DRAGON QUEST 竜の騎士と神々の世界   作:梟帥

5 / 80
起承転結の転の話。
アルスは「ある力」の一部を発揮する回です


竜の紋章

清めの洞くつ

 

 ここは、エテーネの村から離れた北の洞窟

 

 ここに来るのは、実は()()()なんだ。

 

 俺はシンイを連れて、魔法の訓練や魔法剣を鍛える為にきたんだ、

 

 魔法力の扱いに慣れていない俺にとっては遊びと修行にはうってつけの場所だったんだ。

 

 実を言うと、テンスの花を見つけたのは俺とシンイなんだ。

 

 当時の俺たちは、踏み入れてはいけないと思い、あえて近づかなかった。それにしても、まさかここで遊んでいたことと修行していたことが役に立つなんて、思いもしなかったよ……。

 

 俺たちはここの奥にある「テンスの花」と言う霊花を取りに行くために訪れいた、道中にはモンスターがたくさんいたけど、俺たち三人の力を合わせて戦えば怖いもの無しだ!! 

 

 途中で、各種族の壁画を見かけたけど…………、

 

 ここには、いしずえの森の石碑と同じ内容だった……

 

 五種族の他に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

勇の民 人間

 

 どんな地でも生きていける、大きくもなく小さくもない身体の者たち。

 

 秀でたところがないと思われていた彼らだが、危機に直面した時、決してくじけず立ち向かう勇ましさを秘めていた。

 

 

 

空の民 竜族

 

 遥か彼方より、世界を見守る聖なるものたち

 

 彼らは、地上で争いが起こると飛来し

 

 その大いなるチカラで、瞬く間に平安を訪れたと言う

 

 

 

「へぇ…………」

 

「五種族以外に種族はいるのは知っていたけど、竜族???」

 

「竜族にまつわる話は、殆んど知れ渡っていません……

 

 竜族にはかつて()()()()()()()がありました、

 

 しかし、それ以降の歴史に()()()()()()()の話が聞かなくなったのです……」

 

「なんだって?」

 

「いえ、詳しい経緯はわかりませんが……

 

 種族の歴史において、竜族の存在は欠かせません……」

 

「ところが、その竜族が()()()()()()……

 

 はるか空の世界に住んでいるのか?」

 

「ん〜……でも、それならどうして()()()()()()()()()()の?」

 

「来ないと言うより……()()()()()()()()()()()???」

 

「…………? 

 

 アルスさん、この壁画は……?」

 

「んっ? これって…………?」

 

 俺たちが目に止まったのは5()0()0()()()()()()()()()()()()()()()()()だった…………。

 

 その内容は、かつてアストルティアに()()()()()()()()()()にまつわることだった……。

 

 その内容はこのように書かれていた…………。

 

 

 

この世界で 平和に 暮らしていた

 

 すべての 生きとし生けるものは

 

 滅亡の危機に さらされた。

 

 今 空には ふたつの太陽が 昇っている。

 

 ふたつめの太陽…… それが現れてから

 

 この世は 地獄と化してしまったのだ。

 

 いまわしき ふたつめの太陽は 自在に空を駆け

 

 大地を焼き 海を干上がらせ

 

 人々を 灼熱の絶望に おとしいれた。

 

 太陽が ふたつになった理由など 知る由もない。

 

 わかっていることは 地上に 生きる者すべてが

 

 滅亡しようとしているということだけだ。

 

 

 

「うっはぁ…………

 

 これって相当やばい話だったのか……」

 

「500年前って、そんなに悲惨なことが……」

 

「ええっ、ですが……

 

 まさか、こんな所にもいしずえの森と同じような壁画があったのですね。

 

 ふたつ目の太陽…………。

 

 そして、滅亡…………。

 

 …………私は、以前から

 

 いしずえの森の岩に描かれていた絵を、

 

 不思議な気持ちで見ていました……」

 

「シンイ……」

 

「正直なところ、人間以外の種族が、本当にいたとしたら……

 

 彼らは、どこに行ってしまったのだろうと…………」

 

「もしかしたら、ここに書かれているとおり

 

 ほとんどの者たちが滅亡し…………、私たち人間だけが生き残ったのかもしれませんね……」

 

「でもさ……」

 

「? なんですか、アルスさん?」

 

「これ5()0()0()()()()()()だろ? 

 

 もしかしたら僅かな人達が()()()()()()()

 

 奇跡的に復興したんじゃない?」

 

「…………えっ?」

 

「だってさ? 俺たちは()()()()()()()()()()()()()で、

 

 もしかしたらいるんじゃないか?」

 

「えっ? …………ああっ! 

 

 もしかしたら、5()0()0()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 その生き残った人たちの()()()()()ってこと?」

 

「っ!! 

 

 もし、その通りなら()()()()()()()()()ことに……!」

 

「そういうことだ、でもそれは今起こる災厄を乗り越えて

 

 俺はそいつらに会ってみたい!! 

 

 そうしたら……!!」

 

「…………そのことなんですが、アルスさん」

 

「?? 

 

 なんだ、シンイ?」

 

「どうしたの?」

 

「…………実はおばあさまから、アルスに伝えて欲しいことがあるんです……」

 

「……なんだって?」

 

「実は、()()()()()()()()()()()があるんです……」

 

「……えっ!?」

 

「えっ……!?」

 

「エテーネの村が滅び、その運命から逃れることができたとしても……()()()()()()()()()()()()……と」

 

「…………はぁっ!?」

 

「えっ!? ひっひとり!? 

 

 ひとりって、それって……他の人は、みんな死んじゃうってこと!?」

 

「それは、私にもわかりませんが

 

 言葉のままに受け取るなら、そう言うことだと思います……」

 

「……そ、そんなあ……」

 

「なんだよ……なんだよっ!! それはっ!? 

 

 じゃあ、俺たちのしてることは無意味なのかよ!?」

 

「気を落とさないでください。

 

 …………おそらくおばあさまは

 

 最悪の場合のことをつぶやかれたのでしょう

 

 カメさまのおつげどおり、テンスの花さえあれば

 

 村は助かるとも、おばあさまはおっしゃっていました。

 

 だから、今はおばあさまは言葉を信じて

 

 必ず、テンスの花を村に持ち帰りましょう!」

 

「…………だな、今はテンスの花をだな!」

 

「そうだよね…………! 私も信じる! 

 

 テンスの花さえあれば、みんな助かるって信じるよ!!」

 

「ああ、この奥には確か扉があったよな!」

 

「ええっ! そこにはテンスの花がたくさんと咲いてるはずです!!」

 

 

 

 壁画鑑賞を済ませた三人は、洞窟の奥にある扉の前に着く……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シンイ…………この先にあるんだな?」

 

「そうです、この扉の先です。

 

 以前あなたがこの扉を開けた先には、まだ蕾の段階でしたね?」

 

 

 

 シンイは、懐から鍵を出す。

 

 

 

「そうだ、以前来た時は綺麗な場所だったからな……

 

 確か、テンスの花は()()()()()()でないと花は育たないんだよな?」

 

「はい、テンスの花に関する書物ではこの扉の先に咲いてると記されていました。

 

 この扉を開いたのはあなたの最初で最後になるはずか、

 

 まさか二度この扉を開くのが、当時のみなさんも私も想像がつきませんでしたよ……。この洞くつの清き水が、今もテンスの花を育み続けてくれてるはず……」

 

「テンスの花…………

 

 それって確かお兄ちゃんとシンイが発見した花なんでしょ? 

 

 どうしてここにあるってみんな知ってるの?」

 

「ああ、それは()()()()()()()()ってシンイを無理やり連れてここに来たんだよ」

 

「……へっ?」

 

「ええっ、書物の事実と違っていたらとか本当にあるのかどうかを気になり始めたのがきっかけなんですよ。

 

 あの時のアルスさんはモンスターなんてなりふり構わずにここに来たんですよ」

 

「そっそうなのっ!?」

 

「そうそう……

 

 でっ、扉を開いたら()()()()()()のさ

 

 その時のことを思い出すと、洞くつ全体に雄叫びあげたからなぁ……」

 

「あの時のアルスさん、宝を見つけたと言わんばかりに喜んでいましたよ、そのことを村の人たちに自慢げに話していたら説教されたりよく見つけたと褒めての大騒ぎでしたよ!」

 

「おばさんは心配していたから説教を喰らってな……

 

 おじさんの場合は、言い伝えは本当だったと褒めてくれたよ

 

 アバさまもこう言われたよ……「全く! 危険を顧みずによくそんな無茶な大冒険をしたな!!」と言って、「しかし、テンスの花を見つけたことは驚きじゃよ!」って褒められてな……」

 

「そうだったんだ……」

 

 

 

ガチャン! 

 

 

 

「よし、開きましたよ! 

 

 さあ、早く花を!」

 

「おおっ!」

 

「テンスの花……どんな花だろう?」

 

 

 

 扉を開いた先には、清き水が洞くつを照らし

 

 その中心にはテンスの花が咲いていた……

 

 

 

「おおっ!! 

 

 花が咲いている!!」

 

「本当だ、前来た時にはまだ咲いていませんでしたが……

 

 あんなに沢山と咲いてるなんてっ!!」

 

「すごいっ!! これ全部持っていったらみんなを助けられるんじゃない!?」

 

 

 

 花に希望を抱き、急ぎその花を取りに行こうとした瞬間!! 

 

 

 

しゅぼおおおおおっ!! 

 

 

 

 突然、上から紫色の炎がテンスの花に襲いかかってきた!! 

 

 

 

「うわあっ!?」

 

「きゃあっ!!」

 

「くっ!? 

 

 …………あれは!?」

 

 

 

 シンイが見上げた先には謎の魔族がいた……!! 

 

 

 

「キヒヒヒ……燃えろ燃えろ! 

 

 いまわしきテンスの花は、

 

 この魔導鬼ベドラーさまが、すべて焼き払ってくれるわあ!」

 

 

 

 魔導鬼ベドラーの口から紫色の炎を吐き出す、テンスの花に目掛けたその時! 

 

 

 

「させるかぁっ!! 

 

 蒼破刃!!」

 

 ずばぁん! 

 

「ぐぎゃあ!?」

 

 

 

 アルスは走り出し、剣に魔力を込め、風を纏わせて放った技「蒼破刃」が見事に命中した!! 

 

 

 

「アルスさん!」「お兄ちゃん!」

 

「ぐぬぬっ……! 

 

 何者じゃあ!?」

 

「何者だ……? 

 

 それはこっちのセリフだ! 

 

 テンスの花を、焼き払うなんてさせねぇぞ!」

 

「……ん!? 

 

 そうか、貴様らはエテーネの民か! 

 

 なるほど! 危機を察して、この花を採りにきたというわけじゃな!? 

 

 じゃが、そうはいかんぞ! 

 

()()()()()()()()()()()()お前たちに

 

 この花を渡すわけにはいかんからのう!!」

 

「時を……超える……?」

 

「キーッヒッヒッヒ! やっぱりそうか! 

 

 こんな大切なことを忘れ去ってしまうとは、

 

 エテーネの民は、果てしなく愚かな者たちじゃ! 

 

 だか、忘れていようがいまいが関係ない!! 

 

 エテーネの民は、皆殺しじゃあっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

魔導鬼ベドラーが襲いかかってきた!! 

 

 

 

 

 

「キーッヒッヒッヒッ!! 

 

 あの時は油断したが、今度はそうはいかんぞ!!」

 

「シンイ! アリス!」

 

「わかってるわ! お兄ちゃん!!」

 

「アルスさん! 気をつけて!! 

 

 奴が持っているフラフープはおそらく武器です! 

 

 無闇に接近してしまったり、固まって行動すると危険です!!」

 

「そいつはいいことを聞いた! 

 

 だったら俺の魔法剣で距離を取ればいいんだろ?」

 

「はい! そして防御しつつ、自分の魔力を気を配って戦ってください!」

 

「頑張って! お兄ちゃん!! 

 

 私の回復魔法で、二人を支えるわ!」

 

「よっしゃあ! そうと決まったら行くぞ!!!」

 

 

 

 アルスはベドラーに切り掛かる!! 

 

 しかし、避けられた! 

 

 

 

「キヒヒヒッ! 

 

 そんな攻撃、わしに当たると思うてか!」

 

「だろうな……シンイ!」

 

 

 

 避けた先にはシンイのメラがきた! 

 

 

 

「キヒャアッ!?」

 

「ベドラーだっけ? 

 

 お前の敵は俺たち三人だ!」

 

「おのれぇ!! 

 

 小賢しいマネを!!」

 

 

 

 ベドラーは距離をとって攻撃を仕掛ける! 

 

 

 

「これでもくらえっ!」

 

 

 

 フラフープを風を纏わせ、ヨーヨーの要領で投げる。

 

 

 

「うおっ!?」

 

「きゃあっ!?」

 

「うわっ!?」

 

 

 

 アルス達は間一髪攻撃を回避した! 

 

 

 

「嘘だろっ!? あんな攻撃ありかよ!?」

 

「キッヒッヒッヒッ! 

 

 ものは使いようによっては変わるのでな、このようにできるのだっ!」

 

 

 

 フラフープを持ってそのまま放り投げる、そして投げたフラフープはブーメランのように軌道を描く。

 

 

 

「うわあっ!?」

 

「きゃあっ!」

 

「痛っ!?」

 

 

 

 アリスとシンイは避け、アルスはダメージを負う。

 

 

 

「痛ってぇ……! 

 

 なんて奴だ、あの野郎……」

 

 

 

(迂闊だった……、あのフラフープはただ回すだけではなく()()()()()()()()()()()の応用を使っているんだ! 

 

 あのフラフープは、()()()()()()()()()を加えた魔導武器!)

 

 

 

「キキキキッ!!! 

 

 どうじゃ? 我がフラフープの威力は!」

 

「っ! 

 

 これならどうだ!! 

 

 魔神剣!!」

 

 

 

 アルスは、剣に纏った魔力を放った! 

 

 しかし、防がれた! 

 

 

 

「キキキキッ!! 

 

 そんな剣でわしのには当たらんわぁ!!!」

 

 

 

「じゃあ、踏み込めたら?」

 

「キキッ!?」

 

 

 

「双牙!!」

 

「ギヒャアっ!?」

 

 

 

 アルスは踏み込みを入れた魔神剣をベドラーに切り掛かる! 

 

 

 

「魔神剣だって、こんな使い方もあるんだよ!」

 

「おっおのれぇ!!」

 

(すごい……! 

 

 魔神剣の衝撃を剣に纏わせて切り掛かるなんて……!)

 

「すごい……っ!!」

 

「アルスさん! その調子で攻めれば、勝てます!!」

 

「ああっ……そうだなっ!!」

 

「…………キヒッ

 

 キッヒッヒッヒッ! 

 

 キッヒッヒッヒッ! 

 

 流石だな!!」

 

「!?」「!!」

 

「っ! 何がおかしい!!」

 

「流石はエテーネの民の者よ……

 

 ここまで強いとは思わなかったのでな? 

 

 しかし……これはどうかな!?」

 

 ベドラーはフラフープを回した、その時! 

 

 突如フラフープは紫色の炎を纏いはじめた! 

 

「キッヒッヒッヒッ!」

 

 その光景は、三人とも驚きを隠せなかった。

 

「どうじゃ? これを持ってすれば貴様らを打ち倒せるが、

 

 わしの目的は()()()()()()()()さえすれば良いのだ……!」

 

「!!」

 

「っ!」

 

「まさか!?」

 

「キッヒッヒッヒッ! 

 

テンスの花諸共、焼き払ってくれるわあっ!!! 

 

「っ!!! 

 

 させるかぁっ!!!」

 

 

 

「これぞ、我が奥義!! 

 

 紫炎車・輪入道!!!」

 

 

 

 ベドラーは紫炎を纏ったフラフープを体当たりの要領でテンスの花に目掛けて攻撃をする!! 

 

 そうはさせんと、アルスはテンスの花を守る為に立ち向かう! 

 

 

 

「させるかぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 紫炎車・輪入道の猛攻を防ぐアルス、しかしベドラーはその光景を嘲笑っていた。

 

 

 

「キッヒッヒッヒッ! 

 

 無駄じゃ無駄じゃあ!! 

 

 貴様諸共花を燃やしてくれるわぁ!!!」

 

 

 

 一進一退の攻防を繰り広げるも、アルスは劣勢だった……。

 

 

 

「キッヒッヒッヒッ! 

 

 この輪入道を防ごうなどと、百年……いや……千年早いわぁ!!」

 

 

 

 ベドラーはフラフープに勢いを入れた!! 

 

 

 

「ぐっ!?」

 

 

 

 アルスは、その攻撃に圧されていき、限界に達した。

 

 

 

ドガァンっ! 

 

「うわあああっ!!!!」

 

 

 

 幸い、テンスの花を守り切るものの……アルスは吹き飛ばされた……。

 

 

 

「お兄ちゃん!!!」

 

「アルスさんっ!!」

 

「キッーヒッヒッヒッ!! 

 

 よくぞ我が輪入道を防ぎきった! 

 

 だが、ここまでよ!!!」

 

 

 

 アリスは、吹き飛ばされたアルスを助けに行った

 

 

 

「お兄ちゃん! しっかりして!!」

 

「キッヒッヒッヒッ! 

 

 無駄だ! 我が輪入道を受けて立ち上がった者はいないっ!!」

 

「っ!! 

 

 メラミっ!!」

 

 

 

 シンイはメラミを放った! 

 

 

 

「キキッ!」

 

 

 

 しかし、ベドラーはフラフープを回して防いだ! 

 

 

 

「っ!?」

 

「キッヒッヒッヒッ! 

 

 見事じゃ! じゃが残念じゃったな! 

 

 貴様らの望みもこれまでじゃ!!」

 

「っ! 

 

(もはや、ここまでか……!)」

 

 

 

 シンイは魔力を回復するために、集中する。

 

 

 

「キキキキッ! 

 

 何を企んであるかは知らんが、最早手遅れじゃ!」

 

 

 

(ダメだ! 魔力の息吹では回復するのに時間がっ!)

 

 

 

「お兄ちゃんっ!! お兄ちゃんっ!!」

 

 

 

 アリスのホイミをかけるも、まだ目覚める気配がなかった……。

 

 

 

「キッヒッヒッヒッ! 

 

 冥王ネルゲル様! 

 

 我らの宿願、今ここに叶えませるぞっ!」

 

 

 

 ベドラーは、紫色の炎の息を放ち、テンスの花を焼き尽くされるその時だった。

 

 

 

ヒュンっ! 

 

ズバァンっ! 

 

「ぐぎゃあっ!?」

 

 

 

 突然、紫炎のブレスを放つ瞬間、()()が襲いかかってきた! 

 

 

 

「っ!?」「!!!」

 

「なっ、なんじゃあ!? 

 

 今の誰がっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アリス、ありがとう

 

 助かったよ」

 

 

 

「…………えっ!?」

 

 

 

 ベドラーと二人は驚いていた。

 

 ベドラーは、自身の奥義を受けて立ち上がった者はいないと豪語した。

 

 アリスは、シンイは、言葉を失っていた……。

 

 そして、三人はアルスの()を目の当たりにした……。

 

 

 

「お兄ちゃん……!?」

 

「アルスさん……まさか、()()()……!! 

 

「なっ!? バッバカな!! 

 

 そんな……あれは……!?」

 

 

 

 アルスの額には()()()()()()()()が浮かび、輝いていた。

 

 

 

「そんな! そんなバカなっ!? 

 

 あれは……あれはぁっ!!!?」

 

「お兄ちゃん……!?」

 

「アルスさん……まさか……あなたが!?」

 

 

 

 その時、二人は驚愕した。

 

 その時、ベドラーは戦慄した。

 

 そして、ベドラーは冥王さまから()()()()()()()()いたことを思い出す……。

 

 

 

「よいか、()()()()を優先的に殺せ

 

 さもなくば我らの脅威になる

 

 奴を殺せば、この世界は完全に()()()()のものになる」

 

 

 

「キキッ……キキッ

 

キッキッキッキッキッ!! 

 

キッヒッヒッヒッ! 

 

 

 

 ベドラーは笑っていた、それは恐怖や驚愕ではない。

 

 彼を葬る、すなわち竜の騎士を倒した者は世界最強かつ「冥王」を凌ぐ実力者になることだった。

 

 そう、これはベドラーにとっては千載一遇の好機だった。

 

 竜の騎士を葬れば、自身は世界最強の存在になれるということだった……! 

 

 

 

「キッーヒッヒッヒッ!! 

 

 まさかここで竜の騎士に会うとはな!!!」

 

「竜の騎士……? 

 

 何のことだよ!?」

 

「キキッ!! 

 

 まさか、エテーネの民の中に竜の騎士がいたとはな……!! 

 

 貴様を殺せば、()()()()は大変喜ばれることだろう!!」

 

「……?」

 

「貴様が竜の騎士ならば話は別じゃ! 

 

 本気でいかせてもらうぞ!!!!」

 

 

 

 ベドラーの全身から闘気(オーラ)と魔力が溢れ出る!! 

 

 

 

「っ!?」

 

「嘘っ……!?」

 

「こっこれは……!?」

 

「キッーヒッヒッヒッ!! 

 

 このわしはそこいらの雑魚どもとは違うっ!! 

 

 伊達に冥王勢の古株でも、力を磨きを入れ続けたのじゃからなぁっ!!」

 

 ベドラーは力を解放した! 

 

「っ! 

 

 嘘だろ……!? 

 

 てかそんなのありかよ!?」

 

「キッーヒッヒッヒッ!! 

 

 本来ならばこれは切り札としてとっておいた力なのでな? 

 

 しかし!! 相手が竜の騎士ならば話は別じゃ! 

 

 テンスの花と竜の騎士を葬れば、世界各国の魔物魔族達は大いに喜ぶであろう!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベドラー(フルパワー)が襲いかかってきた! 

 

 

 

「キッーヒッヒッヒッ!! 

 

 さあ、本気でいかせてもらうぞ!!!」

 

 

 

 素早くなったベドラーの攻撃がアルスに襲いかかる! 

 

 

 

「うおっ!?」

 

 

 

 間一髪の瞬間、ベドラーの攻撃を避けた! 

 

 

 

(なっなんだ!? 相手の動きが()()()!? 

 

 いや、違う!! ()()()()()()んだ!!)

 

 

 

 アルスは、自身の力の増幅に気づかないまま戦いが始まった。

 

 

 

「キキッ!? 

 

 なんと! 身体能力だけではなく五感までもが強力かつ鋭利になるのかっ!」

 

 

 

 ベドラーは、竜の騎士の力を目の当たりし、歓喜していた。

 

 竜の騎士を倒すという意味、それは幾千幾万の魔族にとっては希望であった、そして冥王にとっても……。

 

 

 

「さあ、小僧……いや、竜の騎士よ!! 

 

 今ここで貴様を葬れば、未来永劫を手にするのだからな!! 

 

 我々の栄光をなっ!!!」

 

「はあっ!? なんだよそれっ!? 

 

 何わけわかんねぇことを言ってんだよ!?」

 

 

 

(無理もない……アルスさんは()()()()()()()から……)

 

 

 

(お兄ちゃん……!!!)

 

 

 

「キッーヒッヒッヒッ!! 

 

 小僧よ、まだわからぬか! 

 

 お前自身が竜の騎士だということを!!」

 

「はあっ!? 俺が!?」

 

「キッーヒッヒッヒッ!! 

 

 そうじゃ!! 貴様を葬むることで、冥王さまは大変喜ばれるのだ! 

 

 さすれば、世界は完全なる冥王さまのものになるというのじゃ!!!!」

 

 

 

 ベドラーの狂喜の笑い声は洞くつ全体に響き渡っていた、中にいる魔物たちも、その声に怯えて逃げ出すものも出た……。

 

 

 

「……だったら」

 

「キヒッ?」

 

「だったら、その冥王は()()()()()()()()()? 

 

 俺自身というより……竜の騎士である俺をなっ!!」

 

 

 

 アルスはベドラーに目掛けて踏み込み切りをした!! 

 

 

 

「キヒッ! 中々の威力だな!」

 

 

 

(これは厄介な敵じゃ……冥王様が優先的に殺せと言われる理由がよくわかる……!)

 

 

 

「しかし、いくら貴様がその力を目覚めたなれど! 

 

 その力が成熟する前に討ち取れば、我々に怖いものはない!!」

 

 

 

 ベドラーのフラフープが炎が放たれる! 

 

 

 

「っ!?」

 

「こっこれは!?」

 

「待って……あれやばくない!?」

 

 

 

 フラフープの炎がだんだんと大きくなり、激しさを増していた! 

 

 

 

「キッーヒッヒッヒッ!!!!! 

 

 いくら貴様でも、我が最大奥義を持って!! 

 

 テンスの花諸共灰燼にしてくれる!!!!」

 

「お兄ちゃん!!!!」

 

「アルスさん!!!!!」

 

 

 

 二人は、恐怖と絶望していた……

 

 しかし、アルスは違った……。

 

 眼前の敵、ベドラーの最大火力の奥義を目の当たりにしても、()()()()()()()()()()……!!! 

 

 親友(シンイ)(アリス)を守る……、テンスの花を守る……、この二つをこなすことは難しいことであった……。

 

 しかしアルスは違った、自身の命にかえて()()()()()()()()()という決意が、アルスの表情に出ていたのだ! 

 

 

 

「キッーヒッヒッヒッ!! 

 

 怖気付いて乱心したのか?」

 

「いや、()()()()()()()()()だから笑ってんだよ!!」

 

 

 

「キッーヒッヒッヒッ!!!! 大言壮語も度が過ぎたな、青二才の騎士よ! 我が紫炎の業火で葬ってくれるわ!!!」

 

 

 

「お兄ちゃん!!!!!」

 

「アルスさんっ!!!!」

 

「安心しろ、お前ら……!」

 

「「!!」」

 

「この一撃で、勝ってみせる!!」

 

 

 

 アルスは剣を構え、自身の魔力と闘気を剣に纏わせる……!! 

 

 

 

「キッーヒッヒッヒッ!! 何をしても無駄だ!! 我が劫火を前に、多くの敵を消し炭にした我が奥義じゃ! いくら貴様の剣でも、所詮は敵ではない!」

 

 

 

 ベドラーはフラフープを掴み、そして体当たりの姿勢をとる!! 

 

 

 

「くらうがいい!!! 

 

 劫火炎車・紫炎入道火車!!!」

 

 

 

 巨大な紫炎がアルスに襲いかかる!!! 

 

 

 

「魔神剣・竜穿(りゅうせん)!!!」

 

 

 

 アルスの放った魔神剣は竜の頭となった!! 

 

 その姿は天翔ける竜の如く……!! 

 

 そしてアルスの魔神剣とベドラーの紫炎入道火車と衝突する!! 

 

 激しくぶつかり合う大技は、洞くつ全体に響き渡った……。

 

 そして……! 

 

 

 

ドガァン!!! 

 

 

 

 大技の衝突を制したのは…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「がはっ…………!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 制したのは、アルスの魔神剣だった……! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………俺の、勝ちだっ!!」

 

「…………お兄ちゃんっ!!!」

 

「アルスさん、やった……!!」

 

 

 

 ベドラーは大技の反動か、力を尽き掛けていた……

 

 

 

「さっ、流石は……竜の騎士……

 

 じゃが……例えこの身が果てようとも、冥王さまから与えられしこの使命だけはっ!!」

 

 

 

 ベドラーは最後の力を振り絞って、炎を吐き出した。

 

 そしてその炎はテンスの花に向けて……!!! 

 

 

 

「んなっ!?」

 

「ああっ!!」

 

「ああっ!! テンスの花が!」

 

 

 

 最後の最後で、ベドラーは尽力の炎を出しきって燃やし尽くしてしまった…………! 

 

 

 

「冥王さま……! 

 

 竜の騎士を討ち損じても、花を焼き尽くしましたぞ……! 

 

 あとは、エテーネの民を……()()()()()()を……! 

 

 冥王さまの手で……滅ぼしてくだされ……!!」

 

 

 

 そう言い、ベドラーは力尽きて霞になって息絶えた…………。

 

 

 

「そんな……ここまで来たのに……!」

 

「どうすんだよ、シンイ……! 

 

 テンスの花が……!! 

 

 それに、時を超えるとかどうこう言っていたが…………! 

 

 最後までジャマしやがって…………!!」

 

「古い書物によると…………、

 

 私たちエテーネの民は、はるか昔()()()()()()()()()()と言う「時渡りの術」を持っていたそうです。

 

 ですが、時渡りの術を使える者は

 

 時代と共に、少なくなっていき……

 

 数百年前に完全に失われたのだとか…………」

 

「あいつらが襲ってくるのは()()()()()()()根絶やしに来るのか……?」

 

「恐らく……そうでしょうね……」

 

「そんな……! 

 

 だからって、そんな力がない今の私たちがこんな目にあわされるの!? 

 

 そんなのあんまりだよっ!!!」

 

 焼け跡を隈なく観察するシンイ……

 

 藁にもすがる気持ちなのだろうか、テンスの花を探していた……。

 

「ダメだっ……見つからない……!! 

 

 テンスの花が、1本でも残っていれば……! 

 

 おばあさまの言いつけを果たせたのに!」

 

「そんなっ……!!」

 

「…………っ!!」

 

「仕方ありません。村に帰りましょう。

 

 他に大いなる災厄を止める手立てがあるかもしれません」

 

 

 

 誰もが、諦めようとしたその時だった……。

 

 

 

「……?」

 

「どうしました、アリスさん?」

 

「ねぇ? あそこだけ、光ってない?」

 

「……はっ?」

 

「光? 

 

 私には見えませんが…………?」

 

「…………もしかして!?」

 

 アリスは、焼け跡を近づいた……

 

「お兄ちゃん! シンイさん! 

 

 あったよ!!」

 

「…………はぁっ!?」

 

「そっそれは……!!」

 

 

 

 二人は、アリスの元に駆けつけた。

 

 そこには、一際大きく輝くテンスの花があった……! 

 

 

 

「アリスっ! やったな!!」

 

「よくぞ見つけてくださいました! 

 

 これさえあれば、村を…………

 

 滅びの運命から救えるかもしれません!!!」

 

「お手柄じゃねぇか! アリス!!」

 

「お兄ちゃん……! 

 

 シンイさん……!」

 

 

 

(アリスは意外にもこういった時には優れているんだ……

 

 もし彼女抜きでここに来たら完全に詰んでいたかもしれない……!)

 

 

 

アルス達は、テンスの花を手に入れた! 

 

 

 

「シンイ! 行こう!!」

 

「はいっ! 

 

 さあ、この花をおばあさまに届けなくては! 

 

 急ぎましょう!!」

 

「うん!!」

 

「よし、なら……

 

 リレミト!!」

 

 

 

 アルスは、リレミトを唱えた、

 

 そして、そこから光の球体がでる。

 

 三人は、洞くつから出るために「リレミトゲート」を通る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 洞くつから出た三人は、草原の異変に気づいた……。

 

 

 

「おかしいですね? 

 

 魔物たちが一匹もいないなんて……」

 

 

 

 周囲を見渡したその時……、突然落雷が起きた。

 

 

 

「シンイ……!? 

 

 今のって……!」

 

「今の雷……村の方だわ!!」

 

「まさか……!? 

 

 急ぎましょう!!!!」

 

 

 

 三人は、全速力で村に走った……。

 

 そして、この日は三人の運命を変えた一夜であった……。

 

 

 

 

 

 




起承転結の転の章、完了
次は結末です。
ついに本編が近づいてきました!
言っても、まずは五大陸の前半はポップ達メインなんですがね。
アルスは、五大陸後半から始めようと思います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。