アルスの力を垣間見る話です。
シンイ特性の安眠まくらをアバさまに渡すも……。
手渡して早々、この一言である。
そう言いながらベットに投げおく。
「シンイっ!
やっと眠れそうなところだったのに
よくもくだらんことでジャマしたな!!」
(はあっ、相変わらずの元気なお婆さんなことで……)
「す、すみません…………。
じつは、ハツラツ豆がなくなってしまったので、
その代わりになればと思ったのですが……!」
「なっ…………!?
はっハツラツ豆が、なくなったじゃと!?
……………………」
「おばあさま! お気を確かに!!」
「ああ、大丈夫じゃ…………
今は……、今は……!
豆がどうななのだと、言っておられる時ではないわ!」
「!? どっどうしたんだ!? 急にっ!?」
「んっ? おお! アルスではないから
ちょうどよいところに来てくれたな。
じつは、お前たちに話したいことが…………
…………と、アリスは一緒ではないのか?
やれやれ。どうでもいい時には、顔を出すクセに
肝心な時にはおらんのだな。
すまぬが、ありすを呼んできてくれ。
お前達兄妹が、そろっている時に
話したいことがあるのじゃ」
「はっ……はあ……」
「さて、わしはそれまで休ませてもらうからな。
シンイよ! 今度はわしの眠りをジャマするでないぞ!」
「…………はい」
アバはそう言い、豪快にな眠りについた。
ついたあと、二人は部屋を出た。
「……一時はどうなるかと思っていたが、よかったな」
「ええ、怒ってらっしゃいましたが、おばあさま
あのまくらは気に入ってくれたようですね。
あんなにぐっすりとお休みになって…………」
「ああ、さて、俺はアリスを探しに行かないといけないな?
…………というか、アイツどこにいってんだ?」
「あっ、それならいしずえの森に行ってみてはどうでしょうか?」
「いしずえの森? この村の北東付近の?」
「ええ、彼女は錬金術の特訓にはよく言っているようですし、
今もそこにいらっしゃるんじゃないですか?」
「そうか…………行ってみるよ!」
そう言い、俺は駆け足でアリスの元へ向かった。
ここはいわば、戦いの特訓としてはうってつけの場所だ。
スライムやモーモン等モンスターがいっぱいいて、戦いに不慣れな人や、初めての人達にとってよく慕われている場所だ
俺とアリスとシンイは、よく剣や魔法の訓練によく行ってる場所だ
ここのモンスターと戦いながら、俺はいしずえの森に向かった。
「これと、これを入れて……フタを閉めて……
よーし…………。
今度こそすごいのができる……!
たぶん…………!!」
錬金箱から光が漏れ始め、カタカタっと揺れ始める。
なんと! 錬金箱の中から「ごきげんなぼうし」ができた!!
「やったぁ!! 本当にすごいのができたっ!!!」
「おーい、アリス?」
「あれ…………お兄ちゃん!
ちょうど良いところに来たわね!
ほらみてっ! お兄ちゃんへのプレゼントっ!!
絶対似合うわよ!」
「あっ……ああ…………」
(正直、困るな……)
アルスは「ごきげんなぼうし」を手に入れた!
(本人困惑気味)
「そういえばお兄ちゃんは、どうしてここに?
何しに来たの?」
「ああ、実は…………」
アバさまが大事な話があること、それにはアリスと一緒に聴いてもらいたい話らしい。
「…………なんですって?
アバさまが私を呼んでいる?」
「そうだ、曰く村の人たちにも関わる話らしくて……ん?」
「ふっふっふっふっふっ…………
それってもしかして、ついにアバさまが私の錬金術を頼りにする日が来たってことっ!?」
「いや、そうと決まったわけじゃあ……」
「お兄ちゃん!! アバさまの所に行きましょう!!
私の作ったぼうしのこと、忘れないでね!」
「はあっ……たく、しょうがねぇな……」
そう言い、村へ帰ろうと思ったが。
幼少期から気になっていた
今の自分なら読めるのではないかと、読んでみる。
厳しい荒野で チカラ強く生きる
大きな身体にツノと尻尾を持った者たち。
好戦的で 強き者を尊んだ彼らは
抜きんでた 強いチカラと体力で
弱き者や仲間のために 命をかけて戦った。
海に浮かぶ美しい島々で 自由に生きる
青き水面のような色の 身体を持つ者たち。
束縛を嫌い 歌と恋を大切にする彼らは
速さと 強さという特性を生かして
愛する者を守る時だけ 本気で戦った。
雄大な山々に恩恵を受け 大地と共に生きる
小さな身体に 大きな耳を持った者たち。
高い技術力と 強い欲望を持つ彼らは
持ち前の 器用さと素早さで
いくつもの高度な文明を 築き上げた。
絵本のような色彩の町で 楽しさを求めて生きる
ふわふわと愛らしい ちいさな身体の者たち。
強い魔力と 器用さを生まれ持つ彼らは
戦いより ものを作り出すことより
楽しさを生みだすことに 情熱をかたむけた。
自然を愛し 森と共に生きる
背に小さな羽を持った かれんな姿の者たち。
伝統と格式を重んじる彼らは
世界の理を 深く学び
多くの優れた呪文の使い手を 世に送り出した
「へえ……こんなにもいるんだ……」
さて、早くエテーネの村に戻らないと……。
帰り道にたまにモンスターと戦った、運動の一つや二つをしないとね?
こうして、俺とアリスはエテーネの村に帰ってきた。
アバさまの話は何なのかはわからないけど、話を聞けばわかることか……。
「さて、シンイ……あとは……」
「はい、ここは私が起こしますよ。
寝起きのおばあさまは、機嫌が悪いので……」
「ああっ、頼む……」
「気をつけてね?」
「はい、では……
失礼します、おばあさま。
アルスさんが アリスさんを連れていらっしゃいましたよ」
部屋に入ったその時!!
突然の掛け声に驚いた二人は慌てて部屋に入ると……!!
「なっ何だっ!?」
「なになにっ!? 何事!?」
ベットから大回転ジャンプして見事な着地を決めたアバさまの姿が!!
「お、おばあさま……?
お元気そう…………ですね?」
「うむ! 快眠じゃ!!
…………おかげで、寝覚めもよかった。
なかなかいい枕じゃったぞい」
「あ…………ありがとうございます!」
「なんだよ……」
「おどろいたぁ……」
「よし、みんなそろったな。
では、シンイ! 村の者たちを集めよ!
これより、カメさまのお告げを皆に伝える!」
「はいっ!」
村の人たちは集まった、カメさまのお告げは何かと思い、村の人たちはソワソワしていた。
「エテーネの民たちよ!
心して聞くがよい!
わしは、カメさまからのお告げをたまわる巫女として、
託されたお告げを、ありのままに伝える!」
アバさまのお告げは、村全体に衝撃を与えた……
「まもなく、このエテーネの村は…………
エテーネの民は、ひとり残らず
死に絶えるじゃろう!」
「………………はぁっ!?」
「……えぇっ!?」
そのお告げは、村の人たちにも驚きと不安を隠せなかった
「そ、そんな!?」
「なっなんなんですか、そのお告げは!?
カメさまは、私たちを見捨てるのですかっ!?」
「そうだよ! アバさま!」
「どうして!? 何か手立ては!?」
「静まれい!
お告げには、まだ続きがある…………。
エテーネの民は死に絶える、確かにそうお告げがあった!
しかし! 光明が残されていないわけではない!!
一つは、北の清き水の洞くつに咲く伝説の霊花「テンスの花」があれば、滅びの運命から逃れられる……ということじゃ!!」
「テンスの花……!?」
「それって、お兄ちゃんとシンイさんがいつも魔法の訓練をする時にいつも使っているあの部屋の花!?」
「そうじゃ、かつて二人が偶然にも見つけた伝説の霊花じゃ……
その花は一度も足を踏み入れたことのない秘境に咲く。
それが、滅びの定めを避ける
「…………ん?」
「二つのお告げの一つ……?」
「うむ、テンスの花は滅びの定めを避けるのに必要なのじゃ、
しかし、
「アバさま、そのお告げとは!?」
「一体、何なのですか!?」
「うむ、それは……、
「竜の騎士!?」
「あの!? 神話時代に降臨したあの伝説の!?」
「まさか!? そんな!?」
「神々の遺産と伝えられたあのっ!?」
村の人たちは、竜の騎士の登場に驚いていた。
「おばあさまっ!?
その竜の騎士って……あの!?」
「そうじゃ、かつて神々が創られし伝説の戦士じゃ……」
「竜の騎士……絵本でその話を聞いていましたけど、それは?」
「うむ、それについて話さねばならん…………」
かつて、神々が世界に災いと均衡を失われるのを
防ぐために産み出された世界最強の騎士。
竜の戦闘力
魔族の魔力
人間の心
これら三つは神々の力によってもたらされた究極の生物として伝えられている。
そう、かつてのアストルティア……神話の時代に現れたのじゃ。
かつて、「大いなる闇の根源」との決戦に「女神ルティアナ」と共に戦っておられた……、しかしその戦いを経て、力を尽きて亡くなられたのじゃ……。
その時、
聖母竜の役目は、天寿を全うした騎士と、戦死した騎士の魂を拾い、次なる竜の騎士を受け継がせることじゃった……。
しかし、その聖母竜は
今から6000年前、「災厄の王」との戦いがあったのじゃ。
「時の王者」と「竜の騎士」はたった二人で挑み、当時の王者は死に、当時の騎士はゴフェル計画によって、歴史の闇に沈んでしまったのじゃ……。
「しかし、この時
当時の者たちは、
一説では、人や魔族にすら踏み入れない秘境に養生していたか、
或いは、我々の知らぬ世界に流れ、その地に天寿を全うしていたとか……。
事実、竜の騎士の伝承を知る者は少ない……」
「……あっ!?」
「アルスさん? どうかしました?」
「テンスの花だ!」
「……え?」
「ひょっとして、そのテンスの花と竜の騎士と何か関係が!?」
「ふむっ…………。
しかし、本来ならそのテンスの花は、
「えっ?」
「それなら、カメ様はどうして……?」
突然、村の人の一人が声を荒げた。
「魔物が入ってきたぞぉっ!!!!」
アバさまの家の付近には4匹のオニオーンがいた。
「なん……じゃと…………!」
「シンイっ!!」
「はいっ!
みなさん、下がって!」
アルスは咄嗟に剣を抜き、シンイは魔法を唱える。
「アルスさん!!」
シンイはアルスの剣を目掛けて魔法を放つ。
メラの魔力はアルスの剣を纏う!!
「よっしゃあっ!!
いくぜ!! 爆炎剣!!」
燃え上がる剣は4匹のオニオーンを焼き払った。
「ぴぎゃあああっ!?」
オニオーンを倒した!!
「ふうっ……」
「よっしゃあっ!!
見たか! これが俺の新技だ!!」
村人達は、二人の連携を見て驚愕と喝采を上げた。
「やったあ!!」
「すげぇ!!」
「アルスっ!? あんたいつの間にそんな技を!?」
「おおっ……あれはアルスの得意の剣技か……!!」
そしてこの中で一番にはしゃいでいたのは他ならぬアリス本人であった。
さすがお兄ちゃんの「魔法剣」!!」
アリスと村の人たちは二人の連携に脱帽した。
「おおっ……アルス……お主もうその剣を!?」
「はいっ!
少し前に、魔法の力を剣に込めれば強くられるかなと思って頑張ったんです!!」
「ええっ……でも彼は魔法の力をまだ未熟ですが、伸び代はあります。
今のは魔力を纏って僕のメラをその剣に与えたのです」
「まあ、即席とはいえ結構強かっただろ?
テンスの花探し、俺とシンイでいいよな?」
「待って!!」
「??
アリス? どうした急に?」
「私も行く!!」
「なっ!?」「ええっ!?」
アリスの突然の名乗りに、村の人たちは驚いた……
「アリス!? あんた何ってんの!?」
「待ってくれ!! いくら君でもお二人の足を引っ張りかねんお前が、何故!?」
「だからだよっ!!」
「!!」「!?」
「それに! 回復魔法を使えるのって私とシンイしかいないのよ!?
それなら、私の回復魔法で二人を支える!
これならいいでしょ!!」
「アリス……お前……!」
「それに、こういう言葉があるでしょ? 「三人寄れば文殊の知恵」って! だから!」
「…………アルス、シンイよ」
「?」「アバさま……?」
「テンスに花を、お前達三人に託そう……!」
「!?」「ええっ!?」
「アバさま!?」
「確かに、二人の連携は見事なものじゃ。
しかし、その二人を支えるにはアリスの力が適任じゃ……」
「…………っ!!
アバさまっ!! じゃあ!!」
「まあ落ち着け、確かに二人は強い……
しかし、そこにアリスの力を加えればさらに強くなれる。
アルスが剣を、シンイの魔法で力を与え。
そしてアリスがその二人を回復魔法で支えれば、
いかなる敵に立ち向かえるであろう……!」
アバさまの語りを聞いたみんなは、落ち着きを取り戻す。
「アルス! シンイ! アリス!
お主ら三人に、北にある清めの洞窟の奥地にあるテンスの花を取りに行くのじゃ!!」
「「「はいっ!!」」」
三人は北にある清めの洞くつに向かった。
「よしっ! その間我々はいつでも戦えるように支度をするんだ!!」
「応っ!!」
村の人たちは、剣や槍等の武具を揃え、戦支度を始めた。
しかし、アバさまの心中には
(いったいなぜ?
なぜ……
魔物たちから目から隠すわしの結界はどうした……?)
「アバさま……」
「んっ?」
アルスとアリスの親代わりのおばさんは、
「アルスちゃんとアリスちゃんのことなんだけど……
「…………いや、これはあの二人の問題じゃ
本来ならば、わしやお主がいずれ話さなければならなかったことじゃ……、よもやこのような形になろうとは……」
「…………」
「じゃが、わしは最も心配しているのは
「!!!!」
「アルス……仮にお前だけ生き残っても、
アバさまの無念は、二人の親代わりであったおばさんの心に響いた。
それは、
エテーネの村から離れたある場所にて…………。
「この感じ……どうやら近づいてるようだね?」
大柄にして巨大な金棒を背負う女性は、空を見上げていた。
「このままだと、エテーネの村は滅んじまうよ……!」
「わかっているよ、だから僕はここにきた理由があるんだ」
小柄なれど、光り輝くその剣は草原を照らしていた。
「にしても、まさか本当にいるのかい?
…………
「うん、僕にはわかるんだ……
こんな小さな島に、
「ふうん…………だったら急がないとね?
早くしないと、
「うんっ!! 急ごう!
エテーネの村にっ!!」
二人は急ぎエテーネの村に走る、
後に、この二人の登場によって
アルスの運命は大きく変えることになったのだ……。
承の章、完成。
さて、最後にてできた二人は
「言わなくてもご存知のあの二人」です。
それは起承転結の転と結でお楽しみにってね!!