儀式の間に訪れるも、そこに魔物の姿はなかった
その時、イッドの配下であるヒプノスとタナトが討伐隊と冒険者たちを殺した。
アルスとレオナはヒプノスとタナトと戦うも、敵の術中にかかって窮地に陥る寸前「サモン」の登場によって形勢逆転する。
逆転するも、ヒプノスとタナトは「全てはイッド様の計画」言い消滅した・・・。
事の重大さを目の当たりにし、急ぎ王都へ戻った
しかし、冒険者アルスと王の側近のイッド
両者の言葉と信頼の差は、誰もが見て一目瞭然の結果は火を見るより明らかだった・・・。
キラキラ大風車塔で起こった事件を伝えに、アルスたちはサモンと共にメギストリス城に急いで戻った。
「……っ!? おまえたち生きて……!?
……いや、失礼した……。
確か、君たちは討伐隊と共に加わった冒険者たちの者たちだったな?
他の人たちは一緒ではないのか?」
「……イッド、何の騒ぎだ?」
「おお、王よ! そのようなお身体で……!
おとと、ささっ。玉座へ……。
王よ、養生してください! お休みになられておりませんと、お身体に障りますぞ!」
「イッドよ、わしに残された時間はわずかだ。
この命が尽きるまで、国のために……未来のためにはたらきたいのよ」
「おお……なんと気高き精神……!
さすがは我が主君、このイッドは感服しましたぞ」
「もうよい、やめんか……。
それより……。
そなたたちは討伐隊に加わった冒険者だな?
どうした、無事魔物を討伐できたのか?」
「……その事ですが、私から説明させていただきます」
「む? そなたは?」
「私はサモン、流れの術師です」
「ほお? そなたが何故ここに?」
「私は彼らが儀式の塔へ入るのを見て後を追いかけてきたのです、実は……」
サモンはヒプノスとタナトが冒険者と討伐隊を皆殺しにしたのと、アルスたちを殺そうとしたところを自身が救いに参戦したことと、その二人の口から「奸賊イッドの企み」と口にして消滅したことを話した……!
「……なんだと? 儀式の間に魔物はおらず、代わりにイッドの部下たちが討伐隊と冒険者を皆殺しにした……だと?」
「はい、今儀式の間は血で穢れて邪悪なる場になっています!
今儀式を行えばかえって危険です!」
「なっなんと!? そのようなことが……!?
お前たち! なんたるデタラメを!」
「……!」
「まさか、それは私を陥れるために誰かが差し向けたというのか!
王よ! 恐らくはこの者たちは差し向けた黒幕に利用された捨て石の駒!
儀式の間がまことに汚れているのなら、今しばらく時を……!!」
「……イッド、もう良い」
「おっ王よ!?」
「これまで、多くの冒険者や討伐隊を見てきたからわかる。
ここにいる者たちはなかなかの面がまえ、だが……歳を取ってわしの目が曇ってしまっていたようだ……。
ゴホっ!! ひきょう者たちよ!」
「……!!」
「仮に魔物から逃げ仰せたのならば許してやろうとも思っていた、だが仮に討伐したとしても、その魔物はイッドを奸賊呼ばわりして、その罪をなすりつけよるとは!!
魔物がいなかっただの、あろうことが我が腹心のイッドが討伐隊と冒険者たちを皆殺しにする奸計を企てていただの、バカの休み休み言うがよい!! ……ゲホッゴホゴホッ!!」
「よいのです、王よ……。
悪いのは我が部下が魔物にすり替わっていたことを気づけなかったこのワシ自らの慢心……。
ですが、しょせんは根も葉のない素人も考えればわかるウソ。
お気にめさることはございません。
それよりも、そう興奮なさると
お身体に障りますぞ」
「うむ……すまぬ、イッド。
此度はイッドに免じ、お前たちの罪は不問……帳消しにしよう。
だが、その代わりに二度わしの前に現れるな……。
冒険者と、サモンと言ったな?
早々に立ち去るがいい!
次に、我が前に現れたら容赦はせん!」
「…………」
「というわけになってしまった。
まことに申し訳ございません、お引き取り願えませんかな?
キーエンブレムの件は、また用意しますので
お引き取りを願いませんかな?
今の王がこのようでは、わしもなかなか手に負えないのじゃ……」
「口が過ぎるぞ! イッド!」
「おお、申し訳ございません……」
「…………行こう、この場は潔く去るのが吉だ」
「っ!?」
「なっ何を!?」
「いいから……!」
「…………」
サモンの言う通りに、アルスたちは玉座の間を出た……。
「イッドよ、仮に儀式の間が本当ならば……」
「ご心配には及びません、もし彼らが本当に討伐したのならば他の者たちの死は本当ということになるが……塔には休む場所もあります。
恐らくは討伐隊はそこに傷を癒しに専念してましょう?
つまり、彼らはその代表として訪れたのでしょう……」
「……うむ。それならねぎらいの言葉をかけねばな?
……あ奴らにキツいことを言ってしまった……。
もし塔に彼らが訪れたら詫びを言わねばな……」
城内の廊下にて、アルスたちは言い争っていた。
「どうしよう……このままだと本当に!」
「そうなったら、プクランド大陸が滅びてしまう……!」
「ちょっと! あなたどうして自分の本当のことを言わなかったのよ!」
「あの場で自身の素性を言っても、今の王の態度で聞き入れるかわからないだろ?」
「だからって……!」
「仮に僕はグランゼドーラの賢者の「使い」。「特命を授けた者」なら話は変わりますけどね?」
「……でも、それでもあの王に聞く耳を持っているか怪しいぞ?」
「ええ、あの人は妻の死を機に心を閉ざしている……いえ、もっと正確に言えば別の要因……」
「……?」
「それより、今は出ましょう。
先回りに塔へ行くのも一つだけどね?」
「……だな? 考えても仕方がない。
それに、俺は彼女たちに聞きたいことがあるからな?」
「え?」
「……そうですね、それは僕自身にも皆様に言うべきことですからね……?」
アルスたちはそのまま城に出ようとしたその時……。
「待ってくれ!」
「??」
「君たちはウソなどついていないと、ぼくにはわかる。
……すまない、君たちのチカラを貸してほしい」
「おまえ……フォステイルか?」
「そうだ、ぼくはフォステイル。
君たちの名前は…………ぼくが当ててみせよう」
フォステイルはアルス一行をぐるりと回ってみつめた……。
「……まずプクリポの者は「アベリア」、転生者で「フッキー」という名前だね」
「!」
「次に、君は「レオナ」と「メルル」だね?
レオナは異なる世界の国の一つ「パプニカ王国」の王女にして賢者。
そして、メルルは「テラン王国」出身の占い師だね?」
「ええっ!?」「嘘……!? どうしてわかったの!?」
「……!?」
「そして、君たちは……「アルス」と「ホフマン」。
そして「サモン」だね?」
「あっああそうだ……!」
「はい……!!」
「……なるほど、君はあのアルスだね?
エテーネ村のアルス……だが、君自身本当に生まれた場所はエテーネ村とはちがうようだ……」
「……!」
「そして、ホフマンとサモン……。
ホフマンはレンダーシアの出身で世界宿協会の一員
サモンはかの「叡智の冠」に仕える特殊員の術師……そうだね?」
「……!?」
「……お見事」
「ぼくは、ずっと昔から予知していた。
アストルティア全土に災いに見舞われる時
「アルス」という剣士が現れ、全ての国々を救うだろうと……」
「……!?」
「アルス、君自身知っている通り
今プクランド大陸は魔瘴によって滅びようとしている。
プーポッパン王は、王家に伝わる儀式を行おうとしているが……肝心の儀式の間は
「……そうだ」
「結局、すべては予知した通りか……」
「フォステイル……それじゃあ、あなたの言っていたことは全部?」
「……そうとも、ぼくには
王の儀式では、国は救えない……。
それどころか、このまま儀式をやれば
プクランド大陸はさらなる災いに見舞われ、滅びてしまうだろう…………」
「……それなら、どう救えるというのですか?」
「そうよ! このまま儀式をすれば、プクランド大陸は滅びてしまうわ!
何かないの!?」
「……それなら、一つだけ方法がある。
あの時、ぼくが王に
「あるもの……?」
「アルウェ王妃のノートだ」
「!!」
「ノート……もしかして!?」
「そうだ、亡くなったアルウェ王妃が持っていたなんでも願いをかなう不思議なノートだ。
そのノートがあれば、魔瘴から国を守ることができるはずだ!」
「そうか! そのノートに「魔瘴の脅威はなかった」と書けば、文字通りにプクランド大陸が救われる!」
「それよ! それを手に入れれば、儀式をしなくても救えるわ!」
「そうだ! 頼む、みんなのチカラを貸してほしい!
一緒に「アルウェのノート」を探してくれ!」
「……言わなくてもいいだろ、そんなこと」
「……! じゃあ……!」
「フォステイル、探すなら手掛かりが必要だろ?」
「……! ありがとう!
……けど、残念なことにアルウェのノートは行方不明だ……」
「何だって……?」
「あっ!? ノートがなくなったのは
「そうだ……けれど、手がかりはある」
「! それは……!?」
「アルウェ王妃は、オルフェア地方西の南にある「リンクル地方」の「別荘」で亡くなったそうだ。
聞けば、前日までは元気だった王妃が、突然むごい死に方をしたと言われている……」
「……!」
その時、レオナの脳裏に
「もしかしたら、アルウェ王妃はノートに
「3つ目の願い……?」
「……ああ、君は知らなかったね?
願いのかなうノートはこんな
ノートがかなえる願いは
ただし、3つ目の願いを書いた時
その者は滅びるだろう……と」
「つまり……」
「そう、おそらく王妃が亡くなった別荘になんらかの手がかりが隠されているはずだ。
アルウェ王妃の別荘跡は、リンクル地方にある
そして、大きな湖の近くだ。行こう!」
「わかった!」
「はい!」
アルスはフォステイルと共に、目的地の別荘跡のあるリンクル地方に向かって出発した。
そして、それを
次回
アルウェの思い出と王子の願い