほど! それはいいね!!」
「話は決まったな
二人とも、付き合ってもらうぜ?
さっき猫島の行き方は町長さんが言ってた通りだ?
この町の南から出てその南にある港を使うんだ、ただし……。
ラーディス王島行きの港の右隣の奥だ、行ったからわかるだろ?」
「えっ? …………ああ、そういえばあったわね?」
「わかったわ、行き方さえわかれば大丈夫よ
行きましょう、猫島へ!」
話はまとまり、あとは猫島へ出発!
っと、その時だった。
その子は私が育てるの!」
町長の家に上がり込んできたのは、ソーミャだった!
僧侶の回復のおかげで、見事に完治したソーミャはユミたちの行く道を阻めて来たのだ!
「ソーミャっ!?」
「…………このガキ
オレたちの話を立ち聞きしてやがったな?」
「私がその子のお母さんなの!
だから、私に返してっ!」
「ソーミャ……!」
「ガキに付き合ってるヒマはねぇ。
行こうぜ?」
「ヒューザ……」
ヒューザは子ネコを抱えて行こうとしたその時。
「ソーミャ、一緒に行く?」
「……えっ?」
「ユミ!? お前何を!?」
「こういう子は、結構行動力と実行力が強いのよね?
何かする前に一緒に行動したほうが手っ取り早いでしょ?」
「ちょっと! そんなことしたらこの子が危ないじゃない!」
「あの海岸から走ってきた女の子よ?
あの時は魔物を退治していてスムーズに行けれたかも知れないけど、後をついてくるでしょ?
この際、一緒に連れてったほうがこの子のためにもなるよ?
それで良い? ソーミャちゃん?」
ソーミャはそれを聞いたか、力強く首を縦に頷いた!
「あーそうかよ!
わかったよ! 連れてってやるよ!
確かに、ほっといてこっそり後からついてこられたりしちゃあ構わねえな!」
「OK!! 決まりね!!」
「そうね!
じゃあ、子ネコは私が面倒見るから
道中の魔物はよろしくね!」
「そうかよ、じゃあ嬢ちゃんの面倒も頼むぜ?
オレも奴らのこともあるからな?」
こうして、私たちはヒューザとソーミャと一緒に猫島へ向かうことになった。
道中の魔物はユミとヒューザの二人で退治しつつ、猫島行きの港へと向かった……。
猫島の騒ぎに巻き込まれることを知らずに足を踏み入れてしまった…………
次回は戦闘回!
ユミとヒューザとマァムの3人掛かりの戦いです!