DRAGON QUEST 竜の騎士と神々の世界   作:梟帥

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ポップの章のプロローグ


新風と大魔道士
草原を越えて


 ツクスルの村を出たポップとリュウ、二人は「風の町アズラン」という町に向かっていた。

 

 

 

「ポップ殿、容態は如何か?」

 

「大丈夫だ、すぐには死なねえだろ?」

 

 

 

 ポップの右腕の刺青を確認しつつ、旅をしていた。

 

 ヒメアから告げられた呪いの刺青……。

 

 時が経てば経つほどその刺青は広がり、命を落とす……。

 

 

 

「ポップ殿、私はなんと詫びれば良いのか……」

 

「いや、いいんだよ。

 

 死ぬまでに余裕があるから、それまでに竜の騎士を探しに行こうぜ?」

 

「ポップ殿…………」

 

 

 

 ツスクル平野を越えてキリカ草原を越えて、二人は「木かげの集落」で一時的に休息を取った……。

 

 

 

「…………」

 

 

 

 俺自身、使える魔法はよくてメラとヒャドにイオだけか……。

 

 この刺青のせいで「ベタン」と「メドローア」等の最高等呪文が使えなくなってる……。

 

 ギリギリホイミは使える、だけどよくて擦り傷を治す程度だ。

 

 

 

(こんなんじゃ、かえってみんなの足を引っ張っちまう……! 

 

 今の状態でも、強くならなくちゃあな!!)

 

 

 

 そうだ、こんなところで浸ってるわけにはいかない! 

 

 必ず追いつけるように強くならないと! 

 

 足並みを揃えられるように強くならないと! 

 

 ダイ、みんな……! 

 

 待っていてくれよ! 

 

 

 

 ポップの決意を胸に秘め、誓った。

 

 

 

「ポップ殿?」

 

「んっ? ああ、リョウソウ……じゃなかったリュウさんか?」

 

「眠れないのか?」

 

「まあな……バラバラになっちまったみんなのことを考えてな……」

 

「そうか、確か君たちの仲間は……?」

 

「ああ、ダイとレオナ姫

 

 マァムにヒュンケルとクロコダインのおっさんだ。

 

 あと、ラーハルトとヒムとチウだ」

 

「……そうか、しかしダイは確か……」

 

「ああ、「黒の核晶」の爆発から守るために空高く飛んで、それから……」

 

「…………」

 

「……悪りぃ、気を悪くしちまったか?」

 

「良い、そういうのは慣れてる」

 

 

 

 ダイ自らが犠牲となって、ポップたちは探す旅に出たのは知っている。

 

 ところがどういうわけか、この「アストルティア」にダイがいるらしい……。

 

 

 

「君の話からするに、ダイはこの世界のどこかにいるということか?」

 

「まあな、信じられない話だけどよ。

 

()使()がそう言ったんだ」

 

「天使が……?」

 

「ああ、でも詳しい話はわからないけど

 

 簡潔に「ダイはアストルティアにいる」って言ったんだ」

 

「それだけなのか?」

 

「そう、でも()()()()()()()()を見て確信したんだ」

 

「瘴気に飲まれる寸前に起こったアレのことか……」

 

「ああ、「竜の紋章」は竜の騎士の証

 

 あれがこのアストルティアの大空でデカデカしく輝いたんだ! 

 

 あの光の中から出た紋章、あそこにいけばダイに会えるんじゃないかって思ってな……!」

 

「そうなのか……」

 

 

 

 私は、「ダイの大冒険」に関してはそこまでは詳しくない。

 

 かつての仲間と生徒たちは、日本のアニメ漫画等にハマっていた

 

 その中に「ダイの大冒険」があった。

 

 2020年版のアニメを見た世代の一人なのだが、当時の私はいまいちよくわからなかったよ。

 

 だけど、生徒たちはよく「アバンストラッシュ」とか「天地魔闘の構え」でよく叫んでいたよ、結構人気作品なんだなぁって思ったよ。

 

 

 

「……そういえばよ、リュウさん?」

 

「なんだい?」

 

「あまりこの話をしたくないんだが……」

 

「なんで私が()()()()()()ことかい?」

 

「……!」

 

「君の言葉と気持ちはわかる、気を悪くなるものと思っていたんだろ?」

 

「…………」

 

「……この話は確かに気を悪くするものかもしれないが、()()()()()()()には話さないといけないものだからね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生前、戦争の最中だった

 

 私の家族は戦争に巻き込まれてしまった……。

 

 父は弟たちを庇って戦火に焼き死んでしまい

 

 母は私たちの暮らしを支えるために死ぬまでに働いた。

 

 私はというと、弁護士として教師として

 

 弟たちの暮らしを支えるために努力した。

 

 裕福な暮らしを得るのに、10年かかったよ

 

 弟たちや生徒たちに仲間たちは、国を良くしようと

 

 産業や経済を良くしようと猛勉強をしたんだ。

 

 だけど、政権は復興のために規制をかけたり

 

 流通や制限をかけた。

 

 当然、多くの国民たちはデモを始めたよ

 

 私はそのデモを先導役になってしまったんだ……。

 

 無論、政権の行いに私は猛反対したよ

 

 何でもかんでも規制にかけたり制限かけたりしても、それは必ず綻びと破裂を生む。

 

 そして、経済効果のある方法をとった私たちはそれを声に出して訴えた。

 

 その後は、政権は()()()()()()()()を行ったのだ。

 

 運よく生き残ってしまった私は当局に捕まり

 

 デモを率いた主導者として、公開処刑された……。

 

 

 

「そんな…………!?」

 

「心残りがあるとしたら、家族と仲間と生徒たちだ

 

 何しろ私は()()()()()として有名になってしまったんだ。

 

 追われているのか、彷徨っているのか……。

 

 逃げ切れていたら嬉しいけど、安否が気掛かりなんだ……」

 

「気になるのはわかるけどよ、悪いのはその国の政治家たちだろ!? 

 

 あんたは良くしようと頑張ったんだろ! 

 

 リュウさんのそれは()()だよ!!」

 

「仕方がないんだよ! 

 

 奴らは()()()()()()()()()()()()()()()()!! 

 

 自分達に都合の悪いことを隠そうとする行いと規制に反論したんだ! 

 

 その結果が、このザマさ……!」

 

「リュウさん……」

 

「……だけどこうして本心を言えてスッキリしたが、すまないポップ……こんなことを言って……」

 

「……いいんだよ、悔しい気持ちってのは誰にでもあるよ?」

 

「……だな、今はこの世界で私のしたいこととやるべき事をしないとな!」

 

 

 

 ふたりは明日の冒険に備え、支度と休息を取った……。

 

 

 

そして、二人が目指す「風の町アズラン」

 

 この町にも、一つの問題を抱えていたことを

 

 ふたりは未だに知らなかった…………。

 

 

 

 

 

 

 

 




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