DRAGON QUEST 竜の騎士と神々の世界   作:梟帥

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脱出回


襲撃

「魔物たちの襲撃(だと)だって!?」

 

 

 

「なんですって!?」

 

「どういうことだっ!? シスターの結界術はどうしたっ!?」

 

「わからねぇ!! どういうわけか()()()()みてえな奴が剣でたったの一振りで()()()()()()()()んだ!! こっちが聞きたいくらいだっての!!」

 

 

 

 魔物たちの襲撃に、集落の人々とダイとアルスたちは驚きを隠せなかった! 

 

 

 

「まさか……!? ……くっ! 是非もなし!! 

 

 ホフマンっ! ホフマンはいるかっ!!」

 

「はいっ! 長老さま!」

 

 

 

 颯爽に現れた青年「ホフマン」。

 

 主に馬車引きやサバイバルキャンプを得意とする商人の青年である。

 

 

 

「急を有することが起きた!」

 

「魔物たちの襲撃ですねっ!」

 

「いかにもっ! そなたはダイ様とアルス様を()()()()()()まで案内してここから逃げるのじゃっ!」

 

「っ!? しかし! 長老様たちは!?」

 

「来る時が来た……それも予想外に……!! 

 

 ホフマン、アルス様に()()をお渡しするのだっ!」

 

「わかりました! まずはダイ様! アルス様!」

 

 

 

「っ!?」「なにっ!?」

 

 

 

「まずはお二人の安全を優先します! 

 

 どうぞこちらにっ!!」

 

 

 

「おいっ! 待てっ! 

 

 一体どういうことなんだよ!?」

 

「そうだよ! それにまだアルス君に教えることが……!」

 

 

 

「……奴らの襲撃が想定外に来たのじゃ」

 

 

 

「!?」「えっ!?」

 

 

 

「おそらく奴らは()()()()()()()()()()()じゃったのじゃろう……! 

 

 そして総力に近い襲撃は()()()()()()()と動いたのだ、でなければ包囲による総攻撃は行おうとはしないはずじゃ……! 

 

 となれば、奴らの狙いはこの地の鉱石と……」

 

 

 

「……()()()もなのか?」

 

 

 

「そうじゃ……! その為にダイ様……! アルス様を……集落の脱出を頼む!」

 

 

 

「……っ!」

 

 

 

「……ご安心召されい、万が一に遺言の一つや二つを残してある。

 

 さぁ急がれよ!! 奴らに勘付かれる前に逃げるのじゃっ!!」

 

 

 

「……わかりました、おじいさん!」

 

「なっ!? 待ってくれ! 俺たちも戦う、だから!」

 

 

 

「ならぬっ!」

 

 

 

「!!」

 

 

 

「アルス様、今は逃げられよ! 

 

 あなた様の命は未来に向けて生きられよ! 

 

 そして、強くなられて戦うのだ!」

 

 

 

 長老は魔法陣を展開し、迎撃体制を整えた! 

 

 

 

「私たちが時間を稼ぐ! 

 

 ダイ様はアルス様の護衛をっ! 

 

 脱出の後、ホフマンはアルス様を支えよ!」

 

 

 

「わかった!」「承知っ!」

 

 

 

「おっおい!?」

 

 

 

 ダイは走って寄合所に向かっていた。

 

 ホフマンはアルスの手を握り、走っていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寄合所

 

 

 

 

 

「何ぃっ!? 敵が攻めてきたっ!? 

 

 こうしちゃいられねぇっ!!」

 

 

 

 寄合所の家主は大槍を装備して戦線に赴いた! 

 

 

 

「ここは……?」

 

 

 

「寄合所に使われています、長老さまの話によればここに……!」

 

 

 

 ホフマンはタンスをどかして隠し通路の扉を開けた! 

 

 

 

「ここだ! ダイ様! アルス様! ここです、早く!」

 

「わかった! アルス!」

 

「……ああっ!」

 

 

 

 ダイたちは隠し通路を通って脱出を試みた……! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秘境の村・森広場

 

 

 

 秘密の脱出路を通ったダイたちは森の広場に着いた。

 

 

 

「ここは……?」

 

「ここは村の避難所の一つです。

 

 村の人たちは今別の所に避難して脱出を試みてますが、ここはその一つです。

 

 さあ、この広場の森を越えれば逃げ切れます!」

 

「わかった! 行こう!!」

 

「ああっ!」

 

 

 

 ダイたちは森の広場を抜け出ようとしたその時っ!! 

 

 

 

 

 

「なるほど……村の人間は囮か。

 

 いかにも合理的で戦術に秀でてるな?」

 

 

 

 

 

 一筋の紫色の巨大な雷が落ちてきた!! 

 

 

 

「うわぁっ!?」「ひゃあっ!?」「っ!?」

 

 

 

 雷の中から、大刀を片手に持っていた美形の男性が現れたっ!! 

 

 

 

「さすが王家が仕える影の精鋭勢力……。

 

 なるほど、宝石の賢者との繋がりを考えれば当然か?」

 

 

 

「なっ……!?」「なんだ……!?」

 

「誰だっ!?」

 

 

 

 ダイは自身の剣を抜き、「双竜紋」を発動させた!! 

 

 

 

「ほお、お前のその紋章は「双竜紋」か? 

 

 ……そうか、お前があの「双竜紋の騎士」か? 

 

 それならばそこにいる青二才が「竜の騎士」ということか?」

 

 

 

「っ!」「っ!!?」

 

 

 

 美形の男から底知れぬ殺気に、ダイとアルスは冷や汗をかいた……!! 

 

 

 

 そして美形の男は大刀を納め、名乗り上げた……。

 

 

 

「改めて初めまして……だな? 

 

 私の名は「アレス」。()()()()()()()()()()だ」

 

 

 

「「竜の騎士っ!?」」

 

 

 

「なっ……なんだって!?」

 

 

 

 竜の騎士と名乗りあげた男「アレス」。

 

 何故竜の騎士が……? ダイとアルスはただただ呆然としていた……! 

 

 

 

「……驚くも無理もない、お前達はこう思っているはずだろ? 

 

()()()()()()()()()()のはずだと。それは正しい、それならば証拠をお見せしよう……!」

 

 

 

 アレスの額に()()()()が浮かび上がった!! 

 

 

 

「「っ!!?」」

 

 

 

「あっあれは……!?」

 

 

 

「驚かれるも無理もない……だがこの額の紋章が何より自身が竜の騎士であるという決定的にして、動かぬ証拠だ。ご理解はいただけただろうか?」

 

 

 

「……理解も何も、お前が竜の騎士だってことはわかった。でもなんでこんなことをっ!!」

 

 

 

「こんなこと……? 襲撃のことか? 

 

 こう言えば、納得はするだろう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大魔王さまのお言葉は全てに優先する。

 

 わかったか?」

 

 

 

 アレスの言葉に、ダイとアルスとホフマンは身も心も震えだす悪寒と恐怖を感じた……! 

 

 アレスの発言、そしてその発言に表情を変えない無表情な顔が物語っていた……! 

 

 それはダイ自身が一番に悟った、かつて父バランと戦った時とバーンに初戦の時に惨敗したことと、ドルオーラを防がれて威圧感と恐怖感を発した時のものとは違う気……。

 

 バランの覇気・バーンの威圧感を超える「殺気」がそこにあった……!!! 

 

 

 

 アレスは大刀を抜いて、構えた。

 

 

 

「ダイ、そしてアルスよ」

 

 

 

「っ!」「……っ!!」

 

 

 

「これ以上の問答は無意味にして無価値。

 

 時間が惜しいのでな? 配下の龍騎衆が資材の強奪と集落民の虐殺をしている間、われ自らの手で殺す。

 

 特にアルス、貴様は何がなんでも殺してやる!」

 

 

 

 アレスは大刀を一振りした瞬間、風速50m以上の風圧がダイ達を襲いかかった! 

 

 

 

「うわぁっ!!?」「うひゃあっ!?」「ぐあああっ!!!」

 

 

 

 アレスの一振りで周囲の木々は薙ぎ倒され、ダイたちは吹き飛ばされてダメージを受けた! 

 

 

 

(なんて……チカラだ! 闘気を使わないで、この威力……!?)

 

 

 

「……他愛もない、この程度で倒れるはずもなかろう? 

 

 最も、普通の人間と素人の竜の騎士は別だかな?」

 

 

 

 アレスは大刀を納め、吹き飛ばされたアルスの元に近寄った

 

 するとアレスは懐から袋のようなものを出した。

 

 

 

 

 

「な……何を……する……!」

 

 

 

「案ずるな、すぐには殺さん。

 

 ……知りたいだけだ、この男……アルスをな?」

 

 

 

 アレスは「呪いの霧」をアルスに振りかけた! 

 

 すると振りかけられた呪いの霧が()()()()()()! 

 

 

 

「……えっ!?」

 

「呪いが……!?」

 

 

 

「やはりな……お前は()()()()()()()()か……!」

 

 

 

 アレスは右手に闘気を込めた。

 

 

 

「死んでもらおう、()()()()()を恨みながらな……!!」

 

 

 

 アレスはアルスの心臓を目掛けて殴り潰しにかかったその時!! 

 

 

 

「やめろぉっ!!!」

 

「!!」

 

 

 

 ダイの猛突進に、アレスは避け流した!! 

 

 

 

「お前の思い通りにはさせない!!」

 

 

 

「ダイ……!」

 

 

 

「……っ! うう……!」

 

「! アルス! 大丈夫かい!」

 

「ああ……なんとか……!!」

 

 

 

「……邪魔をするか、双竜紋の騎士」

 

 

 

「ダイ……アイツは……やばい……! 

 

 双竜紋で勝てるかどうかわからない相手だぞ……!」

 

「わかってる、でもアイツがいる限り。ここから逃げられない……!」

 

 

 

「ほお……? われに挑もうというのか? 

 

 ……いくら双竜紋の騎士であるお前でも、われに勝てるかどうかわからないぞ?」

 

 

 

 アレスは闘気をわずかに発し、それだけでも場の雰囲気が威圧感によって支配された……! 

 

 

 

「……っ!」

 

 

 

「例え双竜紋の騎士であろうとも、われに勝てるかどうかわからないはずだ? それでも挑むというのか?」

 

 

 

 アレスのそこ知れぬ殺意と物言わぬ表情に、アルスは冷や汗をかいていた……。

 

 対しダイは警戒し、臨戦態勢を取っていた。

 

 同時に、かつての先生(アバン)と同じ状況下に立っていることを実感していた……!! 

 

 

 

(どうする……!? まだアルス君には奥義を教わっていない……! 

 

 それに……、相手は俺とアルス君と同じ竜の騎士……!)

 

 

 

「どうする? われに殺されるために挑むか?」

 

 

 

「くっ……!」

 

 

 

「おやおや? あたしを抜きにはじめようなんていい度胸じゃないか?」

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

 その時、アルスたちの後ろに賢者マリーンが現れた! 

 

 

 

「マリーンさん!?」

 

 

 

「これはこれは……随分と大物と出会っちまったね?」

 

 

 

「宝石の賢者か、何しにここへ来た?」

 

 

 

「何しに? 決まってるじゃないか? 

 

 この二人を助けるためさ。

 

 それ以外に何か聞きたいのかい?」

 

 

 

「……不要だ、お前諸共葬るまでよ!」

 

 

 

「ふん……言うじゃないか……! 

 

 こればかりはどうやら避けて通れないようだね?」

 

 

 

「マリーン様! 相手が悪すぎます! 

 

 例えお二人がかかっても勝てる見込みはっ!」

 

 

 

「……馬鹿だね? ()()()()()()ことなら簡単だよ?」

 

 

 

「えっ?」

 

 

 

「こうするのさっ!!」

 

 

 

 賢者マリーンは宝石を投げ出した! 

 

 

 

賢者マリーンはアルスとホフマンに「バシルーラ」を唱えた! 

 

 

 

「何っ!?」

 

 

 

するともう一つの宝石は()()()()が発せられた! 

 

 

 

「まっマリーン様っ!? 何をっ!?」

 

 

 

「この戦いは()()()()()()()()()()()なんでね? 

 

 その為ならば、この命を賭けるのに値するものさねっ!」

 

 

 

 マリーンは袋から「冒険者の書」を出し、アルスに投げ渡した! 

 

 

 

「これ、冒険者の書!?」

 

 

 

「さあお行きっ! コイツはあたしとダイがくい止めておくよ!!」

 

 

 

「なっ!? ダイっ! マリーンさん!!」

 

 

 

 アルスは二人に声かける暇もなく、ホフマンと共に空の彼方に飛ばされていった……!! 

 

 

 

 

 

「宝石魔術……! 宝石に魔法を込めて蓄える魔術か……! 

 

 噂には聞いていたが、なかなか汎用性が高い魔術を……!!」

 

 

 

「どうする? 後を追うってんなら、あたしたちが黙って見過ごすわけにはいかないよ!!」

 

「マリーンさん! みんなは!?」

 

「若い衆は避難済みさ、老耄のガキどもが命にかえても守り通したんだからな!」

 

「!!」

 

「アイツら言っただろ? 「竜の騎士を守る為ならこの命をかえても守る」ってな! 

 

 だったら、アイツらのためにも一肌脱ごうじゃないか!!」

 

「ああっ!」

 

 

 

 ダイは剣に竜闘気を込め、マリーンは背負っていた棍棒を持った! 

 

 

 

「双竜紋の騎士に宝石の賢者か……! 

 

 我が相手にとって、不足なしっ!!」

 

 

 

 アレスは大刀を抜き、構えた! 

 

 

 

「準備はいいかい? ダイ!」

 

「はいっ!!」

 

 

 

「いくぞ……貴様らの首級を手土産に、必ずや奴を討ち取ってくれるわっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、秘境の村は魔物たちの襲撃によって荒れ果て無人となってしまった……。

 

 その報せは各王家と世界宿協会に知れ渡って衝撃を走った……。

 

 

 

 そして、「ダイ」と「マリーン」の行方は誰も知る由もなかった……。

 

 

 

 

 

 




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