DRAGON QUEST 竜の騎士と神々の世界   作:梟帥

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ラグアス王子回

アルウェ王妃の別荘に赴いたアルス達
フォステイルと共に不思議な扉を調べると、中からアルウェ王妃が現れた。
扉の中に入った一行は、そこに生前のアルウェ王妃と一人息子のラグアス王子とのやり取りがあった。
生前のアルウェ王妃が自身が使っていたノートはラグアス王子が持っていることを知り、ノートのチカラを求めて
メギストリス城に戻り、ラグアス王子の元へ向かった・・・。



メギストリス-6〜ラグアス王子〜

メギストリス・城下町

 

 

 

 城下町では、プーポッパン王が儀式を行うために「キラキラ大風車塔」に向かった話で持ちきりだった。

 

 それらの話題を聞いたアルス達は急ぎ、メギストリス城の「王子の部屋」に引きこもっている「ラグアス王子」の元へと急いだ……!! 

 

 

 

 

 

 

 

メギストリス城内

 

 

 

「急ごうっ! 王が儀式を始める前に!」

 

「ああっ! この城の4階にラグアス王子の部屋がある!」

 

 

 

 フォステイルと共に、急ぎ王子の部屋の前までたどり着くと、そこには不思議な扉と同じ光輝いていた……。

 

 

 

「ここが……てか、この扉の先がラグアス王子の部屋なんだろ……? 

 

 なんなんだ? これは?」

 

「わからない、でもこの光はアルウェ王妃の別荘にあった扉と同じものだ。

 

 これは……アルウェ王妃の導きによる物なのか?」

 

 

 

「それはわからないわ、この扉を開けないといけないみたいだし……」

 

「そうですね……。きっとこの扉の開けた先は、恐らくは別荘の時と同じような幻が……!」

 

 

 

「そうだね、ともかく行くしかないようだね?」

 

 

 

 アルスは先導に立ち、扉を開けた……。

 

 そこは普通の部屋だった……。

 

 周囲を見渡すと、机の上に光の玉が浮いていた! 

 

 

 

「やっぱりか、この展開(パターン)は……!」

 

 

 

「…………すこしいいかい? レオナさん、メルルさん。少し付き合ってくれないかい?」

 

「え?」「えっ? いいけど、どうかしたの?」

 

 

 

 レオナとメルルはフォステイルに連れられ、光の玉に近づいた……。

 

 フォステイルは一番に、光の玉を手に触れた……

 

 

 

「…………!」

 

「……あれ?」

 

 

 

 しかし、光の玉に触れることができなかった……

 

 

 

「……二人とも、触れてみてくれ」

 

「えっええ……」「わかったわ……」

 

 

 

 レオナとメルルも光の玉に触れると、反応がなかった……。

 

 

 

「……なるほど、この光の玉は()()()()()()()()できない仕様ということか……」

 

「……一連の流れを見るに、俺がってか?」

 

「そうみたいだね? 頼む……」

 

 

 

 アルスは光の玉の元へ行き、光の玉を触れた……。

 

 その時! 光の玉は部屋全体を包み込み、アルウェ王妃の別荘と同じ空間が展開した! 

 

 

 

「ここ……!?」

 

「どうやら、あたりだな? 

 

 さて……いったいどんな映像という名の幻を見せるんだ……?」

 

 

 

 

 

 そして、アルスの予想通り

 

 一行の脳裏に映像の如くに鮮明な幻が浮かんだ!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アルウェ王妃の訃報は、プクランド大陸……アストルティアに衝撃が走った。

 

 アルウェ王妃の国葬が行われ、参列にプーポッパン王とラグアス王子とナブレットの姿があった……。

 

 国葬を終えて数週間経ったある日……。

 

 

 

『…………なぜだ……アルウェ…………。

 

 お前に、何があったというのだ……!?』

 

『あっあの…………お父さん…………』

 

『…………すまぬな、ラグアス。

 

 母を失ったお前は

 

 わしや叔父たちよりも何倍もつらかろう…………』

 

『ぼく…………平気だよ……』

 

『…………よいのだ。

 

 つらい時は、気が済むまで泣くといい……』

 

『平気なんだ…………ぼく…………

 

 お母さんのこと……()()()()から……』

 

『……なに? 知っていた……だと……? 

 

 ……まさか!?』

 

『知ってたんだ…………ぼく。

 

 あの…………。

 

 お母さん、もうすぐ死ぬって

 

 ……予知して、知ってたから。

 

 ぼくは……平気なんだ…………。

 

 それより、お父さんが…………』

 

『…………ふざけるな! なにが予知だ!! 

 

 母が死んだのを、言い当てたのが

 

 それほどうれしいか!!』

 

「ちっちが…………お父さん…………!! 

 

 あのっ……あれは…………

 

 ぼっぼく…………フォステイルみたいに……」

 

『フォステイル!? 

 

 英雄フォステイルが、どうしたというのだっ!』

 

『あ…………あの……

 

 フォステイル…………が…………。

 

 フォステイルが、予知……したの

 

 聞いた……んです…………』

 

『………………。

 

 ラグアス……まさかおのれの母の死すら

 

 くだらん予言ごっこの材料にするとはな……! 

 

 もうよい、ラグアス。

 

 お前の顔は二度と見たくない。

 

 二度と、わしに話しかけるな!! たとえ己の未来を予言してもだ!!』

 

 

 

 

 

 時が流れ、場面は部屋に映り変わった。

 

 

 

 

 

『王子様! ラグアス王子様! 

 

 いいかげんに出ていらっしゃいまし! 

 

 あれからもう半年です。

 

 王も冷静になられているはず

 

 直接お会いして謝れば、きっと…………』

 

 

 

直接謝っても、お父さんは許してはもらえない……。

 

 謝りに行く未来を見て「予知予言を使うなっ!」という未来を見た……。

 

 仮にそんな未来を見ていないことや見てなくても結果は同じだった……。

 

 

 

『ラグアス王子。

 

 わたくしは王より任命されました

 

 あなた様の家庭教師にございます。

 

 聞けば、もう1年も部屋に閉じこもり

 

 剣術も勉学も何ひとつ手をつけておらぬと

 

 いうではありませんか? 

 

 あなた様は、いずれこの国を背負って立つお方。

 

 そのようなことでは困りますぞ! 

 

 王子! 聞こえないのですか!? 

 

 ラグアス王子!!』

 

 

 

剣術、勉学……ぼくにはそんなものはいらない……。

 

 でも本当はしたい、けれど解ってしまうんだ。

 

 剣はどこから来るのか、どのタイミングで来るのかが先読みしてしまい……。

 

 学は間違いをなく解ってしまうんだ……、やりたい……でもしたくない。

 

 だって()()()()()()()()()()()()()()()ぼくの努力が実らない……実れないんだ……! 

 

 それに……この前来た人と家庭教師の未来が見えてしまうんだ……!! 

 

 本当は見たくない……見たくないのに……! 

 

 頭が痛くなって、見えてしまうんだ……! 

 

 

 

 

 

 時が流れ、場面は変わった……。

 

 

 

『…………お母さん。あなたが、このノートをぼくに託した理由がようやくわかりました…………。

 

 …………見えるんだ。未来が…………。

 

 辺境に出かけたお父さんは、そこで魔瘴に侵され…………命を……身体が壊れてしまう未来を……。

 

 そして、王と運命を共にするように

 

 このプクランド大陸大陸もまた、魔瘴に滅ぼされる…………。

 

 お父さんを止めなくては…………! 

 

 だけど、お父さんは決して()()()()()に耳を貸しはしないだろう。

 

 でも、()()()()()()()()()()? 

 

 ぼくじゃなくて、英雄フォステイルの言葉だったら……きっと……! 

 

 もう、国を救うための方法はこれしかない。

 

 そうですよね? お母さん…………!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 映像の幻は終え、扉の中の世界でフォステイルは語った……。

 

 

 

「…………そうだ」

 

 

 

 その時、フォステイルのまわりに光が集まった……。

 

 

 

「フォステイル?」

 

 

 

「ぼくはあの日…………。

 

 予知した未来を、お父さんに伝えたくて

 

 この国を、お父さんを守りたくて…………」

 

 

 

「お父さん?」

 

 

 

「そのために、ぼくにできることはこれしかない…………。

 

 そう信じて、()()()()()()()()にこう書いたんだ…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フォステイルになりたい

 

 

 

 

 

 その時、光はフォステイルを包み

 

 その姿を変え始めた……いや、()()()。映像の幻の登場人物にしてアルウェ王妃の一人息子「ラグアス王子」の姿に戻った! 

 

 

 

「ぼくの本当の名前は、ラグアス」

 

「っ!?」「ええっ!?」

 

「あなたが……!?」

 

「そう、ぼくはノートのチカラでフォステイルになり

 

 王に……お父さんに予知した災いを告げだ。

 

 けれど…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう、あなたはフォステイルの姿となるも

 

 王は貴様の予言を耳を貸さず、魔瘴に触れて不治の病に冒された」

 

 

 

「!?」「っ!!」

 

 

 

「誰だっ!?」

 

 

 

 その時、コツコツと歩く靴音と共に「イッド」が現れた……。

 

 

 

「これはこれは、ラグアス王子。

 

 ごきげんうるわしゅう。

 

 まさか、あのインチキ予言者(フォステイル)があなた様だったとは! 

 

 まったく、私もそちらの方みんなおどろきましたぞ!」

 

 

 

「お前は、お父さんの側近の……!?」

 

「イッド!? お前なんでここにいるんだ!?」

 

 

 

「くっくっくっく…………。

 

 グアーッハッハッハッハッハ!! 

 

 もはや、これ以上の隠し事は不要ですな!」

 

 

 

「イッド……?」

 

「……やっと仮面を外したか、魔軍師殿?」

 

「魔軍師!?」

 

 

 

「いかにも! 王の腹心、側近は仮の姿! 

 

 王子たちと、()()()()にお見せしましょう! 我が真の姿を!」

 

 

 

 イッドの身体に魔瘴のようなものが包まれ

 

 その中からカエルとトカゲを合わせた醜い魔物の姿が曝け出された! 

 

 

 

「この姿で初めまして、私の真名は「魔軍師イッド」!! 

 

 冥王様に遣わされたものでございます!」

 

 

 

「っ!!」

 

 

 

 ラグアス王子とアルス達は武器を構えた! 

 

 

 

「おっと。ここで私と戦っても無駄ですよ? 

 

 何故なら私は幻影……姿形のない幻影なのです!」

 

 

 

「なにっ!?」「なんだって!?」

 

 

 

「みなさまはご存知ですから、言いましょう。

 

 死にぞこないの王は、すでに儀式の塔へと出発された後ですからなあ!」

 

 

 

「!」

 

「……御託はいい、タネ明かしにわざわざ現れたんだろ?」

 

 

 

「ほっほっほっ! 流石はサモン様。

 

 何もかも察しておられるのですね? 

 

 この私が、なにゆえ儀式の間で手下の魔物に討伐隊と冒険者達を皆殺しにさせたのか……。

 

 この後のことがお分かりでしょうな?」

 

 

 

「……っ! まさか……そのために!?」

 

「だろうな? 不運なことに王は()()()()()()()()()()()有様だ。

 

 そして儀式の間が()()()()()に陥っているからな?」

 

 

 

「そのとおり! 儀式の間がいけにえたちの血で汚された時! 

 

 塔の聖なるチカラはそのまま

 

()()()()()()()に変わるのです! 

 

 その状態で王家の者が命を捧げればチカラが発動します。

 

 だが! 塔は今邪悪なチカラに満たされ、大陸を守るはずが呪いをまき散らして大陸は滅んでしまうのだっ!!」

 

 

 

「……!!」

 

「なっなんてことを……!!!!」

 

 

 

「最も、サモン様……あなたの登場で計画が潰えるかと思ってあの場の猿芝居を打ってみたが、これが王に見事大好評! 

 

 先ほどあなたが申したとおり、あの王は聞く耳持たずの頑固者! 

 

 腹心としての立場をもってすれば王を操ることなど造作もない! 

 

 それでは、みなさま。ごきげんよう……。

 

 儀式の塔で、最高の舞台を開きますのでお急ぎをっ!! なんてね? 

 

 はーっはっはっはっはっ!!」

 

 

 

 幻影のイッドは高笑いして消えた。

 

 消えたと同時に、アルス達はラグアスの部屋に戻っていた。

 

 

 

「っ!? 戻ってきたのか!」

 

「そのようだね……」

 

 

 

「……そっそんな…………!! 

 

 このままではお父さんが……!! 

 

 でも、ぼくなんかじゃ

 

 どうすることもできない……!」

 

 

 

「……やる前から諦めるな、ラグアス王子!」

 

 

 

「……!!」

 

 

 

「それならば、魔軍師イッドを倒せばいいだけの話。

 

 それで万事解決しますよ?」

 

 

 

「……でも、仮に倒したとしても塔のチカラは!」

 

「……!? おい、リュートが!?」

 

 

 

 そんな時、机の上に置かれていたリュートが光り始め

 

 光はリュートを包み込み、ノートとなった! 

 

 

 

「これは……お母さんのノート…………? 

 

 リュートが、ノートだったなんて……!」

 

「なるほど、ラグアス王子がフォステイルの姿となると同時に()()()()()()()()()()()()()()()()のか。

 

 ラグアス王子の物だから待ってて当然か」

 

「ちょっと!! 感心してないではやく儀式の塔に急がないと!!」

 

「そうだな、ノートさえあれば呪いを解くこともできる!」

 

「……みなさん! 早く儀式の塔へ行きましょう! 

 

 お父さんを……王を止めるんだ!」

 

 

 

 アルス達はラグアス王子と一緒に「キラキラ大風車塔」へと向かった。

 

 幸いにも、ルーラストーンを使って早く辿り着いた……!! 

 

 




次回
魔軍師イッド
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