その後、スライムナイトの「ピエール」と出会い
オルフェアの町に一大イベントが行われると聞いた一同は、オルフェアの町へと向かった……。
オルフェアの街にたどり着いたフッキー達
何やら町は活気ついて大盛況の真っ只中。
あちこち見かける冒険者とプクリポの子供達は皆、サーカスを目当てに見に来ていた……。
「わあっ! すごい人たちだわ!」
「レオナさん、あまりはしゃがないでよ!」
カラフルで爽やか艶やかな町景色に、レオナは大はしゃぎ。
そんな最中に、掲示板に貼られている一枚のポスター
レオナはそれを見た。
「……? なになに……?」
そのポスターの内容はナブナブ大サーカスの15周年記念を祝うものだった。
「やあ、お嬢さん!」
「えっ!? えっと、私?」
「あははっ! ごめんごめん、見たところ……君は冒険者かな?」
「えっと、はいそうです!」
「おーい! レオナさーん!」
「あっ! みんな!」
フッキーとメルルはレオナと合流、そしてオルフェアで行われるイベントのことを話した……。
「なるほどね、それでこの町に?」
「そうなの」
「運がいいね、あんた達!
何しろここオルフェアの町の名物「ナブナブ大サーカス」の公開記念日に来たんだからな!」
「???」
「ねえ、前から気になってたけど……。
ナブナブ大サーカスって?」
「ん? おまえ、ナブナブ大サーカスを知らないのか?
だったら今見ないと損だぜ?
今回は
「すっげぇ……出し物……?」
「ああ! 今日は特別公演だから、オルフェアの住民と一人前の証を持ってる人なら入れてもらえるかもな?
もし、一人前の証を持ってるんならサーカステントに行ってみるといいぜ。
この坂の先を登ったとこに見えるあのド派手なテントだぜ」
住民の指を指した先には巨大なサーカステントがあった。
「サーカス!! ねえ、行ってみましょうよ!」
「ええっ!? キーエンブレムはどうするの!?」
「大丈夫大丈夫っ! もし何かあったら私たちが一番に名乗って助けに行けばいいじゃない! そうと決まったらレッツゴー!!」
レオナは大はしゃぎでサーカステントに向かって走った!
「待ってよ! レオナさん!!」
「レオナさん! 危ないですよっ!!」
フッキーとメルルの二人はレオナの後を追いかけて走った……。
サーカステント前に立ち、レオナ一行は冒険者の証である「一人前の証」を見せ、サーカステントの中に入った。
中には親子連れや兄弟たちの客……もといほとんどが子供がたくさんいました。
「何が始まるのかしら?」
「レオナさん、あまりはしゃがないで!」
「あはは、ごめんごめん。
楽しくってつい……」
レオナたちは席に座った……。
「ぴゃ〜っ! 今日もおっもしろいね〜!!
次の出し物何かな〜?」
「空中ブランコにつなわたりに、ピエロも出ただろ?
ええっと…………まあ見てればわかるって」
「そっかあ! そうだよね!
今日はサイコーの日だよっ!」
「なんだよ、フッタ!
弟のくせに、ぼくが言いたかったことを先に言うなよ!!」
「ひどいよ、にいちゃ〜ん!
…………でもさあ、にいちゃん。
ホントに今日のサーカスはタダなの?
こんな面白いのに?」
「ああ。サーカスが始まって15周年だから、記念に子供はみんなタダなんだって!
ナブレット団長さんが言ってたよ」
「…………?」
近くにその話を聞いたレオナ、観客席には確かに子供たちがいっぱいきてることに気づく。
「…………ほんとだ。
オルフェア中の子供が見にきてる」
「しかも、サーカスの後は「特製アクロバットケーキ」食べ放題だぜ!
団長さんって、ふとっぱらでいい人だよな〜」
(アクロバットケーキ……?!)
(レオナさん?)
その時、照明が消えて中が暗くなった……。
「しーっ!
次の出し物が始まるわよ!」
次の瞬間、ドラムロールが鳴り響いた!
and…………
オルフェアのチルドレン!!
ライトアップの中に「ナブレット団長」が現れた!
「本日は、当 ナブナブ大サーカス団の15周年を祝う特別なショーへご来場、まことにありがとうございます!」
オルフェア町長っ! いや、ナブナブ大サーカス団長っ!」
「…………お集まりの皆さま。
本日、最後にお見せするこの奇術は15年目のこの日にふさわしい、とっておきのとっておき。
どうぞ、目をこらして
よーくごらんくださいませ……」
ナブレット団長は手をかかげたその時、照明に子供達を照らし始めた!
「このサーカスを観ているオルフェア中の子供たちを…………」
消してごらんいれましょう!」
「!?」「!」「??」
3……
2……
1……
「プップクペッポップー!」
団長の周りに煙幕が出たと同時に、テントの中が真っ暗闇に包まれた!!
「にっにいちゃん!?
まっくらだよ! こわい…………」
「だいじょうぶだよ、フッタ。
すぐに明るく」
「きゃーっ!!!」
(っ!?)
すると照明が付くと、
「すばらしい! 見事に子供を消し去るとは!
さすがはナブナブ大サーカス団!!
ワガハイも感激しましたぞ!
…………さりとて、ナブレット団長どのの姿まで見えぬとは、面妖な……?」
「すごいっ! 本当にいなくなっちゃった!
メルル! フッキー! 見た…………?」
その時、レオナたちは観客席の人たちの異変に気づく。
「うちの子、どこに消えちゃったのかしら?」
「おいおい? どうなってるんだよ?」
その時、アナウンスからナブレット団長の声がした……!
「くっくっくっくっく…………。
アーッハッハッハッハッハ!!!
ladies and gentlemen‼︎
当 ナブナブ大サーカス団の、15周年を記念する最後の大奇術。
お楽しみいただけましたでしょうか?
残念ながら、オルフェアの子供たちは
もう戻ってはきません」
「「「っ!!?」」」
「ちょっと!? どういうこと!?」
「いやいや、そんなにあわてなくても
子供たちはすぐに出てきますよ」
「…………いいえ、子供たちは
「おいっ! ふざけるな!」
「子供たちを返して!!!」
「…………これにて、サーカスはおしまい。
愛するオルフェアの町の皆さん、ごきげんよう!」
「こ…………これは、もしや……。
…………ゆうかい事件では…………? (唾を飲む音)
苦節30年!! ワガハイことパクレ警部の優秀な頭脳をオルフェア中に知らしめるビッグなチャンスがやっとおとずれたっ!!
皆さ〜ん! ごせいしゅくに!!
たった今、オルフェア中の子供たちが
ナブレット団長の魔の手によってさらわれてしまいました!
しかし、ご安心めされい!
このパクレ警部が、かならずや!
子供たちを取り戻して見せますぞ!!」
パクレ警部は足早にテントを出た……。
「おのれ! 悪漢ナブレット!!
待て待て待てぇ〜い!!」
観客席の人たちは涙ながらもテントを出た……。
「ちょっと、これ大変なことになってるわよね!?」
「大変なことになってきたどころじゃないよ……!」
「そうね! メルル、私たちも……?」
メルルは観客席で子供たちが座っていた箇所を調べていた……。
「……メルルさん?」
「……これは!?」
「メルルっ!? どうしたの!?」
「この感じ、魔法の類を使ってるんだわ!」
「えっ!?」
「魔法って……!?
子供たちだけをさらったのよ!?
一体どうやってそんな……!?」
「私にもわからないわ、でもこれはリリルーラに近い魔法だわ……。
それも大規模の魔法よ……!?」
レオナたちに冷や汗をかいたその時……。
「フッキーさん!?」
「……っ!?
って、プディン!?」
フッキーたちの側に現れたのは、プクレットの村で知り合った一人の少年の「プディン」だった。
「プディン!? どうして……!?
……あっ、確か……」
「うん、しんせきに引き取られてサーカスの団員として……。
って、それどころじゃ無いよ! 大変なんだ!!」
「わかってる、子供たちのことだよね?」
「うん! どうして団長さんがあんなことをしたのか、ぼく……ぼく……っ!」
「落ち着いて! とにかく、今は団長さんのことを知る必要がある!
そのために何か手がかりが欲しいんだ!」
「……うん! それなら楽屋に来て!
何かわかるかもしれない!」
フッキー達はプディンと一緒に楽屋へと向かった……。
一方その頃、楽屋には団員達とパクレ警部がいた。
「…………他の連中の目はごまかせても
ワガハイの目はごまかせんぞ!
ナブナブ大サーカスの団長にして、オルフェアの町長とは世をしのぶ仮の姿!
その正体は、世紀の悪漢ナブレット!!
ヤツは、オルフェアの子供たちをさらった
にっくき凶悪犯なのだっ!!
隠しだてすると、貴様らも共犯とみなすぞ!
さあ吐け! 吐くのだ!!
悪漢ナブレットはどこへ逃げたっ!?」
パクレ警部の強引気味な捜査に、団員たちは適当に返した。
「だから、団長は消えたんだよ!
何度も言ってるだろ!」
「であるから、その消えた団長の行き先を教えろと言っているのだっ!!」
「そうよ、団長は奇術で消えちゃったのよ。
私たちも町中探したけど、どこにもいないのよ!
オルフェア中探しても子供の一人もいなくなっちゃったのよ!」
「フザケたことをぬかすなであるっ!
貴様ら、全員タイホだーっ!」
「待ってください!!」
楽屋に入って、プディンが一番に声をあげた!
「むむっ貴様は…………。
おお、子供ではないか!
悪漢ナブレットから逃げてきたのだな!」
「ちがうよ! ぼくはさらわれてないよ!
それに、ナブレット団長は子供をさらったりする人じゃないもの!!」
プディンは訴え続けた……。
「団長さんは、この町のしんせきに引き取られたぼくを団員にしてくれたいい人なんだよ!
子供をさらうなんて、なにかのまちがいだよ!」
「貴様、なにゆえ
そこまで悪漢ナブレットを
かばおうとするのであるか……?
ははあ…………。
さては貴様も共犯だな!?
子供だからと言って、ようしゃはせんのだ!
悪漢ナブレットの居場所を白状するまで、せっかんしてやるのである!」
「ちょっとまちなさい!!」
「むむっ!?」「レオナさんっ!?」
「あなたねぇ! いくら警部だの役人だからって、子供相手に何大人気ないことをするのよ!!」
「なっなんだ貴様はっ!?」
レオナの登場で場の空気が乱れ始めた……。
パクレとレオナの口論の最中、フッキーとメルルはプディンの持ち物にある違和感を感じた……。
「ねえ、プディン? ちょっといいかな?」
「ん? なに……?」
「慌てて気にする暇がなかったから、良いかな?
……そのステッキ、なに?」
「え? これ……?」
プディンはフッキーたちに不思議なステッキを見せた……。
「これ、なに?」
「えっと……わからないんだ。
このステッキは
「え!?」
「実は、団長さんに渡されて今回の出し物のときに
「ええ!?」
「それって、まさか……!?」
旅人さん方?」
!?
どこからともなく、ナブレット団長が現れた!
「団長っ!? いつのまに!?」
「いやあ、俺としたことがうっかりしてたぜ?
プディン、よその町から来たおめえも
今じゃあすっかりオルフェアの子供だ。
おめえを忘れちゃあ、意味がねぇな?
……ついでに、そのステッキも返してもらおうか!!」
ナブレットはヨーヨーを使ってパクレたちを驚かせた隙にプディンを捕らえた!
「さてと! 今度こそ、オルフェアの子供は全員さらったぞっ!
そして、それを
答えは、これさ!!」
ナブレットはステッキを高く掲げた!!
するとわずかな光に包まれ、姿形もなくなった!!
「ええっ!?」「きっ消えた!?」
「なっなんと!?
一度ならず二度までもワガハイの目の前で子供をさらうとは…………。
悪漢ナブレットめ! ゆるさーん!!」
パクレ警部は勢いつけて楽屋を飛び出た!
「嘘……今のって!?」
「間違いない……! 今のが奇術の正体よ!!」
「ねえ! 追いかけましょう!
今の感じだと、そう遠くにはっ!」
「……いえ、もういないわ」
「えええっ!?」
「今の魔法見てわかったわ、たぶんもう
「そんな……!」
「……なあ、いいかい君たち?」
「「「?」」」
「君たち、誰なんだい?
特にそこの君は、プディンの知り合いかい?」
「え? ええっと僕は……」
フッキーたちは自身のことを話した。
プクレット村の演芸チャンピオンであることと、迷子になってたところを彼に助けられたことや、プディンの知り合いであることを明かした……。
「へえ、あんたプディンの知り合いの演芸チャンピオンかい!
そうかそうか……あんたのギャグの数々、プディンからよーく聞いてるよ。ぷくくっ。
……っと、失礼。
しかし……そうか。
知り合いなら、プディンのこと心配だよな?
…………そうだよな」
「ねえ? 団長さんはどこに行ったのか、心当たりは?」
「……ナブレット団長が、行きそうな場所に
心当たりがないわけじゃない……。
……もしかしたら、団長は「銀の丘」にいるかもしれない」
「「「銀の丘?」」」
「そうだ、この町の西側から出て
そこから南に向かってリンクル地方だ、そしてそこを更に南に進めば「銀の丘」だ。
ひょっとしたら、団長とさらった子供たちもそこにいるかもしれない……」
「ちょっとハカル!?
こんなどこの馬の骨ともわからないヤツに教えちゃっていいの!?」
「……おまえら、以前ナブレット団長が言っていた
…………ただ、そんな気がするんだ」
「……???」
「とにかく、あの警部がまた問われたらお前らのことは黙っておく。
銀の丘の行き方はさっき言った通りだ、団長はきっと子供たちをそこに連れているはずだ。
気をつけてな?」
「うん……?」
「わかったわ……?」
「はあ……?」
三人は摩訶不思議に感じつつも支度を済ませ、銀の丘へと向かって行った……。
次回
銀の丘とレオナの正体を見抜かれる