DRAGON QUEST 竜の騎士と神々の世界   作:梟帥

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捨てられた城にて「暗黒大樹」を奉納し
そこに現れたのは死んだと思っていた「アグシュナ王妃」であった。
事の真相を聞き、母の復活を喜んだニコロイ王
しかし、心当たりがあると言い
一行は先に王家の庭へと向かっていった・・・。



カミハムルイ-九〜聖地解放〜

捨てられた城

 

 王家の庭

 

 

 

「ポップ達、遅いわね……?」

 

「大丈夫よ? 彼らのことだからきっと来るわよ?」

 

 

 

 王家の庭にある「泉」の前付近にて、レオナ一行とキュウスケがいた。

 

 

 

「……何やってんだ? そんなに長い話なのか?」

 

「まさか? 仮に長話だったらあれだけど、そんなに長いかはわからないからね?」

 

「そうかあ? 案外レオナさん達のことかもしれないぜ?」

 

「え? 私?」

 

「そりゃあなあ? あんたみたいにボンキュッボンの女友達というか仲間というか? 長話のお題になること間違いないからな?」

 

「ちょっ!? そんな流石に……! (しそうな気がするなぁ……?)」

 

「……とまあ、こんな話をするよりか待つしかないっていうか……こっちも長話でもするか? 時間潰しに?」

 

「いやなんでそうなるの? 長話なんて、ネタになれる話なんてもってないよ?」

 

「いやいや、眠くならない話さ? 

 

 例えば()()()()()の話とかならできるぜ?」

 

「ふうん? 勇者と盟友ねえ…………」

 

「…………え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勇者と盟友っ!?」

 

 

 

 レオナとメルルはキュウスケの「勇者と盟友」の言葉にくらいついた!! 

 

 

 

「待って!? その話何!? 勇者と盟友!? 

 

 勇者はわかるけど「盟友」って何!?」

 

「おっおいおいおい!? 

 

 そんなに喰らいつくなよ!? って、まあポップさん達の世界には勇者がいるのは当然か? でも「盟友」に関しては知らないだろ?」

 

「うんっ!! 聞かせて!!」

 

「わかったから、そんな興奮するなよ? 

 

 まずは、勇者と盟友の話からだな?」

 

 

 

その昔

 

 アストルティアの中央大陸「レンダーシア」

 

 そこの王都「グランゼドーラ」という国は‘勇者の一族’が興した国がありました。

 

 グランゼドーラ王家の血脈に流れる勇者の血、そしてその一族には‘勇者の光’という不思議なチカラが宿していた。

 

 そしてその光に惹かれ、それに応えるかのように‘盟友の光’が放ちました

 

 これが勇者と盟友と呼ばれ、アストルティアに平和をもたらすと伝えられているってわけだ。

 

 王家の勇者を共に戦う盟友

 

 両者共に魔を打ち倒し、世界に平和をもたらさん。

 

 

 

「とまあ、これが勇者と盟友の話だ。

 

 この前勇者の光がアストルティア全土に照らしただろ? 

 

 あの光こそが「勇者覚醒の光」と呼ばれているんだ」

 

「知っている、最も我らが最初の町でその話を聞いたのだが……盟友とは?」

 

「そう! そこがこの話の重要なところだ! 

 

 盟友ってのは勇者と共に戦う仲間でもあり相棒でもあるんだ!」

 

「相棒???」

 

「……まあ、そっちの世界じゃあ盟友のイメージはそんなものかもしれないけど、アストルティアの盟友は違うんだぜ! 

 

 勇者が危機に陥った時! それを颯爽と駆けつけ! 現れしは盟友っ!! 

 

 盟友が織りなす‘盟友の盾’はマホカンタの比にならない強力無比の魔法の盾! 

 

 仲間一同、一国の大軍に全滅の危機から守る最強の盾! 

 

 勇者と盟友は二人チカラを合わせて邪悪なる魔の手を世界を守るために戦う、レンダーシアの……ひいてはアストルティア全ての希望の光! いよっ! 正に世界の英雄ってわけさ!! 

 

 ……そしてこの話に()()()()が出てくるんだ、それも昔から!」

 

「「ええっ!?」」

 

「実はな、この話は‘黎明期’時代の話なんだ……! 

 

 黎明期時代の大魔王「ヴァルザード」との戦いの時代、竜の騎士が現れた。

 

 黎明期の勇者と盟友と共に戦った歴史があってな? その時はまだ国力が整いきれていない頃の王国と共に戦ったんだ、竜の騎士の采配で快進撃の大魔王と唯一対等に渡り合えていたんだ。

 

 その戦いは10年以上続いたらしいんだ……!」

 

「10年以上も!?」

 

「そんなに……!?」

 

「ああ、だがどういうわけか黎明期時代の資料が少なくてな? 

 

 解明しているのは黎明期……3500年前の王国「神聖ゼドラ王国」という名前とその時代に竜の騎士が現れたというだけなんだ。

 

 事細かい資料が少なくて解明が未だされていないんだ……」

 

「そうだったの……」

 

「……その話、どこで?」

 

「どこでって……ああ、あんたは転生しているからわからないんだったな? 

 

 竜の騎士についての講座があってな? 

 

 神話の創設期と根付いたばかりの黎明期の三つの話をしていたんだ。

 

 今話したのは「神聖ゼドラ王国」だ、神話ともう一つの時代にいたんだ。

 

 その竜の騎士が……」

 

「なるほど……む? 

 

 ということは()()()()()しているのか?」

 

「ああ、アストルティアの歴史において3()()()()なんだ。

 

 神話の時代は「ペンドラゴン」と黎明期……もとい正確には「ゴフェル計画」は「剣聖ボクデン」だ。

 

 ……3人目に関しては、すこし曰く付きなんだ」

 

「曰く付き……? どうして?」

 

「3人目は……とんでもないことをしたんだ」

 

「え……!?」

 

「その3人目は……()()()()()()()んだ」

 

「ええっ!?」

 

 

 

 キュウスケの発言にレオナ達は驚いた。

 

 

 

「王国って「神聖ゼドラ王国」のこと!?」

 

「ああ、それが原因で3人目の話は()()()として伝えられているんだ。

 

 多くの人々が口を語るのを躊躇うほどにな……! 

 

 忌み名に関しては協会や国から語るのを制限されているんだ、今の俺から話せるのはこれだけだ……」

 

「…………」

 

「忌み名の歴史は極秘中の極秘、協会の上層部と賢者のみにしか公開するように制限されているんだ。

 

 忌み名について話せるのはその時代の勇者と盟友と一緒に大魔王と戦って神聖ゼドラ王国を滅ぼしただけしか話せないんだ。

 

 それがどういうわけかは伝えられないように制限しているんだ、話せる内容に関してはさっき言った通りだ。

 

 出会いから魔王討伐だけしか制限されているんだ、全部を知りたきゃそれ相応の地位等が必要になっちまうんだ…………」

 

「………………」

 

「……レオナさん?」

 

「……? 何?」

 

「どうしたの? 急に黙り込んだから……」

 

「……ごめんなさい、少し考え事をしていたの」

 

(キュウスケの話……まるで()()()()()()()()()()()感じだった……。

 

 ……ダメね、確証や真相か嘘か分からないんじゃあダメね?)

 

 

 

「おーい!」

 

 

 

「ん?」

 

「あっ! アルス達だ!!」

 

「ごめん! 遅くなった!」

 

「いいって! そっちも話すんだんならちょうどよかったぜ!」

 

「??」

 

 

 

「おお、皆集まっていたか!」

 

「ニコロイ王!」

 

「…………今なら、思い出すことができる。

 

 ……皆はこの話をするのは初めてか、ここ王家の庭のことについてを? 

 

 かつて、この王家の庭は姉上(リタ)が好んだ場所でもあった。

 

 幼き頃、ここでふたりで遊んだものだ……」

 

「そうだったのね……」

 

「みなさま、あの子が……リタが何故聖地のチカラを我が物にしようとしたのか、ずっとわからずにいたのですが…………。

 

 ニコロイより、リタの部屋にあった‘あの日記’を見せてもらって、ようやく得心が行きました」

 

「得心……? 何かわかったの?」

 

「あの子が聖地のチカラを求めてたのは()()()()()()()()だったのですね……」

 

「病を……?」

 

「……ああ、実を言うと俺もその日記を見たんだ。

 

 肝心なところがボロになってて読めなくなっていて仕方なかったけど……確かに、聖地のチカラを使えば母の病気を治せるって信じたんだ。

 

 だけど、その結果は……」

 

「結果、父親は刺殺されて母親であるあなたが襲われ……封印された……」

 

「そうです……なんということでしょう。

 

 かわいそうなリタ……」

 

「…………」

 

「母上……」

 

「いいえ、大丈夫です…………。

 

 それより、今は王家の使命を果たさねば」

 

「ええ」

 

「では、皆のもの。

 

 これより、聖地へと入るとしよう」

 

「……ああ」

 

「……それはそうと、どうやって入るんだ?」

 

「そうだったな、入るにはこの「黄金の指輪」が無ければ入れないのだ」

 

 

 

 ニコロイ王は懐から黄金の指輪を取り出した。

 

 

 

「この指輪は、代々王家の受け継がれしもの。

 

 聖地への鍵の役割となっているのだ」

 

「そして、その指輪は()()()()のもので無ければ入れないのです。

 

 指輪に王の血筋の波動に反応し、聖地への扉が開くのです。

 

 さあ、ニコロイ。

 

 黄金の指輪を泉に……」

 

「はい、母上」

 

 

 

 ニコロイ王は黄金の指輪を泉に投げ入れた。

 

 すると、黄金の指輪は光り始めて‘扉’が現れた! 

 

 

 

「これが……聖地の?」

 

「そうだ、一見すれば光の球体に見えるだろう? 

 

 しかし、この光に触れると空間転移を起こして先の道と空間に転移するのだ。

 

 リレミト等の呪文がそれなのだ、だがこれはそれらの呪文の上位に立つもの。

 

 過去にこれを‘旅の扉’と呼ばれていたのだ」

 

「なるほど……」

 

「さあ、参ろう皆のもの。

 

 ここをくぐれば聖地に入れる」

 

 

 

 ニコロイ王が先導に立ち、アグシュナ王妃と順に聖地への扉に触れた。

 

 

 


 

 

 

聖地「白き森」

 

 

 

「ここが聖地……?」

 

 

 

 そこには白色の木々が並び、水音が響き渡っていた。

 

 幻想的にして人々の心を射とめる神秘な美しさがアルス一行とニコロイ王の心を惹かれていた……。

 

 

 

「綺麗……!」

 

「ここが、その聖地……!」

 

「そうだ……代々王家が守り継いできた領域だ。

 

 だが、これはなんと美しい所だ…………! 

 

 これで聖なるチカラが失われているとは、とても思えぬが……ぬ?」

 

 

 

 ニコロイ王は木々の中に一つ極めて目立つ()()に気づく。

 

 

 

「あれは……? もしや、あのひときわ大きな白い木が?」

 

「聖地の入り口はあの奥……か?」

 

「そうだ……しかしあれでは聖地の深部に行けれぬ……。

 

 母上、あの木は……」

 

 

 

 ニコロイ王はアグシュナ王妃の方に向いたその時っ! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「猿芝居はそこまでだよ?」

 

「っ!?」「うわあっ!?」

 

 

 

 懐から()()を出し、刺そうしたアグシュナ王妃をアルスとサモンとポップが取り押さえた!! 

 

 

 

「ぐうっ!」

 

「なっ!? そなたら何をっ!?」

 

「ニコロイ王っ!!」

 

 

 

「ぐうっ! おのれぇ!!!」

 

「うわあっ!?」「ぐあっ!?」「うおっ!?」

 

 

 

 アグシュナ王妃は自身を取り押さえていたアルス達を常人とは思えない怪力で振り払ったっ!! 

 

 

 

「あっアルス!? それにポップ殿!? これは一体!?」

 

「これは一体じゃねえっ!! 

 

 ようやく()()()()()()()()()()ようだなっ!!」

 

「何っ!? それはどういう……!!」

 

 

 

くっくっくっ……。

 

 なるほど? 暗愚な魔法使いかと思っていたが、よもやそれすらも猿芝居だったのか? 

 

 

 

「声がっ!?」

 

「変わった!?」

 

「いえ……あれが奴の元の声……!」

 

「そして、白姫事件の()()()であり()()だっ!!」

 

「ええっ!?」「なんだとっ!?」

 

 

 

『小僧ども……()()()()気づいた? 

 

 先の動きは()()()()を見抜けなければできぬ身技……。

 

 どこで気づいたのだ?』

 

「気づく? 違うよ、()()()()()()()()()んだ。

 

 あの時、幻影姿のリタをなっ!!」

 

『何……!?』

 

「姉上が……!? どういうことだ!?」

 

『……くっくっくっ。

 

 ふははははっ!! 

 

 かわいそうなニコロイ坊や! 

 

 騙されやすいのは父親譲りなのかねえ?』

 

「はっ母上……!?」

 

『この50年……なんと長かったことだろうか! 

 

 あの小生意気で忌々しいリタのおかげで、ずいぶんと時間がかかってしまったが…………。

 

 今こそ、エルトナ大陸は私の物になるのだ!』

 

「貴様……何者だっ!?」

 

『くっくっくっ……まあ、多少の手違いはあったが……。

 

 この際だ、全てを話してやろう……冥土の土産にな!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『私の名は「怪蟲アラグネ」

 

 この大陸の呪われし大地の死と絶望で染まりし暗黒大樹より生まれ出でた者』

 

 

 

「っ!?」「暗黒大樹から生まれたっ!?」

 

『そうとも、さて? 私の愛しいニコロイ坊や。

 

 お前はこの母に会えて嬉しかったかい? 

 

 家族を取り戻せたとでも思ったかい?』

 

「…………」

 

「サモンさん……?」

 

()()()な?」

 

 

 

 サモンの言葉に、ニコロイ王達は驚き、そして確信した。

 

 

 

『ふふふ…………。察しがいいな? 

 

 その通り、坊やの母親はとうの昔にこの世を去った。

 

 最も、殺したのはこの私……!』

 

「なっ何故!?」

 

『何故……? さっき言ったことだ、この聖地を我が物にするためだ! 

 

 私は、お前の母親になりすましたのさ、この城に入り込むためにな?』

 

「聖地に入り込むには黄金の指輪が必要だった……でもそれだけじゃあダメだったんだろ?」

 

『そうだ、肝心の王家の血筋は()()()()()()()()()()に継がれていた。

 

 我が身に宿すこの王の血を得た。

 

 あとは黄金の指輪を得るはずだった……』

 

「だけど、その目論見は()()()()()()()()んだろ?」

 

『そうさ、あのリタだけは私の正体に気づいたのさ。

 

 その答えはお前達が知っていよう?』

 

「答え……?」

 

「聖地のチカラだよ」

 

「え?」

 

「聖地のチカラをその身に宿したリタは、純粋に母の病の克服を祈った……。

 

 帰ってきたのは母の姿をしたお前……あの時の幻影はその時のものだった」

 

「なんと……! まさか、姉上は……!?」

 

『そう。それが白きもののさだめなのか……。

 

 あの娘は、ひとりで私を追いだそうとした。

 

「母が殺された」なんて、誰一人告げずにね……』

 

「……だろうな? そんなことを知られたら、お前は実力行使に出る。

 

 それだけは避けたかったわけだろうな……?」

 

『ふふ、それが賢明だろうな? だが、たかが小娘ひとりの対抗など取るに足らぬ……だが、放ってしまったのが私の過ちだった……!』

 

「……それが()()()()()()()に繋がったわけだな?」

 

「なんと……!? まさか、あの時!?」

 

『そう……あの娘……! 私がアタマの悪いナシュロイ王を殺し、ようやく黄金の指輪を手に入れたというのに……!! 

 

 自分の命を引き換えにして……この私を50年もの間、この地に封じ込めたのさ!!!』

 

「なんと……!!!」「そんな……!?」

 

『だが、もうよい! 

 

 私の望みは今こそかなう!! 

 

 エルトナ大陸の心臓は、我が手にあるのだ!』

 

 

 

 すると、アグシュナ王妃の身体から黒い炎が発してその身を包んだ! 

 

 そしてその中から禍々しい大蜘蛛の姿の魔物が現れ出た!! 

 

 

 

「ひぃっ!? クモのバケモノ!?」

 

『くっはっはっはっ!! 

 

 お前たちには礼を言わなければなるまい! 

 

 私を封印から解き放ち、この聖地にまで手引きをしてくれたのだから! 

 

 よって、お前たちには名誉ある死を与えようっ!!』

 

「来るぞ! みんな構えろ!!」

 

「キュウスケ! 王を頼む!! 

 

 この者は我々が倒すっ!!」

 

「おっおうわかったっ!! 

 

 死ぬんじゃねえぞ! 外から援護してやるから安心しろっ!!」

 

『無駄なことを……お前たちの悲鳴はこの大陸から産まれ落ちる破滅と暗黒の産声となるであろう!!』

 

「そんなのまっぴらごめん被るっ!! 

 

 リタの思いと夫妻の仇、果たさせてもらうっ!!」

 

 

 

 アルス・サモン・レオナ・ポップ・メルル・フッキー・リュウ達は「怪蟲アラグネ」との戦いが始まった!! 

 

 

 

 




次回
黒幕「怪蟲アラグネ」

キュウスケの話
わかる人はわかるネタでありネタバレである。
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