アルスは意気揚々と冒険に出るも、肝心の「仲間集め」の問題に当たった。
「冥王・竜の騎士打倒」という目標を掲げても、賛同する者はいない。至極当然の答えだ、ただの人間や一般の冒険者たちに訴えても我が身を選ぶ……。
しかし、賢者エイドスは言った
「お前の冒険を助ける者たちがいる」
それは「アバンの使徒」とその仲間の「獣王」である。
彼らと出会い、仲間になれば戦力にはなれる
幸いにもプクランド大陸の王都「メギストリス」に「レオナ」がいるという情報を得たアルス達。
アルス達はレオナという賢者の姫君に会うために、そして使徒と獣王と出会うために冒険の幕を上げたのであった……。
「レオナ……? ああ! あの別嬪さんなら確かに「メギストリス」に行ったね?」
「そうですか、ありがとうございます」
馬車の商人と話し、ホフマンはアルスの元へと戻った。
「確かなんだな?」
「はい、アルス様」
町中と道中でレオナという冒険者の情報を集めていたアルスとホフマン。
二人はオルフェアで起きた事件のことを聞いていた、レオナとその仲間達は町長と一緒に「悪魔ザイガス」を倒したことやメギストリスに行ったと言う話を聞いていた……。
「なるほどな? なら行こうか?
やくそうとまほうのこびん、ある程度仕入れてるしな?」
「ええ、これだけあれば何があっても大丈夫ですからね?
食材の方はこちらで管理しておきますから、ご安心を。アルス様」
「……なぁ? 一つ良い?」
「?? なんでしょうか?」
「俺のこと、様付けにして呼ぶの禁止な?
変な関係になるからな?」
「はぁ、すみません……」
「……っても、気をつければ良いだけさ?
さて、西地方からこの先の地方一つ越えれば「メギストリス」だよな?」
「はい、西地方から「風車の丘」を越えればメギストリスです。
道中のモンスターは……心配いりませんね?」
「……俺、強くなりすぎたかな?」
「ええ、あの頃と今とは比較になりませんよ?
よくて殺気が落ち着いたという感じですね……?」
「……そうなのか?」
和気藹々ながらも二人は丘を越えてメギストリス領に到着した。
「……寄ってこないね?」
「寄りませんよ? あなた自身から醸し漏れ出してる闘気の中に殺気が混じってるから、大抵のモンスターはビビって……(汗)」
ホフマンは辺りを見渡してみた、岩陰に隠れてビビってるモンスターや他人事のように素通りするモンスターやハトポッポの鼻歌交じりで眼を泳いでいたモンスターがいた……。
「……なんかさぁ……悲しいなぁ?」
「あっアルス……さん? その、落ち込まないで……」
ホフマンは辺りを見渡した、アルスの周囲10〜30kmにいたモンスターは恐れ慄いたか、一目散に逃げ始めた……。
(みんな「確実に狙われる」と思って逃げたぁっ!?)
「なあ、ホフマン。なんかモンスター達が逃げて……」
「大丈夫っ!! あなたの強さに恐れてるだけだよ!
きっとそうですっ! はい!!」
(殺気にビビってるなんて知ったらどれほど落ち込むことか……!)
「そうかな……? 戦わないと鈍って錆びちまいそうなんだけどな……」
「ご心配なく! 地道に身近なトレーニングを継続しましょう!
それが一番です!」
(実戦になったとしても逃げの一択になりそう……!)
「……気にしても仕方ないか?
メギストリスの都に行こうか、事件の一つや二つがあったら解決しようか!」
「ええっ! それが一番です!」
(大丈夫かな……? 暴れたりはしないよな……?)
プクランドの王都「メギストリス」。かつてこの王国を救った英雄「フォステイル」が築いた王国。
かつて500年前、流行病の危機によって滅びる寸前だった。
そしてその国を救ったのがフォステイル、しかし
「詳しい話は分かりませんが、メギストリスは
「その話……マリーン様から聞いたんだけどよ。
実際、その記実資料が無いんだよな?」
「ええ、事細かくな詳細がないからなんとも……」
「……まあこの話しても仕方ないから、城に行ってみる?
何やら
「そうですね、行くだけいきましょうか」
アルスとホフマンは酒場を出て、城に向かった。
「……ねえ、私たちも行きましょう?」
「そうだね?」
その時、その話を聞いていたか知っていたか
アルス達の後を続くように城へ向かった一行の姿があった。
城門前に近づくと、摩訶不思議な雰囲気を持ったプクリポが現れた……。
「おお! これはこれは英雄「フォステイル」様!
よいところへいらっしゃいました!」
(フォステイル……!?)
「どうか急ぎ、玉座の間へ向かい
王にお会いください!」
「……まさか、プーポッパン王の身に
何かあったのか?」
「いえ、ご病状は安定しておりますが
王は……とうとう
おっしゃっているのです!」
「なんだって!?」
「フォステイル様、お願いです!
王を止めてください!
儀式をおこなえば、王の命は……!!」
「わかった、ありがとう」
その者……フォステイルはメギストリス城に入った……。
「……あの、すみません」
「……ん? なんだお前は?」
「あやしいヤツめ。
何用があってメギストリス城は来た?」
「ああ、俺たちは……」
「えっ?」
「はい?」
アルス達は声のした方を向くと、そこには気品溢れて才色兼備を体現した美女
と従者と思わしき少女と魔法使いのプクリポが立っていた。
「あっあの? どちら様……?」
「…………。
見たところ、冒険者って感じね?
あなた達も、「キーエンブレム」を求めてここに?」
「あ? ああ、そうだ。
ということはあなた方も?」
「はい、私たちもキーエンブレムを求めてこの都に……」
「……少し良いか?」
「ん?」
「……お前達の話を聞く所、キーエンブレムを求めてこの国……メギストリスへやってきたのだな?」
「ああ、そうだ」「ええっ」
「それならば、一人前の証を持っているはずだ。
どれ、あらためさせてもらうぞ?」
衛兵達はアルス達の冒険者の書を取り、一人前の証を確認した。
「ふむふむ……ふむ。
これは、まごうことなき一人前の証!
よーし、問題なし!
通っていいぞ!」
「はーい」
アルス達は城へ入った。
城の中には討伐隊と冒険者の姿があった。
名声欲しさや富を欲する者達や
己が力を世に示そうとする若き冒険者の姿があった。
(すごいなぁ……王都となるとこんなに人が多いのか……!)
そう思い、一同は玉座の間に向かった……。
「プーポッパン王!
どうかお考えなおしください!
いかに魔瘴をしりぞけたとしても、王を失えばわが国はおしまいです!」
「ゴホッゴホッ!
イッドよ、魔瘴に触れた我が身は
もう長くはもたぬ……!
ならば、最期ぐらい
好きにさせて良いであろう……!」
「私も、王にお仕えする前は
レンダーシアの地で魔瘴の脅威を研究しておりました。
このまま何もせずにいれば、プクランド大陸各地に現れた魔瘴が大陸を滅亡に導くことはしょうちしております。
ですが……! なにも王が儀式をおこなわずとも
「……王子はこの国の未来を背負う者。
わしは魔瘴に侵され、死を待つだけの身だ。
どちらが儀式にふさわしいかは明白だろう……!」
「しっしかし……」
「くどいぞ! イッド!
誰がなんと言おうとも、わしは王家の儀式をおこない
魔瘴からこの国を守る!!
……この命ひとつで、プクランド大陸に住むすべての民を救えるなら、安いものよ」
その時、玉座の間に入ってきたのはフォステイルだった!
「あれは……!?」
「フォステイルっ!?」
冒険者と討伐隊の人たちはフォステイルの登場に驚いていた……!
「……誰かと思えば、インチキ予言者のフォステイルどのか?
申し訳ありませんが、今私は王と大切な話をしているのです。
席を外してくださいませんか?」
「……まあよい、イッド殿。
……フォステイル、ひさしぶりだな?
さあて、今度はどんな不幸な未来をわしに予言してくれるのだ?」
「…………」
玉座の間の空気は一変し、緊張が走った……。
「運命とは、あらかじめ定められたもの。
ぼくの意志が、選んでいるのではありません」
「そうか……ではわしが魔瘴に侵され、死にかけているのも。
そしてこのプクランド大陸が滅びようとしているのも、すべて皆定められたことだというのか…………」
プーポッパン王は咳き込んだ。
「……そのお身体ではもとより、儀式の塔へ向かうのは無理でしょう」
「ふん! わしの身体のことが、お前などにわかってたまるか!」
「……王よ。塔へは行かぬことです。
ぼくの予知では、儀式の塔へ向かえば
取り返しのつかないことになる……。
魔瘴の脅威から国を守りたいなら、亡くなられた
「アルウェ王妃のノート……?
いかなる願いをもかなえるという、あの伝説のノートが……!?
まさか、実在するというのかっ!?」
フォステイルとイッドの発言により、多くの冒険者や討伐隊の人たちは驚きの声が上がった……。
「アルウェ王妃のノート!?」
「そうか……! 確かにそれを使えばっ!!」
「アルウェ王妃のノートは、この国のどこかに眠っているはずです。
そのノートさえあれば、王自ら命を捧げずとも
この国から魔瘴から守られます!」
(……なるほどな? 確かにそのノートを使えば、魔瘴を守れるのと王の身体を癒すことも両方ができる……!)
「……我が君プーポッパン王よ、インチキ予言者を信じるわけではありませんが、ためしにアルウェ王妃のノートを、探してみてはいかがでしょうか?」
「貴様まで、そんなくだらんものを信じるというのかっ!? イッドよ!」
「いっいえ、めっそうもございません…………!」
「予知もノートもでたらめだ!
アルウェのノートなど、あるはずがない!」
「ですが、王よ!」
「出ていけっ!!
フォステイル! 二度とわしの前へ姿を現すな!」
「…………」
フォステイルは玉座の間を出た……。
「…………さて、旅の人たちよ。
無礼であったな、何用があってこの城に来た?」
「……ふむ、王よ。
この方達はおそらく「キーエンブレム」を求めに来たのでは?」
「何? ……そうか、さてはイッド、お主の仕業か?」
「ええ、幸い討伐隊の編成が済みましたが……。
討伐隊だけでは万が一のことがあってはと思いまして、私めが呼び集めさせたのです」
「そうか……では、お前たちに頼みたいことがある。
入れ!」
玉座の間から討伐隊が入ってきた!
「おお! これはなんとも精強な!
これならば魔物の討伐ができましょう!」
多くの冒険者たちは、ざわめき始めた……。
「イッドよ、近頃「キラキラ大風車塔」の「儀式の間」に
そこで、我が国に集う精鋭たちと編成したものたちに魔物を討伐してもらおうと思ってな。
彼らと旅の人たち……冒険者たちと連携すれば、安心して儀式もできる」
「流石です、王よ。
そこまでお考えであれば、私の部下たちも討伐隊の一員として儀式の塔へ同行させましょう……。
タナト! ヒプノス!」
イッドの呼び出しに応じ、部下のタナトとヒプノスが現れた!
「討伐隊の兵たちが
無事塔に潜む魔物たちを倒したならば、もはや儀式を止め立てはいたしません。
すべては王の御心のままに……」
「ふむ……というわけだ、冒険者たちよ。
そなたたちも一人前の証を持つほどのウデ前ならば、魔物退治を恐れたりはすまい。
魔物を討伐してきたあかつきには、キーエンブレムをほうびにくれてやる。
どうだ? 行ってくれるか?」
多くの冒険者たちは王の答えに答えた。
キーエンブレムを得られるということで、みな討伐の意を告げた!
「そうか! やってくれるか!
これで、討伐隊はそろった!
皆々は一人前の証を持つ勇敢なる者たちだ!
これなら魔物もひとひねりだろう……!」
「うむ…………討伐隊に告げる!
風車の丘にあるキラキラ大風車塔へと向かい、儀式の間に潜んでいる魔物を討伐するのだ!」
「では、頼んだぞ!」
アルスたちは討伐隊と共にキラキラ大風車塔に向かった……。
「…………」
「どうしました?」
「あの人……何か
「……??」
次回
キラキラ大風車塔の儀式の間