DRAGON QUEST 竜の騎士と神々の世界   作:梟帥

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永遠の地下迷宮にて、水の柱に囚われたマァムとウェディの女性たちがいた。
彼女たちを助ける為に‘刹那の歌’が眠るとされる「詩歌の遺跡」に向かった一行。
‘仲間を助ける’‘彼女を助けたい’
その想いを一心にアルス一行とオーディス王子は詩歌の遺跡に足を運んだ・・・。



ヴェリナード-第五幕〜詩歌の守り手〜

詩歌の遺跡

 

 

 

「ここが詩歌の遺跡か……」

 

 

 

 詩歌の遺跡に到着した一行。

 

 そこには水響が響き渡る洞窟であった。

 

 

 

「そうだ、エリーゴさんが言っていた‘詩歌の遺跡’だ。

 

 ここの奥に‘刹那の歌’が記されている石碑があるんだ」

 

「つまり、ここでお目当ての‘刹那の歌’を覚えれば……!」

 

「そう……その歌の歌詞をその身を継げば、彼女たちを救えます」

 

 

 

 サモンの言葉に一行は士気が上がった。

 

 

 

「ここ詩歌の遺跡にある石碑は、ヴェリナード王家に伝わる歌全てが記されています。

 

 かの‘恵みの歌’もその一つです」

 

「へえ?」

 

「遺跡の北側から調べましょう。

 

 他にもあるかもしれませんが、重要なのは‘刹那の歌’です。

 

 北側から順に調べましょう」

 

「そうだな、魔物もいるみたいだしね……?」

 

 

 

 オーディス王子とアルス一行は北の通路を通って調べ回った……。

 

 

 

「…………」

 

 

 

 一方、メルルはレオナと共に調査していた最中……。

 

 

 

「……メルル? どうしたの?」

 

「……いえ、その……彼女のことで……」

 

「彼女? キャスランのこと?」

 

「彼女、占い師や考古学者って言っているのに()()()()()の」

 

「詳しすぎる……?」

 

「刹那の歌ならまだしも……どうして彼女は永遠の地下迷宮を……それも()()()()()()()()()()()のかなって……」

 

「……? でも、それって調べたから……。

 

 ……!」

 

「そうなの、仮に調べていたのならあの地下迷宮の奥の部屋に入るには王家の鍵がないと開けられない扉がある。

 

 なのにどうして彼女は()()()()()()()()()()()()のかが……」

 

「それが、詳しすぎるって話なの?」

 

「ええ、でも変に言ったら足取りが悪くなるのと……」

 

「……メルル、その話はこの遺跡から出た後にしましょう。

 

 それに、サモンさんならこの話を聞いてくれるかもしれないから」

 

「……そうね、その方がいいわね」

 

 

 

 二人は疑問を心中に収め、調査を再開した。

 

 その時、ポップは刹那の歌に関する石碑を見つけたことで捜査は発展したのであった……。

 

 

 


 

 

 

詩歌の遺跡:詩歌の間

 

 

 

「ここだな? ポップ?」

 

「ああ、ご丁寧に石碑が書き記していた部屋そのものだ。

 

 ここに‘刹那の歌’が記された石碑があるってな……」

 

 

 

 一行は、ポップと共に詩歌の間に入った。

 

 辺りを見回し、詩歌の間にある石碑の中に一際目立っている大きな石碑があった。

 

 

 

「ん?」

 

「あれは……?」

 

「アルス君、ポップ君? 何か見つかったのか?」

 

「オーディス王子!」

 

「……ん?」

 

 

 

 その時、オーディス王子は一際大きい石碑を見た……。

 

 

 

「あの石碑は…………? 

 

 もしや、あれがそうなのか?」

 

「いや……調べて見ないと……」

 

 

 

 サモンは石碑を調べた。

 

 

 

「……王子、これは()()()です!」

 

「本当か!」

 

 

 

 オーディス王子は石碑を見つめた! 

 

 

 

「おお…………! この石碑には、‘刹那の歌’の内容が書かれている!」

 

「本当か!」

 

「ああっ! この内容を読み取れば、ぼくは刹那の歌を覚えられる!!」

 

 

 

 石碑の発見を喜ぶその時!! 

 

 

 

「うわぁっ!?」

 

 

 

 石碑の大座が揺れ始めた!! 

 

 

 

「なっ何が起こった!?」

 

 

 

 石碑の台座が砕かれ、その中から大蟹の魔物が現れた!! 

 

 

 

『我が名は‘詩歌の守り手’。歌を見守り、歌を育む者なり。

 

 王家に伝わりし詩歌を求める者は、そのチカラを我に示さねばならぬ』

 

「なっなんだぁ!?」

 

「これは……!!」

 

「なるほど、番人に歌を歌えるだけじゃなく戦える力があるかないかを示せというわけか!」

 

『……この感じ、王家の者か。

 

 汝が歌を求める理由は問わん、我に挑む者は名乗り上げよ!』

 

「だってよ?」

 

「……ならば、僕が行こう!」

 

「オーディス王子!?」

 

「王家の者として、歌だけでは務まらない! 

 

 ここが正念場だっ!!」

 

「……だったら加勢するぜ! 

 

 多い方が勝算あるだろ!」

 

「同感ですね! 

 

 メルルさん! フッキー君! リュウさん! キャスランを頼みます!」

 

「はいっ!」「えっ!? わっわかった!!」「心得た!」

 

「ポップ! 呪いの調子は!」

 

「ああっ! なんとか!!」

 

「私も加勢するわっ!」

 

『汝たちか……名を名乗れ!』

 

「ヴェリナード王国王子オーディス!」

 

「アルスだ! 旅の戦士だ!」

 

「サモン! 叡智の冠所属の賢者です!」

 

「レオナよ!」

 

「大魔道士ポップだ!!」

 

『ふむ、それが汝らの名か。

 

 我を相手をする者たちよ、そのチカラをこの我に存分に示すがよい!!』

 

 

 

 アルス・サモン・ポップ・レオナ・オーディス王子は詩歌の守り手との戦いを開始したっ!! 

 

 

 


 

 

 

詩歌の守り手が現れた! 

 

 

 

『見せてもらおう、汝たちのチカラを!』

 

 

 

 詩歌の守り手は大きなハサミの腕を振りかぶった!! 

 

 

 

「うおっ!?」

 

「危なっ!?」

 

「なるほど、見掛け倒しじゃないってわけだな! 

 

 行かせてもらうぜ!!」

 

 

 

 アルスは攻撃を仕掛けた! 

 

 詩歌の守り手はアルスの攻撃を防いだ!! 

 

 

 

「硬えっ!?」

 

「これは……!? 普通の攻撃では通じないのか!?」

 

「いや、わからねえ! ものは試しだ! メラ!!」

 

 

 

 ポップはメラを唱えた! 

 

 詩歌の守り手はポップの魔法を防いだ!! 

 

 

 

「嘘だろ魔法も!?」

 

「なるほど、番人は番人でも伊達じゃないってか!」

 

 

 

 サモンは自身の武器を魔力を込めて斧の形状を作り、切り掛かった! 

 

 しかし、詩歌の守り手はそれを防いだ!! 

 

 

 

「そんな!?」

 

「…………なるほど、魔力耐性込みか。

 

 なら半端は許されないって感じだな?」

 

「半端は許されないか…………? ならばっ!」

 

 

 

 オーディス王子ははやぶさ斬りを繰り広げた!! 

 

 詩歌の守り手は防いだ! だがダメージは通じた!! 

 

 

 

「その剣!?」

 

「‘はやぶさの剣’です。

 

 魔法剣の中でも最も人気と信頼が厚く使われている剣です!」

 

 

 

 オーディス王子ははやぶさの剣の攻撃を繰り出した!! 

 

 

 

「はあぁぁぁっ!!!」

 

「はやっ!?」

 

「はやぶさの剣。

 

 ‘はじゃの剣’と‘ふぶきの剣’等がありますが、その中でも人気の魔法剣が‘はやぶさの剣’です。

 

 はやぶさの如くに一振り二回分の攻撃ができます」

 

「そんな剣が!?」

 

「まあ、あなた方の世界にはあるかどうかはわからないけどね? 

 

 まあ、立ち話は後からでもできますからね!!!」

 

 

 

 サモンは降魔の杖に斧の刃から槍の刃へと変わった!! 

 

 

 

「とにかく、この戦いの主役はオーディス王子だ! 

 

 いいですね!」

 

「ああ、わかった!!」

 

 

 

 詩歌の守り手との戦いは接戦を繰り広げていた。

 

 大きなハサミの腕を振りかぶりながら、オーディス王子との攻防の一進一退を展開していた。

 

 

 

「はあぁぁぁっ!!」

 

 

 

 オーディス王子はさみだれのはやぶさを繰り出した! 

 

 

 

『見事。だが、一撃とは言わぬっ!!』

 

 

 

 詩歌の守り手はハサミの腕を尖らして刺突攻撃を仕掛けた!! 

 

 

 

「くっ!」

 

 

 

 オーディス王子は刺突攻撃を躱した! しかし勢いが強く体勢が崩れた! 

 

 

 

「オーディス王子!」

 

「っ! すまない!」

 

 

 

 オーディス王子は姿勢を立て直した。

 

 

 

「大丈夫か?!」

 

「ああ!」

 

 

 

 オーディス王子とアルスは剣を構え直した! 

 

 

 

「オーディス、できる剣技はある?」

 

「この剣込みでとなると技はまだ……」

 

「そうか……でもその剣でも匹敵するものはある。

 

 それに賭けよう!」

 

 

 

 オーディス王子は構え直した! 

 

 

 

「いくぞ!」

 

 

 

 オーディス王子とアルスは剣に闘気を込めた! 

 

 

 

「はやぶさ・疾風!」

 

 

 

 オーディス王子ははやぶさの剣にバギを纏わせて斬撃を放った! 

 

 

 

「いい線!」

 

 

 

 オーディス王子のはやぶさ・疾風を追い、アルスの剣に雷の魔法を纏わせた! 

 

 

 

「雷神剣!!」

 

 

 

 アルスの雷神剣とオーディス王子のはやぶさ・疾風の相乗効果で詩歌の守り手にダメージを与えた! 

 

 

 

『っ! 見事なり……なれど力及ばず!』

 

 

 

 詩歌の守り手は力を溜めて大振り攻撃を仕掛けた! 

 

 

 

「うおっ!?」

 

「アルス! オーディス!」

 

「二人とも! 大丈夫!?」

 

 

 

 レオナはふたりにベホイミをかけた。

 

 

 

「くっ! ……僕らのれんけいでも及ばないのか……!」

 

「でも、いい線であることは悪くないだろ?」

 

 

 

 アルスとオーディス王子は姿勢と構えを直した。

 

 

 

「今のをもう一度やれば……勝ち目あるな?」

 

「え!?」

 

「ポップ、身体の調子は?」

 

「え? ……大丈夫だ、何をする気だ?」

 

「何,簡単な話だ。

 

 ポップ、俺と王子の剣にメラとヒャドをかけられるか?」

 

「え?」「なんだって?」

 

 

 

 アルスはポップに耳打ちをした。

 

 

 

「……!」

 

「できるよな?」

 

「そんな……! だけど、上手くいけば確かに……!」

 

「難しい……その通りだ、だけどやらないといけないよな?」

 

「…………」

 

「俺の剣にヒャドを頼む! メラは王子の剣に!」

 

「わかった!」

 

 

 

 ポップはメラとヒャドの魔法をふたりの剣に付与させた。

 

 

 

「魔法剣……こんな高度な剣術を!?」

 

「そういうお前こそ、上手く扱えているじゃないか?」

 

 

 

 アルスとオーディス王子は魔法剣を構えた! 

 

 

 

「タイミングは難しいかもしれない! けど、そんな難しくする必要はない! 

 

 俺の後に振るうだけだ! それで十分!!」

 

 

 

 アルスは猛突進して守り手に向けて魔法剣を振るった! 

 

 

 

『ぬおっ!!?』

 

 

 

 すると、氷の柱が立った! そして守り手を凍らせて身動きが取れなくなった! 

 

 

 

「いまだっ! 王子!」

 

「ああっ!!」

 

 

 

 オーディス王子はメラをまとったはやぶさの剣を振るった、氷の柱はメラをまとった二振りの斬撃によって爆発する。

 

 その爆発のダメージは守り手に決定打を与えた! 

 

 

 

「どうだ!?」

 

 

 

 その時、爆発の中から守り手が現れた。

 

 

 

「!?」

 

「今の一撃でもダメってか……!?」

 

『王家の血を引くものよ』

 

「……?」

 

『汝の戦い、見事なり』

 

「え?」

 

『我はこの数100年間、王家の連なる者たちにチカラを見てきた。

 

 汝は良き仲間に巡り会えた、王たるものに必要なのは「繋がる心」なり。

 

 見ず知らずのものを如何なる形であれ、汝に王の心を見た』

 

「……それって!?」

 

『うむ……』

 

 

 

汝を認めよう

 

 詩歌の守り手の名において

 

「刹那の歌」を読むことを,ここで認める

 

 

 

「……っ!」

 

「つまり、チカラを示したから読んでも良いってわけか?」

 

『うむ』

 

 

 

 守り手のその一言は、歓喜の声が上がった。

 

 

 

『王家の子よ、そなたの勇気と繋がる心を忘ることなく精進せよ。

 

 願わくば、おぬしが真に詩歌を継ぎし者となることを、我は望む。

 

 さあ、詠むが良い「刹那の歌」を……』

 

 

 

 詩歌の守り手はそう言い、眠りについた……。

 

 

 

「ありがとう、さすがだな? アルス君。

 

 それに、皆がいてくれて本当に助かったよ」

 

 

 

 オーディス王子は詩歌の石碑を読み始めた

 

 

 

「詩歌の守り手よ。

 

 僕はヴェリナードの王子として、真に詩歌を継ぐ者になると約束しよう。

 

 ふむ……これが、刹那の歌か……」

 

 

 

 詠む最中に、突然オーディス王子の脳裏にフレーズがよぎってきた! 

 

 

 

「おお…………! 歌が……! 歌が頭の中に流れ込んでくる……! 

 

 …………よし、覚えた!」

 

「!!」

 

「じゃあ……これで!」

 

「ああ、これで僕は彼女たちを救える! 

 

 行こう!」

 

「ああ!」

 

「よっしゃあっ!!」

 

「そうと決まれば、急ぎましょう!!」

 

「ああ、それならば君たちも立ち会ってほしい。

 

 もとより、此度の目的は彼女たちの救出だ! 永遠の地下迷宮に行こう!」

 

 

 

 オーディス王子の掛け声で、一行は遺跡を急ぎ出た。

 

 その時守り手はゆっくりと元いた台座に戻って眠り直した……。

 

 

 

 ⦅竜の騎士よ……王家の未来を託したぞ……⦆

 

 

 




次回
永遠の地下迷宮の真実
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