その後に来たラミザの登場に呆れ返るものの、天魔クァバルナ討伐を果たした為に被害は出さずに終わった。
アルス一行はキーエンブレムを得る為にドルワーム王国に戻った。
天魔クァバルナ討伐の報せは王国全土に知れ渡っていた。
あたかも英雄の帰還の如くの凱旋があり、国民たちと冒険者たちはアルス一行とラミザとドゥラ院長たちの生還に歓喜の声があがっていた。
「満更でもないけど……なんか恥ずかしいな?」
「誰だってそうですよ? 英雄というのは‘成っていく’者。
勇者もこうしてという話ですよ?」
アルス一行とラミザとドゥラ院長たちはそのまま王宮へと入っていった……。
天魔クァバルナ討伐の報せは、王家全てにも伝わっていた。
「よくぞ戻った皆のもの!
見事クァバルナを倒した!!」
「はっ!」「はい……」
「話は使いの者たちから聞いている。
アルスよ、まさかあなたが竜の騎士だったとは……!」
「はい……」
「うむ……事情があったが故に身分を隠していたとはいえ、知らなかったとはいえ……すまなかった……」
「いえ、敵を騙すにはまず味方からというものです」
「……そうであったな、サモン様。
……アルスよ、そしてその仲間たちよ。
此度の我が家臣の不始末で、そなたたちに迷惑をかけたようだ……」
「いいってことよ、終わりよければすべてよしって言うしな?」
「うむ……では、そなたたちの働きと勇気をたたえ……」
その時、太陽の石に異常が起きた!!
「っ!?」
「なっなんだ!?」
「太陽の石がっ!?
いったい何が起こったのじゃ!?」
「こっこれは……!」
「恐れながら、国王様。
一部太陽の石になりきれなかった魔瘴石があり、それが悪さをしているのでしょう」
「なんだって!?」
「……では、どうすれば!」
「この暴走を抑えるのです!
太陽の石を制御できるのは
「ドゥラ!?」
「私が止めてみせましょう!
それが、私がこの国の王子であるという何よりの証になる!」
「なるほど……だが……」
「ムダじゃ! お前は王家の者ではない!」
「っ! なぜ……なぜ認めない!!
国のために子を捨てたのでしょう!
正しいことをしたと思っているのなら、認められるはずです!!」
「……!」
「……だが! 子を捨てた罪は、決して消えない!
私の恨みは、消えることはない……!!」
「ドゥラ……」
ドゥラは己が持つ力の全てを出して太陽の石の制御を試みた!
「止まれ! 太陽の石よ!
暴走を止めるのだ!!」
だが…………太陽の石の暴走は止まらなかった……。
「……っ! なぜだ……? なぜ、止まらない!?」
誰もが目を疑う光景、ウラード国王は口を開いた……。
「ドゥラ、よく聞け……。
わしが……かつて捨てた子は……」
「っ!?」「えっ!?」
「はぁ!?」「なんですって!?」
「女……!?」
ドゥラはその言葉を聞き、自信喪失してしまった……。
「…………。
……国王様っ!! チカラをお貸してください!!
早く太陽の石を抑えないと、お城が吹き飛んでしまいます!」
「うむ!」
太陽の石は一段と輝きを増した!
ウラード国王は太陽の石を抑えるために力を放った!
しかし、太陽の石の暴走は止まらなかった……!
「止まらぬぞ…………!
わしのチカラだけでは足りぬのか!?」
「いえ! あと2人分いれば!! 国王様とその子供たちの力を持ってすれば!!」
「っ!」
「それなら……!
ラミザ王子! ラミザ王子もチカラを貸してください!」
「うう…………ううう…………」
「ラミザ王子!?」「ラミザ!?」
「ううっ…………。ドゥラくんかわいそう…………。
ここまで……一生懸命…………。
がんばってきたのに…………うう……!
ボクより……王子らしいのに……!
王子じゃないなんて…………!」
「ラミザ! 泣いている暇か!!」
「そうです王子! お願いです!
チカラを貸してください!!」
「……ボクには無理だよ!
ドゥラくんのように才能が無いのに!
戦うチカラも勇気も持ち合わせていない!!
こんなボクに何ができるっていうんだ!!」
「っ! ……!」
チリは何か意を決したかのように行動した!
「ラミザ王子っ!!」
チリは太陽の石の暴走を抑える為にチカラを発した!
そして、その右手のひらには
「っ!?」
「チリ!?」
「チリ……それは!?」
「まっまさか、キミが!?」
「お願いします、ラミザ王子!
あなたのチカラが必要なんです!!」
「……っ!」
ラミザ王子は意を決してチカラを発した、しかしそのチカラは弱かった……。
「どうしよう……! これでも治らないなんて……!
このままじゃ、城ごと……私たちは……!!」
「……っ!」
その時、アルスは竜闘気を解放して太陽の石の暴走を抑えた!!
「アルス!?」
「アルス様!?」
「何やってるんだ、ラミザっ!!
お前がここで火事場の馬鹿力を出さないと! ドルワームがぶっ飛ぶぞっ!!
一国一城の次代が、ここで怖気て震えたら未来はないぞっ!!」
「……っ!
アルス……様……!
…………くっ!」
ラミザ王子はその名の通り火事場の馬鹿力を出して持てるチカラの全てを出した!!!
そして、見事に太陽の石の暴走は止まって正常に活動した。
「やったぁ!!」
「太陽の石が……!」
太陽の石の暴走が止まったことで、アルス一行とその仲間たちは大歓喜した!
「い……今のは……ボクの…………あれ?」
「ラミザ……!」
「ラミザ……やりましたね!」
太陽の石の暴走をくい止められたことで、その場にいた人たちは歓喜の声が溢れかえった。
「ラミザ王子! すごいです!!」
「チリ……? じゃあ……これ、ボク自身が?」
ラミザ王子が驚く中、ウラード国王はチリに駆け寄った!
「チリ…………と言ったか?
わしに……顔を見せておくれ」
「…………はい」
「…………そうか。
お前……だったのか」
「すまなかった…………。
あの時、わしはお前を手放す以外に国を守る方法ないと信じておったのじゃ。
……だが、結果的に多くの者たちをキズつけ……その上この国に新たな悲劇を生んでしまった。
わしの選択はまちがっていたのじゃな……」
「…………」
「……チリよ、厚かましいことかも知れぬが……この王宮で一緒に暮らさぬか?
亡き王妃も……妻がお前を手放したことを……ずっと気に病んでおった。
どうじゃ?」
ウラードの言葉を聞いたチリは……。
「ありがとうございます、国王様。
ですが…………王宮の生活は、きっと私にはあいません。
私の父は、ガタラに住む養父だけ。
変わり者だけど、愛情込めて育ててくれました。
私は、彼のように自由に生きたいのです」
「……! そうか……。お前が空を望むなら受け入れよう……」
「その言葉、ガタラのお城の親父が聞いたらどうコメントするんだろうな?」
「さあな? ……だが、その言葉を聞いて涙流さない親はいるまい?」
ゲンゴロウとヒュンケルは、そんな彼らの光景を見て雑談していた……。
「……あれ? ドゥラくん? どこへ行くの?」
「…………ウラード国王、これまでの数々の暴言をお許しください。
私はもう二度と、ドルワームの土を踏みません。
己が驕り高ぶりによって、国を危機をもたらした責を取る為に辞任をします……」
「待てよ、そんな勝手は許されるものじゃないよ?」
「サモン様……。ですが、私は……」
「サモン様の言うとおりよ、ドゥラ院長!
院長の代わりになるような研究者はどこもいません!」
「チリ……?」
「そうじゃぞ、ドゥラよ。
仮にクァバルナの入れ知恵がなくとも、お主は太陽の石を創り出すという偉業を成したのだ。
これをそなたしか為し得なかった偉業じゃ!」
「…………! ……ありがとうございます…………チリ……ウラード国王様……」
「ドゥラよ、そなたにはこれからも王立研究所の長であることを命ずる。
ドルワームのため、チカラを貸してほしい」
「は…………はい!」
「……さて、忘れてはならないのは其方たちじゃ」
「ウラード国王様……」
「竜の騎士アルス、そして叡智の冠のサモン。
そして、その仲間たち。
見事、天魔クァバルナを葬ってくれた!」
ウラード国王の言葉に、家臣一同は拍手があがった。
「竜の騎士アルスよ!
率いるものたちの代表であるそなたに、このウラード国王の名において‘金のキーエンブレム’を与えよう!」
「おおおっ! これがっ!!」
「金のキーエンブレム……!」
一行は金のキーエンブレムを手に入れたことにより歓喜の声があがった!
「また、今後は水晶宮の中にあるドルワーム鉄道駅を許可しよう。
そなた達の旅に、大いに役立てるがよい!!
ドルワームに平和をもたらしてくれた、すべての者たちに感謝する」
「はいっ!」
「そなたたちの未来に、明るい太陽の光が降りそそがんことを!」
こうして、ドルワームで起きた出来事は大陸全土からアストルティアに知れ渡った。
そして、一行は宿屋に集まった……。
宿屋にて。ヒュンケル達との再会を喜び、そして語らいあっていた。
「会えてよかったよ、ヒュンケル……」
「お互い様だな?」
「無事でよかった……!」
「ああ……」
(ヒュンケル……ラーハルト……。
マァムさんと同じ‘鎧の武具’を使う戦士……)
アバンの使徒の中でも強者の部類に入る戦士。
ラーハルトはヒュンケルと五分の強さを持つ戦士として聞いている。
かつて
速さにおいては随一で、ヒュンケルと烈戦を繰り出した強者だって話だ。
「さて、俺とマァムにヒュンケルとレオナ……。
こうして揃ったんだ、あとは「クロコダイン」達だな?」
「クロコダイン……そして……」
「チウとヒムね?」
アバンの使徒は揃った、そして完全に仲間を揃うには「クロコダイン」達の合流が必須。
クロコダイン・チウ・ヒム、この三人が揃えばチームの完成を意味する。
「プクランド・エルドナ・ウェナ・ドワチャッカ。
これらの大陸で俺らと出会ったんだ、これなら消去法で確定するな?」
「ええ」
「そうね」
「だな?」
アバンの使徒の四人は口を揃えて発した。
アストルティア五大陸の一つにして「オーガ」の国。
エルフ・ウェディ・プクリポ・ドワーフ等種族と同じ「五種族」である。
力強く逞しく,鬼の如くの強さを持つと言われていることで有名な種族だ。
そして、オーグリード大陸は北は雪原・中央は荒野、南は岩石と乾燥地帯が名所だ。
「振り返ると、他人から話を聞いたり頼りの繋がりで仲間を見つけられたけど。
最後はもう消去法だよね?」
「そうだよな? これで見つけられなかったら水の泡なんてのはやめてほしいと願いたいよ?」
「そう思うなら、行動あるのみだ。
一休み済んだら行こう!」
「だな!」
そうして、一夜が明けた……。
「……みんな、準備はできてる?」
「ええ!」
「もちろんよ!」
「言われるまでもないさ!」
「ああ、それより……。
アルスと言ったな? 改めて自己紹介しなければな?
俺の名は「ヒュンケル」」
「ラーハルトだ、よろしく」
「ああ,よろしく!」
「行こう! オーグリード大陸へ!!」
「ああっ!」
「おうっ!」
「ええ!」
こうして、一行は大陸鉄道に乗って「オーグリード大陸」に向かった!
次回
最後の仲間