儀式を行えば大陸滅亡は避けられない
それを回避するために、フォステイルと共に「アルウェ王妃のノート」を使えば、滅亡の危機を避けられる。
亡くなった別荘に、その手がかりがあるはず
フォステイルと共に、アルウェ王妃の別荘に向かった・・・
アルスはフォステイルと共に、リンクル地方に向かった。
道中の魔物たちは恐る恐るアルスたち一行に近づけずに離れていた……。
(ちきしょう……! やっぱり寄ってこねぇな!)
アルスは多少イラついていた……。
(アルスさん……気を落ち着いて……!)
(アルス? ……もしかして?)
別荘跡にたどり着いたアルスたち一行。
「ここが、アルウェ王妃の別荘跡……。
亡くなってから年月経ってるにも関わらず、姿形は保ってるのか……」
「感想を言ってる場合? この廃墟のどこかに手がかりがあるはずよ?
早くノートの手がかりを探さないと!」
レオナは一番に廃墟に入った。
「あっ! 待って、レオナさん!」
「レオナさん、待ってよ!!」
「…………」
「アルスさん……あの人たちは……」
「……いや、まだ言うな。
現に俺が「竜の騎士」であることを打ち明けても、疑われるだけだ。
いきなり打ち明けても驚くのと疑われるのと二つだ、ゆっくりといくのが道理だ、いいな?」
「……わかりました」
「…………」
アルス達も廃墟の別荘に入った……。
「これは……」
「死んでから年月は浅い……あらかた亡くなってその後に片付けられた……というところか?」
ホフマンとサモンは一階と二階の部屋を調べ始めた、その時。
「誰ですな?」
「失礼、盗賊でもなんでもない」
「……?」
アルスは一人の老人に挨拶がてらの雑談まじりの会話をしていた。
「……冒険者かな?」
「そうです、ここはメギストリス王家の……アルウェ王妃とプーポッパン王の別荘ですね?」
「左様……この館はメギストリス王のご家族が別荘として使われておられました……。
失礼、私はこの館の元管理人の「フペッポ」と申します」
「! あなたが、この別荘の元管理人ですか?」
「左様……王妃様が亡くなられてから5年、私はこの別荘の管理者でした。
生前の王妃様は、予知能力をお持ちであられた
当時は誰もが稀代の王妃として有名であられ、国の人々に親しまられておられました、それがある日……」
「その時に……亡くなったのですか?」
「はい……発見した時は、すでに亡骸でした。
それも、惨たらしく口にすらできない死に姿をしておられたのだ……」
「そうか……」
「当時、アルウェ王妃の訃報はプクランド……アストルティア全土に衝撃を走った、幼い王子を残して亡くなられたのです」
「アルウェ王妃……たしか、オルフェアの町の?」
「ええ、元々はオルフェアの町でとあるケーキ屋さんの看板娘。
当時の人やご家族、そして息子君のラグアス様も悲しんでおられました……。
それ以来、王と王子の関係が亀裂を生じたのはその時でした……」
「そうか……」
「それで、何かお探しに来られてここへ来たのですかな?」
「ああ、実は……」
「……アルウェ王妃のノート?
それは、いつも大切にお待ちされていたあの?」
「はい、それを探しにここへ……」
「ふうむ……もし、私の記憶でしたなら
二階の部屋ではないだろうか……?
ノートを書く際、その部屋で使われておりました。
もし今も……」
「!」「おや? 誰かおられるのですか?」
「ああ、仲間だ。二階からだな?
すまないな? おじいさん。
どうした? 何かあったのか??」
アルスは二階にいるレオナの呼び声に応じて向かった……
レオナの呼びかけに、アルスとフッキー達はレオナの元へ集まった。
「どうしたの?」
「みんな! これ見て!」
レオナの指を指した先には、かつて「銀色の丘」にあった「不思議な扉」とそっくりな扉があった。
「扉……??」
アルスは扉を開けようとした……
しかし、扉は押しても引いてもビクともしなかった。
「開かない」
「アルスさん!? なに開けようとしてるんですか!?
万が一何かの罠でしたらどうするんですか!?」
「悪いな? でも開かないようじゃあ、どうしようも……」
(……この扉、あの時の扉みたいだけど違う……。
あの扉とは違う何かなのかしら?)
「この扉、光っている。
どうなってるんだ……?」
その時、扉が開き
中から「アルウェ王妃」が現れた!
「っ!?」「なっ!?」
「うわあっ!?」
「……っ! あなたは、まさか……!?」
アルウェ王妃はアルスを見つめた……。
「待ってたわ、竜の騎士さま!」
「……えっ!?」
「おいで!」
アルウェ王妃は手招きするかのように光の中に消えた……。
「今の……まさか!?」
「…………まちがいない。
あの人は、5年前に死んだアルウェ王妃だ!
いったい、何が起きているんだ……?」
「……後を追う。それでいいな?」
「ええっ!?」「追うってあの人を!?」
「そうだ、それに……あの人は
「待っていた……?
…………。行ってみよう、アルス
行けば、何かわかるかもしれない」
「ああ」
フォステイルとアルス達は扉の中に入った……。
そこには水面に浮かぶ白い大地、辺り見渡す限りの水平線が続いていた……。
「なんだ、ここは……!?」
「ここは、どこなんだ?
ぼくたちはさっきまでには、アルウェ王妃の別荘にいたはずだが……!?」
「……! みなさん、あれ!」
メルルが指を指した先には白い光の玉があった。
「なんだ……?」
「何かの……仕掛けなのかな?」
「…………」
「大丈夫だよ!」
「っ!?」
その時、アルスの頭に痛みが一瞬に走った!
「アルスさん!?」
「どうしたの!?」
「大丈夫だ、ただの立ちくらみ……」
「竜の騎士さま、触って!」
「っ!!」
「大丈夫! あなたなら出来るわ!」
「……? なんなんだ?」
アルスは白い光の玉の元に近づいた。
「アルスさん!?」「なっなにを!?」
「アルス……?」
アルスは息を呑み、白い光の玉に触れた……。
その時、白い光の玉は周囲を包み込むかのように光に包まれた!
不思議なことが起こった!
『アルウェちゃんってえ、かなりラッキーちゃんよねえー。
本物のフォステイルに会えちゃうしい。
しかもぉ、願いがかなうノートとか
もらえちゃったしっ!』
「これは……!?」
「なっなに!?」
『すっごいわよねぇ、このノート!
ほんとにお願いかなっちゃうんだもん!
んっ……と。
今日はぁ、もう1個
お願いを書かないとだわよね……』
「なに……これ……?
なんで私たちの目の前にアルウェ王妃様が……?」
「わからない……! なのに、どうして頭の中に声や香りが……?
まるで……
『えっとお……えっとお…………。
そうだ! 王妃様と言えばこれね!
ノートさん、ノートさんっ!
2個目のお願ーいっ!
プクリポのみんなを救っちゃうような
「なんなんだ……今の……!?」
アルス達は周囲を見渡すも、扉の中の世界のままだった……。
「今の……? まさか?」
「今のは……アルウェ王妃さま?」
「そう見たいね? それに、2つ目の願いを書いていたわよね?
その願いが叶えてラグアス王子が産まれたのね?」
「そうみたいだね……」
「いや、それよりも……。
ぼくたちはさっきまで、アルウェ王妃の別荘にいたはずだが…………。!」
そのとき、フォステイルのリュートが光に包まれ消えてしまった……!
「ぼくのリュートが、消えていく…………?
いったい、何がどうなってるんだ!?」
その時、光となったリュートが球となって輝き始めた!
『うっ……うっ……』
『んんー? なーにい? ラグアス。
どして泣いてるのお?』
『おっお父さん……が…………。
ぼくのこと、キライだから……っ』
「……ああー! そっかあ!
さっきしかられてたもんねっ?」
『ぼくが、未来のこと…………
予知した未来のこと、お父さんに言ったら
「二度と予知なんかするな!」って…………』
『うふふっ。ラグアスってば、予知ったらとか
あたしにそっくりぽんなのねえー。
おそろいでかわいいっ!』
『ぼく、お父さんが……ケガをするのとか……
わかるから……教えてあげたいけど……。
お父さんにきらわれてるから言えない…………。
ぼく、もう言わない。
お父さんこわいもん…………。
もう、お父さんとおしゃべりしない!』
『お父さん、ラグアスのことぉ
キライじゃないと思うよー?
すーぐプンプンしちゃうだけでえ』
『……それより、おかあさん! お話聞かせて!
英雄フォステイルのお話がいい!
いっつも聞かせてくれるでしょっ』
『んー…………。んんんんー…………?
あ! ねえねえラグアスっ!
『お母さんの宝物……?』
『そっ。ラグアスが、お母さんと
約束してくれたら
とっときの宝物、あげちゃうっ!』
『…………うん! ぼく、約束する!!』
『じゃーあ、これからは人に伝えたいことはあ
フォステイルみたいに、ちゃーんと
まっすぐ目を見て、大きい声でいうのっ!
ほおら、お話に出てくるフォステイルってば
どーんなコワい人や、初めて会う人とも
へーきでしゃべるでしょっ?
あんなふーに、ラグアスも
なってくれるならあ、とっときの宝物っ!
……あげてもいーのよお?』
『フォステイル……みたいに……。
……うん! わかった!
ぼく、これからはフォステイルみたいに
ちゃんとしゃべる!』
『おっけー! よくできましたっ。
ラグアスが、元気になって大きくなってえ
約束をちゃーんと守ってくれる子になったら
お母さんの宝物、あげちゃうねっ!』
『ええーっ? 今じゃないの…………?』
『…………今は、まだダメ。
お母さんの宝物……
『お母さん…………?』
『うふふっ! なーんでもーなーい!』
『…………。
ノートの願い、最後になっちゃった。
でも、だいじょーぶ!
こわくない、こわくない……!
さー! ちゃちゃっと書いちゃおっと!
あとは、おにーちゃんが
なんとかしてくれるもん!
……それに、ラグアスは
でも……会ってみたかったな……竜の騎士さま……
わたしの……初恋の人……。
ごめんね、ラグアス?
お父さんとも、お別れね……。
ごめんなさい…………先にいって、待ってるね……』
「……そして、アルウェ王妃の亡骸が発見したのは
ノートを書いてから、次の日の朝……か」
「そうみたいだね? それに今のは恐らく、この館で……過去に起きたことなのだろうね……?
……どういうことなんだ?
ぼくは、アルウェ王妃に会ったことがある?
ぼくが、不思議なノートを渡した?
…………いや、そんな記憶はない。
いったい、何が起きているんだ……?」
アルス達が戸惑う最中、光が人の……プクリポの形を作り
光はアルウェ王妃の姿を形どった。
「アルウェ王妃!?」
アルウェ王妃はリュートと手紙を持っていた……。
アルウェはフォステイルにリュートを、
アルスに手紙を渡した……。
「ぼくのリュートだ…………」
「……手紙?」
「どうして、ぼくの
教えてください、アルウェ王妃……!!」
アルウェ王妃は光となって消え、扉の中の世界を光に包まれた……。
そして、いつの間にかアルス達は扉の外……
現実の世界に戻っていた……!!
「もとの世界へ、戻ってきた……?」
「……みたいだな?」
「…………なにがなんだか、わからないが
王妃は3つ目の願いをノートに書き
言い伝えのどおりに、亡くなったのだろう……。
……もし、あの幻が実際にあった出来事なら……!」
「つまり、今のノートの所有者は
「そうだ! 行ってみよう!
この国を救うために、メギストリスの城にいるラグアス王子から、ノートのチカラを借りるんだ!」
「ああ、ちゃっちゃと行きますか!
みんな! いいか!」
ホフマンとサモン、そしてレオナ達は頷いた!
「急ぐぞ! ルーラストーン、目的地「メギストリスの城前」!!」
ルーラストーンの光に包まれ、アルス達はメギストリスに向けて飛び立った!!
次回
ラグアス王子