荒野の景色
アグラニの町を出たヒュンケルとラーハルトとゲンゴロウ、荒野を歩き「岳都ガタラ」という町に向かっていた。
「…………」
「ヒュンケルの旦那、容態は大丈夫か?」
「ああ、ある程度はな……」
マアモンとの戦いによって、一時は死を覚悟をしていたヒュンケル。
しかし、どこからともなく聞こえた声と勇者覚醒の光によって身体が全快した、自身もこれには驚きを隠せなかった。
「しっかしよう、道中の景色はなんなんだ?
草木があっても中途半端に生えてる、まるで禿げた頭の薄毛みたいじゃのう?」
「大方、
「あ?」
「年寄りのドワーフ方から聞いたのだ、遥か昔「大地の三闘士」がドワーフ達を鼓舞し、地上の大地を開拓させたのだ。
しかし、その最中の歴史にドワーフ達が争い始めたのだ…………。
我こそが支配者だ、我らこそが統治者なのだと争い
そして森林伐採と土壌汚染が繰り返し、この大地千年の緑が失われたとな……」
「ほぇ〜、ラーハルトさん
あんた意外と博識だなぁ?」
「この間の旅支度とキャンプ地の人から聞いた話だ、真に受けるな」
「へぇい、すんませんした」
「……しかし、特にこの大陸の歴史において
最も史上最悪な出来事があったそうだ」
「ほえ?」
「……ラーハルト、それは
「ウルベアの悪夢?」
「そうだ、これはドワチャッカ大陸の歴史おいて戒めと伝えられているそうだ……」
「それ、大方年寄りの話から長々と聞かされたやつか?」
「…………そうだ」
今から3000年以上前の話だ
かつてこの大陸に、3つの国があった
一つは「ドルワーム王国」
三闘士の「盾の賢王」が築いた王国
一つは「ウルベア地下帝国」
三闘士の「槌の女王」が築いた帝国
一つは「ガテリア皇国」
三闘士の「斧の獅子王」が築いた皇国
中でも、ウルベア・ガテリアの戦争が「悪夢」の歴史と伝えられている。
長引く戦争によって、周辺の木々大地が荒れ果て
人々は租税に苦しみ
多くの機械が散乱に壊される日々
それを両国は互いに利益がないと和睦を持ち出したのだ。
ところが、ガテリアの皇子がウルベアの帝王を暗殺
これにより戦争が始まり、ガテリアは「魔人」によって滅された……。
だが、真実は「グルヤンラシュ」というウルベアの宰相が帝王暗殺の真犯人にして戦争の黒幕だということが知り、帝王の娘君が宰相を処断。
結果、ウルベアは無事平和になるものの
戦争によって財政難となり
帝国は弱まり、滅んだ……。
「この出来事によって、ドワーフ達はこの歴史を絶えず忘ることなく自身の戒めとして語り継がれ、欲に溺るべからずと子々孫々と語り継がれるようになっているのだ」
「はぁ〜それは確かに大事な話じゃのう!」
「ゲンゴロウ、お前達の元生きた世界にも
これに似た歴史はあるのだろう?」
「ああ、あるぞ」
1945年8月6日に広島に「原子爆弾」が落とされたんじゃ。
「っ!?」「なんだって!?」
それだけじゃない、その三日後に長崎にも落としたんじゃ。
元いた世界ではこれを原因に核兵器の危険性を世に知らしめたんじゃ、結果携わっていた研究者と開発者はそれに後悔し、反戦主義者・核軍縮廃絶等の運動家となって訴え続けたのじゃ。
広島長崎の原爆は後世に今もなお語り継がれているんじゃ……。
「しかし、お二人もこの話に反応するとはなぁ……?」
「……その話は、俺たちの元いた世界にもある」
「……なに?」
「黒の核晶だ」
「黒の核晶……?
……っ! それって、
「そうだ、そして
「黒の核晶……確か、破壊力が強すぎて大魔王も恐れ慄く物なんじゃろ?」
「そうだ、魔界史上最恐最悪の破壊兵器「黒の核晶」。
その破壊力はお前達のいた世界の原爆より遥かに上回る爆弾だ」
黒の核晶。
それは、ダイ達の世界にある禁断の
「忌まわしい伝説の超爆弾」byハドラー
……と語るほどに魔界も恐る兵器
辺境の鉱山にある「黒魔晶」を原材料に使い、呪術を施すことで完成する。
だが、かつて
以降、倒されるまでには使うことがなかった…………。
「あの爆発を見たものは歴戦の猛者だろうと素人の新兵問わずにその危険性と脅威は否が応でもトラウマになる、現に
「……魔界に陽の光を齎すためにってか?」
「そうだ、だが結果はダイ様の仲間達との協力のおかげで阻止することができ、
「
「ああ、その結果ダイは自身の身を犠牲の覚悟で天高く飛び…………姿を消した……」
「…………」
「だが、ダイはこの世界「アストルティア」にいるということがわかった」
「……それで、この世界に来る途中に仲間とはぐれた……というわけか?」
「そうだ、そのためには我々は「キーエンブレム」というものが必要なのだ、信頼を得るために……」
「それは大変じゃのう……じゃが、キーエンブレムは「岳都ガタラ」に行けば手に入れるって話を親方と賢者様から聞いてるからな?」
「そうだな」
「ならば行こう、この先の平野にある山の麓がそれなんだろう?
それならば一目瞭然だ」
「おっし! なら行こうか!」
ヒュンケルたち一行はガタラへと向かい、歩いた。
ヒュンケル編開始!