一行は先んじたキュウスケの後を追って、夢幻の森へと入った・・・。
夢幻の森に入ったアルス一行、あちこちに僅かに薄い霧に包まれていた。
「ここが、夢幻の森……。
神秘的ではあると同時に……」
「奇妙奇天烈摩訶不思議、と言いたいのでしょう?」
「そっ!」
夢幻の森の周囲を見渡す最中、それは起きた……。
「っ!?」
霧の中から人の姿が現れた!
ご病気が良くなったんだね!
えへへへへっ。
人影は捨てられた城の方に向けて駆けって行った……。
「いっ今のって……!?」
「幽霊じゃない……幻か?」
「幻にしては……妙に生々しい……」
「ねえ……なんでそんなに平気なの……!?」
「?? おばけの類にビビってたら冒険なんてできるかよ、行こう。
多分捨てられた城の方に行っただろうよ?」
「そうですね、行きましょう」
アルスとサモンは幻の向かった先へと移動した……!
「行きましょう、迷子にならないように気をつけないとね?」
「そう……だね……!」
レオナ達はアルス達の後に続いた……。
捨てられた城に到着したアルス達が来る前……。
「またか……。恐れるほどでもない」
「ニコロイ王さんよ、だいぶこの辺りの地図と城の見取り図ができたぜ?」
「そうか……」
「ニコロイ王さま……引き返しましょう、これ以上奥に行けば魔物たちが……!」
「わかっておる、じゃが残された場所はこの城の御庭だけじゃ。
そこに行けば、何かがわかるかも知れぬ……」
そう言い、ニコロイ王は御庭へと向かった……!!
「あっ!! 待ってくれよ!! 一人じゃ危ないって!!」
「……やれやれ、元気な御老人だな?」
リュウとポップはニコロイ王の後を追った……。
「……?」
「どうした?」
「今、何か感じ取ったような……」
「……?」
「どうした?」
「今、奥に人の声がしたような……?」
「え?」
「そうなの?」
「……行けばわかるかもな? 俺は?
……メルルは?」
「え?」
「……います」
「いますって……もしかして!?」
「ええ……! でも。感じ取れても声が……!」
「じゃあ、ポップはこの廃墟のどこかにいるってこと!?」
一行は、ポップがここにいることを確信して捨てられた城の奥へと向かった!
「ここ……だよな?
御庭ってのは……」
「そうだ……」
ポップとリュウはニコロイ王の安全のために前に出ていた。
周囲を見渡しつつ、警戒して歩いていた……。
「ポップよ、そなた魔導師なのだろう? そんなに前に出ても大丈夫か?」
「大丈夫……ってことにしたいけど、本当は一人じゃあ……ってところかな?」
「……その恐れを感じるから「勇気」が出せるのだろ?」
「まあな、あらかた見回す限り、大丈夫みたいだな?」
「うむ、そうだな……。
ニコロイ王さま、異常はありません」
「そうか……すまぬな、二人にこんなことをさせて……」
ニコロイ王が御庭に入ったその時だった……!
「……むっ?
……あれはっ!?」
「えっ?」「……っ!?」
突如、城の御前に幼い少年と若い衛兵の幻影が現れた……。
『おや、ニコロイ王子。
おいしそうな山ブドウじゃないですか』
『うん、カク!
姉上は山ブドウが大好きだから。
これなら…………。
きっと喜んでくれるよね!』
『……そうですね、明日はナシュロイ王のお誕生日……。
リタ姫様にも、元気になっていただいて
一緒にお祝いしたいですものね』
『うん!』
かつての幼い自分と、かつて城で出会った若かりし頃の老人。
その会話は一見平和なものに見えたその時……。
『だっ誰か……!!』
『?』『……? アグシュナ様?』
城から出て現れたのは「アグシュナ王妃」。
慌てふためくその姿に、見ていた一行は驚いていた。
『アグシュナ様!? 一体なにが……!?』
『リタが……リタが乱心した!!』
慌てふためく王妃、その背後には刺殺された王がいた……。
そしてその前に立つのはリタ姫だった……。
リタ姫は何かに取り憑かれたかのように不思議な力を放った!!
放ったことで、王妃は吹き飛ばされた……。
『うう…………!
り……た…………! なぜ……なぜ、王を……父を……!!』
次の瞬間、リタ姫は不思議な力を使い、アグシュナ王妃を拘束した。
そして、不思議な力で消滅をした!!!
『母上っ!?』『アグシュナ王妃!?』
アグシュナ王妃の手に、するりと「黄金の指輪」が落ちた……。
『ニ…………ニコロイ…………!
よく、お聞きなさい…………
あ……「暗黒大樹の葉」を、この城に……!
そうすれば…………!』
アグシュナ王妃はそう言い、姿形も無く消え去ってしまった…………。
『アグシュナ様っ!?』
『はっ母上っ!!』
その時、憑き物が取れたかのように姿勢を崩したリタ姫、そして正気に戻った瞬間、目の前の弟と衛兵の表情は険しいものになっていた……。
『あ……あ……姉上………………』
『リタ姫様……これは、これは一体どういうおつもりですか!?』
リタ姫は自身のしたことと状況を見て理解した、父を殺し、母を葬った自身の姿を見た弟と衛兵……そう、誰もが見て
全てを悟ったリタ姫は、奥に逃げ走って姿を消したのであった…………。
「なっなんだ、今のは…………!?」
「おっおい……これって……!?」
「リタ姫……!? まさか、白姫と呼ばれた!?」
「そうだ……見間違うはずがない……!!!
あれは……姉上……!
この時……姉上が……父上と……母上を……!!」
「ニコロイ王!!」
「っ!? お前!?」
「キュウスケっ!? なぜお前がここに!?」
「ポップさん!! リョ……リュウさん……」
「…………!」
「……言わなくていい。あの後
けど、これだけは言わせてくれ、「俺はもうあの頃の俺じゃない」……!」
「キュウスケ……」
「……っと、それよりも……お前たちは確か……城の玉座で会った……」
「……!!」
「ポップ君!!」「ポップさん!!」
「レオナっ!? メルルっ!? って、うわぁっ!?」
感動の再会による場面か、レオナとメルルはポップに抱きしめに行って勢いが強く押し倒す形になってしまった……。
「痛つつつつ……!!」
「あっ!? ごめん!!」
「大丈夫っ!? 嬉しくてつい……!」
「いいんだよ……痛てて……!」
「……えっと、状況を整理していいか?」
「……それがいい」
キュウスケは倒れかけたニコロイを手当てして、
リュウはアルス達と挨拶しつつの会話をした……。
「……すまない、キュウスケ。
お主のおかげで助かった……」
「いいってことよ、まあとにかく回復できたからよしとするか!
……さて、話を戻すとしてと……。
……そうか、お二人がポップさんが言っていた仲間の「レオナ」と「メルル」っていうのか、そして……お前たちが「アルス」と「サモン」と「フッキー」っていうのか……」
「ああ、そうだ……」
「……みんなもさっきの幻を見たんだろ? とんでもねえもんを見ちまったな!」
「ああ……!」
「まず、アルスさん達はコトル大臣の頼みで王のことを頼まれたんだろ?
それで、リュウさんとポップさんは王の頼みで一緒にこの城のことを調べまわっていたって感じだな?」
「まあな」「そうだ」
「……。みんな、とにかく今はこれ以上の捜索は危険だ。
王もこの有様だ……一度カミハルムイ城に戻って今の出来事を整理しよう!」
「そうだな、それがいいな!」
「妥当だな、これ以上の捜索をすれば王の心身が持たない。
あの場面を見たからなおのことだ……!」
「そうだな……みな、すまぬ……!」
一行は王を連れて城へ戻った……。
(……っ!)
その中で、ポップは鈍痛が全身に走った……!
(くそ……っ! 痛ぇもんだな……!!)
「…………??」
次回
白姫リタ
事件概要